Augenblicke

主にニコニコ動画のアイドルマスターMADについてのよしなしごと。

2010年08月

7:02

 2010の真誕生祭はいつもと少し異なる雰囲気だったように思う。恐らくは、17歳になることが、真にとって特別なことだったんだろう。

*【真誕生祭】グッドバイ (for long tomorrow)

 2960P

 某Pが生放送で流しながら涙声になってたこの動画は、特別な演出は使われていないダンスシンクロ動画で。個性的な色調やカット割というわけでもない。しかしながら、この曲調でダンスシンクロで、という時に私が求めるものは全てある。

 1つには、7分もあるのだから、その長さを必然とするクライマックスがあるということ。

 2つには、7分の間、シンクロ合ってないなという気分にさせないこと。

 3つには、7分の間、この流れだとこの後こうなってこんな風に終わるんだなという先の見えた展開にならないこと。

 この動画はその求めを満たしている。それはとても難しいことで。ゆえに、見終わった後に重い余韻を残す。念のため言うと、上記は技術的な見せ方の問題で、動画に込められたメッセージや物語の話ではない。

 唯一、構成として非凡なのは歌詞の出し方だと思う。それとても、特別なことはやっていない。毒気のある難解な、大半が英語の歌詞を、歌が始まる前のコミュシーンから表示し始める。でも歌い出したら表示しなくて、歌が終わり長い間奏に入ったら今度は訳詩を、カットインでじわじわと浸透させていく、そんな見せ方。

 初めは英語、そして和訳されても難解、だから内容をなかなか把握できない。気がついたら、長い間奏のダンスと歌詞のカットインがこちらの脳内イメージの中でせめぎ合っている。そして、どうやら「迷走MIND」がそうであるように、この歌も真の内面の苦悩を示しているのだなと、そう理解されるまでの間に、もう5分経っている、そういう動画だ。

 そこに理解が及ぶまでの緊張、すなわち作者は何をしたいのか、それはこの作品の中で果たして解決されるのか? 真がしっかりとダンスを刻む姿と裏腹に、曲調は解決への不安をも醸し出すわけで。

 そして終盤にひっそりと用意されたカタルシスは、ラストの字幕「グッドバイ」に向けて収束する。あたかも、大勢が笑顔で見守る中で、本人だけが五里霧中でいるような、これはそんな動画。17歳の誕生祭にこめられた、この優しい皮肉が、見る者に届くだろうか。

やよい 4/11〜8/23


 junP。熱いストーリー系。終盤のタメと広がりが凄い。アイドル全員出てくるけどやよいメインということで。



 かよーP。これまでにもロリトリオややよいで凄いPVを作ってきたが、最早1秒たりとも目が離せない情報の洪水にして、それをあっさりと乗りこなす やよいのアイドルとしての格を見せ付けた動画として金字塔かと。



 runawayPとしては珍しいほのぼの動画。肉球また肉球。



 蜂P。カクテルということで、やよいとかっこいい曲という珍しい組み合わせながら、結果オシャレで楽しいという斬新な傑作。終盤の加速感はSTGのPならでは。セカチャクも完走。



 たまてぃP。ぐるm@s!ということで、料理テーマ。電子レンジは何故か日常的なほのぼの感とリンクするアイテムのようですね。ほのぼのでほんのりオシャレな味わい深い作品。



 Reffi 氏。フラッピーは、かわいいパズルゲーだったと思う。で、かわいらしい曲にはζ*'ヮ')ζという。カラデイというとシャキシャキしたイメージがあるけど、実際は割りと柔らかいダンスで、ほのぼのとして曲に合います。



 十色P。ひたすらやよいが可愛いPOPな動画。



 初代の舞ちゃんの歌ということでいいのかしらん。ともあれ、料理紙芝居の解説役としてのやよいです。ある意味王道で。



 一一P。「バードランド」というと以前、ニコマスにマンハッタン・トランスファー版があった気がするけど見つからないので消えてるかも。これは原曲で、サビこそ有名でわかり易いものの、かなり複雑な構成を持っている曲。まず、アイドルに踊らせようなどと思わないでしょうw。にも関わらず、やよいがソロで踊るというギミックなしの正面突破で、それでも無理してるようには見えない仕上がりという。この人はやっぱり天才じゃないかと。



 ニコマス的にはMMDモデルというのは不完全で、なんらかの代用として使うことはあっても、魅力的に見せる、ということではまだまだだと思われてました、ごく最近までは。でも、ここまで来たらもう、そんなこと言ってられなくなってますね。見せ方次第では充分に魅力的だと言っていいんじゃないかと。まあ、純粋にどっちがえろいかと言えば箱○素材の変態的な完成度にはかないませんが、かと言って箱○モデルをこういう使い方はできないわけですから。


