ドラゴンクエスター

ドラクエ10ブロガー達の交換小説(18禁)

ー5分後ー

ボボンゴ・武蔵は死んだ。

ジャバウォッウォのザオの宝珠はかりそめの物だったのだった。ナギサは事態を把握出来て無かった。武蔵の死体に話かけている。勿論返事は無い。それでも話かける。「ねえ?武蔵?ねえ?」スミスは何処か安心していた。スミスにとって武蔵は危ない。危険な存在なのだ。

スミスはナギサの肩を両手でつかんで「武蔵はもう死んだんだ。」そう告げた。「嘘よ!さっきまで元気だったじゃない!?」「ジャバウォッウォの宝珠は完璧じゃなかったんだ。諦めろ。」「・・・・。」「そうよ!もう一個宝珠があるじゃない!それをつか…」スミスはナギサから宝珠を奪って地面に叩きつけて壊した。「!?」「なにするのよ!?」スミスは黙っている。ナギサは刀を抜いた。「おいおい、俺はお前とは殺し合いたくは無いぜ?」

一閃

スミスはバラバラになっていた。「クソ野郎が…」ナギサは武蔵の心臓だけ取り出し大事にしまった。武蔵の一部を持っていたかった。心臓にした理由等無い。ただ武蔵の一部を持っていたかった。


全てを殺す。そう誓った。ナギサは武蔵の心臓を神と崇め人を斬る修羅と変した。目に付く人を手当たり次第に斬っていった。全てが憎い。全てを無に。


そんな生活が続き、ナギサは【覚醒】した。

同化したのだ。
それは菊一文字がナギサの体と一体になり肩と頭から角の様な物が生えてきた。体も赤くなっていった。強靭な体。奇妙な体。ナギサはそんな自分を気に入った。「神(武蔵の心臓)よ。私はこの体で世界を変える。」

「死の王国へ」

そう呟きナギサはまた殺しに行った。菊一文字は意識すると手に現れた。赤い体のままだ。いつしかナギサは「鮮血のオウガ」と呼ばれる様になった。それを気に入らないナギサはイライラする。殺しのスピードが上がっていく。止める者は誰もいない…。

ー力が欲しいか?ー

え?ナギナギに語りかける声が聞こえた。

ー力が欲しいか?ー

よりはっきり聞こえた。脳内に直接聞こえてる感覚。なんだこれは?菊一文字か?違う。

ー力が欲しいか?ー

ー我はジャバウォッウォ。古代の盲目賢者。魂だけの存在だが…プツッ…トゥルルルル…ピッ。切るんじゃないwwww我はジャ…プツッ…トゥルルルルル…ピッ。ちゃんと聞いて?ねえ?力が欲しくないの?ってかさ、ザオだよ?ザオ!ザオしたそうじゃん?教えてあげるよ♩ー

ナギナギは古代盲目賢者のジャバウォッウォに【ザオ】を教えて貰えることとなった。だがボボンゴが死んでから5分以内に教えてもらわなければ…。

ーいいか?まず両手でピースして、その手で乳首を挟んで「ザオ」と唱えるんだ。出来るか?ー

そんなバカな。ナギナギは信じられなかった。古代魔法の【ザオ】がそんな感じだったなんて…。やるしかなかった。恥をしのんでナギナギは両手でピースをして乳首を挟んで「ザオ」と唱えた。
・・・・。何も起きない。ジャバウォッウォ?何も起きない。

ーんなわけねーだろ?バカなの?そんな感じでザオできたらバカみたいじゃんwwwwwwwwー

騙された。時間が無い。焦りとイラつきを抑えジャバウォッウォに聞いた。本当に知ってるの?と。

ーザオとは…魂の結晶で出来る宝玉。だが一回しか使えないー

ー俺は2個持ってる。使え。身体にその宝玉を入れるんだ。何処でもいいから。そして「ザオ」と唱えろー

ナギナギは急いでボボンゴの腹を裂いて宝玉を入れ、「ザオ」と唱えた。「ガハッ」ボボンゴが血を吐いた。生き返ったのだ。急いでホイミをする。傷が治っていく。ボボンゴは状況を把握していない。「武蔵!来て!」ボボンゴは武蔵へと変わる。「っち!」武蔵は死んだ事を知っていた。ナギナギは武蔵にザオの事を話した。ジャバウォッウォのことも。おい、ジャバウォッウォ。武蔵は呼んだ。

