http://blog.livedoor.jp/yuukurihara/archives/3519127.html
のつづきです。

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「ここからが本編!」


◎原発と電気をイコールで考えるべきではない。

原発は悪いが、電気そのものは悪いものではない。

発電方法は、原発以外にいくらでもある。


・原発を安全に運転できる対策など存在しない。

・現在、日本の電気供給のうち原発の占める割合は24%。
よく新聞やマスコミで言われる「3分の1は原発です」というのは嘘。

・経済成長には原発は不可欠、と言われるが、嘘である。
BRICs(ブリックス)(経済発展が著しい  ブラジル (Brazil)、 ロシア (Russia)、 インド (India)、 中国 (China) の頭文字を合わせた四カ国の総称。)の国の電気供給のうち、30%どころか、原発はとても低い割合。石炭の割合が高い。


◎原発の代わりは「天然ガス」発電、ということに世界的にもう決まってきている。あとはそこへ向かうスピードの問題だけといっても過言ではない。

◎節電は必要だが、節電をしなくても原発は止められる。今、直ちに止めても何も起こらない。


◎原発に代わる『即時の供給法』→現在も火力で足りるが、且つ、自家発電の自由化で問題皆無

・中部電力、昨年の猛暑でも原発無しで足りていた。
→それなのに、今年、「原発を止めたら電力不足になる」と言っていたのは何故か。
原発に頼ろうとしていたから、他発電の手当てをしていなかっただけの話。本来は全然足りる。


◎火力はクリーンである
((※詳しくは前々回のブログ記事参照。http://blog.livedoor.jp/yuukurihara/archives/3518980.html))
 ・今現在、稼動している原発は12基。1043万kw。
 ・東北電力では、震災により火力発電も破損され止っていた。これを復旧することで原発無しでも余裕で足りる。

◎今、日本中の自家発電で6000万kw(約原発60基分)ある!
 →現在、日本の総電力消費のうち20%をも占める。
 →そしてそのうち90%が火力、10%が水力。
 →送電分離をし、電力自由化を実質的に普及させ、IPP(独立発電事業者 (Independent Power Producer) )から自家発電を買い取ればいい。「他社受電量」(電力会社は自社の発電分だけではなく、他社から買い取ることもしている。その分。)として。

・大手企業が、こぞって自家発電を持っている。何故か。
→コストが安いから。
→◎今回の原発事故とその後の対応を見て、企業は自家発電に走り始めた。
 (・PPS(特定規模電気事業者)はほとんど天然ガス発電所を運転)
→この自家発電を供給するには。
 ・電力の自由化は、制定上は既に出来ている。しかしそれが普及しない訳は、「送電線使用料」が膨大に取られるからだ!
 →よって、送電事業の分離が必須。(渡辺喜美氏らが唱える)

・火力発電でも、勿論事故は起こる。しかし10日で鎮火、2ヶ月でほぼ復旧した。
これに対し原発は、復旧できない上に周囲を汚染する。

・関西電力で設定している最大消費量は、気温42.6℃設定のものである!そんな温度はありえない。どれだけ高く設定しているのだろうか。
(←毎日の温度と消費電力量を記録し続けた人がおり、その結果、消費電力量から気温を計算式で求められた。)
しかも、この設定の量であっても、原発無しで足りる。



天然ガスについて

◎コンバインドサイクル発電((新大分などに既にあり。←原発2基分の発電量あり。))
・全世界の発電の主流。
・エネルギー効率60%と高い。
 (更に、「マイクロガスタービン家庭用」は80%にもなる。=コジェネ)
・使用しているのは、メタンガス。皆が今まで問題なく台所で使ってきているものと同じ。
→「低炭素社会」などおかしい。

◎アメリカでも、2030年までの電力供給の計画で、天然ガスがほとんどの割合を占めている。コストも安い。

原発の4分の1以下。ちなみにこの計画で、原発は5%しか占めておらず、しかも決定ではなく"option"にすぎない。
・ガスは安い。(今は急激に買い付けているので値上がりを見せているが、今後はこれは下がってゆく。)
・放射性廃棄物も出ない。
・古いタイプの火力発電所にガスタービンをつけるだけで作ることが出来る。
 例えば、古いタイプの火力のうち、3分の1をこのコンバインドに変えるだけで、2000kwが出来る。しかも1、2ヶ月で出来る。

