茶棚 / 錆絵

2007年11月02日
今春の個展以来、細野さんも私もなにやらバタバタしておりまして…。

気がつけば、茶棚・小棚(器局)の進捗状況に関する記事はほぼ1年ぶりになってしまいました。


先日細野さんの工房へおじゃましたときは、茶棚の錆絵を描かれているところでした。

下の写真3枚は、茶棚の戸の表(朱色)と裏(黒)に1回目の錆絵を描かれている様子です。戸は同じものです。

写真をクリックしていただければ、もう少し大きな写真でご覧いただけます。


・茶棚の戸に錆絵

茶棚錆絵(戸)

茶棚錆絵(戸)2

茶棚錆絵(戸)3




1枚目の写真中央部に見えるチョコレート色の部分は「うるみ色」と呼ばれ、そこには牡丹が描かれており、白く見えるのは「玉石(ぎょくせき)」です。つまり石ですね。

また、戸の枠には何やら白っぽい・細かいものがたくさん見えますが、これらはすべて漆で貼り付けてある貝で、あとの工程「箔絵」の一部になります。

そして2枚目の写真では錆漆(さびうるし)で蝶々を描いているところで、3枚目の写真は戸の裏側になるのですが、ここでも玉石を用い勇助塗らしいこだわりが感じられます。


【関連リンク】

『玉石』
『箔絵』  

Posted by 職人探し請負人 at 15:01 │この記事のカテゴリ : 茶棚と小棚Comments(0)TrackBack(0)

茶棚・小棚(器局) / 下地研ぎ・中塗り

2006年11月27日
振り返ってみると、ちょうど1年前。

現在製作されているものとは違う型の小棚の取材を始めたのが11月の今頃でした。

1年って、本当に早いものですねー。
ハァー、もう師走ですか…。

細野さんはというと、茶棚・小棚ともに、下地を研ぎ、中塗りまでほぼ終わられたところです。


・小棚下地研ぎ(胴)

小棚下地研ぎ(胴)



・小棚中塗り(戸・胴)

小棚中塗り(戸)
小棚中塗り(胴)



・茶棚中塗り(戸・胴)

茶棚中塗り(戸)
茶棚中塗り(胴)



中塗りの様子を取材した11月24日はちょうど、知人でもある、とあるサイトの運営者さんも取材に訪れられており、製作の様子を動画で撮影されておられました。

そちらのサイトでも中塗の様子を動画で公開されるかと思いますので、楽しみにしていてくださいね。

私の方はというと、「勇助塗のホームページ」のリニューアル作業にとりかかっており、そろそろ頭の中がパニックに…。(笑)

12月中旬頃には公開できるかと思いますので、こちらの方もお楽しみに。


- 追記 -

勇助塗のホームページは次のURLに移転しました。

新URL ⇒ http://www.yuusukenuri.com/  
Posted by 職人探し請負人 at 12:29 │この記事のカテゴリ : 茶棚と小棚Comments(0)TrackBack(0)

茶棚・小棚(器局) / 布着せ・下地

2006年10月31日
前々回までは、半年間に渡って勇助塗の小棚(器局)の全製作工程をご紹介してきましたが、その後、細野さんはどんな作品を制作されているかというと…。

茶棚や小棚などを手がけられています。

小棚に関しては、前回の作品との大きな違いは、正面の戸が観音開きのものだということでしょうか。

今回からは、茶棚と小棚の製作風景をまとめて、ときどきご紹介していきますね。

では、早速。


・布着せ(茶棚)

茶棚布着せ(胴)



・布着せ(小棚)

小棚布着せ(胴)



茶棚・小棚それぞれの正面に白く写っている部分は、布着せをしてある箇所の一部です。

(参考リンク→『小棚(器局)の製作工程 』のその5


・下地付け(茶棚引き出し)

茶棚下地付け(引き出し)
茶棚下地付け(引き出し)2
茶棚下地付け(引き出し)3



引き出しの中央部分に白っぽく見えるのは、「網代(あじろ)」と呼ばれるもので、薄い木を編みこんで網のようになっています。この網代に下地をつける際には、ヘラでしっかりとこすりつけるようにしないと、凹部まで下地が付かないですし、また反対に、凹部が下地で埋まってしまいます。


・下地付け(小棚胴)

小棚下地付け(胴)
小棚下地付け(胴)2



写真の手前側に見えるのは、小棚の背面です。
こんな目につきにくところまで、下地をきっちりと…。

(参考リンク→『小棚(器局)の製作工程 』のその6)  
Posted by 職人探し請負人 at 13:07 │この記事のカテゴリ : 茶棚と小棚Comments(0)TrackBack(0)