2014年12月20日

細いガットは太いガットより打感が硬い

Tecnifibre

細いガットの方が太いガットより打感が柔らかいと勘違いしている人が多い。

◆勘違いする原因-1 〜同じテンションで比べている〜

細いガットと太いガットを同じテンションで張って比べて、細い方が柔らかいと感じてしまう。

それはガットの材質が柔らかいのではなく、面圧があまいだけなのだ。

太い方のテンションを落とし、面圧が同じになるように張り上げれば、太いガットの方が打感が柔らかいことに気づくことだろう。



◆勘違いする原因-2 〜ナイロン・モノは太さが違うと別物ガットだ〜

NylonMono
ナイロンのモノ・シンセティック・ガットは、モノと言いながら実際はモノではない。
上図で分かるように外周に細い繊維が巻かれているのだ。
言うなれば、
 
 ナイロン・モノ = ナイロン・コア+マルチ一層

構造ガットなのだ。

考えてみて欲しい。このガットを太いゲージにする場合、外周の繊維は太くなった分、二層にするわけではない。一層のままなのだ。
したがって、比率的にコアの部分の割合が増してしまうのだ。
つまり太いガットと細いガットは違う構造のガットになってしまうのだ。

コアの多い太いガットは実際硬く感じてしまうことであろう。
ナイロン・モノガットは太さが違うと全く別物のガットとして評価すべきである。

コアのみの構造であるポリエステル・ガットを同じ面圧になるように張り上げれば、明らかに太いガットの方が打感は柔らかい。


◆勘違いする原因-3 〜ガットを手で触った感覚を表現してしまう〜

張る前のガットの繊維を手で触った場合、当然太い方がコシがあって硬く感じる。
それを未熟なストリンガーが打感も同様と勘違いして表現してしまう。
「細いガットが柔らかい」というストリンガーがいたら、この人は未熟だと判断するいい材料になる。

とは言いながら、打感というものは数値で表すことのできる物理量ではないので、そのストリンガーになんの罪もない。


◆勘違いする原因-4 〜ボールの皮を擦って打球している〜

ボールをぶっつぶせず、皮を擦って打球している未熟なプレーヤの場合、細いガットの擦れる感覚を柔らかいと感じてしまうかも知れない。


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2014年12月12日

RacquetTune実用法

RacquetTuneIcon

テンション測定アプリ=RacquetTune だが、まだ一般プレーヤーへの認知度が低い。
このアプリをガット張り職人が利用する特殊なものと勘違いされているのではないだろうか?

このアプリは一般プレーヤーにこそ必要なツールなのだ!


なぜならガット張り職人はアプリが登場する前から計測器は使用していたし、
プロに至っては信用できるストリンガーがガットを張り、それを1時間使用したらもう張り替えなのだ。測定する必要など無い。

スマホアプリになって初めて最小の出費で一般プレーヤーが使用できる貴重なツールとして誕生したのだ。
普段持ち歩いているスマホにダウンロードできると言うことは、重量 0gでいつも携帯できる非常にありがたいツールなのだ。


使用法-1【依頼したショップを評価】

一般プレーヤーのガットを張るストリンガーはと言えば悲しいかな、必ずしも信用できるとは言いがたい。研修中の店員が店ばんがてら、接客しながら張ることだってあるかも知れない。ガット2本ずつ引っ張る手抜き張りかも知れない。タイオフ=ガットを留めて切る時に大量にテンションロスしているかも知れない。
だから防衛手段としてこのアプリが役立つわけだ。

まず、張り上がったラケットを受け取ったらすぐテンションを測定しよう。
依頼したテンションより低かったら、ちゃんと張れていないか、張ってから日数が経過していることが考えられる。

打球せずに翌日に測定して1ポンド以上降下していたら、張り上がりに近い状態で受け取ったと推測できる。

こちらのページのグラフを見ればわかるが、張り上がり直後は急激にテンションが降下する。

このグラフはポンドに換算してトレースさせてもらいました。
BlogPaint


使用法-2【テンション降下の推移を理解する】

先ほどのページのグラフを自分のラケットを計測して作成しよう。
iOS版のアプリの場合、こまめに測定しデータを保存すれば自動でグラフを作成してくれる。

ガットテンションが急激に降下する時期ほど、ガットは性能の良い状態なのだ。
そして打球するとその降下カーブを無視してエアポケットに落ちたように落下する。(グラフの(P)or(打)の部分)