 「たかかんべ」という竹の妖怪がいる。マイナーらしくググってもほとんど出てこない。うろ覚えなので正式名称を間違えているのかも知れない。竹の妖怪じゃないのかも。

 この妖怪は、ひょろりと高い人間の姿をして現れ「たかかんべ?(俺の背は高いだろう)」と尋ねる。「いや、高くねぇ」と答えると、すっと背が伸びてまた「たかかんべ?」と尋ねる。そういう妖怪だ。

 で、「うん高ぇ」と答えると、しこたま尻を叩かれるという。なんだそれだけかよ、という感じだが、何せうろ覚えなので間違いかも知れないし、異説もあるかもしれない。 

 そんな怪しい記憶の話をなぜ、あえてするのかというと、それだけ印象に残っているからで。どう印象に残っているかというと。この妖怪、こちらが決して満足せずにずっと「いや高くねぇ」と答えていると、どんどん伸びてその分細くなり、やがては糸のように細く、最後には細くなり過ぎて消えてしまうと言う。つまりそれが対処法だ。

 この、高みに上がるためにどんどん細くなり最後には消えてしまう、というイメージが、有効な比喩たりえる局面というものがあると思うのだ。

 ひたすら細く高く、最後にはぽっきり折れてしまう、でもいい。まあそんなイメージの形容がふさわしい事象というのが、世の中には結構あるように思う。

 ここはニコマスblogなので、ここでは千早さんの話である。

 千早MADの最前線というものを考えるに。ゆりあPにしろ蒼い子Pにしろ、どんどん薄く鋭く無機的になっていくのが千早PVのあり様となっている。一方では、エムツーPや ふらうPの千早は明るい曲で、ソロではなく仲間と共にある千早というあり様をひとつの理想のように見ている気がする。アイマス2でも基本的にはそういう流れになると思うので、ソロで、骨太い千早、昨今では とにせんPの千早のようなあり様は主流になることはないかもしれない。

 他のアイドルはどうかというと、亜美真美はその関係が大きく揺らぎ、是非はともかく「とかち」を離れたところで様々なベクトルが試されてゆくのは良いことだと思う。雪歩は2での激変があるがそれを棚に上げると、大筋では変化していない。春香さんは昨今では元々あったおっホイ的な路線が拡大している印象で、それ以外でのオールラウンダー的なあり様は変わらない。閣下的な表現は減ったが、代わりにネタ、エログロ方面が活発で、トータルではどっこいどっこいというか。あずささんは太陽が沈んで以後、大きな変化は見られない。3A07を中心に一時的に華やいだ感があったが、反動を含めよしあしである。伊織と876組はMMDに大きな影響を受けていて、評価はともかくひとつの流れになりそうだ。

 律ちゃんは実験的な要素が後退して保守的になった印象。何をするか分からない律子派というイメージは健在だが、ネタとガチの棲み分けが進んでいる気もして、予想外とか難解な印象は減った。真と美希はアングラ方面への露出が増えた観がある。2人とも、元々マジョリティの側にはいないのだけど、美希はより守備範囲を広げロックもジャズもこなすキャラになりつつあるし、真はネタもガチも意味不明なものもこなすなんでもありな方向へシフトしつつある。そして やよいは元々もっていた、その気になれば宇宙まで飛び出せる無限のポテンシャルがオーバーグラウンドな領域にまで開花しつつあるという印象。

 そんなわけで、昨今の千早に話を戻すと、より透明で無機的な方向に進んだ挙げ句、消えてしまうのではないか、という印象をもっているのである。

 千早に対する新たな表現というのは探せばそれなりにあるのだが、春香さんより ののワさんやホメの方が人気があるのと同じく、千早で深い表現をするよりもメカ千早を使った方が勝手がよい、という流れがあり、千早本人の物語はそれに食われている感もあり。
  
 私は、ちーさんは努力家で強い人というイメージを持っているが、ある意味それは765プロの中では当たり前という感があり、にもかかわらずリーダーシップは取らないという、ややこしい面があって、そこのトゲトゲしさを和らげるために、千早に関しては弱い面が強調される嫌いがあると思う。765プロのリーダーは律っちゃんであり、扱うときは はるちは で1組で、という扱いをされることによって、彼女の立場は守られている。素のままの扱い難い千早というのはもっと取り沙汰されてよいと思うし、そんな彼女がPとの出会いや765プロの中で変化した結果…海外に旅立った後の千早、あるいは旅立てなかった千早が、これまでにない厳しい現実の中で自分の積み上げてきたものをどう活かすか。そういうサバイバルをくぐり抜けるだけの強さを、彼女は身につけてきたと思うのだ。

