2013年12月26日

練習の最終打は、決めて終わろう

39この意識がない限り、練習の終わりは常にミスで終わる。

ところが、ちまたのコートでは、ミスで練習を終えている人がほとんどだ。

二人で練習していて、決めて終わるには、人の居ないところにボールを打つ突拍子もないことに感じてしまうため、そうなって当然かも知れない。
日本人特有の「相手に悪い」という意識が働いてしまうのもあるだろう。ボールを拾いに行くのが面倒という愚かな人もいるだろう。

当然のことながら、最後に打ったショットのイメージは強く印象に残ってしまう。

最終打を決めて気持ちよく終われば、脳内によいイメージを残して固定することができる。

そこで、今日からは練習直前に、

 『ミスで終わらないように、最終打は居ない所に決めて終わろうね!』

と、一声かけるだけでOK。
コンセンサスが取れていれば、「相手に悪い」は存在し得ない。
スマホがあれば、この記事を見せるのも一手(笑)

練習の最終打というのは休憩に入る直前という意味ではない。
練習の区切り区切り、つまりワン・ボールの終わりという意味だ。
もちろん休憩前の最終打は最も強く印象に残るので、最も気持ちよく終えよう。
区切りの過半数は決めて終わりたいものだ。

隣のコートが試合中など、どうしても打てないときは、ドロップショット、ドロップボレーで終えよう。
打球せずにガット面でボールをキャッチして終わるのも球道のイメージが残って良い。

考えると二人で練習して、相手の居ないところに打つ練習の量が如何に少ないことか...
来たボールを、来た方向に打ってばっかり...
言い換えれば、試合で最も重要な角度をつけて打つ練習が不足なのだ。

ところで、最終打を打てるのはどちらか一人。
すすんで決め安いボールを出し、相手に決めさせてあげる方の人を

『おとな』

と呼ぶ。こんな人は大抵テニスの実力も上。




ソーホーストリンガー



  

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2013年12月16日

ガットの裏性能

Uraガットには2種類の性能がある。

一つは、ボールの飛び、ホールド感、耐久性など、一般的に選手が評価する性能。

ここで論じたいもう一つの性能は、ストリンガーが評価するべきガットを張る際の性能だ。
裏性能とでも呼ぶことにしよう。

パッケージの裏をめくってもそれは書かれていない(笑)


◆裏性能-1 巻き性能

巻き性能は糸の巻きの大きさに比例する。張る前にくるくる巻かれた糸の直径だ。
選手から見たら、巻きの大きさなどどうでも良いことだ。張り上がれば分からないので当然だ。
しかしストリンガーから見て、巻きの小さいガットは性能が低いガットと呼ばざるを得ない。
ガット張り作業とは、ガットたぐり作業と言っても過言ではない。工程時間の多くをガットをたぐることに費やされる。
巻きが小さいとガットは絡みやすく、この作業が余分なロスタイムを与える。
時間を損するだけだと思ったら大間違い、ガット1本1本の張り時間をコンスタントにしないと張り上がりの面圧にも微妙なばらつきが出てしまうのである。
よって、巻きの小さい単張ガットより、巻きの大きいロールガットの方が高性能と言うことができる。

ナチュラルガットは単張である上に、たぐる際コブができやすく更に性能が低い。

単張ガットにも巻きの大きい商品と小さい商品がある。
巻きの大きい商品はショップに陳列する際場所をとり、利益重視のショップには疎んじられる。
それにもかかわらず巻きの大きい商品を出すメーカーは性能重視の信用のおけるメーカーと言えよう。

パッケージは小さいけれど、開封してほどいたとき巻きがゆるみ直径が大きくなるガットもある。つまり巻き癖が付いていないのだ。ガットの材質だけでなく製造からの経過時間も影響するだろう。

Fortenというメーカーは単張のみならずロールガットにおいても一般より直径の大きいリールにガットを巻いている。安いなりに性能の良いガットを作るメーカーだ。この性能に関しては最高級品を出すというだ。

