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629: 名無しさん 2021/01/02(土) 19:07:18 ID:
明けましておめでとうございます!
マスター×誓約カシウスの全年齢版です。
手に入れたばかりの誓約カシウスが可愛い過ぎたので、勢いで書きました。
誓約カシウスをお迎え出来ている方は、脳が蕩けるので是非とも彼女のボイスを聞いてあげてください。

630: 名無しさん 2021/01/02(土) 19:09:06 ID:

カシウス・誓約・ウロボロス。

ティファレトは救済を、フェイルノートは覚悟を、私はウロボロスに「普遍的な平和の実現」を目指して思考を続けることを誓い、新たな力を得た。

世界が平和になり、マスターの隊に入って数カ月が経つ。

取り戻した平和を普遍のものにするのが今の私の役目。

その足掛かりに、「幸せ」とは何かを考えることにした。

自分の記憶の中にある幸せを探す。

地上で親しくなった村人と暮らしていた頃を思い返した。

「……彼女は結婚という契りを結んでいたわ。とても、幸せそうだった」

そして、何故だか羨ましいとも思った。

「…………?どうして、御館様の顔が浮かぶの……?」

分からない。

分からないけれど、御館様との子を抱く自分の姿を想像して胸がポカポカと暖かくなってきた。

「これが、幸せ…、なの…?」

思考は巡る。

ぐるぐる、ぐるぐる。

考えても、答えは出なかった。

631: 名無しさん 2021/01/02(土) 19:09:44 ID:

「御館様、話がしたいの。少し時間を貰ってもいい?」

「ん、いいよ」

皆と昼食を食べ終えた後で御館様に声を掛けた。

「御館様、私と久遠の契りを結んでみない?」

「…………えぇっと?」

御館様には、私の言ってることの意味が伝わらなかったみたいだ。

言葉を変えて、同じ想いをぶつけることにした。

「大切なことだから、もう一度伝えるね。私と結婚してみない?」

「ぶふっ!」

私の言った事をキチンと理解できていないのか、何故か御館様が吹き出した。

「私の言葉、ちゃんと伝わってる?御館様、結婚って言葉は理解できる?」

「それは僕の台詞だよ……。カシウス、何で急にそんなことを…?」

「幸せを理解したいの。御館様となら幸せになれる気がする…。だから、お願い。私と結婚して」

「あ、はは……」

御館様は苦笑いし、私の頭を優しく撫でた。

「形だけの結婚じゃ幸せになれないと思うよ。カシウスに結婚の事を教えてくれた人も、お互いを好き合って結婚してたんじゃないかな?」

「私は……」

御館様が好き、と続けることは出来なかった。

御館様の私に対する気持ちを、私は知り得なかったから。

知りたい。

どう思われているのか。どう思ってくれているのか。

「カシウス?」

「…………なんでもない」

聞けなかった。

聞いてしまったら、御館様が今みたいに頭を撫でてくれることがなくなってしまう気がしたから。

632: 名無しさん 2021/01/02(土) 19:10:23 ID:

部屋に戻り、枕を抱いてベッドに転がる。

思考の海に溺れていく。

さっきは、御館様の私への気持ちを聞きたいのに聞けなかった。

度し難い程に矛盾している。

いや、もしかしたら違うのかもしれない。

知りたいのに、聞けなかった。

分からない。

思考は巡る。

巡り続ける。

「…………そっか」

御館様の気持ちは分からないけど、一つだけ納得した。

「私、御館様に好かれたいのね……」

ずっと御館様の事が気になっている自分に気づいた。

彼のことを考え出すと頭が回らないのに、思考はぐるぐると巡り続ける。

御館様の手は大きくて暖かい。

御館様の声を聞いてると安心する自分が居る。

御館様の隣は居心地がいい。

「……?」

ふと、胸が締め付けられた様に息苦しくなった。

もし御館様の「好き」が、他の姫に向けられていたら。

それを知ってしまって、今までの距離を保てなくなったら。

考えれば考える程に、胸が痛くなっていく。

「……どうしたら、御館様に好きになって貰えるのかしら?」

コンコン、とノックの音が思考を遮った。

「どうぞ」

「カシウス、お邪魔してもいい?」

耳に届く彼の声に、さっきまで息苦しさは嘘の様に無くなった。

代わりに、トクトクと心臓が主張をし始める。

身体を起こして、枕を抱いたまま「どうぞ」と言って彼を部屋の中に通した。

633: 名無しさん 2021/01/02(土) 19:13:26 ID:

