アゥPが楽しそうな企画をやってるので便乗しておきます。ブロガーで音楽語れそうな人というと、とても忙しいあの人とか死ぬほど忙しそうなあの人くらいしか思いつかないので、ちょっと広がりが期待できないですけど、私のよく知らないブロガーさんがどうにかするかもしれませんし、ってそういう人はここ見てないか、まあなんでもいいですけれど。

こわれもの

 プログレ好きな私としては、時勢的に今これを挙げないわけにはいかないかと。Yes「こわれもの」(原題:Fragile)。1972年の4thアルバム。プログレッシブロック入門的な意味でも有名なアルバムです。

 アルバム1曲目「Roundabout」が今アニメでやってる「ジョジョの奇妙な冒険」のEDテーマに使われたことで、プログレ知ってる人を驚かせたことと思います。ニコ生のコメントで「この曲いつ発売なの?」というコメントに対して、「お前が生まれる前から発売されてるよ」という返しがあったのが面白かったですね。JOJO的には、作中に登場するブラフォードという敵が、このアルバムでドラムを叩いているビル・ブラフォード(実際の発音的にはブルフォード)から来ていることは、彼の相棒がタルカスという、やはり有名なプログレのアルバム名であることでも間違いないと思います。ブラフォードというのは、永野護の「ファイブスター物語」にも騎士アーレン・ブラフォードという登場人物の名前になっていまして、永野護もロック(プログレ)ネタはよく使う人ですね。他に、上遠野浩平「ビートのディシプリン」という、これまたロックネタに定評ある作家さんの小説に、そのものずばりラウンダバウトという通り名の人物が登場します。また、Fragileという名の日本のジャズロックバンドもありまして、彼らもプログレ大好きなので、間違いないでしょう。それくらい、このアルバムは多くの人に愛されていると言えるかと思います。

 このアルバムはロジャー・ディーンによる、その印象的なジャケデザインでも知られていて、Yesと言えばロジャーディーンというくらい定番になっています。今でこそファンタジー世界はゲーム等でいくらでも触れられますが、1970年代に、ファンタジックな絵柄をアルバムジャケットに持ってくるインパクトというのは、いわゆるロックンロールな感覚からすれば意表を突くものでした。70年代には優れたアルバムジャケが多数あるのですが、その中でも一際輝いていたと思われます。ちなみに、この絵は地球を脱出する船を意味していて、裏ジャケでは、アルバムタイトル通り、地球が壊れてしまう絵になっています。

 なんで「こわれもの」なのかというのも理由があって、当時メンバーチェンジを経て、バンドが不安定な状態だったためらしいです。実際、アルバムはメンバーのソロが1曲ずつ入っててそれで全体の半分を占めており、全員で取り組んでいる曲は4曲しかありません。ドラマーもベーシストもそれぞれ1曲ソロをやっているということで、バンドのアルバムの構成としてはちょっと考えられない内容になっています。ぶっちゃけ、このアルバムの肝はその4曲の内の2曲、すなわち「Roundabout」と「Heart of the Sunrise」にあると言っていいでしょう。この2曲だけでプログレ史上の名盤となっているわけです。たった2曲かよ!と言っても2曲を合わせると20分ありますけどね。

 JOJOのEDでは、その印象的なアコギ(逆転エコー付き)のイントロがフィーチャーされている「Roundabout」ですが、EDではフェードアウトしてしまうけど、フルだと9分の曲です。Yesというバンドは基本的にはCSN(クロスビー、スティスル&ナッシュ)等のコーラスの美しいフォークソングをやりたいというのがあったようで、ジョン・アンダーソンの男性にしてベルベットのような質感のボーカルと、アコギのバッキングという部分を見ればフォークの影響下にあると言ってよいのですが、一方で、ヘッドホンで大音量で聞くとわかりますが、エレキベースが暴力的なまでに尖ったラインを弾いています。この異種格闘技的な組み合わせに更に、重量感はないものの、脳天を突き抜けるようなスコーンッ!!というスネアドラムの音。別々に聞けば、ひとつに混ざり合っているのが信じられないような各楽器の音が摩訶不思議な味わいを作り出している、Yesの中でもとりわけ異色な仕上がりになっている曲で、9分をフルに聴き終わる頃には自分が何を聞いたのか混乱する人も多いんじゃないでしょうか。


 一方で「Heart of the Sunrise」は、もっとわかり易くクリス・スクワイヤの猛り狂うベースとビル・ブラフォードのスコンスコンドラムが絡み合うハードな曲で、しかしながらリック・ウェイクマンのテクニカルなキーボードがアレンジ上重要な役割を果たしていて、全体としてはパズルのように入り組んだメカニカルな楽曲になっています。中盤でのクリスの暴力的なベースのフレーズと、リックのリリカルな鍵盤のフレーズが呼応し合う展開が白眉です。ではボーカルは何をやっているのかというと、実は、大半は牧歌的なフォークソング的な歌で占められている曲でもありまして(^^;)。まるで異なる2曲を無理やりくっつけたような印象でもあります。まあ、Yesというか、プログレッシブロックにおいては、その程度で驚いていても仕方ないと思ってください。


 Yesというバンドが入門に適しているというのは、プログレというと技巧派ということで、知的なイメージを持っている人が多いんですが、Yesの良いところは実際に知的なイメージのバンドであるところです。プログレの多くは、むしろ得体が知れない、わけがわからないという印象の方が勝っていると思います(^^;)。何せ、一応、他にも知的なイメージであるバンドのアルバムジャケを以下に2つほど貼りますが。

Gentle Giant/same(1st)
GG

king crimson/In the Court of the Crimson King(1st)
kyuden

 まあこんなもんで(笑)、シロウトにはお薦めできない。というわけで、Yes「Fragile」についてでした。ニコマスPの方で、興味持った人がいたら、アゥPのblogの方で記事を募集しておりますので、訪問していただければと思います。ブロガーは、自分のblogに書けばいいと思うの。ではでは。