苗場から帰ってきてまだ少しボーッとしている。ああ、これがフジロックロスというやつかと思った。そういえばこないだの野音での PROGRESSIVE ROCK FES 2016 の翌日もそんな感じだったなと思い出した。

フジロック出演は20年前の初年度のレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンとハイロウズにノックアウトされて以来ずっと夢の一つだった。それが思いもよらない形で実現し、自分の音楽に最も影響を与えたリスペクトするアーティストをトリビュートする形での出演となり、しかも2日間に渡って違うユニットで出演、そのうち一つは自分1人での演奏、もう一つもドラムと2人だけでの演奏、というビックリな形での初出演となった。自分一人でギターを持ってフジロックのステージに立つなんてちょっと前の自分からは想像できなかった。
1人ピンクフロイド

初日は「扇田裕太郎〜1人ピンクフロイド」でのライブ。

Time

See Saw

See Emily Play

If

Set The Controls For The Heart Of The Sun

Southampton Dock

Final Cut

Wish You Were Here

Comfortably Numb
 

最初の4曲で世界を作って、その後の3曲で壊して、Wish You Were Hereに救いが降臨すればというプランだったが、苗場の森の最深部での、音楽が大好きな人たちの前での演奏はとても気持ちがよく、そこはポンペイかアフロディーテのよう、プランした以上にディープなライブになった。サウンドがあの空間に飛んで溶けていくのが映像で見えるようで魔法を感じた。それにあのステージに立って初めて感じたテンポ感というのがあって、テンポに関して全く新たな気付きがあり、その気づいた瞬間に全て実行していたので(1人だから)、自分の中では新たな一幕が空くような価値のあるステージになった気がする。


この日は扇田裕太郎のソロ第一弾作品「I AM」先行販売初日。思ったよりもたくさんの方が手にしてくれて、自分のレコードをフジに持っていくことができて良かったとしみじみ思った。ピンクフロイドが好きな人ならこの世界わかってもらえそうな気がする。たくさんの方が声をかけてくれた。今回のフジロックが縁でたくさんの出会いがあり、これからもいろんな人と知り合えそうな気がしてトキメキを感じる。

デイスイ
2日目は15時からオギースターダストだったが、12時40分からの10分間バスキングの時間を使わせてもらえることになり、GYOさんに苗場にトランペットを持って来てもらい、急遽The Day Sweetでライブすることになった。何やろうか迷ったが、ぼくらの前にバスキングやってる人がものすごい下ネタを連発(面白かった笑)していたので、いっそのことと思い、殺しのブルースとWhat a Wonderful Worldの2曲やることにした。殺しで違和感を作り出せればワンダフルワールドが効いてくると思った。ウケたのかどうかはわからないが、デタラメフリージャズは最高だったし、少なくともGYOさんのトランペットと僕らのハーモニーが苗場で鳴ったことで、何かしら足跡を残すことができて良かった。

オギースターダスト
15時からはジギー・スターダストの全曲メドレー。デビッド・ボウイが亡くなったときに居てもたっても居られなくなって思いついたのがジギー・スターダスト全曲ライブだが、1人でやったときはボウイの引っかかるような歌い方をやり通すとギターのリズムがきつくて、でも普通に歌ってしまうとつまらなくて、今回は元くるりのドラム、森信行氏と2人でやることにした。森くんはちゃんとやることも壊すことも出来るドラマーで、ロマンチックで破壊的(になれる)、しかも歌える。そして一緒に酒を呑んだりして《想い》のようなものを共有できる関係になった。この2人でのジギー・スターダストは最高に楽しかった。お客さんもテンションが上がっているのを感じてみんなで一緒にトリビュートしている気持ちになれた。途中からは自分が演奏してないような、みんなで演奏してるような感覚になった。苗場の森での大合唱は忘れられない一幕だった。そしてラストのRock’n’Roll Suicideは感極まった。終わってほしくなくて最後4小節くらい引きずっている自分に、未練がましい、ともう1人の自分が言った。

1stミニアルバム「I AM」の5曲は実はジギー・スターダストへの自分なりなアンサーアルバムになっていて、音楽の内容は全く違うけれどもロックンロールの星を目指す少年の夢と挫折と気づきを描いている。こうして最近トリビュートライブをやってきたのは、このアルバムを作るための布石だったのかとすら思う。この日もたくさんの人が「I AM」を手にとってくれて有難かった。


今回のフジロックは幼なじみの高萩宏英がビストロタカとして出店、一緒にフジロック初参加できたことも大きな喜びだった。
ビストロタカ
徹夜続きでキツイだろうに笑顔を絶やさないビストロタカの皆さんは本当にすごいと思った。スープも肉もカレーも本気で美味しかった。フェスで食べられるもののレベルを超えている。それを生まれてすぐからの友だちが作ってると思うと鼻が高かったし大きな励みになった。


せっかくだからBECK観て帰路についた。BECKの得体の知れない雰囲気はデビュー当時からあまり変わってなくて今でもギラギラしていてカッコ良かった。あのステージからの景色をいつか自分も眺めてみたいと思った。と同時にこんなアーティストがたくさん出演しているのに僕のステージを選んで観に来てくれた人があんなにたくさんいたと思うと嬉しかった。
BECK
 

フジロックとレコード制作、全てが強行スケジュールだったけど、多くのサポートを得られてなんとかなった。

たくさんのハートがある人に恵まれている。

中でも今回特に松岡兄にものすごくお世話になった。
本当にありがとうございました!!




さあ、次はレコ発だ。
今回感じたことや改善点をバッチリ活かして最高のライブをやるぞ。
 

やるぞっ。


yutarosolo