さて以前も書きましたが、Jホラーではリングよりも呪怨が圧倒的に好きなわたし。1999年、Vシネ版で呪怨が世に出て今年は15周年。10周年の「白い老女」「黒い少女」は俊雄くんがあまり意味なく出てくるだけで、佐伯伽椰子や剛雄とは関係なく呪いが発生する物語でした。
しかし今回は伽椰子復活。主演は佐々木希チャン。
第一希望は希チャン=伽椰子でしたが、そんなわけないですね、ハイ。彼女は小学三年生の佐伯俊雄くんの担任で、Vシネ版の小林先生もしくは劇場版の奥菜恵ちゃんの立ち位置でした。


正直、期待してなかったです。普通、続編の続編の続編とかになると、期待する人のほうが少ないと思います。でも案外悪くなかった。過去の呪怨を思い出させるエピソードを違った形で描いているのが、古参のファンには嬉しい。まあ、わたしは伽椰子役といえば藤貴子さん絶対支持なんですが、年月も経ってるし、しょうがないですね。


この映画は、二つの時系列があります。まず最初のシーンは、虐待を受けて縛られたまま放置された少年、山賀俊雄くん(そうなのだ、佐伯ではないのだ)の死体を、警察や児童相談所の人が発見するところから始まります。虐待していた両親は旅行に出たまま行方不明。絶対に俊雄に殺られたな、うん。
そうしてしばらく事故物件として空き家になり、女子高生たちがいたずら半分にその物件に入ってしまう。
もう一つは、その事故物件を佐伯夫婦が気に入って購入し、山賀俊雄が伽椰子の体を借りて転生してもう一度人間として生まれ、小学三年生になり、希ちゃんが担任になる。
だから女子高生の騒ぎと、希ちゃんが呪いに巻き込まれるのには、10年くらいの間が空いてます。


呪いの元凶が伽椰子から俊雄になっているのが、ちょっと減点。だって俊雄の白塗りって前監督がギャグでやったって聞いてるし、わたしは伽椰子が好きなんだー。
あ、でも伽椰子がストーカーではないものの、サイコで電波な執着心の強い嫁なのは変わりなかったです。


今回、新たに渦巻き模様、そしてハミング(なんか簡単なメロディーで、♪フ〜ンフ〜ンフ〜ンンンン〜♪…こんなんでわかるかーッ!)というモチーフが加わりました。そういや「うずまき」とかいう変なホラーあったなぁ。まあいいや。
さて、山賀俊雄くんの死体が見つかるシーン(ここでもう俊雄が白塗り幽霊化)のあと、希ちゃん演じる結衣が、佐伯俊雄のいるクラスの担任になります。新学期が始まったばかりなのに、前任の男性教諭が辞めてしまったからです。俊雄の不登校を心配して家を訪問してすぐ辞め、その後死亡。そう、佐伯邸に入ったら即死亡フラグ、このルールは健在です。
なお、呪われるモチーフの渦巻き。結衣が校庭に落ちている傘を見つけて近づくと、実は地面に大きく描かれた渦巻きの中心にいます。フラグよ、フラグが立ったわ。

結衣は直人という恋人と、これでもかというくらい生活感のないオシャンティーなマンションで同棲しています。恋人も巻き込まれるというと、劇場版2のエビソードか。


さてまだ佐伯夫妻が越してくる前、4人の女子高生が例の家に行きます。
莉奈、葵、弥生、そして恐がりの七海。葵の姉が不動産会社に勤めていて、この事故物件のことを聞いたのです。幽霊どころかきれいで広い高級住宅で三人は拍子抜け。ところが一番恐がりの七海(演ずるはトリンドル玲奈チャン)には「♪フ〜ンフ〜ン」とハミングで歌う子どもの声を聞いて、誰かいるんだと思い2階に一人で上がっていきます。
そうして山賀俊雄が死んでた部屋でガタガタとポルターガイスト現象でビビったあげく白塗り俊雄を見て「ギャース!」。その頃ほかの三人は幼児が描いたような稚拙な絵を見て笑ってました。弥生が持ってるのはベッドで寝ている人。莉奈は顔が燃えてる人、葵はあごが外れたように口が広がった人。


この三人、それぞれ手に取った絵と同じように死にます。弥生は部活の最中、体育館のステージ裏で異変に遭い、怖くなって保健室のベッドに飛び込むと、下から何かもぞもぞ上がってきて、俊雄と目が合った途端、肉体ごともってかれてベッドは平らに。これ、劇場版1でありましたねえ。寝ている時に怖い思いをすると、人はなぜか布団の中が安全みたいに思って潜り込む。ホラーではそのまま朝を迎えるのがパターンだけど、それが通用しないことを呪怨が描いたのであります。
次は莉奈。葵と七海がお見舞いに行くと、あの、窓に新聞紙や雑誌をべたべた張り、部屋のクローゼットや引き出しもテープで目張りしてる懐かしいパターン。莉奈は机の下に隠れて「白い男の子が来る」と怯えきっています。彼女は顔に大火傷をして冷蔵庫の中から出てきた俊雄の手に引っ張られ、持って行かれました。
葵は、鏡に映った自分がなぜか下あごを押さえ、下へと引っ張っていきます。(ミラーズを思い出した人、仲間です)姉が行くと、下あごが浴室にぽつんと残っていました。
七海は、そこそこ混み合った電車の中、という割と安全な所にいましたが、莉奈と葵を見つけてそばに行くと、下あごのない葵(これはVシネの柑菜よりハリウッド版の洋子に近い)と真っ赤に火傷した顔の莉奈。電車の天井には弥生も現れ、そこからパッと佐伯邸にテレポートしちゃいます。人混みにいても安全ではない怖さ。こういうのが好き。
そんで七海はまだ何もないフローリングであちこちに引っ張られたあげく、下見に来た佐伯夫妻と葵の姉がきたところで姿が消え、あの世行き。


