Augenblicke

主にニコニコ動画のアイドルマスターMADについてのよしなしごと。

2009年08月

2007年のガチいおりん(2)

 更に続き。前回の記事を見ると、07年と言いながら08年、09年の動画が登場しますが(^^;)。これは簡単な理屈で、飛ぶような速さで動いているニコマスの中でも、揺らがない部分があるということです。07年の動画が08、09になっても生きている。作者がいなくなっても、動画が削除されても、歴史は書き換えられたりしないと。

 また、前回言わなかったこと。ありすえP、がぶ呑み氏、DikeP、タクヲPと、彼らは春香のPとして知られている人たちです。まあ、がぶ呑み氏はオールラウンダーだし、どのアイドルが1番好きなのか、美希じゃないかとかも言われてますし私はあずさが好きなんじゃないかと思っていますがw(陰陽師m@sterの主役とヒロインw)、作品として目立っているのは春香の動画です。同様に皆さん、専属というイメージはないけれど。ともあれ春香のPと伊織とは、不思議なことに高い親和性がある。本当は不思議でもなんでもなくて、哀春香とガチ伊織はお隣同士で手を伸ばせば届く距離にあるんだと思います。春香EDと伊織EDは、共に少女ゆえの幼さが表出していて、Pはそこに気休めを与えているに過ぎない。それは彼女らが自分で乗り越える問題で、Pが戻ったとしても解決にはならないものです。彼女達はそれを乗り越えて行くだろうけども、ゲーム内でそれを私達が目にすることはない。そういう点でよく似ています。

 さて、哀川翔Pが「全国に三人しかいないという伊織派」と言ったこの動画が08年2月19日。元になったカクテル2が同年2月9日。

 なので、07年の伊織動画というもの自体、ほとんど世間的な認知はなかったと言ってよいと思います。そういうものを上げていこうと。

 さて、07年6〜8月では、ナオキPの「フロンティア(sm434526)」が6月、そして7月の「Summoning of the Muse(sm721282)」が大ヒット。この辺りの伊織動画を少し調べると。

 はるまきP。いわゆる"ちんこうPプロジェクト"で認知されるまでは、こういった、ひたすらしっとりとした動画を上げていたPです。今回、試しに検索でズラリと伊織動画を並べてみた中でも異彩を放ってました。動画コメント見てもその独特な立ち位置からくる愛されぶりがわかります。

 ジゴP。歌は伊織に合わせたツンデレ風なんですが、電波系ではない正統派のポップスだし、派手さのないしっかりとした作りの動画です。

 ナオキPの「Summoning of the Muse」のほぼ一週間前の07/23。tieckPの、あたかもナオキPに通じるような作風のやよいおり動画。既にこういう作風もありなんだという認識は一部ではあったんだろうなと。このPも独自の行き方をしているPですね。

 そして。07年8月にデビューして以来、現在に至るまで王道から変化球、様々な動画を上げ続けているdodoPですが。彼が異色作と言ってもいいガチPVを幾つか作っていた時期がありました。何が起きたかというと07年9月5日のMA08の発売。いわゆる「いおりんのMAマジ最高!!(sm1521727)」です。その勢いに乗って公式曲以外で作られた傑作がこれ。MA08収録のカバー曲「ガーネット」の自作MAD(sm1177412)と対になる動画。

 同様の作風ではこれも名作。


 そのMA08発売と呼応するように上げられた、のは偶然だと思いますが、だまPのジャズっぽい伊織。コメントに「伊織ソロとは珍しい」とあったりします。

 更に10月には、tloPの、"ぽい"ではなく本物のジャズを歌う伊織動画がupされています。

 作者コメにむやみに紹介するなとあるのですが、確か見る専祭で1度解禁されていますし、もう時効でしょう(^^;)。この2つのジャズ系の動画も、ナオキPがありならこれもありだろう、という認識があったのではないかと思います。後に、その流れは08年初頭のinst祭、更には"黒薔薇"へも繋がったのではないかと。
 もう1つ、tloPと同日に上がったこの動画も忘れるわけにはいきません。

 馬鹿P。多分、うさちゃんだけが知っている情念の伊織。様々な演技、表情を見せながらも、その内にある感情はただ、自分を見て欲しいというものに過ぎなくて、これは愛の歌であるという事。アイドルとPという立場を突き抜けて少女の心の内まで食い込んで、なおぶれない。凄い動画を作ったものだと思います。

