【公開書簡(仮)】吉田豪にインタビューされるような人になりたい
先日、吉田豪さんの「聞き出す力」という本を読んだの。プロインタビュアーの吉田豪さんね。
私、昔から吉田さんが大好きなんだけれど、なんかこう、生きていく1つの指標に「吉田豪にインタビューされるような人間になろう」って言うのがあるんだよ。
仕事ではインタビューする側の方が圧倒的に多いから、普通は「こんなインタビュアーになりたい」とか思うはずなんだけど、そこは私の「ひとかどの人になりたい」という欲なんだろうねぇ。あんな風に自分に興味を持ってもらえて、あんな風に質問されたら、嬉しいだろうなあって思う。吉田豪さんにインタビューされる人を、私は心底羨ましいと思う。
一緒に番組をやらせてもらっている、ロバートさん(ロバート・ハリス)が言ってたの。
「最近の男の子はさ、自分のことをしゃべりすぎなんだよね。デートで何を話したらいいんですか?って聞かれることがあるけど、女の子に質問すればいいんだよ。自分がインタビュアーになって、聞くの。女性って自分のことを聞かれる機会が少ないから、喜んで話してくれると思うし、彼女のことがよく知れるし。2 人ともハッピーになるよ!」
これ、本当にそうだと思うよ。デートで自分の歴史を語り尽くす人、まぁ嫌いじゃないけど、私の話も聞いてよって言いたくなるもんね。
とは言え、わたしはあんまり、自分のことを話すのが好きな方じゃないんだけどさ。でも、それって単に「誤解のないように伝えることの難しさ」を前に、臆病になってるだけなんだよなぁって思う。
つい、奇をてらう言い回し、しちゃったり(ほら、そのほうがステージが盛り上がるじゃない?みたいな)ネタに持って行っちゃったりね。
でも、「あ、この人はわかってくれる人だ!」って直感は、外すことがないね。共通の辞書を持ってるっていうかさ、言葉の定義が似ていたり、価値観や感覚が似ているの。そういう人に話すときはワクワクするよね。双子に会えたみたいな気持ちでさ。間仕切りが「こっち側」みたいな。何がどう間仕切りられてるのかっていうのは、上手く説明できないけど、「あ、こいつは仲間だ」って思える感覚かな。はぴさんと会うと長くなるのは、なんかこの感覚があるからな気がする。
でさ、好きな人に質問されるのって嬉しいよね。それが恋愛の好きでも、人類愛の好きでも。
質問するのも、わたしは嬉しいほう。その人の持ってる哲学を聞けるのって、すごく興奮するよね。秘密にしておきたいこと、きいちゃった!みたいなテンション。
そんなわけだから、はぴさんにきいとくね。はぴさんは何で、カレーが好きなの?どうしてカレーを好きになっちゃったの?いつも、どんな気持ちで、連載記事を書いてるの?
まずはそのあたりから、きいてみたいなぁ。あと、私への質問も待ってるね。
(あんまり難しいのはヤダよ)
【紹介した本】
聞き出す力
著者 :吉田 豪
日本文芸社 (2014/12/19)
http://amzn.asia/9jANDxw
【公開書簡(仮)】神楽坂の牡蠣バター
大人になったら、誰もが均等に楽しめるようになるに違いないと思ってた場所ってあるよね。その1つが神楽坂だよ。昔は、飯田橋と神楽坂がこんなに近いって知らなかった。神楽坂に来たのは20代の時のラジオの仕事でだったし、飯田橋に来たのは
30代でライターの仕事で来て、編集長と明太子食べまくった記憶ぐらい。
それにしても今夜の、牡蠣のバター焼きは美味しかったねぇ。神楽坂を歩き回ってみると、道はつながっているとわかる、なんてことを昔、椎名林檎が歌っていなかった?「贅沢は味方…」って歌い出しから始まる歌ね。タイトル、いまど忘れしてるけど。
それで、あのバター焼き、ホントに美味しかったよ。広島のお好み焼きっていう看板が見えて、あれが見えちゃったから、もう少し歩こうかって言って、歩いて行ったじゃない?
まぁ、千客万来の雰囲気ではないよ。ドアは締め切られているし、中は見えやしないし。でも私、自分の好きな人とか、気に入ってる人と「ここに入ろう」と思った店って、なんか外さないんだよね。こういうのを呼ばれるというのかしら。
カウンターに初老の男性と女性。向かい合いの席にあと1組だけ。
忙しそうにカウンターの奥で、おねぇさんたちか何かをジュウジュウ焼いてる。
こういう雰囲気を「いいよね」って思える人とじゃないと、こういうお店って入れないじゃない?はぴいさんも言ってたけど、お店の評価って総合的なものでしょ。評価って言い方もなんか上からだけど、誰と行ったか、どんな時に行ったか、居心地がよかったか、暑かったか寒かったかとか、それが総合して「いい想い出」になったかどうかみたいなとこ。そういうのを総合して「よかったねー」って言い合える関係の人と飲みたいし、ごはんをしたいよねぇ。
それで牡蠣なんだけど、なんだろ。はぴいさんが「生牡蠣はすぐなくなっちゃう」って言った時に自分で言った「生牡蠣って飲み物だからね」っていうのが、自分で気に入ってんの。あれ、噛むものじゃないもんね。飲み物だよね。つるーん。ちゅぷーん。じゅるる。
対して、バターで焼かれた牡蠣は、なんであんなに、噛み締めたくなるんだろうね。それでもって、死ぬほど美味しいんだろうね?
カウンターの鉄板で、おねぇさんが、たっぷりひいたバターの上に牡蠣を並べてさ、鉄板に押し付けてるのをチラッと見た時、もうそこから釘付けだよ。それで、運ばれて来たらさ、もう。あんなにこんがり焼けた牡蠣、みたことある?焦がしたチーズみたいでさ。それが牡蠣の周りを綺麗に覆っていてさ、写真に撮ったら、唐揚げみたいでさ。
しっかり焦がしたバターほど、人を幸せにするものってないね。そこに、手をかけた牡蠣が乗っかるんだもの。もうそんなのズルイよ!って感じでしょう。
付け合わせはパセリ。パセリだよ、パセリ。まるで昭和で素敵じゃない。それからひとかけのレモン。ほんのちょっと垂らすとまた、これがジューシィでさぁ。食べ終わった後のお皿を眺めてるだけで幸せだなんて、そう思える自分が幸せだなあって思ったよ。
おっと、おかしいな。今日は写真について書こうかなって思ってたのに、牡蠣の話になっちゃった。まぁ、それだけ美味しかったってことだよね。終わったあと、余韻に浸れるようなものって、ほんとうに「いいやつ」なんだよ、きっとね。映画も本もそうかもしれないね。恋はどうだかしらないけど。
【お邪魔したお店】
土~日 12:00~17:00、夜 17:00~23:00
東京メトロ東西線飯田橋駅C1出口より徒歩2分
東京メトロ有楽町線飯田橋駅C1出口より徒歩2分