OECD Education2030プロジェクトが描く教育の未来エージェンシー，資質・能力とカリキュラム : 厳選！オススメ書籍（ビジネス書、学術書、小説etc..）

OECD Education2030プロジェクトが描く教育の未来:エージェンシー、資質・能力とカリキュラム

OECDが2015年より開始した「Education 2030プロジェクト」。
これは、未来の教育の在り方を探求し、21世紀に必要とされるスキルと知識を明らかにするための壮大なプロジェクトです。
本書は、そのEducation 2030プロジェクトで用いられている概念を日本の読者向けに分かりやすく翻訳・文脈化してくれた一冊。
改めて読み直すとメモだらけに。それだけ今の自分にとって必要な多くの気づきと学びをいただきました。
「世界の教育が向かう方向性」について触れたい方には是非オススメしたい一冊です。

以下、自分用に目次にメモを加えて全体像を記録しておきます。

序章：コンピテンシーに関する議論の展開
1 コンピテンシーという概念
2 DeSeCoプロジェクトにおけるキー・コンピテンシー
　（1）DeSeCoプロジェクトの目的
　（2）キー・コンピテンシーの考え方
3 「21世紀型スキル」の時代
4 コンピテンシー重視のカリキュラム改革
　（1）ニュージーランドのカリキュラム改革
　（2）オーストラリアのカリキュラム改革
　（3）シンガポールのカリキュラム改革
　（4）韓国のカリキュラム改革
　（5）日本のカリキュラム改革
　・2017-18に行われた学習指導要領改訂も、コンピテンシー重視の動きに連なる
　・2015年からはOECDとの二国間PJが始まり、E2030における議論の状況も参考に検討が進められた
5 コンテンツとコンピテンシー
6 Education2030プロジェクトの背景と目的
　（1）OECD東北スクール・プロジェクト
　・E2030のきっかけは、東日本大震災とそれを契機にして行われたOECD東北スクール・プロジェクト
　・「東日本大震災で被災した、福島・宮城・岩手の3県の各地域から約100名の中高生が参加し、復旧にとどまらず、『新しい東北・日本の未来』を考え、東北地方の経済活性化に必要な産業やイノベーションを生み出すための人材育成」
　・プロジェクトの実施は、OECDと文科省の支援の下で、福島大学が地域の関係者と協働で行なった
　（2）Education2030プロジェクトの目的
　・東北スクール・プロジェクトの日本・OECD二国間から多国間プロジェクトとして、DeSeCoの再定義を目指すE2030プロジェクトを別途開始
　・テーマ①：生徒が未来を生き抜き、世界を形作っていくためには、どのような知識やスキル、態度及び価値観が必要になるのか（What）（第1期：2015-18年のミッション）
　・テーマ②：教育システムは、どのようにして、これらの知識やスキル、態度及び価値観を効果的に育成できるのか（How）（第2期：2019年以降のミッション）
　（3）日本・OECD二国間プロジェクト
　・キー・コンピテンシーの議論には、日本は参加していなかったため、得られる情報も限られていた
　・E2030には、日本はいち早くプロジェクトへの意思を表明（運営理事国のポストを獲得）
　・日本・OECD二国間プロジェクトとして、3つの支援体制の整備が行われた
　　①文科省とOECDの間での高官レベルでの直接的な政策対話の開催
　　②東京学芸大学に特別経費を支出し、同大学を日本側のコンピテンシーやカリキュラムに関する研究の拠点とする形でのOECDとの共同研究の実施
　　③OECDのEducation2030プロジェクトにも連動する学校や教師、生徒、研究者などを含めたネットワークとしてのInnovative School Network(ISN)の創設

第1章：2030年の世界
1 よりVUCとなる時代
2 2030年に向けたメガ・トレンド
　（1）社会における変化：移民増加、地球環境の変化、政府に対する信頼低下、テロやサイバー犯罪増加
　（2）経済面での変化：経済格差の拡大、雇用のオートメーション化、失業
　（3）個人レベルでの変化：家族形態の変化、肥満や自殺増加、政治への市民参加の低下
3 教育における「ニュー・ノーマル」
　（1）教育制度をエコシステム（生態系）の視点から捉える
　（2）開かれた意思決定を行う
　（3）一人一人の教育に（生徒自身も含めて）皆が責任をもつ
　（4）プロセスを重視して学習の評価・改善を行う
　（5）非線形の発達モデルを想定する
　（6）学習評価を学習の改善に活用する
　　①学習の評価（assessment of learning）：生徒の学習状況の評価
　　②学習のための評価（assessment for learning）：学習改善に繋げる評価（形成的評価）
　　③学習としての評価（assessment as learning）：自己の学習状況をメタ認知し、次の学習に繋げる
　（7）システム改善の視点から建設的・双方向的なアプローチを行う
　（8）生徒の能動的な学習への参画を重視する