 こうして、ランキングを賑わしたりはしない水面下でありながら、伊織を取り巻く流れは確実に変化して、その勢いは08年の2月、上に書いた哀川翔Pの動画の辺りまで続いたと思います。えびPが初期の傑作(sm1971361、sm2026153)を連発するし、DikePも伊織動画を上げるし(sm2108221)、おっぺけPの「迎春(sm2085397)」、Die棟梁の「Libertango(sm2022877)」など、問答無用の傑作が上がってくる。しかしながら、ニコマス動画自体がこの頃には爆発的に増えていて、通好みの傑作ではメジャーには上がらない、そんな時代も続いていくことになったと。それはまた別の物語ということにして、この記事はあと2作、動画を貼って終わります。


 親父の味P。歌詞をローマ字に直して反対側から読んでいくというギミックを使った歌。しかも中盤の普通に歌うところでは、伊織のダンスの方が逆転しているという心憎い演出がされています。伊織のためにあるような内容の動画に対して、水面下で高まっていた伊織への関心が一気に流れ込んだ、そんな賑わいを見せた動画でした。あと、11月と言えば、手描きの伊織派である、じろうPがデビューしてますね(sm1433769)。


 07年12月は慌しかった。ありすえPの動画が消えた月でもあり、雪歩誕生祭とかmegum@sがあったりもしたんですが、長時間のメンテとかぶって祭りごと埋もれるとかの騒動があったり。一方でナオキPの最高傑作がupされた月でもありました。

 というわけで終わりますが、たくさん貼ったようで抜けも多々あると思います。私としては、抜けた分は埋めたい人が自分で埋めればよいと思いますし、他のアイドルでもやってみたいという人が出て来てくれても嬉しいなあと(^^;)。まあ今ならまず真なのかも知れません。07年は七夕革命もL4Uもなかったわけですが、名作はたくさんあった。技術さえ、高価な機材さえあれば傑作を作ることができて評価される、という空気はこの頃からあったけれど、別に評価されなくても名作は名作だった。そこをどう語るかは個人的な課題ですが、最近は、考えている間に手遅れになるなら、まずぐちゃぐちゃでもいいから、誰も読まなくてもいいから書いてしまおう、という風に傾きつつあります。そんなわけで雑談でした。


2007年のガチいおりん(1)

 続き。改めて言うけど、論を展開するのではなく、ただの雑談なので結論とかありません(^^;)。

 さて。伊織はアイドルとして、本来オールラウンダーなんだけど、一方で存在感は薄い。

 この存在感が薄いという点は重要。ツンデレ属性というのは明確な個性のようでいて、実際には薄っぺらいということがある。背が低く、腰まで届くロングヘアでお凸ちゃん、というスタイルは清楚なお嬢様、というキャラを表すには適しているが、歌って踊るアイドル、には適していない。彼女のスタイルは出しゃばらない淑やかな女性を示すものであり、動かず喋らず静かに佇んでいるのに向いている、つまりアイドルとは真逆だからである。765プロでアイドル然としているのは誰かと言えば やよいであり春香なのだ。伊織が自己紹介のときに、自分の毒舌について"お嬢様のイメージに対してバランスを取っている"と語るのだけど、これは本質をついてもいる。いおりんから饒舌さを取ったら、アイドルとしては立ち行かないという。

 そんなわけで、伊織を語る場合、自ずと水面下に隠れる部分が大きくなるのである、氷山のように。これが前提その1。

 前提その2は、先述の真に繋がるが、誕生祭の特性について。誕生祭で飛び抜けた傑作が出てくるのは、日が決まっているので準備にたっぷりと時間がかけられるというのが1つあると思うが、もう1つの特性として、より内輪のイベントであり、Pは視聴者のためとか、受け狙いではなく、純粋に己がやりたいことを表現するというものがある。そのため、ステレオタイプなアイドル像とは異なる作風が多数表れる。結果、アイドルってなんだろうという本質的な疑問に立ち返るイベントでもあったりするんだ実は。

 これら2つの前提と、かつては「伊織派は3人しかいない(sm2372368)」と言われていた状況が覆される昨今を鑑みるに、以前のチャットで「伊織動画のエポックはどれか」なんて話題が出たりもするのである。伊織派が3人しかいなくても、それが伊織の全てではない。

----

 伊織動画の表面的なイメージというのは、ベホイミPが登場して強烈なインパクトを示すまでは、普通に釘宮Voの魅力と一体化したそれである、花見川氏のblogにまとめられたような動画群だろう。まあ、ガオガイガー(sm424909)とか猪木(sm714485)とかも有名なんだけどそれはおいといてw。


