2018年09月04日

Acrobat Stage「Infini-T Force」観てきました

 2018年8月29日(水)に舞台「Infini-T Force」観てきました。
 昨秋放送された、タツノコプロ創立55周年記念CGアニメ「Infini-T Force」の舞台化……いわば2.5次元舞台で、僕はアニメ版に大変ハマっていたので楽しみにしておりました。
 なんといってもアニメのヒーローの実スーツを制作し、舞台上でヒーローたちの戦いを再現すると聴いたら、特ヲタの僕としてはもう二重の意味でワクワクせざるをえないわけですよ(笑)。
 劇場版の舞台挨拶で観た、アニメのモーションアクターを務めた俳優さんたちの一挙一動が本当にキャラクターまんまだったので、当初は舞台化するならモーションアクターさんたちに演って欲しいなあとも思っていました。それが叶わなかったのは残念でしたが、各俳優さん熱演を魅せてくださって、とても見応えある舞台でした。

 以下、一応舞台の内容に触れる部分もあるので、続きは「続きを読む」から。


 まず、キャストみんな顔面と体型がCG過ぎてビビった……役者さんの容貌比べるの良くないと思うんだけど、笑役大矢さん、足がめっちゃ細くて長くてお顔もきれいでCG度高いなって思ったんだんだけど、顔上に向けるとアニメ版モーションアクターの濱元さんに見えてちょっと嬉しかったです。
 また、冒頭モノローグで、今生きる世界への閉塞感とか、狭まる未来へのもどかしさとか、割と年相応の笑の悩み、苦しみが描かれているの、凄く凄く良かったです。他者への接し方はアニメとそう変わらずツンケンとしている冷めた感じなのですが、アニメ版だとなぜ笑がああいう態度なのか序盤では説明がなくて、そこんとこ感情移入を拒む感じもあって、人によっては笑のこと好きになれなかったと思うんですよ。でも舞台版のこのモノローグで、笑がなにを感じながらこの世界を生きているのかを語ってくれるので、笑にも感情移入しやすくて、アニメ版と比べてだいぶ「嫌な娘」という印象が薄れていて、凄く良かったです。
 加えて、舞台では聖母が消滅しない分、咲坂さんの家族消滅の話を聴かされて「世界なんてどうでも良い」という考えが変わっていくというのも、分かりやすさの都合もあるのでしょうけど、笑と他者……それも太世界から来たヒーローじゃなくて、同じ世界のふつうのおじさんとの関わり合い、会話が描かれるというのも、なんだか良かったです。

 足が長いといえば、城二役小坂さんの足は長くて長くて細くて(ズボンの膝を絞ってあった)まじかよ……ってなった……あんなに絞って動きにくくないのかな……あと凄いプリケツだった。
 健さんは、アニメ版と比べると24歳のキャラ設定に近いというか、言動自体はアニメ版とほぼ変わらないのになんとなく若々しくて、おっさん呼びに反抗するのも納得の感じ。アニメ版は「言うても見た感じおっさんだしなあ」感があったので……
 アニメ版と印象が違うというと、鉄也はアニメ版と比べて生き生きしているというか人間味があって、ポリマーやガッチャマンより先にこの世界に来てテッカマンたちと合流してたということもあるのでしょうが、キャラクター性は違うのに不思議とアニメからの乖離を感じさせなかったので、演じた大崎さんの膨らませ方が上手かったのでしょう。耳たぶを触って「あちちちち」の下りとかは「イケメン俳優の有効活用!」とかくだらないこと考えてました。
 武史に関しては、アニメ版とキャラクターの乖離が一番少ないというか、声質とかもアニメ版鈴村さんとは割と違うと思うんですが、武史ってこうだよねというイメージから外れず踏襲していた感があります。というかめっちゃフェルさんみあった。ただ、展開の都合もあって初対面の人間にいきなり隠してるはずの自分の父(鬼河原長官)の話を始めたり、初対面のダミアンを「じゃあ俺もダミィって呼ばせてもらうぜ」と言い出したりと、微妙に不自然なこと"言わされてる"感はちょっと感じました。
  聖母について、インタビューで役者の飯野さんが「ぶりっこ」と表現してたことについて「聖母ってぶりっこじゃなくない?」って不安があったのですが、多分飯野さんの中で言語表現としてざっくり言うと、というところで、役理解、非言語表現のレベルでは解釈違いもなくて、きちんと聖母でした。

