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 北総台地上に位置する八街市は、比較的地盤が強固な土地として知られる。確かに地震が発生しても、八街だけ周辺地域より震度が1くらい低いことがあり、先の東日本大震災でも、八街市内においては瓦屋根に多数の被害が発生した以外は、これといった被害もなく負傷者も出ていない。
 だがその事と、土地の造成工事が適切に行われているかは遥か別次元の話であって、既に成約したようだが、以前、市内で地盤沈下により傾いた4LDKの戸建住宅が「貸倉庫」として、月額35000円で賃貸に出されていたことがある。地盤沈下は全国各地でそのトラブルを聞くが、デタラメな開発が蔓延った北総では尚更、急拵えの宅地造成によって地盤に問題を抱えた宅地が未だ不動産市場に残されてる可能性が否定できない(実際過去に集団訴訟も起こされている)。
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戦時中は陸軍の飛行場だった朝日地区。
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地盤が強固な八街でも工事の質によっては沈下は起こりうる。 
 
 さて今回紹介するのは、戦後、旧陸軍偵察隊の八街飛行場跡に開墾され、その後町内各所にミニ分譲地が開発された八街市朝日の宅地であるが、ここの宅地は朝日には珍しく区画の大半が更地で、住宅の建設があまり進んでいない。朝日は小学校こそ遠いが、八街駅や商業エリアからは比較的近いこともあり、茂みに覆われて居住性のよくない一部の分譲地を除き、ほとんどの分譲地では空き地の割合は全区画の1~3割程度で、それなりに住宅の建設が進んでいる。

 ところがここは日照にも問題なく、条件的には他と変わらないにも関わらず住宅と更地の割合が逆転している。なぜなのか。確かに近くに墓地があるが、この町では墓地の近くの分譲地など珍しくもない。不審に思い宅地内の街路に進入してみると、やけに路盤の凹凸が激しい。何のことはない、ここの宅地では地盤沈下が発生していたのだ。
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画像奥から手前右方向に向かって沈下しているのが見える。
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窪みには砂泥や落ち葉が溜まり雑草が生えている。

 元々沼地であった宅地や擁壁上の盛土が沈下するのはよく聞く話だが、前述のように朝日は旧来から、飛行場の建設地に選ばれるほど平坦な地形であり(国際空港の最初の建設候補地も朝日地区を含めた八街と富里であった。反対運動の激化により成田に変更)、どう考えてもそれほどの難工事を要する地勢ではないにも関わらずこの有り様だ。

 しかも救いようがないのは、地盤沈下はほとんどの場合、不十分な地盤改良のまま住宅を建築した結果、その家屋の重量によって発生するものなのに、ここは更地まで地盤沈下を起こしていることである。
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更地にもかかわらず沈下が発生した街路。路盤が歪んでいる。
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建築が進まなかった理由はこれであろうか。

 路盤は激しく歪み、擁壁までもがいびつな形となっている。何も建ててないうちからこれほどまで沈下するということは、仮に造成直後に建築が行われていたら、一体その建物はどうなっていたのだろう。余談であるがここの分譲地の一画が、約30坪で65万円という言い値で現在も広告に出されているが、なかなか成約する気配がない。

 昭和の時代は、地中にゴミを埋め立てて造成するようなデタラメ工事もあったと聞く。ここがそうだとは言わないが、地盤はやはり念入りに確かめ、必要であれば地盤改良工事は確実に行いたい。油断をすれば夢のマイホームが貸倉庫になる危険性を孕んでいる。
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分譲地内にある空き家。


更地が沈下する分譲地へのアクセス


八街市朝日
・総武本線八街駅より八街市ふれあいバス「東コース」 朝日十字路バス停下車 徒歩6分