イポーニヤ@浦潮Happy Halloween!

2010年08月29日

ダントーネ&アカデミア・ビザンティナのハイドン協奏曲集

dantoneこういうエントリ、久しぶりー。
ついでに新譜(準新譜?)を買うのも久しぶり。といっても既に早々と中古になっていたのを買ったんですが。

なぜかアマゾンにリンクできませんが、曲目は以下の通りです。
 チェンバロ協奏曲ニ長調 Hob.XVIII:11
 ヴァイオリン協奏曲ト長調 Hob.VIIa:4
 ヴァイオリンとチェンバロのための協奏曲ヘ長調 Hob.XVIII:6


ニ長調の協奏曲はモダン、ピリオドともに録音数が多いものの、チェンバロで演奏されたのはこれまでピノック盤しか聴いたことがなかったのですが、少なくともピノックの演奏を聴いたときに、この曲をチェンバロでやることへの違和感は特に感じませんでした(初版ではハイドン自身がチェンバロを使っても可と書いている)。
一方このダントーネ版。少なくともニ長調の協奏曲に関して言えば、「こういうアプローチでやるなら、フォルテピアノを使ってほしかった」というのが正直なところ。
古楽オケ演奏も、チェンバロ演奏も、この20年で見違えるほど変化したものの、特に大編成のオケとチェンバロではかなりその方向性が違うと思うんですが、この演奏はそういう質的な違いを無視したまま、それぞれの最先端をくっつけてしまった、という印象です。特にオケの響きや表現の幅がダイナミックで、細かい仕掛けの一つ一つさえ迫力満点なくらいなので、いくらチェンバロが装飾やアーティキュレーションで色々凝ってみたところで、何だか玩具の鍵盤みたいな音でチャラチャラやっているな、という感じにどうしてもなってしまう。
同じ異質な組み合わせでも「パスタと納豆」とか「パスタとキムチ」なら何か新しい味が産まれる可能性がありそうだけど「パスタとガム」じゃどうしようもないだろう、というのに似て、これはコンセプトのレベルでやや無理があるような気もします。ただ、所々ついていけないところもあるものの、基本的には80年代古楽に望めない面白さ満載な演奏なので、上記の点を頭の中で差し引けばかなり楽しめるものではあります。

最後のヴァイオリン&チェンバロ協奏曲は、オケが弦だけというのもあってか、そう違和感はありません。
確かに同じことやっていてもヴァイオリンの方がはるかに雄弁だというのはあるし(例えば、ヴァイオリンの「キュコキュコキュイ〜ン!」というパッセージをチェンバロがそのまま反復してもチャラララララーン。」としかならない)、例えばコンチェルト・ケルンがやったメンデルスゾーンのヴァイオリン&ピアノ協奏曲みたいな丁丁発止のスリリングなやり取りが両ソリストの間で繰り広げられる、ということはないのですが、まあ曲自体がどっちかというと肩の力抜いた系なので、このくらいの緩さがちょうどいいかもしれません。

で、このCDの白眉は明らかに二曲目のヴァイオリン協奏曲ト長調。この曲もピノック&スタンデイジ盤を持っているのですが、これはもうダントーネ&モンタナーリの圧勝です。
そもそもこれ、そんなに面白い曲だと思ってなかったんですが、この演奏は粋な歌い回しあり、攻撃性あり、超絶技巧あり…と、次から次へと出てくる表現の多様さで息もつかせません。こんなに引き出しの多い曲だったことに改めて驚嘆。時に劇的で時に艶っぽくて、あたかもヴィヴァルディの後裔としてのハイドンという趣き。

yusuke_1974 at 18:28│Comments(2)TrackBack(1)

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1. アカデミア・ビザンティナのハイドン協奏曲集  [ ♯Credo ]   2010年08月29日 21:04
ハイドン / チェンバロとヴァイオリンのための協奏曲集 ダントーネ、モンタナーリ、アカデミア・ビザンティーナ 輸入盤 【CD】アカデミア・ビザンティナのハイドンってそういえば珍しいかも?ハイドンだろうとなんだろうととりあえずこのアンサンブルは押さえておくことにし...

この記事へのコメント

1. Posted by kimata   2010年08月29日 21:02
私もこういうエントリに返信などしているのは久々な気がします。

アカデミア・ビザンティナは古楽の最新モードのアンサンブルという感じで毎回面白いです。ただ、ハイドンは鍵盤楽器にとってはやっぱり過渡期だけに難しいですね。ハイドンがあんな注釈さえつけなければダントーネはフォルテピアノで演奏したでしょうから。

ハイドンって特定の楽器のヴィルトゥオーゾではないせいで、協奏曲に関しては地味目なイメージが定着してますが、ヴァイオリンは堅実ながらも侮れないトンガリがあったりします。カルミニョーラがそのうち取り上げたりして。
2. Posted by yusuke   2010年08月29日 22:00
やっぱりこういう話題はブログがいいな、という思いを新たにします。

アカデミア・ビザンティナはまさに最新モードという感じですよね(と言いつつ、このところ新譜買うペースが減っているので、気になっているバッハも未聴なのですが…)。一方、そうやって表現の幅がぐんと広がった分、旧スタイルでは気にしなくてよかった難しい問題も出てくるのかもしれません。

ハイドンのヴァイオリン協奏曲、地味なイメージ持っていたんですが、確かにこうやってよく聴いてみると初期・中期作品特有のトンガリがあります。やり方次第で絶対面白くなりそうなので、もっと色々なヴァイオリニストに取り上げてもらいたいですね。

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