2013年02月14日

振動止めにまつわる誤解

振動止め振動止めというネーミングから、これをラケットの振動を止めて腕への衝撃をやわらげるものと勘違いしている人が非常に多い。

着いている場所をよく見てください。振動止めが着いているのはガットです。
ガットの振動を止めているだけなのです。

ガットはギターに例えると弦に当たります。弦は音を出す音源、つまり振動止めとは

音消し = ミュート


なのです。音も空気の振動なのでネーミングに誤りはありませんが、正確には空気の振動止めと言うことになります(笑)

冷静に考えれば、たかが3gのゴムの固まりがラケットの衝撃を止められるわけがありません。
グリップのそばに300gの鉛を着ければしっかり衝撃を止めてくれることでしょう(笑)

ここまで読んで、「なんだ無駄のものを着けていたものだ」と思ってしまうかも知れませんが、全くそんなことはありません。
テニスにおいて「音」というのは非常に重要なファクターで、音のニュアンスによって脳で感じる打感が全く変わってきます。
練習中、耳栓をしてラリーしてみてください。いきなり調子を崩すはずです。

ギターではミュートの方法によって音のニュアンスが全く変わってきます。主に音が消えるまでの時間の長短を右掌でコントロールしてバリエーションを与えます。
テニスにおいてもいろんな振動止めがあるのは、それぞれに音のニュアンスがあり、自分にあった音のする振動止めを選ぶべきなのです。
つまり自分が打感のよいと感じる音を見つけるのです。

当然のことながら音の良し悪しはガットの銘柄によっても変わってきます。あなたが打感がよいと思っているガットは実は「良い音を出すガット」なのかも知れません。

音楽的に音の長さは長いほど音価(音としての存在価)が高くなります。
音質は音価が高いほど判別しやすいのは当然のことです。
と言うことはテニスにおいては音価を低くしてやれば、相手に球質がばれにくくなります。

微力ながら振動止めは着けた方が勝負には有利と言うことになります。

余談ですが、シャラポワが打球時に発する声が他の選手から非難されるのは、その打球音を声でかき消して球質を判断しづらくしていることに起因します。現時点のルールで禁止されていない以上、シャラポワにとって上手な手法と呼べるかも知れませんが..




ソーホーストリンガー



  

Posted by yyr_co_jp at 00:43Comments(0)TrackBack(0)