2007年03月09日

No. 16

エイブ歴代アメリカ大統領の中で最も偉大な大統領といえば、やはりこの人でしょう。

第16代大統領エイブラハム・リンカーン

「奴隷解放の父」などと言われて人道主義の偉人みたいな評価が巨大だが、それと同様か、もしかしたらそれ以上に重要なのが彼のよりプラクティカルな政治的功績。

それまで独立性の強い各州の牧歌的な連邦だったアメリカ合衆国を、南北戦争を通じてより強力な連邦政府の元に組織し直し、それが現在に至る巨大覇権国家アメリカの礎となっている。また金融センターとしてのニューヨークは、南北戦争継続のために連邦政府が発行した連邦政府債の取引がその嚆矢となっている。

そうした政治的意義においてはドイツの同時代人、鉄血宰相ビスマルクに通じる部分が多い。

そんなリンカーンの大統領就任から暗殺までを描く私のイチオシ歴史小説がこれです。
Gore Vidal Lincoln











ゴア・ヴィダルの「リンカーン」。

大統領就任式を目前に控えたワシントンの駅に暗殺を警戒して変装した(ひげ生やした)リンカーンが降り立ったところか始まる壮大な人間ドラマ。ヴィダルの透察と筆力が際立っています。とにかくおすすめ。

Fondaリンカーンを題材にした映画でおすすめは、ヘンリー・フォンダが若き日のリンカーンを演じた「Young Mr. Lincoln」。1939年作品。










若くして亡くなってしまった恋人、アンの墓前で弁護士になる決意を固めるフォンダ・リンカーン...泣かせる...


レイモンドそしてびっくりするくらいそっくりさんのRaymond Masseyが大統領選挙に勝利するまでのリンカーンを演じた「Abe Lincoln in Illinoi」。1940年作品。

マッセーさん、自らの政治的野心と崩壊していく合衆国の狭間に立たされ、また自ら野心的で理解と愛情に欠ける奥さんにいじめられるなんだかトホホなリンカーンを好演しています。

この映画のラストシーン、帰らぬ旅路となったワシントン行きの列車の最後部からホームタウンの友人・支持者に語りかけるリンカーン...泣かせます。

両方とも白黒作品ですが、双方ともなかなかみせる佳作です。

ちなみにこの二作品が公開された1939/1940年はアメリカ映画のとんでもないヴィンテージ年で、これらの作品のほかにもめぼしいところで「風と共に去りぬ」とか前出のチャップリンの「独裁者」、そして「カサブランカ」などが公開されたか製作中だったのです。これはヴィダルに言わせるとアメリカの参戦に向けたプロパガンダの一環だったとか。

最後にオマケで超イケメンだった若い頃のヴィダルの写真...
Young Vidal












そして今の彼...
Old Vidal












祇園精舎の鐘の声...諸行無常の響あり...

蛇足:リンカーンのお母さん、ナンシー・ハンクスの末裔がアカデミー賞俳優トム・ハンクスなんだって...Wikipediaに出ていた。

yutethebeaute999 at 22:08│Comments(0)TrackBack(0)かため 

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