さて、事故物件を買い込んだ佐伯夫妻はというと、伽椰子はやはり日記をつけていました。最初は基礎体温などを書き込んでいましたが、子どもを熱望するもそれがかなわず、日記の中身がどんどんサイコになっていき、最後は「こどもこどもこどもこどもごとも」と書き殴った字でびっしりかいている有様。そして劇場版2で伽椰子がヒロインを使って転生したように、そんな伽椰子につけこみ、伽椰子を使って再び生まれ、俊雄と名付けられ、晴れて佐伯俊雄くんの誕生です。


たぶん、俊雄の不登校が始まる前日くらいに、事件は起こったんだろうなぁ。だから家庭訪問した結衣は、佐伯家でものすごく不気味な伽椰子に会いますが、もうあの時には死んでたんですね。結衣に訊かれて「(俊雄は)夫が連れて行きました」と言ってるのは夫が二人を殺したのでしょう。
結衣は伽椰子が背を向けたままなのでそばに近づくと、イッちゃった顔つきでノートにグルグル渦巻きを書いていて、逃げ出します。まだ昼間でも、呪怨はそういうの関係ないから。
でも逃げないで「お母さん、どうしたんですか」駆け寄る手段もあると思うのだが。かややのファンのわたしならそうするぞえ。
そうして佐伯家に入ってしまった結衣。彼女もぼーっと窓ガラスに渦巻きを書き続けたり、テストを採点しながら丸を渦巻きにしたり…。そんな結衣は学校に伽椰子が現れたのでついて行き、本人とは会えないけど、伽椰子の電波日記を入手します。
しかしそれを読むのは、結衣ではなく恋人の直人。結衣の様子が変なので、彼女のかばんを調べていて、日記を発見。
そして葵の姉の夫だった不動産屋(演 袴田吉彦)から山賀俊雄の事件のこと、人ではなく家が原因であること、入っただけで妻と妹が死んだ、と聞かされ、古い新聞を調べます。
するとあら〜山賀と佐伯のダブル俊雄はおんなじ顔なのでした。
そんなことを調べてたら、懐かしい「アアアア」の声で伽椰子が現れ、直人の首をコキャッ。直人はなぜ抵抗しないんだろう。ま、いいか。
で、結衣が「直人」と呼びながらやってきたら、首が180度回転した直人が死んでるわけですが、泣いてうずくまっただけで、なぜか警察には通報もしなかった模様。


そして再び佐伯家に行く結衣。そこでは、目張りをしてあった部屋や押し入れのガムテープを剥がしまくります。直人が死んでおこ? おこなの? アルバムやビデオで過去の円満な佐伯一家を見ます。成長と共に父親に懐かなくなる俊雄。最後のビデオテープには、一人で寝ている伽椰子の体に白塗り俊雄がすっと入る様子が映っていました。これで伽椰子は念願の懐妊となったわけですね。
それからまるで目の前で起こっている出来事のように、結衣の前に佐伯夫妻が現れます。
俊雄があんまり自分に懐かないので「誰の子だー」と伽椰子に詰め寄る剛雄。Vシネ版の、剛雄が真奈美を殺すところみたいに。
そして剛雄は伽椰子の首をコキャッとやって殺害。前シリーズとここは同じ。
そしていつからいたのか「お母さん」とつぶやく俊雄から、抱いていた黒猫を取り、都市伝説の猫レンジと同じく殺します。コラ、猫は関係ないだろ。
次に包丁を握って俊雄に近づいていく剛雄。
結衣が見たのはここまでです。再び押し入れに行くと、天井裏には伽椰子の死体が。ここも前と同じね。しかし死体が目をかっと開く。そして結衣に向かって這い寄る。
わたしならここで「伽椰子、伽椰子たん」と、せっかくこっちに向かってきてるんだから、がしっと抱きしめて自分のスパダリぶりを示したいとこですが、結衣先生、ビビって逃げる。当然か。でも這い寄る演技も藤貴子さんは秀逸だったのになぁ。
しかし前方伽椰子、後方俊雄に挟まれて「ンギャー」と思ったら、そこで目が覚める結衣先生。
直人に呼ばれて、夢だったと安心してリビングに行くと、そこは白塗り俊雄がいて、首の180度回転した直人が立っていました。
すーっと結衣先生の目から涙が落ちて、END


なんかラストのほうで、結衣は白塗りに「お母さん」と呼ばれていたので、命が助かった代わりに俊雄を転生させてしまうんかなー。そこらへんは謎のままでした。好評だったら続編でわかるかも。
呪怨の新作は難しかったと思います。剛雄と伽椰子の夫婦と息子の俊雄、名前もそのまま使われているので、今回は呪いの核が伽椰子から俊雄に変更になったり、俊雄が実子じゃなかったり、いろいろ工夫はあったと思う。剛雄・伽椰子・俊雄だけは鉄板なので、変えられないでしょう。
だから、前シリーズと比べるな、と言われてもちょっと無理なんですよね。
敢えて「お帰りなさい」と言ったところか。
個人的には北田良美の、夫をフライパァァァン!! と殺害するシーンも見たかったな。
あと佐伯邸は、練馬区から川崎市に変更になってて、家には伽椰子のお立ち台(階段の吹き抜けにある窓。よく伽椰子が影になって立っている)がなかったです。剛雄もイラストレーターではなく商社マンになってました。
ところで這い寄る伽椰子たんは幽霊ではなく、夫に屋根裏に運ばれた死体が動いているので、存在感があっていいです。狂気な日記も良かったです。でも元凶は俊雄。わたしはやっぱり伽椰子がいいな。