2005年08月09日

『キング・アーサー』3




そもそも、アーサー王伝説は史実とフィクションの狭間にある印象。

文字は歴史上とても重要で、普及していた地域なら解読さえすれば紀元前の事も分かりますし、逆にそうでなければ結構時代に関係なく謎を残しますよね
例えば、3世紀日本の邪馬台国や、16世紀南米のインカ帝国の事さえ不明な部分が多いのもその一例と言えましょう。
そして、この映画の舞台である古代ブリテン島には文字文化が無く、吟遊詩人の語り伝えのミスや、後世のファンタジスタによる創作が予想され、仮に伝説が史実に基づくとしても、既に原型を留めてはいないハズ・・・・・。
ただこの映画、駄作ではないと思いました。 以下ネタバレ

作品中の紹介が意外とアバウトなので、最初に言っておくとアーサーは人道主義者で強いんだけどかなり地味・ランスロットは強くてカッコイイ・ダゴネットは寡黙ながら力持ち行動力抜群・ボースは豪快キャラで子沢山・トリスタンは鷹飼ってる弓の名手・マーリンは北ブリテン抵抗部族のボス・その娘グウィネヴィアは未来の王妃といった感じです。
作品中アーサーをアルトリウスとか呼んでるのは、映画が古代ローマ帝国サイドの視点を採っている為で、これはギリシャのアレクサンドロス大王を英語読みでアレキサンダー大王と呼んでいるのと逆です

さて、物語はアーサー王の右腕としても名高いランスロットの幼少時のエピソードから始まります


実のところ、アーサー王やランスロット達円卓の騎士団の素性は不明ですが、この映画ではアーサー王(になる人)が古代ローマ帝国から委任されたブリテン南部を治める将軍=日本風に言うと防人(さきもり)の責任者で、部下の騎士達は帝国が侵略した諸部族からの人質(15年間の兵役)という設定みたいです。

ちなみにハドリアヌスの壁というのは、万里の長城のような建造物で、長さは中国のそれに及びませんが高さ6メートルにもなる代物、ローマ五賢帝のハドリアヌス(領内の視察が趣味だった帝)の指示で、映画の舞台より200年以上前に建設されました。
高めに造られた理由としては、匈奴などの騎馬民族と異なりブリテン北部から進入してくるウォード(先住民)が、多少の壁を登れる歩兵を主力にしていた事などが推測されます。

が、物語上このウォードとひょんなことから仲直りし、サクソン(海を渡りやってきた残忍な侵略者)と共同で戦うことになるのです
このあたりも史実では、北のウォードへの対抗策として既にサクソンを用心棒(傭兵)として雇っていて、ローマが事情で軍を本国へ撤退させてからサクソンはブリテンを乗っ取ろうとした訳で、映画の展開には ややです。

 しかし、史実や伝説への忠実性は度外視で、この映画はアーサー王と騎士達の絆が斬新に表現されていて、それなりに僕は感動できました
また、同じキリスト教徒でも宗派や解釈が違うだけで異端とか糾弾していた古代・中世のヨーロッパ文化を考えると、作品中のアーサーや騎士達の感性は非常に現代人的で好感
そして、出身部族の女の子から預かった御守りを肌身離さず散っていったランスロット、伝説のように最強無敵の魅力は無くても、やはり華のあるキャラクターでした

あと聖剣エクスカリバーについて映画ではイマイチ地味な扱いでしたが、訳すと『特別に賢明な鋭い切っ先』という感じなので、僕は実在の剣ではなく何かの擬物化なんじゃないかなぁと思ってたりします
あの武田信玄も「人は城、人は石垣」とか言ってましたし・・・・・。