 思わぬ拾いものだったのはベル・リンのキックがめっちゃ脚上がって綺麗だったこと。ナイスキック。見ていて最高に楽しかった。ベル・リンはめっちゃめちゃ動きまくってアグレッシヴでよかったです。演じる花奈澪さん、アクション女優として名のある方なのかと思ったらアクション初挑戦みたいなことをblogに書いてらしてびっくりした。凄く良かったので、これからもアクション頑張ってほしいです。
 ダミアン・グレイは推しの人まじ歓喜だと思う……衣装再現度も高いし、役者さんの声も風貌も芝居も、アニメ版と大きな乖離はない……というか、舞台キャラとしての落とし込みが絶妙。アニメ版ほどねっとりボイスじゃないので、変な悪目立ちしない一方で、マイルドにし過ぎでもない。リアルじゃないからと尖ったとこ削っちゃったらダミアンじゃないよねってラインをきっちり守ってる、その感覚が絶妙。鮎川さんって2.5次元舞台界隈でお名前よく聴くけど、流石だなあ……ダミィの髪型、再現難しそうだなってガン見(特に生え際)してたのですが、事前ビジュアルだと単に生え際作って後ろに撫でつけてるだけに見えた頭部向かって左側ですが、客席から観たら地肌作ってその上に刈り上げ調に銀の短髪植毛してて、凝ってました。
 Z……界堂一道役WATANABEさんは、似る似ないでいうとそこまでアニメに寄せてるわけでもないんですよ。もちろん衣装とかメイクの再現レベルは高いんですが、アニメ版の斧さんと声質もかけ離れてるし。
 でもめっちゃZだった……キャラクターをよく咀嚼してるというか、Zの嘆き、Zの憤り、Zの弱さ、Zの心を圧倒的迫力で観客に放ってくださいました。スッと立ってその悲しみ、その願いを語る様子が、衣装も相まってまるで古典ギリシャ悲劇を観劇するようでした。

 オリジナルキャラクターの咲坂店長、設定の説明だったりヒーローズの居場所だったりの説明のためのキャラクターみたいな扱いでしたけど、ほっこりした明るい人柄で、各ヒーローや笑との潤滑油になってくれていて、すごくいいキャラクターでした。ブルーアース号がある日突然渋谷の真ん中に鎮座ましましてるアニメ版も凄い大胆だなって思うんですけど、それに比べるとブルーアース号が渋谷の地下に眠っているというのはまだ目立たなくて自然な感じはする(科学考証的には荒唐無稽さは変わらないと思いますが)し、笑以外にもこの世界の一般の協力者がいるってなんかいいですよね……。
 設定だけ聞くと、なんか家族を取り戻すのと引き換えに裏切りそうとか思ってごめんなさい。初日アドリブは健役井澤さんの花粉ネタblogの読み上げでした。

 殺陣に関しては、変身前の俳優さんの素面アクションが多くて、かっこいい男がラフファイトじゃなくかっこよく戦うのがとてもかっこよかったです(語彙力控えめ)。一方でダミアンはヒーローと対照的にラフファイトで、そういう「キャラクターらしい戦い方」でもキャラ付が為されていて、「そうそう、こいつはこういう戦い方するよね」という説得力にあふれていました。
 変身後殺陣に関しては、アニメらしさを出すことを強く意識してましたが、特に良かったのはキャシャーンかな。
 なんだろう……「鉄の悪魔を叩いて砕く」というキャッチに相応しい力任せの無双感が凄くよく表現されてました。キャシャーンで皆期待する「チョップで敵を真っ二つ」、ちゃんとやるぞ。
 ポリマーは、破裏拳流奥義をめっちゃ見せてくれるとかはなかったんですが、手早い殺陣が格闘家らしさがあって良かったです。あと、戦うときに「ハッ!」とか「フッ!」とかだけじゃなくて怪鳥音いっぱい放ってたので120点(それ殺陣じゃねえよ)
 テッカマンはとにかくテックランサー!あのめっちゃ長いテックランサーをくるくる回しながら自在に操り振り回すっていう……絶対大変だと思うんですけど、ガッシリとした体格のテッカマンがあのサイズを振り回すのを目の前にすると、凄い説得力……!なんですけど、テックランサー一点推しというか、舞台演出上ボルテッカもテックウィンも使えないし、ペガスは支援してくれるけど背に乗って戦うというわけにもいかないし、ちょっと動きづらそう感はありました(テッカマン推しなので注文が多い)
 ガッチャマン、マスク形状はアニメ版からアレンジ加えられてるんですが、意外と違和感ないんですよね……アニメ設定だとバイザーが透けて見えてるのは視聴者だけで、劇中人物には変身後は外から顔が見えないらしいんですが、鷲尾健の顔を見せないガッチャマンというのはあんな感じなのかと。顔を見せずに華麗に戦う姿は、まじで「実体を見せず忍び寄る白い影」でした。またマントのはためきがめちゃめちゃ映えるんだ。舞台での動き、はためきを優先してのマント素材選択だったと思うのですが、一方で立ち止まると軽すぎて肩に引っかかったり裏返ったりしてたのですが、まああちらを立てればこちらが立たず、ですよね…