第2章：Education2030 プロジェクトの背景と議論の経過
1 DeSeCoプロジェクトの見直し
　（1）DeSeCoの成果と課題
　・DeSeCoの研究成果に立脚しつつ、2030年におけるWell-beingを達成するためのコンピテンシーという目標を設定し、議論が行われてきた
　・課題①：キー・コンピテンシーが理論的・抽象的過ぎて、教室での実践やカリキュラム作りなどの政策立案に具体的な形で活用できず、実行可能性（actionability）に欠ける
　→E2030では、コンピテンシーの育成につながる具体的な方策についても検討を進めている
　　第二期では、評価、教育法、学校のマネジメントなどについての調査研究を行っている
　・課題②：キー・コンピテンシーの策定が、実質的にヨーロッパやアメリカ、オーストラリアといった特定の地域や国の研究者を中心に行われた
　→中国等OECD非加盟国に対してもプロジェクトの門戸を開き、理事も各地域の国がバランス良く参加
　（2）ウェルビーングという目標
　・過去には、経済に資するための教育という側面が強いとの批判もあった
　→経済的成長（Economic growth）から包括的成長（Inclusive growth）へと変化

これまでのコンピテンシーの議論は雇用可能性（employability）や生産性（productivity）の向上という視点が中心になっていた面がある。そうした社会経済の在り方を前提としたうえで、そうした社会経済の在り方に対応していくためにどのような力をつけていくことが求められるかが検討の中心だった。しかしながら、そうした形での教育の在り方についての検討は、社会・経済の在り方に、教育がどう対応していくかという、いわば「受け身」の議論である。より重要なことは、変わりゆく社会にどう対応していくかという受動的な姿勢ではなく、どのような社会を作り上げていくかという能動的な姿勢である。それが、「私たちが実現したい未来（The Future We Want」が合意するところであるし、後述するエージェンシの理念にもつながる

2 ラーニング・コンパスの策定に至る議論の経過
　（1）第一期前半での議論 - ターミノロジーとタキソノミーの整理
　・terminology：用語の使い方、taxonomy：分類法

・論点①：メタ認知をどのように整理するか
　・21世紀型スキルなどでも重要な要素として位置付け
　・DeSeCoにおいても「省察・振り返り」という形で、メタ認知が含まれていた
　→後にメタ認知スキルを認知的スキルの一環として整理することで合意が得られた
・論点②：社会的スキルや情動スキルをどのように整理するか
　・intra-personalとinter-personalは分けて整理することはしないこととなった
・論点③：態度などに関する側面を整理する際のラベリングの仕方について
　・characterは先天的な性格という意味合いが強いことから懸念が示された
　・最終的に、「態度及び価値観」という言葉で合意を得た
　（2）第一期後半での議論 - ラーニング・コンパスの成立
　・2016年5月に行われた第3回IWGまでの段階で、コンピテンシーの構成要素である知識、スキル、態度及び価値観という3つのドメインについては概ね整理を完了
　・その後の議論は、2030年に必要なコンピテンシーの具体的な内容に軸足を移す

・変更点①：目指すべき目標として、2030年におけるウェルビーングが位置付けられた
・変更点②：3つのコンピテンシーが具体的に示された
　「新たな価値を創造する力」「対立やジレンマに対処する力」「責任ある行動をとる力」
・変更点③：コンピテンシーの発達・育成のサイクルとして、AARサイクルの考え方が示された
・2017年10月の第6回IWGでは、図2-7が示された（これを簡略化したのがラーニング・コンパス）

・2019年5月にコンセプト・ノートにおいて図2-8が示された

　（3）「ラーニング・コンパス」の位置付け
・①コンパス：とした意味
　・「生徒が、単に決まりきった指導を受けたり、教師から方向性を指示されるだけでなく、未知の状況においても自分たちの進むべき方向を見つけ、自分たちを舵取り（navigate）していくための学習の必要性を強調する」（OECD, 2019）
・②学習枠組みとしてのラーニング・コンパス
　・評価枠組みやカリキュラム枠組みではなく、学習の本源的価値を示すもの
・重要点①：ラーニング・コンパスを「学習枠組み」としている点
　・家庭や地域コミュニティを含めた様々な学習の場面全体を通じて育成されるものである
・重要点②：「学習枠組み」であって、「評価枠組み」ではない点
　・「測定すべきコンピテンシー」とか、「測定可能なコンピテンシー」だけを整理したものではない
・重要点③：「学習枠組み」ではあるが「カリキュラム枠組み」ではない
　・人間性や価値観などに関するコンピテンシーの育成は、国によっては家庭の役割とされていることなども踏まえ、各国の様々な教育観を尊重した判断