プロ選手が試合中にガット張りを依頼するシーンを観たことがあると思うが、ラケットが足りなくなったわけではなく、張り上がり直後の最も性能の良い状態を使用したいという行動だ。(用意したラケットのテンションが合わなかった場合もある)
ただ張上直後の場合、テンションの時間変移も大きいのでそれを嫌う選手も多い。そういう選手は前日に張り上げる。


使用法-3【張り替え時期を決定する】

これが一番重要な利用法だ。
切れないからと言って、死んでしまったガットで練習し続けると、腕に無駄な力が入り、最新の脱力テニスも習得が難しくなってしまう。

私の推奨する張り替え時期の決定法は、先ほど言ったエアポケットの深さが判断基準だ。
つまり、
・練習前のテンション=T1を測定し保存
・練習時間=hを記録
・練習後のテンション=T2を測定し保存
としたとき、

(T1-T2)÷ h < 0.1ポンド

になったら張り替え時だ。
つまり練習時間内に降下したテンションが1時間につき0.1ポンドを下回ったら張り替え時期と言うことだ。
経済的余裕のない人は2時間につき0.1ポンドを基準にしても良い、
自分で張り替える人は1時間につき0.2ポンドを基準にしても良いだろう。基準を厳しくするほど脱力テニス習得に有利になる。

T1-T2=0ポンドのエアポケットの存在しない死んだガットだけは使用するのは止めよう。

この事を知らずに死んだガットで練習している人が多いのが現状だ。


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《RacquetTune関連記事》

テンション測定器 racquetTune
racquetTune 続検証-1 ▶StringFactorとは?
racquetTune 続検証-2 ▶StringFactorを実測
RacquetTuneの薦め
RacquetTuneでうまく計測できない人へ
RacquetTune:ガットが上手く鳴らない場合
RacquetTune実用法
RaquetTune 外出用-叩き器




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2013年12月13日

ロールガットは単張より良質?

これはあくまでガット張り職人の頭に浮かぶ想像です。

N氏は、あるガット工場の働き者の職員。
今日もせっせと200mのロールガットを巻き上げて出荷しています。
StringFuctory

「今日はどうも機械の調子が悪い」
「50mごとに何度もガット表面に小さな傷が付いてしまう」
「200mないと商品にならないんだよなー、かといって捨ててしまうのももったいない。どうしたものか...?」
「あっそうだ、12mの単張ガットにして出荷すればいいんだ!」

さてあなたが選手なら、しっかり検品済みとは言え、この単張ガット買いたいですか?
ショップには『50mでトラブったガットです』とは書いてありません。

ロールガットなら最低でも200メートは機械の調子の良い状態で製造されているという想像のお話でした。

せっかく機械の調子も良く、200mつながっているのに、使用長が分かる前に短く切ってしまうのももったいない、という話でもあります。

10mで足りたら、2mはゴミ。
2400円のガットなら、400円をゴミ箱にポイ。

“もしかして、単張ガットって、みんなロール製造に失敗したガットなのかも!?”
という疑念まで湧いてしまう。
もしそうじゃないのなら、全ての人が単張ガットを拒否すれば、価格は確実に下がります。

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2013年12月11日

ガットのアハ体験

ガット劣化に気がつかない人は、
「自分って鈍感なのかなー?」
と落ち込む必要はない。徐々に劣化していくからその変化に気がつかないのだ。

これ、ちょうどあの「アハ体験」の原理と同じだ。
ほんとに徐々に劣化するから気づかないのだ。



分かってしまえば
「なんでこれに気づかなかった!」
という気持ちになる。

ストリンガーやテニス上級者目線では
『なぜこんなヘタッたガットに気づかない!』
と感じる。

さて、ここでみなさんに気づいて欲しいのは、
『どこがどう変化したか分かった状態で動画を見ると、秒単位で変化している様子が分かる』
と言うことだ。
ガットも張りたての物と、へたりきった物を同時に用意し、どこがどう変化したか検証し、いつもそこを意識していれば、時間単位でそのへたり度に気づくのだ。

特に、音の変化には敏感になってほしい。張りたての打球音は実に切れの良いサウンドを響かせる。

「気がつかないんだから、へたってたっていいじゃない」
という理屈を言う人は、かなり技術的に損をしている。
張りたてのガットという極上の性能を出すガットを、硬くて扱いにくいガットに感じてしまうのだ。
YouTubeのスクロールバーを一気に先頭付近に戻した状態だ。

まるで研ぎたての包丁が、切れすぎて恐い、と嘆く料理下手の主婦のようだ(笑)