 ヒーローたちのスーツだったり基本アクションは凄く良かったのですが、では必殺技再現はどうだったかというと、ちょっと寂しかったと言わざるをえない……
 今回はIMAホールという「普通の劇場」であって、ウルフェスのような特設ステージだったり、Gロッソのようにアクションショー専用劇場ではないので、例えばワイヤーで吊ったり、トランポリンで飛んだり、せり出しで消えたり奈落を掘ったりはできないので仕方がないのですが、期待していたほどの効果ではなかったなというのが本音。
 強いていうならキャシャーンの電光パンチは良かったんですけど、個人的にITFの電光パンチってあんなに貯めずにサラッと出す技という印象だったので、ちょっと解釈違い感はありました。
 見せ場の4ヒーロー合体必殺技も、大道具がぐるぐる回るのは動きとしては大きいんですけど、迫るZの隕石に対して必殺技名叫んでポーズ取ると、背景のスクリーンに投影されるプロジェクタ映像がちょっと変わるくらい。ボルテッカや超破壊光線はまあポーズだけでもというのはわかるんですが、真空片手独楽と科学忍法火の鳥は、僕はアニメ見てるから脳内補完できるけど、初見の人には何やってるか伝わるのかなアレ。。。



 お話はアニメの換骨奪胎&ダイジェストを骨子としつつ、アニメ版ではやってなくてちょっと惜しかったIF展開もカヴァーしてくれたのは凄く良かったです。
 これは「原作の舞台化」に何を望むかの問題で、皆さん原作アニメの再現……原作アニメで観た流れを舞台の上で再体験することを求めてらっしゃるんですかね。
 個人的には――あくまで今回のITF舞台に関して、ですが――原作の再現はなんだか答え合わせをしているように感じてしまう時間もありました。せっかくアニメとは違うオリジナルストーリーと銘打っていたので、マンガ版とアニメ版が大きく違うように、また別の物語も観てみたかったなと思います。
 舞台版の俳優さんたちも熱演かつ自分の役として色々役解釈して臨んでらして、結果アニメと微妙に演じ方/キャラクタ解釈が違ってて、その微妙な違いを観るのは凄く楽しかったんですけどね。

 アニメと違うIF展開部分については、舞台でやるにはちょっと無理があったりやりづらいだろうなってところの説明、調整が主だった印象だけど、最終決戦でのベル・リンとダミアンはアレンジが大きいって言うか、カーンも含めた3人組は正直どちゃくそ燃えた。アニメはアニメで良いけど、これはこれでいい……アニメ3話のダミアン戦の結末とかからいくと「こういうのが観たかった!」というものを見せてくれて、すごくうれしかったです。
 カーンも造形的に難しいから舞台には出せないかな、と思っていたのですが、存在が丸々カットされるのではなく、キャシャーンとの絡みで存在と関係が語られ、更にはキャシャーンがマントを投げ捨てるあのアニメ1話のめちゃくちゃかっこいいシーンの再現にもつなげられてるのは、素晴らしい脚色だなと感じました。
 「こういうのが観たかった」といえば、やっぱりチーム名に「Infini-T Force」と名付けられる下りと、各ヒーローの名乗りポーズ!ずっと期待し続けて結局アニメ版ではやらなかったので、ついに観られたときは溜飲が下がる想いでした。凄いカッコよかった。


 なんていうか、開催前からとにかく「この作品をアニメだけじゃなくて舞台でやりたい!」っていう熱意がひたすらバンバンに伝わってくる感じだったわけですが、その熱はしっかり伝わってくるステージでした。
 多分、予算だったり設備だったり、本当はやりたい表現とかもあったと思うし、見てる側としても「こういうのやってほしかった」がないわけじゃないんだけど、でも作り手が真摯に、持てるリソースを最大限に使って楽しいものを、凄いものを、納得のいくものを作ろうとして下さっていて、実際すごく楽しかったです。
 また次に繋がるようなエンディングでもありましたし、願わくばマンガ、アニメとも違う第3のInfini-T Forceとして、今後も展開していってくれたらうれしいですね。

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yutajin
 あるときはデンキヤのバイト、またあるときは3流大学生、しかしてその実態は……!

 すいませんただの特ヲタです(笑)。
 特にウルトラ全般に思い入れが深く、コスモスもネクサスも両方愛してまっす!あと、ネクサスの影響で佐藤康恵さんとdoaにハマりました。

 ヲタ趣味、ヲタそのものについて、大学やバイト先での出来事について綴るblogになると思います。有益なものは多分何も無いですけど、足跡を残していただけると小躍りして喜びます(笑)。

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