第3章：エージェンシー
1 エージェンシーとは
　（1）エージェンシーの定義：変化を起こすために、自分で目標を設定し、振り返り、責任をもって行動する能力」（OECD, 2019）
・エージェンシーは多様な能力の集合（例：結果を予測、自らの目標達成に向けて計画すること、自分が使える能力や機会を評価・振り返ること、自分をモニタリングすること、逆境を克服すること等）
・単に自分たちの欲求を実現することではない。生徒が、その属する社会に対して責任を負うこと、また、そのことを自覚していることが、エージェンシー概念の基盤にある。
　（2）議論の経過
・エージェンシーの提案者：イギリスの文筆家、教育実践家であるチャールズ・リードビーター
・ダイナミック・ラーニングの基本となる4つの要素（Leadbeater, 2016）
　①知識、②自己に関するスキル、③社会的スキル、④エージェンシー
・研究者による分析や専門家グループでの討議が行われ、エージェンシーは必ずしも一人だけで発揮されるものではなく、共同で発揮されるものでもあるとして「共同エージェンシー（Co-agency）」の概念が提唱
　（3）用語の意味
・エージェンシーはもともとラテン語の"agere”（行う）に由来する言葉
・単に行動すれば、結果は問われないというものではない
・家庭、HR、学年、生徒会、部活動、地域コミュニティなど、それぞれの場において、自分ができること、すべきことを考え、行動していくといこと

2 エージェンシーの概念
　（1）エージェンシーと「主体性」
・エージェンシーとは、単に個々人がやりたいことをやることではなく、むしろ、他者との相互のかかわり合いの中で、意思決定や行動を決めるもの（教師の指示通りに行動することではなく、生徒による自発的な行動であれば何でも良いというものでもない）
・エージェンシーは学習することができるもの（learnable）であり、変えることができるもの（malleable）である
　（2）目標としてのエージェンシー、プロセスとしてのエージェンシー
・エージェンシーには「目標」の側面と「プロセス」の側面の両方がある
・コンピテンシーとしてのエージェンシー：獲得すること自体が目標となり得る
・獲得したエージェンシーを活用していくこと：学習のサイクルを改善背うるプロセスとして位置付け
　（3）様々な文脈におけるエージェンシー
　①エージェンシーが発揮される主な文脈
　・人生においてエージェンシーが発揮される主な文脈（Leadbeater, 2017）
　　①モラルについてのエージェンシー：自分は何をすべきか、したことは正しかったかを問い直す
　　②市民としてのエージェンシー：社会構成員の一人として、どのように社会を担っていくか
　　③創造性に関するエージェンシー：新しいものを生み出していくこと
　　④経済に関するエージェンシー：経済的に価値のある行動をしていくということ
　②逆境におけるエージェンシー
　・厳しい状況にいる生徒がエージェンシーを発揮できるよう、きちんと支援していくことが教育の役割
　③エージェンシーと文化的コンテクスト
　・国や地域の差異によって、エージェンシーの概念も変わり得る
　・エージェンシーの統一的な概念は存在しない。あくまでも、文化的・社会的なコンテクストを前提

3 共同エージェンシー（Co-agency）
　（1）共同エージェンシーとは
・「親や教師、コミュニティ、生徒同士の相互作用的、相互に支援し合うような関係性であって、共通の目標に向かう生徒の成長を支えるもの」
・「教師や生徒が、教えたり学んだりする過程において共同制作者（co-creatoers）となった時」に生じるもの（OECD, 2019）
・教師は、授業の在り方を一方的に決めるのではなく、教師と生徒が一緒に考え、作り上げていく（co-create）というプロセスが重要
・共同してエージェンシーを伸ばしていくためには、教師自身も、これまで以上に成長していくことが求められる
・エージェンシーのある教師は、「学習機会に受動的に応じていくというよりも、自分たちの職業的な成長であるとか、目標に向けた学習に関する選択を行うことを意識している」（Calvert, 2016）
・生徒をとりまく様々な人々が、共同エージェンシーの意識をもって、生徒と協働していくことが重要
・教師はもちろん、過程ヒャコミュニティの大人たち全体が、広く生徒のエージェンシーを育てていくことについて、責任を共有していくことが期待される
・「生徒、親、友人、教師が、教育経験を通じて、自分たちの発達を双方向的に共同して立すること（co-regulate reciprocally）」（Salmerla-Aro, 2017）

　（2）共同エージェンシーのレベル
・「ハートによる梯子モデル」（Hart, 1992）

・共同エージェンシーの太陽モデル

・梯子モデルは一方向的だが、太陽モデルでは行ったり来たりする循環的な関係を表す
・レベル0の沈黙以外は、基本的に、生徒は意思決定に参画しようとする意思をもっていることを表す
・エージェンシーのレベルが低い段階においても、潜在的に、生徒は共同エージェンシーが発揮できることを希望している