研ぎたての包丁は、力を入れなくても食材が気持ちよく切れる。
切れなくなった包丁に徐々に慣れていくと、知らず知らず無駄な力が入っていき、結果料理も上達しないのだ。

テニスも同じ、ヘタッたガットに慣れていくと、気がつかないうちに無駄な力が入っていく。
モダンテニス=脱力テニス とは、どんどん逆行してしまう。




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2012年10月26日

ガットギター音程でわかるガットの寿命

ガットギタークラシックギターのことを別名ガットギターと呼びます。もちろん弦がガットでできているからです。

ガットとは何かと言えば、動物の腸から作った糸のこと。今でこそナイロンが使用されていますが、昔は動物の腸からできていたのです。
テニスの場合いまだにナチュラルガットと言って動物の腸が使用されており、その打感の良さから今後も珍重されてい行くことでしょう。

ナチュラルガットのことを別名シープと呼びますが羊の腸は使用されていません。ラケットフェースの巨大化にしたがって羊の腸では長さ不足なのでしょうか、現在は牛の腸が使用されています。単純に牛の飼育数が多いからかも知れません。

さて、先日ハードオフを散策していたところ、実に響きの良いガットギターが1500円という破格値で売られているのを見て思わず買ってしまいました。鈴木バイオリンというメーカーでネットで検索したところ、1941年に製造されたもののようで、どおりで響きがよいわけです。木の枯れたオールドモデルの響きです。

弦が汚れていたため張り替えることにしました。私はスチール弦のギターしか張ったことがなく、ガット弦を張るのは初めて。張ってみて驚いたのは、その音程の不安定さです。巻いても巻いても、1曲弾いている間に音程が下がっていく始末。スチール弦なら数分弾いていれば落ち着いてしまうものですが、これは翌日になってもまだ落ち着かないのです。

待てよ、これってラケットのガットと同じことか!?

とピンと来ました。
ラケットもテンションが安定するのに数日かかります。というかこの数日が打感の良い生きたガットなのです。
テンションの落ち着いてしまったガットは死んだガットなのです。
私的にラケットのテンションが落ち着くのは3日程度だと感じていました。と言うことはもっとテンションの低いギターの弦は3日では落ち着かないであろうと予想ができました。
案の定、ようやく音程が落ち着いたのは1週間後でした。張りたてに比べ高音の抜けこそなくなってきたのを感じますが、楽器の場合、音の良し悪しは感性の問題なので死んだガットが悪い音と言うことはできません。

ところがテニスの場合ボールの反発力に直結するため、死んだガットでは勝敗に関わります。プロはたいてい張りたてのガットを使用するのです。
材質の硬いポリエステルのガットはナイロンよりさらに寿命が短くなります。硬いスチール弦の音程が短時間で安定することを考えれば当然ですね。
ポリエステルの生きている時間は1日ないと思います。1日使えば次の日テンションは落ち着いています。
男子プロがボールをぶっつぶして打球した場合1時間で死にます。なのでプロはボールチェンジのタイミングでラケットを換えるのです。
テレビ中継で選手がガットを切るシーンを見なくなったのもこのためです。切れるより死ぬ方が早いわけです。
逆に言えば、昔は生きた高価なナチュラルガットをばんばん切っていたわけで、もったいない話です(笑)

余談ですが、テニスの上手な人はたいていリズム感がよいです。
あなたも楽器にいそしみましょう!




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2008年07月31日

テニス肘はガットの材質とは無関係

318eb15f.jpgガット選びの際、
「肘を痛めているので柔らかいガット張りたいのですが..」
と言うかたがよくいらっしゃいますが、そんなときは硬くてスポットの狭いガットをお勧めします。...意地悪ではありませんよ(笑)

肘を痛める原因がガットの材質のせいではないことは、野球選手が硬球ボールを、木のバットでがんがん打っているのに、テニス選手より肘を痛める人が少ないことから明らかです。
ガットの振動によって肘を痛めるというのは迷信なのです。

野球選手が肘を痛めにくいのは、グリップにトルク力がかからないからです。
バッドは1本の心棒だけでできているので、ボールがどの部分に当たってもグリップが回転することがほとんどないのです。

これに対してテニスのラケットは、フレームの両サイドに近いところで打球すると、グリップに強いトルク力が発生します。このとき強い握力で握りしめている人が肘を痛めるのです。
さらに細いグリップの人はより強いトルク力がかかる上に、より握力の入るグリップなので、肘へのダメージがダブルパンチになります。

よって、肘を痛めている人には、
◎より小さいフェースサイズのラケットで、
◎硬くて太いガットで、
◎テンションを上げスポットを狭くして、スポットを外さない癖をつけ、
◎もっとも大事なのは、握りにくくなるほど極端にグリップを太く
することをお勧めします。