「今、大丈夫だった?」

「ん…、構わないわ。少し、考え事をしてたの。御館様のことを考えてた」

「そっか」

御館様は照れた様に頬を指でポリポリと掻いた。

「少し、さっきのことが話したくて」

「うん。私も聞きたいことがたくさんあるわ。御館様、座って」

ベッドに座ったまま、手で隣をポンと叩く。

「えっと…」

「………座らないの?」

「ううん、座るよ」

御館様は少しよそよそしい様子で私の隣に腰を下ろし、ポツポツと話し始めた。

「結婚の話をした時に、カシウスは最後に何を言いかけたのか気になったから教えて欲しいんだ。カシウスが良ければだけど……」

「……今は、言えない」

「ん、そっか」

「御館様には、好きな人はいるの?」

「……気になっているコがいるよ」

聞いてしまった。

知ってしまった。

(もう、こうして御館様と居られるのも難しくなるのかな……)

胸の内を不安に巣食われ、気が付けば彼の服の裾をキュッと摘んだ。

「告白はするの?」

「今からしようと思ってる」

「……少しだけ待って」

「……うん」

御館様の表情が暗くなった。

もしかすると、御館様は私の気持ちに気づいていて、今からそれを打ち明ける事に後ろめたさを感じているのかもしれない。

その考えに至った途端、また胸がギュッと締め付けられた。

634: 名無しさん 2021/01/02(土) 19:15:04 ID:

今ここで彼への想いを口にしないまま失恋すれば、きっと後悔する。

「御館様、私の話を先に聞いてくれる?」

「うん」

「私は……、……」

震える唇をキュッと結ぶ。

告白がこんなにも勇気のいる事だとは知らなかった。

たった2文字。「好き」の一言を伝えることがままならない。

「カシウス……、無理に言わなくてもいいよ。僕にもなんとなく分かってるから……」

「……うん。でも」

言葉じゃなくても気持ちは伝わると思うから。

御館様の頬にソッと口付けをした。

「…………え?」

「私の気持ち、伝わった?」

ドキドキと動悸が激しくなる。

優しく触れ合っただけなのに、唇がすごく熱く感じた。

そんな私を、御館様が酷く驚いた表情で見つめていた。

「少しだけ待って、っていうのは……?」

「告白には勇気がいるの。私の言葉は、上手く伝わらないから…」

「あっ、そういう意味だったんだ……」

御館様は安堵の息を吐き、頬を綻ばせた。

「……どうして御館様は嬉しそうなの?」

「え!?」

「御館様には気になるコがいて、これから告白するのよね?」

「あ、うん。先に告白されちゃったけどね」

驚いたり、納得したり、御館様の表情がコロコロと変わっていくことが不思議でならない。

636: 名無しさん 2021/01/02(土) 19:16:25 ID:

