この日のラストボールがストンと落ちた。ファウルゾーンにフラフラと上がった栗山の打球は、遊撃手・井端がグラブに収めた。131キロの“神様フォーク”。沖縄で磨いた2008年版は、少しずつ川上のボールになりつつある。

 「手応えは打者と対して初めて感じるものですが、投げたのは最後の1球だけだったので何とも言えないですね。マスターしたい、モノにしたいけど、なかなかフォークもカットもシュートも完ぺきな投手はいないんで…」

 この日は3番手として4回からリリーフ登板。4回は連続空振り三振と捕邪飛で中軸打者を3者凡退としたあと、5回に3点を失ったが、失策絡み。公式戦ならそれでも「エースだから…」と言われるだろうが、初登板なら調整最優先。納得のマウンドだった。

 「ほかの球がおろそかになったらいけないんで、あくまでも二の次です。投げられればいい。(でも)もう1つレベルアップしたいとも思っています。オープン戦は試していけるいい機会だから、次は多めにとなるでしょう」

 今年で33歳を迎えるケンシンの新境地。次回のオープン戦登板はもちろん先発となる。