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2007年08月04日

余ったガットがもったいない

単張ガットで1本張りをするとけっこうガットが余ります。13.5mの単張だと4mも余ったりします。
20070804-0.jpg
このガット、捨ててしまうのはもったいない!
良い使い道を考えました。

それがこのセンターベルトです。

市販されているテープより相手コートの見通しがききます。

便利なのが、真ん中に見えるプレートです。これで高さ調節が容易に行えます。荷重がかかっていない状態でスライドし、荷重がかかると固定されます。

構造は単純で、4mのガットで輪を作り、中間に当て革とプレートを通し、糸の終端をプレートの端で止めてあります。
地面に引っ掛けるためにS字フックをつけます。

もっと短いガットでも、結んで輪にすれば大丈夫です。スライドする部分に結び目が来ないようにしましょう。

臨時の場合、当て革とS字フックはなくてもネットは固定できます。つまりプレートだけテニスバッグのポケットに入れておけば、切れたガットを使用してセンターベルトを作ることができます。



20070804-3.jpgこのプレート何でできているかというと、XYLISHガムの容器です。
金切り鋏で四角く切り取りました。


20070804-2.jpg 20070804-1.jpg
そして、2mm位の穴を5つ開けます。

20070804-4.jpg縦に延ばすとこんな感じ。
S字フックのところで折り返し、プレートの5個目の穴に通して、こぶを作って止めます。

こんなものを捨てているんだとわかれば、単張ガットがいかに無駄か再認識していただけると思います。地球のためにもガットはロールで買いましょう(笑)









NetAdjusterその後、もっとシンプルにできないかと、当て革をなくし、束ねて、引っ掛けるだけにしてみました。
中心には、高さを測定するスケールガットが入っていて、そのまま計測できます。
センターベルトが既に付いているコートでも、センターベルトといっしょに着けてしまえば、簡単にフィットします。

こちらで販売もしてます。









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Posted by yyr_co_jp at 14:58

2006年08月25日

ナチュラル・ガットへ回帰現象

780038ac.jpg最近、ナチュラル・ガットを張る人が増えてきました...というより戻ってきました。
プロツアープレーヤーのほとんどが、ポリエステルストリングに移行し、プロにあこがれるアマチュアプレーヤーは当然便乗していたわけです。
このアマチュアプレーヤーのナチュラル・ガット回帰現象をどう見るべきでしょう?

私の見解は、ガットに何を求めるべきかを、かしこいアマチュアプレーヤーは気がつきだしたのではないでしょうか。

プロがガットを選ぶ目的は、とにかく勝つことです。1ポイントでも多く取れるならそのガットに乗り換えることでしょう。(そのわけはこちらを参照)

その一方アマチュアプレーヤーがガットを選ぶ目的は、気持ちよくテニスができることです。1打1打そのものが気持ちよいのですから、こんなに良いガットは他にありません。
勝利性能的には優れたポリエステルも、打感の良さはナチュラル・ガットの足元にも及びません。
プロほどの強打をしないアマチュアプレーヤーにとっては、勝利性能的にもナチュラル・ガットの方が上といって良いでしょう。

ナチュラルガットの気持ちよさを知らない選手には、是非お試しいただきたいです。
ナチュラルガットは太いほど、その気持ちよさがアップしますので、太めのガットを選びましょう。

とはいえ、ナチュラルガットは高価です。仕事でがんばった自分へのご褒美にしてはいかがでしょう?(笑)



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Posted by yyr_co_jp at 02:47

2006年02月03日

ポリ・プラズマ/シグナム・プロ

a2d776bd.jpgようやくルキシロンに対抗できるガットが現れました。
ポリエステル素材で、柔らかさ・しなやかさを兼ね備えたガットは、ルキシロンの独壇場だったのです。

しかも、このポリ・プラズマ、ルキシロンより価格が安く、へたりにくい、と良いことずくめです。
ルキシロンで一番近いものでたとえると、スーパーセンスにあたると思います。

ずしっと独特のホールド感があります。ホールド感が欲しい人は太めのゲージを選択してください。

あんのじょう、品薄状態に陥っています。
ポリエステル派の選手でしたら、試してみるべきガットです。



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Posted by yyr_co_jp at 23:03

2005年12月16日

ポリエステルがプロのテニスを変えてしまった!

