妖怪blog 万魅堂

我が国に古来より伝わる"妖怪・民間伝承"についての雑文、妖怪イラストなど。    無断転載禁止

オハチスエ

oha

 oha(空の)-cise(家)-e(?)。
 樺太アイヌでいう妖怪。
 昔、樺太の東海岸の北の方にコタンケシという集落があった。そこの村長はとても腹のすわった男で、外出するときはいつも腰に銘刀をさしていた。
 ある年の春、村長は犬橇を仕立ててタライカの集落に遊びに行った。しかし着いてみると、村人たちはみな海辺の夏村に引っ越した後だった。
 コタンケシの村長は仕方なく一軒の空き家にあがりこんで、戸口の下座について火を焚いた。するとその火に照らされて、奥の右座に年老いた男の姿が見えた。
 村長がたばこを吸うとその爺もたばこを吸い、キセルを叩いて灰を落とすと爺も同じように灰を落とす。試しに村長がキセルで地面をトントンと打つと、やはり爺も真似てトントンと地面を打つのだった。
 気味悪く思った村長は、隙を見て小屋の外に逃げ出した。ところが犬橇のイヌの内2匹がいつの間にか綱を噛み切って小屋の戸口まで来ており、村長が出てくると同時に小屋の中に飛び込んで行った。すると中からはキャンキャンというイヌの悲鳴と、化物が犬を切り刻む音が聞こえ、驚いた村長はタライカの夏村まで逃げ出した。
 あくる朝、村長がタライカの村人たちと共に昨日の様子を見に行くと、イヌ達は無残に切り殺されていた。一匹は頭と上体が右座と左座の間の柱の土の上に転がっており、下半身は天窓の下の柱まで飛んでそこの盛り土の上に乗っていた。もう一匹の上半身は下座の薪を積んである下に転がっており、下半身は右座と左座の間にあったという。



 村長はペンタチコロオヤシの話に出てくる人と同一人物かな。

ぬっぺっぽう

nup

 「ぬっぺふほふ」とも表記。
 『画図百鬼夜行』やその他多くの絵巻に見られる、白い体に目鼻のような皺が寄った肉塊のような妖怪。
 


 名前と姿以外に詳しい解説が載った一次出典が無いので、実は謎が多い人。
 現代の読み物では「封(ほう:中国の妖怪?)」と関連付けて説明されることが多いかも。

すいとん

sui

 粋呑。 岡山の蒜山地方に伝わる妖怪。
 人間の思った事をすべて知っており、もし悪事をたくらんだり他人に迷惑をかけたりした者がいると、どこからともなくスイーと現れ、トンと一本足で立ったすいとんに引き裂かれて食われてしまうという。



 蒜山高原に行ったとき、道端やお店の前など至る所にこいつが居ました。
Profile
 dohmori
 堂守
 
  わが恋は 火中の車
      かた輪ぐるまよ
    ただに怨を
        載せて燃えける

  与謝野鉄幹・晶子 『毒草』より
  • ライブドアブログ