休符のシンクロ、負のアクセント、というものがある。例えば3・3・7拍子。これ実際は4拍子なんだけどw。

○○○×|○○○×|○○○○|○○○×|

 こうなってるわけで、○つまり打点には特にアクセントはない。すなわち×、音のない休符がアクセントであるという、逆説なのだ。

 「点のシンクロ」と呼ばれてるものは、打点に振りを合わせてるわけで、リズムを普通に刻んでるところでは、きっちりとダンスがあっていて、それを助走として大きなアクセントがつくところでは大きな振りがブンッ!と来る、と気持ちいい。yotaPのシンクロはそういう感じだと思う(このPのシンクロについては未だ謎の多いところですが)。

 休符のシンクロというのは、音のないところにブンッ!と来る。上の3・3・7拍子で言えばダン、ダン、ダン(ブンッ!)|ダン、ダン、ダン(ブンッ!)|となる。合いの手が1拍入ることを前提としていると言ってもいい。

 それは急ブレーキを踏んだ時のスリップのようなものだ。コーナリングで急ブレーキを踏んでスリップでスピンしつつ、立て直してコーナーから飛び出す、いわゆるドリフト走行。

 楽曲によほどスピードが乗っている時、そのスピードとパワーを殺すことなく視聴者に投げつけてくるシンクロというものがあるとしたらそれだ。

 で、休符というのはテンションが下がる、緊張が抜ける一瞬のことなので、楽曲のスピードに乗り切れてない人にとっては無駄な時間になってしまう。ビートがバシッと止まった瞬間に、そのブレーキングのスリルを体感できないと、気がついたらコーナーを曲がり終わってました、という事になりかねない。打点のシンクロは前に飛び出してくるので、強制的に体感できるが、休符のシンクロは気がつかなければ通り過ぎてしまうのだ。速いがゆえに、速過ぎてついてけない、ということが起きる。

例えばこれ。

 ミギシタP。この動画のダンスはキレが良すぎて私には追いつけない。6/8拍子でここまで瞬間的な加速を見せるダンスPVなんて知らない(^^;)。いずれ手の付けられないところまで上りつめるPだと思う。


 そこでもう少し、身近な動画を貼る。

 これの0:49、0:59、1:25、それぞれ歌詞で

ずっと負けたって___かまわない

いつだって_________
だ_れ_も_______
分かっちゃいないんだ

はいつくばったって___かまわない

の、_のところのダンスがどうなってるか見て欲しい。歌のないところでこそぐりんぐりんと大きな振りで気を溜めているのがわかると思う。特に「分かっちゃいないんだ」のUP→ドUPの流れは、そこに至る_の部分の溜めを受けての強調だとわかるはずだ。

 でも、注意してみないと、これが溜めだったことさえ気がつかない。この曲はテンポが速いので乗りこなす前に通り過ぎてしまうのである。

 そんなことを思いながら、この動画を見た。


 この動画も速い。あっというまにカメラもカットも通り過ぎていく。でも歌のないインスト部分が長く、曲も長めなので追いつくことができるんだと思う。2:20の「振り返らず」の前、1秒で5カット。

 「振り」〔美希〕「返らず」〔美希〕「振り返らず」

 リズムにして○○○○○× ダダダダダッ! の3拍(6拍)だ。最後の「!」を感じてもらえただろうか。

 正直、そこまで体感してる人は少ないんじゃないかと思う。この動画は他でもわかり易くシンクロを読み取れるところがたくさんあるからだ。私が言いたいのは、作ってる人間にとってはそれくらい速い動画なんだよってこと。つまりその速さで見れば、この動画にヴンヴンとうなってる風の音が聞こえるはずだ。


 そして、この動画も見て欲しい。

0:34のイントロから歌い出しで体重が乗る直前の大振り。
0:53のブレーキングから解放、その直後の休符の溜め。
1:08のやはり歌い出しの大振り。
1:30のギターのシンコペーションのフレーズにピタリと合った腕の動き。
1:46の休符の大振り。
2:03のキメ。
 その気になれば、他にも幾らでも曲の強弱に合う振りを見つけられると思う。肝心なのは歌の動く瞬間でなくその直前のテンションを表現しているということ。春香さんをPunk Rock PrincessたらしめるPの動画がこれだ。以前のは今、非表示になってるから見れないけどね。