全般的に見て、単張りばかり出品し、ロール取扱に消極的なメーカーは、性能より利益重視のメーカーと呼ばざるを得ない。


◆裏性能-2 クランピング性能

ガットを張るために1本1本テンションをかけるわけだが、マシンで引っ張った糸を一時的にクランプという道具で挟み仮止めする。StringClampその際の性能のことだ。
この時そのテンションをロスしないガットほど性能がよいと言える。
挟んだ場所のダメージが少ないことも重要だ。

モノ芯のポリエステルガットは被覆もなく滑ることもない、最もテンションロスが少ないガットだ。ダメージもほとんど影響ない。

ナイロンの場合、モノといっても被覆がある分だけその材質によって滑りやすい場合がある。

やっかいなのはマルチフィラメントガット、素材の多くはナイロンで、極細の繊維を束ね、接着剤で硬め、被覆で被われた構造をしている。
この構造ゆえ、クランプで被覆の表面を挟んでも中の繊維は動いてしまうのである。
このせいでクランプの隙間の大きさによって、張り上がりテンションが違ってくるのだ。
隙間をきつくすればロスも少なくなるが、きつすぎるとガット自体にダメージを与えてしまう。
TGageこのためクランプの隙間は、シクネスゲージを使用して正確に測定しなければならない。もし2本のクランプの隙間が違っていたとしたら、ラケットフェース左右の面圧は片ちんば、おまけに横糸は交互に違うテンションで張られてしまう事になる。
ご利用のショップに
「クランプの隙間はどうやって測ってますか?」
と尋ねた方がよい。シクネスゲージを使用していないならマルチフィラメントは依頼しない方がよい。毎回違うテンションで上がってしまう。
「長年の感」などと答えるストリンガーは信用できない。長年の感があれば、しっかりゲージを使わないととんでもないことに気づく。
しっかりゲージを使用しているショップでも、モノ芯に比べテンションは低く出るはずなので、その分テンションを高く依頼する考慮が必要だ。

ナチュラルガットは被覆に被われていないもののコーティング剤に被われているため滑りやすく、マルチフィラメント同様の扱いが必要だ。


◆裏性能-3 タイオフ性能

タイ-オフ(Tie-Off)とは言葉通り結んで切りとることだ。
軸になるガットに糸を巻きつけノットを作って結び、あまった糸を切って捨てる。
最もテンションロスが出やすいのがこの作業だ。
2本張りにおける縦糸のタイオフに至っては横糸とは比べものにならないテンションロスがあるため、タイオフ性能は重要なファクターだ。(なるべくなら縦糸でタイオフは避け、最後の1本を横に通してからタイオフすることをお薦めする)

他ではさんざんなナチュラルガットの裏性能もここでは高性能だ。ガット同士がきっちり密着し、テンションロスが非常に出にくい。綱を締め付けているような感覚がある。強く引っ張らなくてもしっかり締まる。
このためナチュラルガットは一般的な8ノットは使用せず、ダブルノットを使用する。
この高性能を知らない初心者は、強く引っ張って切断してしまう場合もあるだろう。

ここでもやっかいなのはマルチフィラメントガット、表面が滑りやすい素材が多く、テンションロスが出やすい。うかつな方向に強く引っ張ってしまうと切断のリスクも大きい。

ポリエステル・モノの場合タイオフしやすいが、柔らかい素材ほどテンションロスが出やすい。丈夫なので切断の心配も少ない。

ナイロン・モノは被覆が滑りやすい素材ほどテンションロスが出やすい。


◆裏性能-4 ノッチング性能

ノッチとは縦糸と横糸が重なった部分にできる溝のこと。
ほとんどのガットは、張った直後にノッチは無く、打球を重ねるごとにノッチが深くなり打感も劣化していく。

ところがまれに張った直後からノッチができてしまうガットもある。これはガットの基本構造には関係なく、表面素材によって決まる。
コーティングの良くないナチュラルガットや、被覆の柔らかすぎるマルチガットに張りたてノッチングしてしまうものが多い。

