「アイヌ神謡集」を残したアイヌの知里幸恵(1903~22年)の生涯と業績を伝える「知里幸恵 銀のしずく記念館」の着工式が8日、幸恵生地の北海道登別市登別本町2で行われた。NPO法人・知里森舎が建てる。02年から建設募金委員会(作家・池澤夏樹代表)に寄せられた約2400人の浄財約3000万円が充てられ、幸恵の命日(9月18日)前日までの完成を目指す。

 この日はチセ(家)建設時の伝統儀式「チセコッエノミ」が行われ、アイヌの北原次郎太・北大准教授(34)を祭主に、工事の安全を祈願した。記念館は木造一部2階建て178平方メートル。アイヌ神謡集の初版本、草稿ノートの復刻版など約300点を展示する。

 募金委員会メンバーで童話作家の加藤多一さん(75)は「(社会に)差別や圧迫される存在があることを認識し直される象徴的な場になればいいと思う」と語った。知里森舎理事長で幸恵のめい、横山むつみさん(62)は「多くの人に支えられ、ここまできた。感無量」と話した。【新庄順一】

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