yzna_2210 at 06:55│Comments(2)TrackBack(6)映画レビュー | 教 育

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. キング・アーサー  [ でっていう。 ]   2005年08月11日 13:14
少年は剣を抜き、そして伝説となった 原題 : KING ARTHUR 監督 : アントワン・フークア 製作 : ジェリー・ブラッカイマー 脚本 : デイヴィッド・フランゾーニ 出演 : クライヴ・オ
2. キング・アーサー『氷上の決戦』シーンがお気に入り♪  [ cube1555.com ]   2005年08月11日 22:13
太鼓の音が鳴り響いて、アーサーが、うつむいたら、トリスタンがモノ言いたげにダゴネットを振り返り、ダゴネットがボースに意味ありげな視線を送る。で、アーサーが馬の向きをかえて、「Nights!」(騎士達!)・・・やばいっす。ホレボレしちまう、このシーン。さんざん...
3. 「キング・アーサー」  [ ひらりん的映画ブログ ]   2005年08月11日 22:15
やっとDVDがレンタル開始になったので早速見てみました。 劇場公開時は、まだまだ映画館鑑賞にはまってなかったので・・・。 なんてったって、ひらりんお気に入りのキーラ・ナイトレイが出てるから。 見るっきゃないっしょ。 2004年度製作の歴史スペクタクル・ロマン...
4. キング・アーサー  [ 脳内blog ]   2005年08月12日 01:27
出演:クライヴ・オーウェン 、キーラ・ナイトレイ etc. 評価:☆☆☆☆☆☆☆ 感想:いわゆる歴史物です。 正直キング・アーサーのことまでよく知りませんでしたが、円卓の騎士とか、その中にいるランスロット、エクスガリバーなど有名な事柄、名前ぐらいなら聞いたことあ....
5. 【キング・アーサー】  [  【インテリア&ライフ】 デザイナーズ家具、インテリア、雑貨... ]   2005年08月13日 10:18
≪アーサー王の剣エクスカリバーが見つかった!?≫「岩に突き刺さる聖剣」エクスカリバー伝説解明これを見たらキング・アーサーが見たくなった!アーサー王と円卓の騎士の話を詳しく知らない私には、そこらへんのエピソードが盛り込まれていなかったので、不完全燃焼でした...
6. 『キング・アーサー』  [ Rappikoの映画生活 ]   2005年08月16日 15:02
有名なアーサー王をテーマにしているということで、賛否両論で否がだんぜん多い作品のようですね。私は幸いにしてアーサー王伝説にも詳しくなかったので、伝説を気にすることなく普通の映画として鑑賞できました。私は結構良かったです。

この記事へのコメント

1. Posted by nicoco   2005年08月17日 02:04
TBありがとうございます。ご挨拶が遅くなりごめんなさい。TBが今返せない状況みたいなので、後ほど又させていただきますね。ライブドア新環境以来又調子悪そうですよねえ・・泣!
私はこの作品騎士達が素敵で好きでした。騎士達のキャラがそれぞれとても魅力的だったと思います!又ゆっくり他の記事も読ませてくださいね。でわ!
2. Posted by ミツギ   2006年01月11日 22:39
はじめまして。詳述された記事に敬服いたします。これを期に歴史の勉強ができたら・・と思います。TBさせてください。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
   ようこそ♪
天気情報
無料で出来る募金
Recent TrackBacks
アレキサンダー (おすすめ本と最新映画情報【書評と映画レビュー】 本検索、本通販、映画館、読書感想文、評論、批評)
『アレキサンダー』
2005流行語大賞決定! (こちら中小企業総務部)
流行語☆
新語・流行語大賞/紅白歌合戦/年末の息吹 (【略称】来社ブログ/来年から社会人になる学生による就職活動アドバイスとか日常のこととか書いている(たまに名称が変わる)blog)
流行語☆
K−1生観戦記☆ (Fight the BEST!)
帰ってきた帝王!?
Recent Comments
便利なサイト☆
もっとアクセスUP

悪徳商法に困ったら悪徳商法SOS.comにお任せ 中途解約・契約解除ならクーリングオフJAPANにお任せ!
交通事故示談なら交通事故相談.comにお任せ!
遺産相続に関する相談なら相続ナビ.comにお任せ!
離婚協議書や慰謝料のことなら離婚相談.com