Augenblicke

主にニコニコ動画のアイドルマスターMADについてのよしなしごと。

2010年04月

アンダーグラウンド

 えにこPのこの動画が出たときに、1度アンダーグラウンド論を記事にしたいなあとか思って現在に至ります。3ヶ月くらい経ちましたか。


 このblogでアングラというと、それはニコマスにおけるアングラクラスタと、ニコマスアングラカタログとそのコミュ(ニコマス・アンダーグラウンドカタログが欲しい人のためのコミュ)と、私のアングラ感の3つに話は分かれるのだけど。

 この中で外側に属するのはアングラカタログのことなので、そこからがいいんだろうか。

 ニコマスアングラカタログは、ボカロアングラカタログの多大な影響下にあるのだけど、それは単なる先達ということには留まらない。ニコマスアングラカタログは、ボカロアングラカタログの影であり、独立して存在し得ない。金魚の糞だ。ボカロアングラカタログが理想であり、そこから離れることもそれを超越することも意図されていない。

 なんでかというと、ニコマスにアングラカタログは本来不要だからで。なぜ不要かというと、ニコマスの全てが非合法でありすなわちアンダーグラウンドな存在だから。

 一方で、すべてのボカロがアングラである、ということはない。ボカロは売り物になると言うことが1つの価値として認められる世界で、そこがオーバーグラウンドであり、その対極としてのアンダーグラウンドが存在する。

 アングラであるニコマスにおいて、あえてアンダーグラウンドを唱えるとしたら、ニコマスもまたオーバーグラウンドを目指していくべきであるというコミュニティの意識と、それは事実誤認でしかないという批評的な視線の間隙にそのベクトルは向いている。要は意識の不統一すなわち揺らぎ・混沌の中で生まれて消える泡沫。

 批評的な視線から混沌を愛するという二律背反の中にしかニコマスアングラカタログは存在できないわけで、大義名分というものはないので、ボカロアングラカタログの物まねである、という事が唯一の明確な指標なんである。

 だから、俺に必要だから不要じゃない、と言ってくれる人つまり需要がないと存在できないのでニコマスアングラカタログ。今のところ、そういう人は"いない"ので、ニコマスアングラカタログは役目を終えたかなあという印象。なんで"いない"と言い切れるのか? それは「俺に必要だ」という人を待ち続けてまだ待っている現状を鑑みてそう言っている。まあアングラコミュはね、こんないい動画があるよ、と語り合う場として存続してればいいかなって思ってます私は。

 そういうことなので、ニコマスアングラカタログの要点としては、作りたい人たちが勝手に作ってきた、わけではなくて、1つにはボカロアングラカタログの影であること、もう1つは需要に応えること、その2点によって成立していたのであって、別にアングラの定義とか、動画の選出が難しいとかそういうことが問題なのではない。現状では、俺が見たいから作ってくれという声もなければ、誰も作らないなら俺が作るという人もいない。だから続きがないということ。

 なにせ、元々、延々と作り続けるだけの労力はないという前提で、キリのいいところまで作って、後のことはその時点で考えようということだったのさ。

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 アンダーグラウンドというと、某Pや某氏は映画とか詳しいのでアングラというと、概念ではなくて具体的なイメージがあって、それが「アングラ観」というものを形成しているように思える。私はそういう意味では映像のことわからんので、そういう具体的なイメージはない。

 私の場合。

 例えば某ブロガーの十八番である《高級感》という言葉がある。これは端的に言えば"クオリティの高さを感じさせない"と解釈していいと思う。この動画のフォントが素晴らしいと言われたりするんだけど、言うまでもなく映像作品でフォントなんか誉めたって仕方ないw。本当に凄いのは他にあるはずなんだけど、それはうまく説明できない。どこが凄いと言えないレベルで洗練されていて、一方でフォントのような細かいところまで手が尽くされている、こんな細かいところまで丁寧なのだから、全体も凄いに違いない、と、どーでもいいところから逆説的に敷衍してやっと全体が解釈できるような状態をして、《高級感》があると評せばいいんじゃないかと思う。

 その逆は、どこが凄いかを目立つように強調してある、という場合だと思う。そうなると凄くない部分も逆に目だってしまうわけで、わかり易くなった分、評価は上がるが《高級感》があるとは言われないんだろうなと。

