2009年06月11日

5クラス理論

d98e3955.jpgあなたは相手に、チャンスボールを上手に上げられますか?

「え、なんで相手にチャンスボールを上手くあげなきゃいけないのー?」

なんて思った人は、5分の1のポイントを放棄しています。

試合中に自分が打つボールの種類は、そのレベルで5つに分類できます。

Aクラス...エースを取る・ショット
Bクラス...アドバンテージを取る・ショット
     (カウントのアドバンテージではなく、優位の意)
Cクラス...つなぎ・ショット
Dクラス...アドバンテージを与える・ショット
Eクラス...チャンスボールを与える・ショット

もらったボールの難易度に応じて、通常それを返球できる確率が90%以上になるショットをチョイスしなければなりません。

Eクラスのはずなのに、エースを決められるのがしゃくだから、何クラスも上のショットをチョイスしてしまっては、結局勝つ確率は下がってしまうのです。
1球前に打ったショットが悪いから、相手によいショットを打たれてしまったわけで、打たれてしまったのはもうしょうがないのです。
今大切なことは「ベスト・チョイス」というプレーをすることなのです。

チョイスすべきショットの1クラス上を選ぶと確率は20%下がると仮定すると、ゲームメイクがうまくいきます。

例えば、今もらったショットが相手の会心のショットで、Eクラスをチョイスしたときに90%の確率で返球できるとします。
すると、1クラス上を選ぶと70%の確率で、勝負としてはまだ選ぶ価値のあるチョイスです。
ここ1番勝負をかけたいときに1クラス上をチョイスしましょう。

ところが、2クラス上を選ぶと50%となってしまい、ジャンケンで勝敗を決めるのと同じこと。通常はチョイスできませんが、40-0の時などスコアにアドバンテージがあるときにチョイスすることができます。

3クラス上を選ぶと30%、4クラス上は10%ですので、負けたいときにチョイスします(笑)

返球率90%以上のショットを選ぶことをノーマル・チョイスと呼び、
1クラス上を選ぶことをワンナップ・チョイスと名付けます。
通常はこの2つだけでゲームメイクします。
イマージェンシーで2アップ、3アップを使用することがあります。
このチョイスがノーマルかどうか自信がないときは1ダウンをチョイスしてよいですが、本来この「見積を低く設定すること」がノーマルチョイスです。「保険をかける」とも言います。

ノーマル・チョイスのみしか使用しないつまらない選手を「シコラー」と呼びます。
わけもわからず上のクラスばかり選んでしまう選手は「エース・オア・フォルト」、「ストレス解消テニス」などと呼ばれます。

ワンナップ・チョイスを繰り返しても90%以上の確率を保ってしまう精神状態を「ゾーンに入る」と言います。

的確にノーマル・チョイスしながら、どこでワンナップをチョイスするかがゲームメイクをする上で重要な鍵となってきます。

さあ、ここではまだそれを返球したあと、相手がポイントを取る確率をかみしていません。
例えば、90%のEクラスをチョイスしてロブを上げたあと、相手がスマッシュを決める確率が95%だとすると勝つ確率は、
0.9×0.05=0.045 で4.5%ということになります。
それはやめて、もし無理をしてエースを狙ったときの返球率が10%で、決定率が90%だとすると、勝つ確率は
0.1×0.9=0.09 で9%ということになりこちらの方が、ベター・チョイスになります。

10%の確率でエースを取る自信のあるボールを、やめてロブを上げるなら、相手が10%以上ミスるようなクオリティーが必要です。
冒頭の質問「チャンスボールを上手に上げる」必要があるのです。

しかしながらこのようなことをラリー中に考えるのは不可能ですよね。
このようなことは日頃の経験で、1ポイントが終了したあとに分析し、その情景を「絵」として脳に蓄積し、その絵をトリガーにしてラリー中同様な絵に出くわしたとき、その引き金を引けばよいわけです。

トリガーに出くわすまでは、上記の5-クラスだけをかみすればよいでしょう。
そして相手には、チョイスした対極のクラスが与えられると見てよいでしょう。
Eクラスをチョイスしたら、相手にはAクラスが与えられ、
Bクラスをチョイスしたら、相手にはDクラスが与えられ、
Cクラスをチョイスしたら、イーブンです。

逆から見ると、AをもらったらE、DをもらったらBで対処します。

本能はどうしてもA,Bクラスを打ちたがりますので、D,Eクラスを上手に使用できる人は、「大人のテニス」と言って良いでしょう。

何クラスかの判断は、あくまで自分目線で、客観的なものではありません。
フェデラーやサンプラスの全盛期のテニスを見ていると、客観的には明らかにEクラスをチョイスすべきボールなのに、彼らはAクラスをチョイスしてしまいます。
ということは対極的に、トーナメント初級者は、客観的にはCクラスに見えても、Dクラスをチョイスする勇気が必要です。

ポジティブに考えると、相手に先に1クラスアップされないよう、自分から先に1クラスアップすることを常に心がけましょう。それがテニスで大切なボランティア精神です。
相手をクラスダウンさせるための試みも、クラスアップと言って良いでしょう。

テニスの階段は、跳び越さず、1段ずつ登りましょう!



ソーホーストリンガー


  

Posted by yyr_co_jp at 03:53Comments(0)TrackBack(0)