「…………ぁ」

決定的に何かが噛み合っていなかったけど、どういう展開になっているのか思い当たり、その期待に声が漏れてしまう。

「告白、やっぱり今聞いてもいい……?」

「カシウス、好きだよ」

ギュッと枕を抱き締め、隣にいる御館様から視線を逸らした。

嬉しさで心臓がバクバクと暴れ出していた。

顔が熱くて堪らない。

きっと今の私は耳まで真っ赤になっている。

「結婚を頼んだ時、どうして頷かなかったの?」

「あはは…、カシウスが本当に僕を好きで言ってくれてるのか、自信がなかったから…」

「……御館様も、そうだったのね」

あの時、私も御館様に好きだと言うことが出来なかった。

「誤解して、すれ違って、何だかもどかしいね」

「うん。言葉で想いを伝えるのはやっぱり難しい。私と御館様がそうだった様に…」

相手に言葉を受け止めて貰うまでに、意味の劣化が著しくて上手く伝わらないから。

何度でも言葉を変えて、伝わるまで相手に想いを投げかけないといけない。

「御館様、好き」

「うん」

「……お慕いしてます」

「僕もだよ」

「……大切なことだから、もう一度伝えるね。ンっ…」

彼の首に手を回し、今度は彼の唇に口付けをした。

唇が触れ合う感触に、身体中が熱くなって、胸が苦しくなる。

その熱さと苦しさが、今は何よりも愛おしく感じた。

「ちゃんと伝わった?」

「……まだ分からないかもしれない」

「それなら、伝わるまで何度でもするから。御館様、私を受け止めて…」

言葉は上手く伝わらない。

想いを伝えたいのなら尚更。

だから、伝わるまで相手に想いを投げかけないといけない。

私が今感じてる幸せを、御館様も感じているといいな。

言葉の代わりに肌を重ねて、お互いの好きを何度も伝えあった。

637: 名無しさん 2021/01/02(土) 19:18:25 ID:

御館様と付き合い始めて、半年が過ぎた。

たくさん話をして、お互いの事を知って、愛し合った。

今はこうして御館様と隣り合ってベッドに座り、幸せについて話している。

「幸せって結局何なのかな?カシウスは答えを見つけられた?」

「……うん。私なりの答えを聞いてくれる?」

御館様は私の手を握り、首を縦に振ってくれた。

かつての私は「結婚」という形に囚われ過ぎていて、幸せとは何かを理解できていなかった。

でも、今なら分かる気がする。

「多分、明確な答えは無いと思うの」

きっとソレに、全てに共通する様な普遍的な答えはない。

「幸せは人それぞれ。ありきたりかもしれないけれど、これが私の答え」

「じゃあ、カシウスにとっての幸せは?」

他の人からすれば、「分かりきったことを…」なんて言われてしまいそうだけど。

私と御館様は言葉を重ねると決めているから、少し恥ずかしいけれど彼の肩に頭を預けて正直に答えた。

「……御館様の傍に居ることが私の幸せ。それに勝るものはないわ」

「そっか。僕も今が幸せだけど、一番幸せを感じる様になるのはもう少し先かな」

そう言って、御館様は懐から四角い小箱を出した。

「ーーー御館様、それ…」

御館様は私の左手を取り、小箱から取り出したものを薬指に通した。

言葉が詰まって、何も言えなかった。

薬指に通された銀色のソレは、久遠の契りを結ぶ為のモノだったから。

「あれから半年も経って今更かもしれないけど…、僕と結婚してくれませんか?」

溢れてくる想いを伝えようとしても、唇は震えるばかりで言の葉を紡ぐことが出来なかった。

自然と瞳に涙が溢れるのをよそに、コクリと頷いた。

嬉しくて流す涙もあるのだと始めて知った。

「ん…」

御館様に指で涙を拭われ、唇を奪われた。

幸せは人それぞれ、言葉は上手く伝わらない。

想いを伝えたいのなら尚更。

でも、今だけはきっと、御館様と同じ幸せを感じていると思えた。

「…御館様、私と久遠の契りを結んでくれる?」

「勿論」

幸せに、全てに共通する様な普遍的な答えはない。

それが恋であったり、愛であったり、人によって違うのかもしれないけど。

この胸の内を満たす暖かさこそがきっと幸せなのだと、そう信じて。

この暖かさを、御館様と共に育んだ。

fin

638: 名無しさん 2021/01/02(土) 19:26:01 ID:
誓約カシウスの王姫か匠姫が欲しくて手に入れるまでに2500個も石を溶かしましたが、その甲斐がある可愛さでした。
個人的にはイラスト、キャラクエ絵、ボイスが過去最高に好みなので、これからお迎えする皆様の元に彼女が訪れるのを祈ってます!
このSSを通して少しでもカシウスの可愛さ・魅力を感じて頂けたら嬉しいです!

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
※R18は需要があったら書きます。

kiji
2500個ってすごいですね...
凄まじく純愛SSですね~~!