 《手作り感》なんて言葉もあるんだけど、これは手間隙かかっているのがよくわかるんだけど、一方で粗い部分も残されている。なぜかというなら、作者の見せたい部分には力が入れられているが、その他は最低限でいい、という判断があるからだ。そしてその見せたい部分に個性が存分に発揮されていて、つまり減点法だとたくさん減点されるんだけど、その個性を評価できる人にはこれで充分だと思える、そういう作品に対して使うとはまる形容だと思う。

 で、《アングラ感》というものを考える時、これは様式化というかコード化されたものと、個性としてでてくるものに2分されると思うのだけど。

 様式化ってなんぞや、という前にまず。

 アングラ化の根幹は禁忌を犯すということにあって、やっちゃいけないことをやる、というのが大前提になる。何をしてもよい、ということになれば、そこにオーバーもアンダーもなく、自由とカオスがあるのみ。それを分けるのはルールという境界線の存在。で、一旦ニコマスの中に入ってしまうと、そういうものが非常に緩く、全部まとめてアングラである一方で、ニコマス内ではその境界線を引くのは大変難しいということになる。アングラカタログ不要というのはそういうことだったり。

 そして、それが禁忌だと広く周知されているにも関わらず、あえて踏み込んだ表現の場合、禁忌ではあるが、誰でも知っていて個性や斬新さというものは見られない。それが様式化したアングラ。そういう自覚もなく、好きなようにやってみたら、何故か皆に拒絶されてしまったというオリジナルな表現の場合、個性としてのアングラというものだと思う。

 多分、アングラクラスタというか界隈というかでは、後者の個性的なアングラ、つまるところ、本当にアングラなのかなんて誰にもわからないけど、なんだかやばい、という辺りが評価されると思います。前者の様式的なものはあまり有難がられない。

 でもここからが難しくて。

 例えば前衛芸術としては有名なものであっても、それをじゃあニコマスでやれるか? やってみたらこうなったよ、という場合、それだけでも価値がある、ということもある。こういうのは、手描き作品の評価と同じようなものだと私は思ったり。つまり、このパターンってアングラ界隈の主流と言ってもよいものなんですね。形式としては様式の方に属するんだけど、通というか知的な層に受けるという。

 また、個性的な表現の中にも完成度が高くいわゆる《高級感》溢れるアングラ作品となって再生数もバンバン伸びたり。伸びなくても熱狂的に評価されて知名度が高かったり。

 様式的なアングラ作品の中にもああ、こういうことが本当に好きで、やりたいからやったんだなと思える《手作り感》溢れる作品もある。

 そういう様々な位相を特に整理することもなく雑多に享受しているのがアングラクラスタなので、どこを切り取ってどういう線で語るのか、というのはなかなか困るところではあったりします。

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 あと、個人的に大事にしたいところがあって。それは要するに埋もれるべくして埋もれる作品を引っ張り上げたい、ということ。

 上の えにこPの作品、内容的には全然アングラじゃないように見えますよね、この記事とは全然関係ないんじゃないかと(笑)。じゃあ、タイトルの「アンダーグラウンド」ってなんなのかと。曲名ですが、どういう歌なのかと。意訳がついてるけど英語の歌なので、なかなかピンと来ないところなんですが。

 要するにこれ、がんばったけどダメだったけど、それでもこの場所で俺たちは楽しくやってるよ、て歌ですね。ここで言う「アンダーグラウンド」って「765プロ事務所」と意訳されている場所。

 TOPにはまだいけないけれど、この場所があるからしあわせ。これって765プロというよりも、むしろニコマスじゃないですかね。しかしそう言ってしまうと、かなり辛辣な話になるんじゃないでしょうか。楽しい曲だけど、決して能天気なだけではなくて、歌詞は毒を多分に含んでるんですよ、このBFF(Ben Folds Five)ってバンド。

 この動画は曲の内容よりも、作りの完成度で評価されたと思います。本来なら、伸びるような方向性ではないと思う。上記のアングラだけど高完成度というパターンではないかと。

 一般的な受け線を考える時、

1.がんばらなくてもうまくいった!

2.がんばったからうまくいった!

3.がんばらない!

4.がんばったのにダメだった!

