作家、井上靖(1907~91年)が数々の小説を執筆した東京都世田谷区の自宅の書斎、応接間などが井上の生まれ故郷の北海道旭川市に寄贈されることが分かった。市井上靖記念館の横に移築し、調度品や蔵書を含め執筆当時の様子を再現して来年末の一般公開を目指す。

 市などによると、移築するのは、井上が50歳のころに建てた木造2階建ての自宅の一部。井上が主に創作活動に使った約8畳の書斎と約30畳の応接間のほか、執筆用の机や応接セットなどの調度品、数千冊の蔵書が寄贈される。

 今年1月、遺族から「生まれ故郷で全国唯一の公立記念館で保存してほしい」と寄贈の打診があり、西川将人市長が15日、井上邸で遺族に会い寄贈を受けることを伝えた。

 井上は軍医の父が赴任した旭川で生まれ、数カ月後に静岡に移住。京都大学を卒業後、毎日新聞記者となり、49年「闘牛」で芥川賞を受賞。51年に毎日新聞社を退社し作家に専念した。【横田信行】

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