これは決してオーバーな表現ではありません。
ポリエステル材質のガットの台頭によって、プロのテニススタイルはがらりと変わってしまいました。
テニス好きのみなさんならご存じでしょう。
ネットプレーヤーがいなくなってしまったのです。

以下は、そうなった原因を考察する私の説です。

ボールを飛ばす要因には2種類あります。それは、
 A.ガットの反発力
  と
 B.ボールの反発力
です。
ポリエステルが現れる以前にほとんどのプロが使用していたのは、A.ガットの反発力に依存たナチュラルガットです。

ところが、ポリエステルの場合、ガットの反発力が抑えられているため、B.ボールの反発力への依存度が高くなりました。

単純に考えると、「ボールの反発力はどちらのガットでも変わらないのだから、ガットも反発力の優れたナチュラルの方がよいのでは?」と思われるでしょう。なぜ、反発力の抑えられたポリエステルがプロに好まれるのでしょう。

それは、ガットが飛びすぎるとボールの反発力を出し切れないのです。ボールがつぶれきる前にボールを離してしまわないとフラット系のボールはアウトしてしまいます。フラット系の選手はフルスイングできないということです。

跳びの抑えられたポリエステルガットは「ボールのぶっつぶれ度」をMaxにできるのです。
ぶっつぶれたボールは、トップスピンをかけなくとも良く落ちます。フラットでフルスイングしてもコートに収めることができるのです。スピンをかけていないということは落下点までの時間が短いため、到達時間の長いトップスピンに比べてより攻撃力のあるボールといえます。

ナチュラルガットの時代にはスペイン勢を筆頭に多くのトップスピン選手が活躍していましたね。ラケットをフルスイングしたいのならトップスピンをかけるのが常識だったのです。

ナチュラルガットでもボールをぶっつぶしてエッグボールを打ちたかった選手はどうしたかというと、とにかくテンションを高くし、フェースの小さいラケットをチョイスしていました。ピート・サンプラスは面サイズ85のラケットに80ポンド近いテンションでナチュラルガットを使用していたのは有名ですね。私も以前有明で彼のボールを横から拝見しましたが、ボールが相手のベースラインの手前でストンと落ちる、真にエッグボールでした。

さてこのエッグボールがプロのテニスを変えてしまったわけですが、エッグボールが一番活きるのはどんな場面でしょう?
そうです。ダウンザラインです。

ダウンザラインはクロスに比べると三重苦です。
 1.距離が短く、
 2.ネットが高く、
 3.自分にオープンコートを作ってしまう
ショットですので、確率とクオリティーが高くないと単なる自滅ショットになってしまいます。昔は、クロスで打ち合ってあまい球が来たらダウンザライン、というのがラリーの基本でしたが、現在のプロテニスでは、クロスで2往復打ち合うのもまれになっています。

ポリエステルガットは三重苦ショットを容易にしてしまったわけですから、あえてネットに出るより、ベースラインで戦ったほうが、容易にポイントをとれるわけです。

ボレーヤーから見た場合、以前は、「低い打点で打たせさえすれば速いパスは来ない」という図式をもとにパスのコースを読み、広いコート全面をカバーしていたわけですが、速いエッグボールでもパスが打てるとなってしまうと、「相手に踏み込んでパスを打たれてしまったら負け」という図式が逆にできてしまいました。

確かにネットプレーヤーの消滅によって、どの試合を見ても同じような展開で、観客にとってはつまらない状況ですが、あの優れたプロ選手とそのコーチ人達が、かしこいネットへの展開法を開発してくれることでしょう。


#全豪の鈴木貴男vsフェデラー戦、ここ数年で一番おもしろい試合でした。
鈴木貴男のプレーがネットプレーヤー復活のヒントのような気がします..



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2005年04月04日

ガット張り、高いと思いませんか?

ガット張りの料金、高すぎると思いませんか?
なぜ高いのか、それはパッケージにコストをかけすぎているからです。
日本人の気質なんでしょうか?きれいにパッケージングされていないと売れないんですね。
ガット代を安くしたいと思ったら、開けるのがもったいないようなパッケージのガットは拒否することです。
それと、1本張るのに必要な長さは決まっていないのに、1本1本単張に分けて売るのも価格高騰の原因です。無駄なパッケージと余ったガットがゴミと化し地球環境も破壊しています。
私の試算では、同じガットが単張とロールで販売されている場合、同じガットにもかかわらず、単張のほうが500円以上高くなります。
従って、消費者はショップに対して、ロールガットを要求することが、コストを下げる最善の方法です。
ロールを多く発売しているメーカーを支持するのもよい方法です。
 
当方では、ロールで張ることを基本としています。
http://gut.yyr.co.jp/hari/






  
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