・化石燃料が枯渇すると言われるが、しない。といっても過言ではない
 ・天然ガスは500年分、石油は1000年分、石炭は2000年分(本来20000年分あるがその10分の1が採掘できたと計算しても2000年分ある)はあるし、また、新たにガスは見つかっている。更に、地球は無限にガスを出していくという説もある。
(ちなみに、「確認埋蔵量」とはその年のコストで取れる量のことなので、その量が限界という意味ではない)
 ・メタンハイドレートは現在採掘技術を開発中で、これも採れるようになる。

・液化石油ガス(LPG)と言われているものも、実際は天然ガスの種類でもある。
(液化石油ガスの名前から「完全な石油生成物」と誤解されやすいが、天然ガス随伴など石油由来以外のものも世界的に約半分を占める。多様なエネルギーソースを持つガス体燃料である。)
・現在の火力発電のうち、石油は16%、天然ガスが42.9%、石炭が41.1%である。
 石油は、産業で生まれた重油を使っているに過ぎない。ほぼ日本は石油からは撤退しているといっていい


石炭について


・世界平均で火力発電の内訳の40%は石炭による発電。
・例えば横浜の石炭による火力発電所などでわかるが、今は煙など出ない。クリーンで高技術。


・石炭・石油の化石燃料は、元来、生物由来の物質。害のない物質。
◎しかし、「埋蔵量がこれだけあるのだから使いまくっていい」という意味ではない。
「2000年分はあるから、今はまず落ち着け」と言いたいだけ。
そして、これからどんどん技術革新していくのだから、それを待つことが出来る。
だから今は、火力に任せて即原発を止めよう。


・ドイツは脱原発と言いながらフランスから原発による電気を買っているのでは、と言われるが、
本来ドイツとフランスの電気輸出入の割合を見ると、ドイツの方がフランスに輸出を多くしている。
今は一気に原発を止めたことで一時的に輸入をしているだけ。



◎ローカルな気象状況と、地球全体の温度の変化を混同してはいけない。
・去年2010年の猛暑は偏西風由来のもの。
 日本で酷暑の時、同時に世界では何箇所も寒波の場所があった。これは偏西風の蛇行でおこる自然現象。
→日本で猛暑であっても、地球の温暖化とは関係がない。


・☆「不機嫌な太陽」(著者:ヘンリク・スヴェンスマルク・ナイジェル・コールダー)
 →銀河系の回転の中で、太陽も回転をしているが、その回転にはズレがあり、太陽が銀河系の星屑から出たり入ったりする。そして、ここから出るときは宇宙線が少なく、寒冷化することがわかった。
 →この説を「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は完全に無視している。この説により、今まで世界中に出鱈目をいっていたことが明らかになるから。

◎「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の説「ホッケースティック」は嘘
・「ホッケースティック」とは、地球の温度を1000年から現在まで見ていったグラフで、
20世紀に入って急激に温暖化しているという形のグラフ。これで、「産業が進んだことでCO2が増えたことにより地球の温暖化が進んだ」という説を吹聴した。
→しかし、このグラフがでっち上げであることが2009年、暴露された。
本当に正しいグラフは、地球の温度が1000年から現代の間でも上下しており、中世の頃は現代よりもっと温暖な気候だったというもの。そして、現代は上がり続けるどころか、下がってきている。

・嘘だと暴露されたというのに、日本ではあまり知らされていない!しかし

・ドイツ、アメリカでの世論調査においても、6割の人が、「CO2による地球温暖化説は嘘」と言っている。
これが世界の世論なのである。
(Cf.「CO2温暖化説の崩壊」)
((※詳しくは前々回のブログ記事参照。http://blog.livedoor.jp/yuukurihara/archives/3518980.html))



