ボボンゴ・武蔵は、回国修行で名を馳せニコロイ王の下に仕えていたケンブリッジ・元親が、王都を騒然とさせる人斬りの正体である事を突き止めていた。

剣を捨てたと話す裏で、人を斬り捨てる高揚に打ち震えていた元親に怒りを感じながら、武蔵は幾多の御前試合に臨んできた己の心も、命をやりとりする興奮で脈動していたのを思い出し、首を振った。
俺はお前とは違う。エルトナ神から賜ったこの剣術は、心の迷いを斬り人を活かす為のものだ。

元親と武蔵は相対した。元親の居合が武蔵の額を捉えようとした時、武蔵の脇から飛び出してきた二刀が、一瞬早く元親の胴を切り裂いた。
やっと昔の自分に出会えた、おぬしもいつか俺と同じ末路を辿るだろう。無明の闇に飲まれた人斬りは、武蔵に毅然と言い放ち、事切れた。

武蔵の心に生まれた迷いは、死への恐怖に怯えさせ、剣の道に捧げたはずの身を神から遠ざけた。
ツスクルに帰ろう。武蔵は森深き世界樹の下に篭り、自問自答を繰り返した。我が剣は人を殺める為のものなのか。否。我が剣は神と一つ也。

百日に及ぶ修行の先に、武蔵がたどり着いたのは、感謝であった。自分自身を育ててくれた剣への限りなく大きな恩。自分なりに少しでも返そうと思い立ったのが、一日一万回、感謝の真剣白刃取り。

やがて武蔵の祈りは、エルフに伝わる究極の活人術【ザオ】 を求める事となった。
闇中に沈んだ人々の心を救うべく、武蔵は旅に出た。