 ニコ動では、4.は最も受けが悪い物語性だと思うからです。

 私が気になるのは、その表現がどう禁忌を犯しているか、ではなくて、こういう方向性は受けないな、完成度が高くても受けないな、というものです。そういう作品は、BBFの歌が示しているように、楽しくてもアンダーグラウンドだと思う。

 まあ、楽しさとアングラは、別に交わらなくてもいいとは思う。ただ、アングラの反対は平たく言えばお金のために作品作るってことで、それはなかなか大変なことだと思うので。出来上がった作品がわけわかんなくても作ってて楽しかったからいいか、というのはアングラ的にありだとは思います。だから、アングラ界隈的には、あまり楽しさを擦り減らして活動しなくてもいいんじゃないか、というのはある。

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 と、複雑な話をたっぷりとしておきます。いずれ何かの布石になると思うので。


千早 02/13〜04/26


 hikaruP。最近は実写ダンス素材に凝っておられますが、この頃は選曲に凝ってた頃で、フランスの、ポップというよりもエキセントリックな領域。かっこいいしそのクールさが千早とよく合っています。



 qb氏。相変わらず選曲のシュールさが凄い。「私のお気に入りじゃないもの」ってw。「マイ・フェイバリット・シングス」を意識した歌なんだろうけど、それに千早を絡めてどうすんのかというw。しかもバックに自身の過去作のような映像が流れて(全部はわかりませんが)回想っぽい流れだと言う。「誰もいない時にあなたのお気に入りじゃないものを教えて」と淡々と歌ってますが、昨晩のカクテル生放送思い出すなあ。毒があるけど千早のネガティブさには合う、のかなあ、月の引力とは、穏やかな悪意みたいな比喩なのかなあ。映像はたゆたうようで綺麗。



 sabishiroP。60分マスター。P名タグがごっそり消えていて実質引退状態ですね。実感のわかない人もいるでしょうが、削除や非表示にしなくても、P名タグを消してしまうだけで、ほとんどの人にはどうしようもなくなります。特定Pの動画全部をマイリストしてる人なんて普通いないですから。そんなわけで、一部の人の思い出の中にだけ生きられる理想の消え方ではないでしょうか。御本人自身、尊敬するPの動画が消えたと言って悲しみに暮れることの多かった方ですので、同じ事を自身でなされるということはないと考えています。動画に関しては谷山浩子さんの曲で「みんなのうた」で有名な曲のカバー。おっとり穏やか、少し寂しげでさえある曲調になっていて、千早の透明感が似合います。
※4/30追記:御本人のコメントによると、イメージしている新作の実現ハードルが非常に高く、いつになるかわからないので潜伏しているが引退するつもりはない旨、おっしゃっておられましたです。



 とにせんP。KOKIA。ちは誕動画。6:45もの長尺ですが、それにふさわしい重さと適度なしなやかさをもって、鋭くまっすぐに心に飛び込んでくる動画です。



 一一P。フランスのバンドで英語で歌っているそうですが、出だしのスロー、それもスーパーロングのスローというとんでもない代物でもうゾクゾクと来ます。このPの中でも屈指の一作じゃないかと思う。2:06訳詩の「暗く冷たい世界に」のところでサヨナラの振り付けをするところとか染み入ります。そんな決意の歌。



 他ならぬ島Pなので、これを没作品と言われてもわからんでもないのですが、一作毎に超展開なPですからw。しかし色と光の魔術師系の美しい動画でアンビエント系の楽曲と相まって、千早にふさわしい高雅な雰囲気の佳作だと思います。



 うこんちゃP「英グラナダTVのシャーロック・ホームズ・シリーズ(1984-1994) OP」とのこと。47秒の小品ですが、サスペンスフルなヴァイオリンが小美味良くシャープな印象。知ってる人にはグッと来るのだと思いますが、知らなくても感じるものがありました。



 はしP。処女作にして凝りまくった大作で、このクオリティでデビューしたら、当分、後が大変だと思います、2:39しかないとか思えないw。この手の動画は「ある程度以上うまいと自然過ぎて雰囲気だけで見てしまう」状態になるので、うちのblog的には貼らないことが多いのですが、この動画の場合後半の畳みかけがガツっと来るので流されずに押し倒されます、一撃の重さがある。1:49で負けました。



 蒼い子P。作者コメがまっとう過ぎて怪しい。ともあれ、千早でサイバーと言えばR2Pがひとつの究極だと思いますが、よくも悪くも千早のまま(ゲームのキャラとして?)サイバー化した動画として究極になりつつあるなあと。前の千早↓も凄かったし1月のKarma↓↓も凄かったなあ。基本的には楽曲に合わせたPVとして発想されているのだと思いますが、たまたま千早が記号性に壊され過ぎないギリギリでそこに重ねられるんでしょうか。