ーなんだ?貴様!話したのか!?ー

ーなら、もう用は無い。貴様らはもう戻れない。死を手に入れるとはそうゆうことだ。苦しめ。ー

武蔵は知った。これでもう戻れないと。「おい、スミス。ナギナギと人格を交換しろ。」出来る訳が無かった。「っち!使えねーな。」ナギナギにスミスを回復させた。スミスはナギナギをビンタした。なぜ話したのだ。と。武蔵はスミスを切りたい衝動に駆られたがぐっと堪えた。今スミスを失う訳にはいかないのだ。

 金属を連想させる冷たく澄んだ緊張感が部屋の空気を埋め尽くす中、長い永い口づけを終えて名残惜しそうにボボンゴの顔に指を這わせてから、ナギサはゆっくりと身を起こした。

「待ってて武蔵・・・。」

 かすれたような小さな声でそう言うと、ボボンゴの胸に深々と突き立っている菊一文字の柄に手をかける。
 ゆっくりと、名残惜しむかのようにゆっくりと刀身を抜いてゆく。
 重量感のある濡れた音をたてて、血を纏った切っ先が姿を現す。

 ナギサには1つの考えがあった。
 先ほどの襲撃の前、肌を重ねた武蔵が語った話を思い出す。
 ボボンゴが多重人格であったがために、蜘蛛切丸は“武蔵の人格しか掌握できなかった”。
 この事実は、このドラゴンクエスターというゲームシステム上において、ボボンゴの中には2つの命があるという認識でいる事を意味している。
 ならば!
 ナギサは確信する。
 肉体と共に、2人の命を一度奪ってから【ザオ】で蘇生できれば、武蔵のみを蘇らせる事ができると言うこと。
 しかし、今のままでボボンゴと共に旅を続けて【ザオ】を手に入れてしまったら、ボボンゴは、武蔵は、きっとすぐさま目的を果たしに行動を移してしまうだろう。そもそも、【ザオ】を武蔵だけが
手にしてしまったら、ナギサは行動に出るチャンスを失ってしまう。
 いつ行動に出るのが正解なのか頭を抱えている最中、妖刀を手にした2人組の襲撃をうけたのだった。

 今しかないーー。

 それは天啓だった。



 ゆっくりと部屋に目を這わせると、ベッドの小脇で、菊一文字両手両足を切断された哀れな姿で虫の息を洩らすスミスを見つけた。
 ことさらにゆっくりと、見せつけるかのように上体をゆらゆらと揺らせたわざとらしい歩き方で近づく。
 その途上で、死んで後、5分間の猶予時間を終えたジェイが、まばゆいばかりの光の粒子となってその身を霧散させた。

「い、いやぁぁあああ!ジェイ!ジェイ!!あああぁぁぁああああっ!」

 消えゆくジェイの姿を見て、それまで呼吸の音一つすら洩らせぬほど虫の息であったララーナが、ろうそくの末期の一燃えを彷彿させる勢いで悲鳴をあげた。
 必死にジェイに近付こうと、倒れ伏した身を捩らせて身体を這わせようとしているようだが、今の彼女にはそれを叶えるだけの膂力は残っていなかった。
 やがて声を出すだけの力も失って静かになる。
 それを合図にしたかのように、ボボンゴの身体も光となって霧散していった。

「さて」

 床に転がったスミスの目の前に膝を抱えてしゃがみ込むと、ナギサは続けた。

「そんなわけで、ボボンゴの中から武蔵だけを蘇らせたいの。手を貸して。」

「え?」

 かすれるようなスミスの返事。

「どうすれば【ザオ】が手にはいるのか教えてってお願いしているのよ?」

 ホイミでスミスの傷を塞ぎながら、少しイライラした様子でナギサは言い直した。

「【ザオ】でボボンゴ・・・武蔵か、武蔵を蘇生しようというんですか?」

 痛みが和らいで、言葉に力を取り戻したスミスは問い返す。

「そう言ったつもりなんだけどな。そう聞こえなかった?」

「言いにくいのですけれど、【ザオ】は死んでから5分間の猶予時間内に使わないと蘇生はかないませんよ?」

「え!?」

「知らなかったんですか!?」

「ええええええええぇぇぇぇええ!?」

 ナギサの魂を震わせたかのような頓狂な悲鳴が長く長く尾を引いて、雨に濡れる闇夜を駆け抜けていった。

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