 そういう、剃刀が名刀に変わった姿というものを、いずれは二次創作として見られるんじゃないかと思っているのだが、現状そうは見えない。見ていないだけかもしれない。

 たとえば、無能Pの「ターン」は物語的には春香でなければならない、という話ではない。まあ恐らくは春香を描く足場として北村薫の小説が選ばれたのであろうから、話の順序としてそうはならないのだろうけども、私は千早を描くための「ターン」や、もっというなら「スキップ」があってもいいと思う。

 この記事はこれで終わりで、別にそういう千早が見たかったら埋もれた動画を発掘する努力をしようとか、自分で作りなさいよとかいう話ではない。ただ、こう切ったらこういう切り口が見えるよ、というだけの話です。

--参考--


*ゆりあP

*蒼い子P

*R2P

*時雨P


*無能P


*とにせんP

*一一P

*tokishinP

*エムP


春香 7/24〜8/08


 十色P。原田ひとみさんの声は好きです。日焼けした感じの太陽色の春香さんもいい。



 まっすぐP。だんだんうまくなってるなあと。



 abP。中村先生がカバーしている音源だけに春香PVにはうってつけで、制服の改変といい後半の衣装替えといい、ツボをつかれます。



 Echo氏。MMD側からニコマスに参入してきた人だと思いますが、中村先生音源の小芝居に見事なMMDの演技を加えてくれて実によい。これはMMDにあってニコマスになかったものの1つかと。



 ルカニP(仮)。ハルカニデビューということで。処女作とは信じられないほどの画質調整としっとりダンスを見せてくれてます。これは先が楽しみという。



 UKCkaeruP。マイルス・デイヴィス夫人にして、「ベティ・デイヴィスの瞳」の元であるベティ・デイヴィス。黒人女性Voとしては丸いところのないカリカリに尖がったファンキーな歌声が強烈。マイルスに大きな影響を与えたというのもわかるわぁ。



 ハルカニなのにドシリアスなtloPの春香さん。音Pのハルカニ動画と対になるような気もするし、1春香動画としてもシャープなセンスでまとめられていて個性的だと思う。



 少年P。この曲は名曲だし特別な曲で。CDではアイマス1の終わりと2の始まりを示唆する曲で。それだけに後光の差すような美しい春香さんを届けてくれたのが深く胸に染みます。



 Co.ZP。ハルカニ等の祭参加ではない、黒を強調したハードエッジな春香さんでかっこいいです。こういう攻撃的な動画はちょっとした不備が全体のイメージに影響を与える、要は白けてしまうことが多くて難しいんですが、きっちりまとまってると。



 kuraP。スコッティPの選曲。ラップ主体のメロディーの少ない曲だけどコスコス中心に長回しで綺麗にまとめている職人芸。カメラの切り替えもいい。


春香 7/17〜7/24


 ベタ塗りP。春香さんのベタ塗りじゃないファッションショー。かわいい。



  ガラスのハートP。後半からトリオだけど はる@すた動画なのでここへ。ストレートにぐんぐんと盛り上がる疾走感が素晴らしい。



 べすP。大ヒット動画だけど。圧倒されたので貼ります。MMDでこの自然にビートに乗る動きは凄い。あんまり凹凸がなくても違和感のない くさったしたいのデフォルメ感も素敵。



 アキノP。2が出たことで1の箱○素材への複雑な想いをテーマに。春香さんはこのままで可愛いのだから。



 レスター伯P。 iM@SエディテッドPV。連作の後半で、ファン代表Pの目線の春香さんという設定。どこか淡く、まぶしく、そして遠い。



 MBPだが、音源が「なつます」で多くを驚かせたk-zo氏のアレンジなので、ライブ感増し増し。パンクである。じんわりと熱い。



 ID:10815506(ββ) 氏。どぶろくP。ズブロカPの変名。静止画なのか超スローなのか知らんけど、絵本のようにエフェクトされた春香さんがじんわり動く映像がファンシー。癒されました。



 アグモンP。処女作。選曲、カメラ、色調、字幕の出し方まで、このままでもう完成されている。春香さんらしい春香さんというのはここに集約されているのかもしれない。



 でんP+ベホイミP。動画といい音といい、笑って済ますには職人芸として極まりすぎているw。



 はるちはに定評あるKushioakP。平原綾香のしっとりバラードをカットをさりげなく切り替えながら、モーションのいいところを目立たせている。実に巧妙で、ストレスも一時忘れて静謐な時へ誘われる作品。