荒木が不振から完全脱出した。6回2死二塁、押本の真ん中スライダーをとらえた打球はライナーで右中間を切り裂いた。俊足の荒木らしい“スタンディング・トリプル(滑り込まない三塁打)”が、13日の甲子園での阪神戦(練習試合)第1打席で中前打を放って以来、対外試合で実に25打席ぶりの安打となった。

 復活の伏線は5回の打席にあった。無死一、三塁のチャンスで外角のスライダーを逆らわずにライトへ打ち上げた。「あの打席で少し感触がつかめました」と荒木。経験豊富なベテランには一本の犠飛がヒントになる。次の打席で久々の安打となる適時三塁打を放つと、8回にも中前へ連続適時打だ。

 安打が出ない間は、「いつも4、5月に打てなくて悩むけど、ちょっと早くきてしまいました」と不安を感じていた。オープン戦の打率は1割台に低迷。落合監督からアドバイスを受けるなどして突破口を探ったが、開幕が目前に迫る中でついに2安打3打点の大暴れ。「打てなかったころに比べれば、打撃は上向いている」と手応えを口にした。

 守備は相変わらずの鉄壁。2回、宮本の二遊間へのゴロを飛び付いてキャッチすると、素速い送球でアウトに仕留めた。ゴールデングラブ賞の常連らしいプレーを披露し、「足がよく動いている」と笑った。

 28日の広島との開幕戦へ向けて、攻守のキーマン・荒木の復調は大きなプラス材料だ。「疲れ? そんなこと言っている場合じゃない」。チームリーダーの言葉に覇気がみなぎってきた。