◎中期的エネルギー提案
・家庭での電力消費の60%は「熱」を生み出すもの(給湯、暖房など。冷房よりずっと割合が大きい)。
→なので、電気しか生まないソーラーパネルより、熱を生み出す太陽熱温水器の方がよい。
・電力消費の大部分は産業用・業務用。
→よって、業務用の使用をしてる人たちが節約せねばならない。これらに比べ、普通の家庭で使用されている電力の割合は微々たるもの。だから家庭では節電しなくていい。(節電は大切なのだが、する場所が大切)
→しかし、この産業・業務用の消費をする人たちが、すぐさま自然エネルギーに転換するとはとても思えない。ソーラーパネルをみんなが一斉に取り付けるとは思えない。

◎だから、「今」、「原発の代わりに自然エネルギー」を推奨してしまうと、
→自然エネルギーの供給はすぐには決してできないので、
→「段階的脱原発」と言うことになる。
→これを言って、「原発を温存」しようとしている人がいる!
→だから、今は自然エネルギーを推奨するのではなく、即全廃を訴えるべし。


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現在の福島の状況


メルトダウン
・4/5(New York Timesの記事。)既に解析してメルトダウンしているとわかっていた。
・広瀬氏も5/13に「福島原発メルトダウン」というタイトルで本を出している。
・5/15(新聞記事)東電もやっと「地震で破損」していたことを認めている

・瓦礫となって底に溜まっている燃料に水をかけているが、本当にそれで「冷えているのか」は不明。
 瓦礫が今、何処にあってどんな形かも未だ不明。

・8/1、建屋近くの主排気筒付近で10SVという値の放射線量が出た。
 (1回に6SV浴びること=全員急性死)


◎今危惧されること
 ・再臨界の可能性
 ・水蒸気爆発の可能性
 ・水素爆発の可能性(強い放射性物質の放出→水を分解→大量に水素発生、により。)
→4基の危険性は今も変わらない。(※2号基の格納器は破壊されているので最も危険。)

・燃料棒が瓦礫のように崩れ、取り出せない状態。
 東電は「取りだす」といっているが数10年かかっても解決できる見通しは、無い。
 現在も放射性物質を放出している。
→◎これをただ、減らしてくれということしか出来ない。

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◎EUを含む39カ国にて、日本の12都県からの農産物規制がされている事実(8月現在)を受け止めるべし。
EUでは500ベクレル/kgをラインにしていて、これは日本の規制ラインと同じだが、更に本当はそれぞれの国で規制に違いがあり、ドイツなどは「4ベクレル/kg」以上は入れないという厳しい基準にしている!
((この違いが、危機感の違い))

◎最後に、現在の被曝の現状について
・1キュリー/1平方km当り=37000ベクレル/m2に匹敵する。
→東京で6月に56箇所で測った平均は30000ベクレル/m2。
(※「放射能防御プロジェクト」の方達による。
http://www.radiationdefense.jp/)

これはチェルノブイリでいう「第四区域」。住民を強制避難させず放置してきた危険区域。に相当する。
→今、気をつけるべきは「食品」。子供に食べさせるものを気をつけて。給食ではどこのものかわからないものが出されてしまうから、弁当を持たせてほしい。自分の子供に、そして、自分の子供じゃなくても、食べものに気をつけてあげてほしい。

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(以上、講演メモ抜粋、考察: 文責by 栗原優)

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感想:

正直、僕は「脱原発」と「代替エネルギーは自然エネルギーで」という主張は同じ方向を向いていると信じて疑っていなかったので、目からウロコでした。
まさか、自然エネルギー代替案を推奨して"原発温存"を狙っている勢力があり、脱原発の勢力も危なくそこに取り込まれそうになっているとは・・・

ただ、広瀬さんもおっしゃっている通り、決して、自然エネルギーを否定されているわけではないと思いました。ただ、今はそれを主張するときではない、とおっしゃりたいのだと思いました。
そこを主張して逆の方向へ行ってしまう危険性をとるより、今は、「足りている」のだから、とにかく即時全廃を訴えることに集中すべきで、そのためには今は火力に頑張ってもらおう、ということなのだと。