 これはdodoPの08年の伊織誕生祭動画なので上記のblogには載っていない。が、リプロデュース元としては07年10月にsm1404612があり、りぜるまいん主題歌の方も07年3月にsm38668がある。伊織動画の王道はこの系統だろうと。

 でもって、そういう系統に連なることのない伊織動画を貼るよ、というのがこの記事の趣旨です(^^;)。先述のチャットで「伊織動画のエポック」として、最終的に出たものはこれだった。


 ナオキPの初伊織。ここから雪歩とのコンビ動画が幾つも作られるが、雪歩・伊織のデュオはかなり珍しい組み合わせで。上のりぜるまいん動画と比べると余りの落差に背筋が凍りつく代物である。

 コンビで伊織と言えば。

 ありすえP、これは転載で元動画は07年5月のsm244699。リスペクト動画としてDikePのsm3209451、hscのsm6770345をも生んだ名作。


 転載元動画sm1057936は07年9月。タクヲPによるsm4810760、sm6947675、メイPによるsm6948238等のリスペクト動画を生んだニコマス不朽の名作の1つ。

 個人的にはソロ伊織は がぶ呑み氏に始まってがぶ呑み氏に終わると思っている。いわゆるガチ呑み。

 奥華子「魔法の人」。氏の伊織動画自体はもう少し前からあるけど、タイトルに反して驚愕のガチPVであったりするのはこれが最初かと。いや、ネタから始まるんだけどね(^^;)。次に伊織のガチが来るのは08年1月のsm1986544で奥華子「小さな星」。07年の総括として造られたシリーズ中の1作であった。「魔法の人」も、08年11月にリメイクされている。


(続く)

野の花

 少し雑談をします。ええ最近は意識して雑談をしようとしてます。9月は予定がピーキーなので、当分そんなわけにはいかないと思うしインフルエンザの動向も気になるし。で、伊織の話をしたいのだけど、その前にというか、真誕生祭から。

 真の特異性というのは公式では今だ描き切られていないのではないか。という話がツイッターで出ていて、私にそこでの話がきちんとわかったわけではないのだけれど、確かに引っかかることはある。例えばオクラ山ため蔵Pの「COLORS」の真は公式とはかけ離れて見える。でも、あれは真じゃない、なんて事になれば評価なんてされなかっただろう。真の本質的なものが公式を超えたところにあるのではないか。

 ここまでやり切ったら痛快でさえある、と思えるHaruharaPの動画も貼っておく。真と遊佐未森というマッチングを誰が発想しえたか。それでも、これが真でなければなんだというのか。そういう領域に踏み込んでいる。

 これが春香であれば、元からニコ春香に追加された多様な属性がある。そしてそのギャップから生まれた凄い動画もある。しかし真の場合、それが後付なのか本質なのかよくわからない。

 観月P。

 こんにゃくP。

 真の二面性というか多重性についても、公式では渾然一体となっている観があるが、ニコマスではかなり明確化されていると言ってもいいだろう、なんてことを ぎみっくPの動画や いちじょーPの動画を見て思ったり。

 いちじょーP。

 ぎみっくP。先に書いておくけど、ラストで台無しw。

 で。そんな、後付つまりは二次創作の中で培われてきたものか、それは公式が語っていなかっただけで、見出された本質と言ってよいものなのかどうか、という視点で他のアイドルを眺めて見たときに、面白いのは伊織じゃなかろうかと。そういう話。


千早 05/01〜07/26


 AerieP。ふるふるフューチャー☆の60minm@ster。というわけで、ふわふわしたダンスで曲はソウルという、こういう軽やかな千早には目がないのです。



 音P。この動画はチャットでの「100秒レビューm@ster」のお題になってたのでよく覚えてますが。ジャージで1人で練習、千早はそんな姿が似合う。ステージでの歌に溶け込んだ千早と少し違う、荒々しく尖った意志を剥き出しにしている彼女をよく曲が支えていると思う。ここからランクUPしていくことで、作風も面白い変わり方をしていくのだけど、それはまた。


 音Pその2。ROUND_TABLE_featuring_Nino。「泣けるアイマス」タグをつける空きがない、というコメがありますがw、代わりについているタグ「羽ばたけ蒼い鳥 」…ロマンチックで消す気にならないな(^^;)。曲タイトルを意識してか鮮やかな光の演出が目立ってますが、千早のダンスが1拍後ろに引く感じで、その分、コミュが前に出てくるという不思議なバランスになってます。曲も穏やかで前に出ないので、一層、柔らかく沈み込む印象。某氏が水面下にいる千早と言ったのだっけか、言いえて妙だと思った。↑が粗くても前に出る印象と正反対なわけで、面白いところに着地したなあと。ステージの正面には届ける力が弱くても、深く染み渡って遥か遠くには届くかもしれない、そんな気分になります。