第4章：2030年に求められるコンピテンシーの要素
1 2030年に求められる「知識」
　（1）知識の類型
　・ラーニング・コンパスにおいては、「知識」とは、「世の中の特定の側面に関する確立された事実や概念、アイデア、理論などを含むもの」と定義
　（2）知識とスキルの関係：知識とスキルは切り離せるものではなく、両者は相まって発達するもの
　（3）教科の知識：「教科に固有の概念や詳細なコンテンツを含むもの」と定義
　・教科の知識を身につけることで、生徒は、より専門的な知識を獲得したり、新しい知識を創造したりすることができるようになる（教科横断的な知識、エピステミックな知識、手続的知識の3つの知識の類型の基盤になる
　（4）教科横断的な知識：異なる学問分野の知識同士を組み合わせることができる
　①教科の知識と教科横断的な知識
　・教科横断っ的な知識を獲得することで、ある知識を他の分野へと転移させることが可能になる
　②教科横断的な知識と「転移（transfer）」
　・「原理」の転移だけでなく、「性向（disposition）」を転移させることも重要
　　・原理：科学の原理が様々な場面で適用できること
　　・性向：日常生活の場面においても「科学的に考えるようになること」
　・OECDが検討しているカリキュラムデザインの原理の一つにも「転移可能性」が挙げられている
　・教科横断的な知識を育成するためのカリキュラム・デザイン上の工夫（OECD, 2019）
　　①キー・コンセプトやビッグ・アイデアに関する学習
　　②概念相互の関係性の特定：実社会の課題を採り入れることで、学問分野を超えた多様な概念の相互の関連性について学ぶことができるようになる
　　③テーマに沿った学習：
　　④教科科目の再編統合や新設
　　⑤プロジェクト型学習（PBL）
　（5）エピステミックな知識：知識が、様々な場面で実際にどのように活用されているかを学ぶ
　・E2030では、各教科の学問原理をどう捉えるのかという視点や考え方、手続に関する知識
　・各教科には、それぞれの学問分野に固有の考え方や原理・原則（ディシプリン）がある
　　・Think like a historian（歴史学者的に考える）
　（6）手続的知識：知識を活用するための様々なプロセスや方法について学ぶ
　・デザイン思考「新しい解法によって問題を解決していくことを支援する手続、スキルセット、あるいは心構え」（Goldman, 2017）
　①共感の形成、②問題の特定、③ブレインストーミング、④プロトタイプの作成、⑤テストとフィードバック

2 2030年に求められる「スキル」
　（1）スキルの類型
　・スキルとは「プロセスを実行したり、目標を達成するために自らの知識を責任ある形で活用することができる能力」（OECD, 2019）
　・知識、スキル、態度及び価値観は競合し合うコンピテンシーではなく、むしろ、「相互にかかわり合いながら育成されていくもの」（OECD, 2019）
　・ラーニング・コンパスでは、スキルを①（メタ認知を含む）認知的スキル（批判的思考力、創造的思考力、学び方の学習（learning to learn）（自己調整などを含む）、②社会・情動的スキル（今日完成、自己効力感、責任感、協調性を含む）、③身体・実用的スキル（新しいICT機器の活用を含む）、の3つに分類

　（2）認知的スキル
　①認知的スキルとその現代的な意義
　・認知的スキルとは、「言語や数字、推論や、獲得した知識の活用を可能にするような思考の方略の組み合わせ」（OECD, 2019）
　・非ルーティン的な仕事、特に対人関係スキルや分析的スキルを要するような仕事は急激に増加
　②メタ認知スキル
　・メタ認知とは「自らの学習について自覚しており、また、コントロールしている状態」（OECD, 2016）
　・メタ認知は学習していく過程に影響する（様々なコンピテンシーを発揮していくための前提）
　③スキルの更新と融合的スキル
　・融合的スキルとは「創造性やアントレプレナーシップ、技術的なスキルの組み合わせであって、新たに登場してくる新しい職業へのシフトを可能にするスキル」

　（3）社会・情動的スキル
　・「非認知スキル、ソフトスキル、性格スキルなどとしても知られ、目標の達成、他者との協働、感情のコントロールなどに関するスキル」（OECD, 2015）
　・E2030においては、社会的スキルと情動的スキルを統合的に捉える

　（4）身体・実用的スキル
　・「物理的な道具や一定の手順、機能などを使いこなす力」（OECD, 2016）
　①身体的スキルと認知的スキル
　・「芸術分野において身体的な能力を獲得するためには、相当な認知やメタ認知のプロセスが生じる必要がある」
　・芸術的な活動を行うことが認知の改善につながったりする
　②実用的スキル
　・実用的スキルの多くが「模倣学習（mimetic learning）」と呼ばれる、模倣や観察、繰り返しなどによって身につけられる
　・いったん身につけてしまうと、かんらずしも意識をして行うということがなくなってくる
　③心身の健康の重要性
　・幼児期の基本的な運動スキルの発達や運動能力といったものが、その後の認知作用や学力に影響するといった研究成果も出されている（OECD, 2019）