そして、自分がずっとイメージしていた「火力発電」というものも、かなり変わってきているのだなと勉強になりました。石油を燃料とする発電所はほぼなくなっていることや、石炭の発電所も昔よりずっと高度な技術でクリーンにおこなわれていること、そして、天然ガスの存在。
確かに、暫くここに任せておいて大丈夫かもしれません、その間に完全に原発を止めるべきでしょう。
全廃した暁に、どのようなエネルギーをどのくらいの割合で使っていくべきか、前向きな取り組みをしていけたら素晴らしいです。

ここで、多く寄せられる質問に対しての僕の考えを述べます。

今回事故にあった福島第一では、止まっていた4号機も爆発し、止まっていても危険ということがわかりました。また、六ヶ所村の核施設が直下型地震に合っても非常に危険だということもわかりました。
そうすると、このような質問をよくされます。

「稼働中の原発じゃなくても事故にあえば危ないのなら、今すぐ全原発を止めなくてもいいのでは」と。

しかしながら、答えはNOです。稼働中じゃないに越したことはないのです。
少しでも温度が下がっていたほうが良いし、少しでも廃炉に向けた作業が進んでいたほうが良いです。
稼動することによってその原発から電力供給していたとしたら、事故が起これば供給先にも影響がありますし、代替供給源を補完するのも大変です。


「稼動してても止まってても」という考え方は、イコール、原発の持続・温存に繋がります。


原発1基が1年間運転して生まれる危険な放射性物質の量は広島原爆の約 1000発分と言われます。
毎日、被曝労働を生んでいます。毎日、周囲に放射性物質を漏らしています。
これ、1日でも少ないほうがよいと思いませんか?僕は1日でも1秒でも少なくしたいです。

勿論、止めてもすぐには原子炉の温度は下がりません。廃炉に数十年かかることでよくわかります。また、止めたからといって原子炉が綺麗になるわけではなく、数十年間の運転中に累積した大量の放射性廃棄物の処理に関して、恒久的な措置は未だ決まってもいないという状況です。(低レベル放射性廃棄物に関しては処理後廃棄処分される予定とされるけれど、高レベルの放射性廃棄物に関してはどこでどういう方法で隔離保管するかも未定だそうです。隔離保管期間は数百・数千から数万年と長期に渡ります。)


だからと言って、温存してしまっては、この↑期間を毎日延ばすことになるのです。その間、毎日核のゴミを生み続け、保管しなければならない廃棄物を増やし続けることになるのです。
早く、1日も早く、止めるべきです。


僕は、化石燃料が本当はどれくらい埋蔵量を持つのか想像もできないし、本当に地球が無尽蔵に天然ガスを放出していくのかもわかりません。太陽光発電や地熱発電の可能性も。
しかし、どれも原発よりは確実に良いと断言できます。被曝労働も生まないし、放射性物質も放射性廃棄物も生まないし、事故があっても復旧できるし、周囲を汚染しないのですから。
今回勉強した、「家庭用燃料電池」=エネファームに関しては、以前少しお話をきいたことがありました。水素原子を含んでいるものであれば何でもエネルギー源になり、汚染物・危険物が一切出ない。出るのは水だけ。これはかなり期待してよいのではないかな、と嬉しく思いました。

広瀬さんの、熱いけれど同時にとてもクールな講演、聞けて本当に為になりました。感謝しています。


まだまだ勉強不足ですが、即時原発全廃に向けての声は、恐れずに出し続けようと思っています。


栗原優
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☆今回の主催者の方が過去の講演会の映像もupされています。

「終焉に向かう原子力」第11回の映像
http://vimeo.com/23128295
http://vimeo.com/23141252
http://vimeo.com/23136531


「終焉に向かう原子力」第12回の映像
http://vimeo.com/25745773
http://vimeo.com/25744230
http://vimeo.com/26113931



是非ご覧ください。
僕もじっくり見ていく所存です。


ここまで読んでくださって、ありがとうございました。


NO NUKES!
栗原優