スピンガットと呼ばれる表面が凹凸のガットは、張る前からノッチだらけのようなもので低性能だ。

ガット張りの最終仕上げで糸のマス目を整えるが、この張りたてノッチングのせいで真っ直ぐに整えられない場合もある。


◆裏性能-5 色性能

ガットの色と打感には密接な関係があるがそのことではなく、色が張り作業に及ぼす影響のことだ。

黒いガットは張りにくく低性能。
ガットの動きに無頓着なストリンガーには関係ないだろうが、黒いガットは表面の動きが視認しづらいのだ。したがって微妙なねじれや、糸飛ばしにも気づきにくい。
また、ガットにマーキングする際、フェルトペンが使えないのも減点だ。
私はペイントペンを使用している。
ガットにマーキングすれば、ガットの長さをセンチ単位で把握し、それによってテンションの設定ミスや、クランプの滑りによるテンションロスを発見することができるのだ。
余談だが、マーキングは、ショートサイドを短いマーク、ロングサイドを長いマーク、その隙間をマーキングポイントにすると便利だ。

対極的に透明のガットはその裏側まで見えてよい。

模様のあるガットも表面の動きが把握しやすい。
模様も無くガット銘柄の刻印もない無地のガットは、表面の動きに注意が必要だ。

ツアープロにおいてはステンシルマークを入れる上でも色性能が影響する。
黒いガットは一般的な赤、黒のステンシルインクが使用できないので、ここでも低性能。
原色で濃い赤、青などもステンシルが目立ちにくい。


◆裏性能-6 毛羽立ち性能

もちろん毛羽立たないガットほど張りやすく高性能。
斜めにカットされた先端部分が毛羽立ってしまうことが多い。毛羽だったら先端を切り直して使う。
ポリエステル・モノに毛羽立ちはあり得ないのでもちろん高性能。

ナイロン・モノは被覆だけ毛羽立つものがある。

マルチは繊維が細かいほど毛羽立ちやすい。

ナチュラルガットはもっとも先端切り直しが多い。先端のみならず、ひどいガットはこすれ合ったガットの表面まで毛羽立ってしまう。ガットのヨリまで解けてしまうものもあるが圧をかければたいがい元に戻る。


◆裏性能-7 形状性能

一般的な円柱型が高性能と言って良いだろう。
太さは細いほど張りやすいため高性能。怠けたショップはむやみに細いガットを勧める。張りやすい上に早く切れるからだ。

断面が6角形、5角形、4角形など多角形のガットは縦糸を張る分には影響ないが、横糸を通す際、摩擦が大きく張りづらい。また、ねじれやすいので低性能だ。ねじれに気づきやすい意味では高性能とも言える。
またクランプに挟む向きによってギャップが変わってしまうため注意が必要だ。正方形をイメージしてもらえれば4辺より対角線の方が長いのが理解してもらえるだろう。
楕円のガットも多角形と同様。

凸凹形状のガットも横通しの摩擦が大きい。


◆裏性能-8 安定時間性能

ガットに圧をかけ始めてから、かけ終わって安定するまでの時間のこと。

モノ構造のポリエステルガットは、あっという間に安定し高性能だ。
しかし短時間と言うことは弛みを落とす時間も限られてしまうため手際の良い作業が必要だ。特に最新のマシンは引っ張り速度が速いため、手際の悪い人は弛みを残してしまうことだろう。
ところで最近は柔らかい素材のポリエステルガットに人気があるようだ。硬いのがポリの特徴なのに、わざわざ柔らかさを求めるのも妙な話しだ。柔らかいのが好みなら、はなからナイロンを選べばよいのに...
ポリの中でも柔らかいほど安定に時間がかかり低性能になる。

ナイロン・モノも材質が柔らかいほど時間がかかる傾向にある。

ナチュラル、マルチはその弾力性ゆえ、安定に最も時間がかかり低性能。


◆裏性能-9 穴くぐり性能

ガットをグロメットの穴に通すときの性能のこと。
普通の穴ならどんなガットでもその性能は影響しないが、既にガットが通って狭くなった穴や、フレームの縁を縦糸に塞がれてしまっている場合、この性能が問われる。

細くて硬いガットほど高性能。ポリエステル・モノの1.1mmなど最高性能だ。タイオフ用に用意された大きめの穴以外の普通の穴でもタイオフに使用できてしまう場合もある。