3 2030年に求められる「態度及び価値観」
　（1）態度及び価値観の重視へ
　①態度及び価値観を重視する国際的な動向
　・コンピテンシーを十分に発揮していくためには、知識とスキルだけでは不十分
　・ラーニング・コンパス自体が、必ずしも学校教育のみを対象とした枠組みではなく、家庭教育や生涯学習をも視野に入れた学習枠組みであるとの性格が示されたことから、態度及び価値観をコンピテンシーの要素の一つとすることで合意が得られた
　②態度及び価値観の意味
　・「個人や社会、環境に関するウェルビーングの実現に向けて行う、個人の選択や判断、ふるまいや行動に影響を与える主義や信条」（OECD, 2019）
　・価値観とは、公私を問わず、人生のあらゆる場面において、意思決定を行うに際して人々が重要だと考えることを下支えする指導原理のこと
　・態度とは、価値観や信条によって下支えさえ得るものであり、その人がどのようにふるまうかに影響を与えるもの（UNESCO-IBE, 2013）
　・価値観について、コンセプト・ノートでは以下の4つに分類している（OECD, 2019）
　　・個人としての価値観：どのような人間か、充実した人生を切り拓き、目標を達成していくために、どのようなことを期待するのか、といったことに関するもの
　　・対人関係における価値観：他者との関係にどう対処するのかといったことに関するもの
　　・社会としての価値観：文化や社会における優先事項や共通する原理・原則等を規定するもの
　　・人間としての価値観：対人関係における価値観と重なる部分が多い

　（2）態度及び価値観と知識・スキルの発達
　①態度及び価値観の役割
　・コンピテンシーは単に知識やスキルを獲得するということを超えて、複雑な需要を満たすために知識、スキル、態度及び価値観を総合的に動員（mobilise）していくこと
　②態度及び価値観と文化的コンテクスト
　・これからの社会はより多様化が進む。そうした社会に参画し、活躍していくためには、異文化に関する知識や言語などの認知的スキルも大切だが、相手の視点に立って考えたり、共感したりするといった社会・情動的スキルや態度及び価値観が、これまで以上に重要になってくる

　（3）AI時代における態度及び価値観
　・倫理的な判断を行なっていくためにも、態度及び価値観は今後より一層重要になる

4 3つのドメインの構成要素（コンストラクト）
　（1）コンストラクトのリスト
　・コンストラクト：知識、スキル、態度及び価値観という3つのドメインを構成する要素
　　・定義：明確で、一般に使われていて、理解されている定義があるか
　　・2030年という未来との関連性：2030年のウェルビーングを作り上げるために、人々を支援するものになっているか
　　・影響力：学業面での成果や社会的な成功など、生徒の将来の結果に影響があるか
　　・相互関連性：当該コンストラクトの発達が、他のコンストラクトとどのように関連しているか
　　・教育可能性：教育を通して発達していく可能性はあるか
　　・測定可能性：比較可能な数量的な指標などの方法によって、測定できるか

　（2）エージェンシーや変革をもたらすコンピテンシーのコンストラクト
　・コンストラクトを考える際に留意すべき点
　①文脈に依存する場合がある
　②年齢によって異なる：発達段階に応じた育成を考えていく必要
　③場面設定によって意味合いが異なってくる：効力感でも様々ある

第5章：2030年に求められるコンピテンシーとその基盤
1 変革をもたらすコンピテンシー
　（1）新たな価値を創造する力
　・原型は、キー・コンピテンシーにおける「道具を相互作用的に用いる力」
　・新たな価値を創造する力とは「例えば、新しい職業やビジネス、サービスを生み出すなど、より良い生活につなげるためのイノベーションを行ったり、新しい知識や洞察、アイディアやテクニック、戦略や解決策を生み出したり、それらを新旧様々な問題に適用したりすること」（OECD, 2019）
　・中核になる概念が「イノベーション」
　・イノベーションを起こすのに重要なのが「現状に疑問を持ち、他者と協働しながら、既存の枠組みにとらわれずに考えること」（OECD, 2019）

　（2）対立やジレンマに対処する力
　・原型は、キー・コンピテンシーにおける「異質な人々から構成される集団で相互にかかわり合う力」

　（3）責任ある行動をとる力
　・原型は、キー・コンピテンシーにおける「自律的に行動する力」
　・自分自身のウェルビーングだけでなく、他者や社会全体のウェルビーングといったことも踏まえた上で行動していく必要があり、その際に重要になるのが「責任（responsilblity）」
　・責任ある行動をとることは「行動についての倫理を考えること」（コンセプトノート）
　・「責任ある行動を取る力」を育成していくうえでの、他者との関わり合いの重要性を指摘（Bentley）
　　・サービスラーニングや、地域化型問題解決プロジェクトなどの取り組み（Bentley, 2017）