 蒼い子P。シンプルにエフェクトで見せるPV。おどろおどろしさを表す紅いエフェクトの中でも凛と佇む千早は何を思うのか。


 蒼い子Pその2。試行錯誤とのことですが、多数のウインドウの中で歌う千早の透明感と演出の非日常感がどこに着地するのか。目が離せなくなります。


 蒼い子Pその3。オレンジの幕が下りた前で歌うメカ千早。可愛らしく歌うからくり人形は、終わった恋の苦さを知っているのか。シンプルだけど演出と曲調のマッチングが見事。



 かよーP。坂本真綾。軽くイラスト風のエフェクトがかかった千早のミドルからUPで口パク中心の見せ方。大胆にしてシンプル、なようでいて矢鱈手間のかかる手法で。ここではないどこかを目指してステージから離れたのでしょうけど、最終的にどれほど遠くまで来たのかを示すラストの俯瞰が圧巻だという。凄まじいのにさりげない。技術の無駄遣いだなあ(^^;)。



 エムツーP。フランス・ギャル、でジャズフェス参加作。淡いピンクの照明が下品になることなく、優しく千早を包んでます。やっぱ技量で圧倒するよりも、こういう華麗なタイプの歌手になって欲しいと思っていたりする。



 椅子P。みとせのりこ。クロノクロスED。ザバダク「遠い音楽」を千早がカバーしたことに触発されたとのことで、雰囲気が良く似た透明感のあるバラードです。それをほとんど動きのないスローダンスで静かに彩っていく。淡く柔らかい、けれども芯があって上品。



 木っ端っP。ロックでエネルギッシュな曲なのに、背景は爽やかな空だったり郊外だったりの全て実写合成。ライブ感と逆方向に行きながら、途中で手紙を挟んで千早の遠く切ない決意を伝える。対訳はないけど、きっと悲しみに立ち向かう内容なんだなと思う。ラストの晴れやかな笑顔の語るものは、きっと大きい。


独断と偏見にて

 ちょっと前のチャットでの話題とも絡む話。わかってる人には言わずもがなのことですが、あえて書いておきます。

A.自分から見て万人向けだなと思える作品。
B.通には受けるが万人向けではないなと思える作品。
C.誰も評価しなくたって、俺はこれが好きだと思える作品。

 ブロガーとして、どれを1番取り上げたいかというと、Cなんです。

 でもそれは"紹介"というベクトルとは矛盾します。それだと、ただの押しつけになってしまう。紹介する以上は、自分以外の人にも気に入ってもらえる、と思えるものでないとおかしいんです。

 だから、堂々とAを紹介して紹介ブログだと言える人はそういうことで悩んだりしない人で、要するに万人向けであるものを自分も好き、な人なんです。

 だから、うちみたいなblogは、独断と偏見で勝手に語ります、と但し書きをつけないとマナーに反するんですね、やってないけどw。

 blogが一般視聴者向けか作者向けかというのは、意思決定ではなくて、そういう事情から間接的に決定されることと思います。視聴者でも作者でもなければ、自己確認的なblogということになると思いますが、それも反主流という意味では同じかと。

 要するに、反主流というかマイノリティなセンスをもって生まれて来ちゃった時点でそうなるものなんです。まあ、そこは逆らいたい人がいるかもしれないし、それを止めたりもしないけれど。


 そういう話なんですが、あとついでに。

D.主流でないはずなのに実際には受けるつまり高く評価されてしまって、挙句の果てにルサンチマンの対象になったりするもの。

 これは、ニコマスで言えばかつては手描き、今なら架空・ノベマス、ってことになるでしょうか。もちろんそれだけではなくて、一時的に流行したものとか、アイマス分が薄いけど、その分、ニコ動で広く受けたもの、なども入ってくる。

 もしも誰かにとって、このDに当たる部分で好みのストライクど真ん中になる作品が出てきたら、これはちょっと面倒なことになるでしょうね。その人は、ニコマスの主流よりも、俺のセンスの方が正しいんだ、と思いかねないでしょうから。評価されない方が平静でいられるということもあったりするので皮肉なものです。


 戻しますと、ブロガーは個人なので、それぞれ好みがあります。それは運用のスタイルと割と深く関わっているんじゃないかなという。でも、そうだとしても、一見してわかるということは少ないだろうなという話。