日本など193カ国・地域が締約する「児童の権利条約」をベースに、広島市が制定を目指していた「子ども条例」について、広島市は9日、平成21年度中の条例化を見送る方針を明らかにした。条例案をめぐっては市議会などで賛否が分かれており、秋葉忠利市長も「いろいろな意見があり、(制定には)もう少し時間が必要」とした。

 広島市は条例案に「子供が安心して生きる権利」などを盛り込み、学校運営に際して子供の意見を聴くことなどを規定。今年度中の条例化を目指し、市民向けの説明会や意見公募を行っていた。

 市民からは「子供が人間として尊重される」などと歓迎する声が挙がる一方、市PTA協議会は「権利の乱用につながる」として反対。昨年末の市民への意見公募では、条例化への賛成が約1800人、反対が約1600人と拮抗(きっこう)した。

 こうしたことから広島市は、条例案を2月定例市議会に提案しないことを決め、代わって22年度予算案に推進費330万円を盛り込み、学習会などを開いて市民に理解を求めていくことにした。

 同様の条例は、日本が「児童の権利条約」を批准した平成6年以降に制定の動きが起き、名古屋市や兵庫県川西市など約60自治体が条例化している。

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