 しゅがP。市場にありますが、検索でTOPに出るようになりたい、という歌。動画内にも用語やそのためのテクニックに関する文言が散りばめられていて完成度の高いネタ動画です。まあ、それを千早に絡めたというのが最大のネタですが。紳士装備のダメ押しさえなければ、クールなネタ動画としても最強なんだけどなあ(笑)。

ニコ生やります。(12)

 4月25日(日)18:30から生放送やります(終了)。リクエストは受け付けていません。テーマは〔真樹翔P&ローディP〕。セットリスト追記しました。タイムシフト可。プレミアは予告なしで放送日から一週間アーカイブが見れます。
metalm@sterコミュの方で23日にメタル生をやってくれるそうなので、ちょっと流れに合わせて、うちとしてはメタルのようでメタルじゃない少しメタルな屋根裏生放送を目指そうと。いつかメタルオンリーで生放送できたらいいなあと思いつつ、きっと何気なくメタルじゃねー動画を混ぜるんだろうなあ俺という天邪鬼なので(^^;)。

 今回またニコピタさんが動きませんで。ダメな時とそうでない時の違いがわかんないのよなあ。なので手動でやりました。アーカイブがどうなってるか恐いですw。真樹翔Pは当然としてw、ローディーPも見る人選ぶところのあるPさんですので、知ってる人が見に来てくれて心強かったです。来てくれた方、ありがとうございました。


あいどるますたー 春香のI Want Out!! 3:45 真樹翔P
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1414037
アイドルマスター 「Break Away」 Sturm Und Drang 2:23 ローディP
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6733503
鉄仮面で ブリ(゚∀゚)ハマチ 0:43 真樹翔P
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10098346
アイドルマスター 「SWITCHBACK」 Celldweller5:01 ローディP
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5518376
あいどるますたー 帰ってきたモモ参上!! 2:24 真樹翔P
http://www.nicovideo.jp/watch/sm217281
アイドルマスター 「Who's Your Daddy?」 LORDI 3:21 ローディP
http://www.nicovideo.jp/watch/sm7463283
【あいどる】Future World【ますたー】 真樹翔P 2:55
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8802654
アイドルマスター 「People=Shit」 SlipknoT 3:35 ローディP
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6364963
【鉄仮面】She-Wolf【誕生祭】 3:40 真樹翔P
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2134227
アイドルマスター 「Duke Lion」 BIGdumbFACE 3:06 ローディP
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6816618

気になる動画 04/03〜04/16


 春誕動画。なんとニコマスで2つめのリック・ウェイクマン。この曲でかぶるとかw。



 つまおP。ホルモン。普通のダンスシンクロPVがメインではあるけど、同様のセンスの動画作ってる とにせんPがそうであるように、どこか"つや消し"な感触が曲に合ってていいなあと。それでなくても丁寧に作られた見てて楽しい動画かと。



 合作単品。デボP・ハニワP。デボPの動画は凄いことになってくばかりなので、感想とか投げ出したくなるんだけど。空間が広くなっていく一方で密度も上がっていくというか。世界そのものが高密度に設定されていく快感という。もちろん音の拾い方も絶品です。



 ジェットP。特に春誕動画とかは書いてないけど、春らしいイメージ。ピンクといえば伊織のカラーですが、ここでは春香(赤)+雪歩(白)の混ざり合う世界だから桜色なんだなと、そう思える穏やかでほんのりと美しい、傑作だと思う。見とれます。


 ジェットPその2。サムネの幽玄ぶりが素晴らし。曲の雰囲気で貴音が選ばれたんかな、声質も原さんぽいので。SP素材でドUPは少ないですが、青と銀の鈍い色合いに赤い花が重ねられて綺麗にまとまっています。



 わるつP。サングラスの真ってステレオタイプで、昨今のニコマスではあまり…とか思ってもクリックして歌が始まると一気に掴まれるというw。うまいうま過ぎる。曲そのものがすげー歌と演奏がうまいんだよね、知らない曲ですが。それに抜群なダンスシンクロをさせている。



 TiltP。東方民に注目されてブレイクする以前の、こんな凄いのに埋もれるかよと言われていた時期の動画の修正版。弾幕が立体化とか幾つか改良されています。改めて評価されて欲しいものです。ラストのイラストも良いですし。