2 発達の基盤
・ラーニング・コンパスにおいては、発達の基盤を「カリキュラム全体を通じた将来の学習の前提となるような必須の条件や中核的なスキル、知識、態度及び価値観」として定義
・E2030では、特に3つの重要な基盤として、①ニューメラシーやリテラシーなどの認知的基盤、②身体面や精神面での健康やウェルビーングなどの身体・心理的基盤、③道徳や倫理面を含む社会・情動的基盤を挙げている（OECD, 2019）
　（1）認知的基盤
　・リテラシー「他者と効果的にコミュニケーションをとったり、様々な事柄を理解することができるように、読んだり、書いたり、話したり、聞いたりする能力」（OECD, 2019）
　・ニューメラシー「成人の生活の様々な状況における数学的な需要に対応して、数学的な情報やアイディアにアクセスしたり、活用したり、解釈したり、伝えたりする能力」（OECD, 2009）
　（2）リテラシーとニューメラシーの再定義
　・リテラシー：非常に簡単に生産され、アクセスされ、公表されている情報を、批判的に評価したり、選別する能力も求められる
　・ニューメラシー：日常生活や職業において必要となる様々なデータや数字に関する情報を活用し、解釈し、計算していくことができるというレベルまでが必要となる
　（3）デジタル・リテラシーとデータ・リテラシー
　・ポスと真実文化：一般に、事実よりも自らの金岐を優先して考える文化のこと。自らの考えに合致するものについては、フェイクニュースであっても事実のように捉えてしまう傾向がある
　（4）心身の健康
　・運動と学業成績の間には相関性が認められている。PISAでは、各国の科学的リテラシーに関する成績とその国の15歳の生徒が学校外で適度な運動を行う日数との間には、正の相関関係があることが明らかになっている（OECD, 2017）
　（5）社会・情動的基盤
　・生徒が様々な状況に直面していく中で、「他者への共感性や正直な行動、公平な態度といった道徳や向社会性（pro-social）の原理、自己調整のスキルや行動などを身につけ、それらを自分のものとしていく（internalise）」ことが求めらられる（OECD, 2019）

3 AARサイクル
・「学習者が継続的に思考を改善したり、意図的かつ責任ある形で行動することができるような反復的な学習プロセス」
　（1）見通し（Anticipation）
　・将来を予測したり出来事を想定する力は、脳の前頭部の発達にかかわっており、幼少期から思春期にかけて成長する（Gilbert & Wilson, 2007）
　（2）行動（Action）
　（3）振り返り（Reflection）
　・振り返りの対象は、自分自身や他者だけでなく、社会全体の状況を客観的に認識することにも繋がる
　・このことは、エージェンシーを発揮していくうえでの基盤にもなる
　（4）AARの相互のつながり
　①「見通し」と「行動」
　・一定の目標を設定することで、はじめて「見通し」と「行動」がつながってくるのであり、未来を予測することで、どのように行動するかというモティベーションが生じる（Bandura, 1989）
　・行動の直接的な原動力となるのは「遠くにあるねらい（remote aims）ではなく、認知された明確な目標である（Bandura, 1989）
　②「行動」と「振り返り」
　・「行為についての振り返り（reflection on action）」：既に行った行動を事後的に振り返ること
　・「行為の中の振り返り（reflection in action）」：行動している最中において、その場で振り返りを行う
　③「振り返り」と「見通し」
　・メタ認知や自己意識、批判的思考力などは、「振り返り」を通して育成されていく

　（5）ラーニング・コンパスにおけるAARサイクルの意義
　・AARサイクルは「エージェンシーや変革をもたらすコンピテンシーを育成するための触媒（catalyst）である」（OECD, 2019）

　（6）AARとPDCA/PDSA
　・PDCA/PDSAは、組織や集団、あるいは一定のプロセスや構造を対象としているのに対し、AARサイクルは一人一人の人間が発達していくうえでの、長期的な改善のサイクルに焦点を当てている（Tichnor-Wangner, 2018）

第6章：カリキュラム分析とデザイン原理
・DeSeCoプロジェクトでは、コンピテンシーの理論的枠組みの構築に力が注がれたが、カリキュラムや指導法など、具体的な教育政策、教育実践に移していくための橋渡しが十分でなかった
・国際的な比較にさらされることで、それぞれの国内における精緻なバランスの上に作られたカリキュラムを壊してしまうことへの懸念