あとは毛羽立ち性能とほぼ比例する。

ナチュラルやマルチはやはり低性能だが、隙間を通す際、切れのよいハサミで先端を極端に斜めにカットし被覆だけが残るような薄さに処理すると、隙間を容易に通すことができる。ガットを押して通すのではなく、先に出てきた薄い部分を引っ張って通すのだ。


以上、一見選手には関係ないと思えるガットの裏性能だが、ストリンガーが快適に張れるガットの方が張り上がりが良好になるのは当然の傾向だ。

また、おもしろいことに高価なガットになるほど裏性能は低い傾向にある。皮肉なものだ。




ソーホーストリンガー


  
Posted by yyr_co_jp at 05:08Comments(0)

2013年12月13日

ロールガットは単張より良質?

これはあくまでガット張り職人の頭に浮かぶ想像です。

N氏は、あるガット工場の働き者の職員。
今日もせっせと200mのロールガットを巻き上げて出荷しています。
StringFuctory

「今日はどうも機械の調子が悪い」
「50mごとに何度もガット表面に小さな傷が付いてしまう」
「200mないと商品にならないんだよなー、かといって捨ててしまうのももったいない。どうしたものか...?」
「あっそうだ、12mの単張ガットにして出荷すればいいんだ!」

さてあなたが選手なら、しっかり検品済みとは言え、この単張ガット買いたいですか?
ショップには『50mでトラブったガットです』とは書いてありません。

ロールガットなら最低でも200メートは機械の調子の良い状態で製造されているという想像のお話でした。

せっかく機械の調子も良く、200mつながっているのに、使用長が分かる前に短く切ってしまうのももったいない、という話でもあります。

10mで足りたら、2mはゴミ。
2400円のガットなら、400円をゴミ箱にポイ。

“もしかして、単張ガットって、みんなロール製造に失敗したガットなのかも!?”
という疑念まで湧いてしまう。
もしそうじゃないのなら、全ての人が単張ガットを拒否すれば、価格は確実に下がります。

いつもココをクリック、ありがとうございます。人気blogランキングへ




ソーホーストリンガー














  
Posted by yyr_co_jp at 04:42Comments(0)

2013年12月11日

ガットのアハ体験

ガット劣化に気がつかない人は、
「自分って鈍感なのかなー?」
と落ち込む必要はない。徐々に劣化していくからその変化に気がつかないのだ。

これ、ちょうどあの「アハ体験」の原理と同じだ。
ほんとに徐々に劣化するから気づかないのだ。



分かってしまえば
「なんでこれに気づかなかった!」
という気持ちになる。

ストリンガーやテニス上級者目線では
『なぜこんなヘタッたガットに気づかない!』
と感じる。

さて、ここでみなさんに気づいて欲しいのは、
『どこがどう変化したか分かった状態で動画を見ると、秒単位で変化している様子が分かる』
と言うことだ。
ガットも張りたての物と、へたりきった物を同時に用意し、どこがどう変化したか検証し、いつもそこを意識していれば、時間単位でそのへたり度に気づくのだ。

特に、音の変化には敏感になってほしい。張りたての打球音は実に切れの良いサウンドを響かせる。

「気がつかないんだから、へたってたっていいじゃない」
という理屈を言う人は、かなり技術的に損をしている。
張りたてのガットという極上の性能を出すガットを、硬くて扱いにくいガットに感じてしまうのだ。
YouTubeのスクロールバーを一気に先頭付近に戻した状態だ。

まるで研ぎたての包丁が、切れすぎて恐い、と嘆く料理下手の主婦のようだ(笑)

研ぎたての包丁は、力を入れなくても食材が気持ちよく切れる。
切れなくなった包丁に徐々に慣れていくと、知らず知らず無駄な力が入っていき、結果料理も上達しないのだ。

テニスも同じ、ヘタッたガットに慣れていくと、気がつかないうちに無駄な力が入っていく。
モダンテニス=脱力テニス とは、どんどん逆行してしまう。




ソーホーストリンガー


  
Posted by yyr_co_jp at 04:20Comments(0)TrackBack(0)