 UKCkaeruP。Mike Bloomfieldとか、また渋いところを持ってくるなあ(^^;)。聞いてわかるようにそんなアクの強い音ではなくてむしろ繊細と言った方が良い、ヌルヌルしたギターを弾く人だと思います。あずささんセンターが貫禄を、バックの伊織と雪歩が繊細さを加えてる感じですね。あずささん、こういう曲歌わないかなあw。



 怒首領蜂P。曲がえろいんですが、というかこんなえろい曲知ってるだけで尊敬しますがw。それにここまで合わせた動画を作るってのがまた惚れますね。伊織も美希も14歳でっせ。それでここまで艶かしさを出すとか。美希ってバストのことをよく言われるわけですが、実際は肩とか背中とかチャーミングですね。



 hikaruP。スウェーデンのアーティストだそうで、曲はPOPでかっこいい。演出はぼかしがきつくて、合ってるのかどうかわかりません。その意味ではqb氏を思わせるところがある。ダンスはよくまとまってるし、このPとしてはむしろ正統派なんかもしれんし、そんなよくわからない作品ですが、何か目を引かれるものがあるのも確かです。

素材と強度

 これ、実質3行で書けるんだけど、前提が長いのでこうなった。

 ツイッターで某だめひゅさんとmetalm@sterの話をしてて、素材強度の話になったんだけど、そう言われても過程を飛ばすと意味わからんだろなという事でこのエントリになりまして。 Nightwishってニコマスに数あるよねなんでだろうと言ったら、ニコにこういう動画があるせいで有名なんじゃないかと言われて「月姫」のMADを紹介されたと。

・【ニコニコ動画】月姫 MAD 「Krsnik」

 これを見て凄いなと思うと同時に、素材の弱さをうまく克服してるなと思った。というのは、「月姫」って本編はあくまで同人レベルのグラフィックなわけで、傑作ではあるんだけどその凄さの本質は映像面にあるわけではない。にも関わらず、多分このMAD作者はイラスト等ゲーム本編以外からも素材を引っ張ってきて、更に音楽の効果やカット編集に凝ることで、映像素材だけから得られるイメージ以上のものを創出してる。

 で、そういうMADの作り方は素材強度のあるアイマスMADとは違うねという話をしたと。アイマスの場合、アイドルさえ出せばなんとかなるし、多様な演出に適応というか、他の色と混ぜても薄れない強さがあるからニコマスが発展してこれたと言うのがあると。

 恐らくは今は、そういう強度に頼らない方向にニコマスは進みつつある。MADの演出力が遂に素材としての箱○版アイマスを超える段階が来てしまってるので。また、SPやDSの素材だと、逆にいかに画質やモデリングの荒さを克服するかという、これまでと異なる発想でMADPVが作られ出してる。

・【ニコニコ動画】アイドルマスター「君がのヮのな物語」春香

 この動画見て、アイマス分すくねー、と思ったしw、ダンスPVじゃねー、とも思った。でも、もの凄く強靭だよねこれ。

 dbdbPはアイデア主体のMADを作る割には作品としては情感を込めてあって、結果、出落ちや1発ネタに割り切ればインパクト出せたろうに、全体としては泥臭い印象になったりする。でもこの動画はそれがいい。で、そのネタの引っ張り、例えば終盤の使い回しに説得力を与えているのがsupercell の曲の力なんだなと。某頂点ブロガー氏は生放送でsupercell はMAD向きだと言ってたり、一方で某ブロガー氏は、あの"のヮの面"に表情を与えるのはニコマスが積み上げてきた春香さんの歴史の重みなんだみたいなことも言ってるんだけど、こんなかっこいいことを言えるブロガーはあんまりいないので特定できる人はしてください、まあそれはさておき。つまり、箱○素材をフィーチャーする代わりに、supercell の楽曲とシャフト風演出によって骨格が作られた上にニコマスが乗っかってる構造で。アイマスの上に楽曲や演出が乗ってるんじゃなくて、楽曲と演出の上にアイマスが乗ってる。ニコマスの春香さんの重みに耐えられるほどの強さを、骨組みとして作り出せている。

 多分、普通にガチPV作ってたら、また曲頼みか、って言われたと思う。でも、この動画、曲頼みとも曲台無しとも言われてない。実はそこが最も凄いところだと思う。それは詰まる所、supercell を乗っけただけじゃなくて、その強度をのヮの面が制したということ。箱○素材もsupercell もシャフトも一旦、ぶん投げて再構築されることによって、それができた。破壊と構築の両方を同時に。それは発想と情感のどちらも捨てなかったMAD作家の勝利ってものかと。