1 カリキュラム分析の手法
　（1）カリキュラムに関する政策質問票表さ（PQC）

・各国の回答に対して、他国の回答作成者だけでなく、OECDが委嘱する専門家やOECD事務局のアナリストが、随時コメントするプロセスを設定
　（2）カリキュラム・コンテンツ・マッピング（CCM）
　①CCMの基本的な考え方
　・CCMは、各教科のカリキュラムに含まれているコンテンツと、各コンテンツが育成しようとしているコンピテンシーとの関連性を明確にし、国際的な比較の観点から分析を行おうとするもの
　・コンピテンシーの育成に対して、どの教科、どのコンテンツが有効なのかという視点を提供していく

　②CCMの方法論
　・オーストラリアの事例を参考：各教科とコンピテンシーの関係についてマッピングし、ヒートマップを作成

2 カリキュラム分析の3つの局面

　（1）「意図されたカリキュラム」
　・一般に、政府機関などが策定するもの
　・カリキュラムについての基本的な考え方を示すものにとどまり、それ以上のことは教師や生徒に委ねられていることが一般的
　・日本の学習指導要領は教育課程の「大綱的」な基準
　（2）「実践されたカリキュラム」
　・学校で教師が実施するカリキュラムのこと
　・意図されたカリキュラムと実施されたカリキュラムとの間のの乖離が生じることが起こり得る
　（3）「達成されたカリキュラム」
　・生徒が実際にどのような力を身につけたか、ということ
　・学習状況の評価（assessment）と表裏のの関係
　・「測定しやすい学力は、デジタル化・オートメーション化されやすい学力でもある」（Shleicher, 2018）

3 カリキュラム・デザインの基本原理
　（1）「意図されたカリキュラム」のデザイン原理
　①一貫性（coherence）
　・それぞれの教科の学問的専門性の論理に基づいていて、順序立てて配列
　・各学問領域ごとの「タテ」の一貫性と、教科横断的な「ヨコ」の一貫性も必要
　②厳格性（regor）
　・生徒の発達段階に応じ、やる気を起こさせる内容で、深い思考や振り返りを可能にするもの
　③焦点化（focus）
　・取り上げる内容をなるべく少ないものにし、学習の深さや質を上げる
　・カリキュラム・オーバーロードの問題に密接に関わる原理
　④転移可能性（transferability）
　・ビッグ・アイデアやキー・コンセプトなど、各学問分野を底支えする重要な概念の発達を促すとともに、スキルや価値観及び態度などの役割を認識できるよう、カリキュラムを構造化
　⑤真正性（authenticity）
　・学んでいる内容が、実生活・実社会とどのようにかかわっているかを理解させることで学習の意味を伝え、それによって学習に対するモティベーションを上げる

　（2）カリキュラムの実施の原理
　①エージェンシー：生徒にモチベーションを与えるとともに、既有の知識やスキル、態度・価値観を認識できるような形でデザインされること
　②選択：多様で幅のあるテーマやプロジェクトに取り組む選択肢が与えられること。また、十分な情報が与えられたうえで、自分たちでテーマやプロジェクトを選択したり、提案する機会も与えられること
　③柔軟性：新たな社会課題への対応や、個々の生徒の学習上の必要性に応じて、学校や教師がカリキュラムを柔軟に変更、調節していくこと
　④教科横断性・相互関連性：教科等で学ぶ内容や概念が、他の教科あるいは教科横断的な内容や概念と、どのように関連しているのか、学校外の実生活とどう関連しているのか、といったことを学ぶ機会が与えられること

　（3）カリキュラムのデザインに際しての留意点
　・教師の状況を踏まえたカリキュラムのデザインがより重要
　①整合性：教式の認識や実際に行われる評価が、カリキュラムと整合したものであること
　②教師のエージェンシー：教師が、教育の専門家として、知識やスキル、専門性を発揮して、カリキュラムを効果的に実施ていくこと
　③策定への参画（engagement）：教師や生徒、その他の様々な利害関係者が、カリキュラム策定の初期段階から策定にかかわること。それによって、カリキュラムを実施する段階においても、「自分ごと」としての意識が醸成される

第7章：国際的なカリキュラム課題への対応
1 カリキュラム・オーバーロード
　（1）問題の所在
　・カリキュラムにおいて、学校や教師、生徒に過大な負荷がかかっている状態
　①オーバーロードの判断
　②オーバーロードの背景
　・背景①：新たなコンピテンシーやコンテンツに対するニーズの発生
　　・コンテンツは追加される一方で、スクラップ・アンド・ビルドが行われていない
　・背景②：教師や保護者の反応
　　・教師：専門分野の学習内容削減に慎重
　　・保護者：教科書文化が根強い
　（2）問題への処方箋
　・「より長時間学習すること」から「より質の高い学習をすること」
　①学習時間を増やすことよりも、学習時間の質を上げることがより重要
　②生徒が学習時間の使い方の質を高めるためにも、特定の教科を学ぶことの意義について、生徒の理解を促進すること
　・アプローチ①：「科学における根本原理『8+1』」

　・ビッグ・アイディア（例：ブリティッシュ・コロンビア州が採用）
　　・各学習領域における（概念の）一般化や原理、キー概念などから構成される
　　・各学年のカリキュラム修了の時点で生徒が理解するものであり、次の学年や卒業後も活用していくことが期待される

　・アプローチ②：各教科における本質的な思考の方法や視点、考え方に焦点を当てていく
　　・教科を超えて、より遠い転移を可能にするような汎用性の高い知識やスキルを重視することで、様々な領域に知識やスキルを手にすることが促進されれば、コンテンツの削減にも通じる
　　・エピステミックな知識：数学者や物理学者、歴史学者のような専門家の見方
　　・こうした視点をカリキュラムに取り入れるアプローチ=キー・コンセプトやビッグ・アイデア
　　・学習指導要領で導入された各教科等の見方・考え方
　・アプローチ③：学習テーマを実社会・実生活の様々な課題に結びつけることで、少ないコンテンツでも、様々なことを学ぶことができるようにする
　　・例：社会的・経済的な課題と関連づけて統計を学ぶ
　・アプローチ④：学校や教師に、カリキュラムに関するより広い裁量を認める
　・アプローチ⑤：カリキュラム策定の段階から、教師や各教科の専門家を巻き込み、その意見を踏まえたカリキュラムを作っていく
　・アプローチ⑥：より広い利害関係者を巻き込んでいく
　　・イギリスやエストニア：コミュニティや学校外部からの評価なども活用しながら、新しいカリキュラムについて様々な利害関係者からフィードバックを得るような機会を設けている

2 カリキュラムの効果的な実施
　（1）問題の所在
　・カリキュラム改革がうまくいかない主な原因
　　・カリキュラム改革の内容が革新的・野心的なのにもかかわらず、実施までのスケジュールが現実的でなく、教師をはじめとしてカリキュラムの実施を担う人材に対する十分な投資が行われていない
　　・カリキュラム改革の内容が、教師の養成や研修、学習状況の評価や試験の内容など、他の教育システムと十分に整合していない
　　・様々な利害関係者が、カリキュラム改革の当事者として、適切なタイミングでかかわっていない
　・カリキュラムの効果的な実施を進めるうえでの課題

　（2）問題への処方箋
　・ニュージーランドの共同策定（co-construction）：教師や保護者、行政官や地域団体、企業などを巻き込んだ国民的な議論が行われて、それまでの教育の在り方の抜本的な見直し

3 カリキュラムにおけるタイムラグ
　（1）問題の所在
　①認識のタイムラグ：AIが注目され、プログラミングなどの重要性が指摘されるようになったが後追い
　②意思決定のタイムラグ：多くの国では概ね10年ごとにカリキュラム改訂
　③実施のタイムラグ：教師の職能開発や研修、資料準備が必要
　④影響のタイムラグ：目指した結果が出るまでのタイムラグ

　（2）問題への処方箋
　・タイムラグに対する政策的示唆
　①カリキュラムの分権化：学校や教師に大きな裁量を
　②カリキュラム策定に至る手続きやサイクルを明確化
　・オランダ等：「分析と計画」「開発」「パイロット」「モニタリング/評価」
　③関係者を巻き込む
　④学校によるリーダーシップの発揮を支援

終章：これからの日本の教育を考える
1 エージェンシーの視点からの教育全体の見直し
・新たにルールを作ったり、状況に応じてルールを柔軟に変える（そのために倫理や道徳が重要）
・ALを行ううえで、生徒の学習状況や興味・関心などを的確に判断し、柔軟な授業展開を行う
・そもそも、設定されているゴール自体が適切か、見直す必要はないか
2 コンピテンシーの視点に基づいたカリキュラム・デザイン
・「意図されたカリキュラム」だけでなく、教師の指導力や準備に要する時間、ICT環境の整備を含めた「実施されたカリキュラム」、生徒がどこまで身につけたか、また、それを評価できるかという「達成されたカリキュラム」までを視野に入れて考える
・コンピテンシーの考え方は、そこで学んだ内容を別の文脈や場面にも活用して、何ができるのか、ということに焦点を置く（転移可能性）
・ビッグ・アイデアやキー・コンセプトのような考え方を取り入れていくことも考えられる
3 カリキュラムの意義の再確認
・役割①：学習基盤構築機能：次の学校段階での学習、社会人として活躍していくうえでの基盤を提供
　・最終的に、どのような内容にするのかは、それぞれの国としての判断
・役割②：カリキュラムの民主主義維持機能：多くのことを学ぶことで、何が正しいのか、正しくないのか、あるいは自分自身や社会にとって好ましいのか、好ましくないのかといった判断ができるように
・役割③：国民統合機能：それぞれの国が大切にしてきた言語や文化、伝統的な規範、倫理観などを共有していく

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