02いいですねえ。特に中村先生の演技がですね、このCDの中でなんだかんだと主人公です、うまいです。あと天空橋さんですね。逸材です。彼女は普段の喋りは、そんなドス効いてなくて、可愛いんです。「ほ?」が口癖のウミウシの人よりも、むしろほわほわしている。そのほわほわでゆったりと、ステージに向かって、


 (笑顔)もっと大きな拍手をしないと、ダメでしょう?(笑顔)


 これがね、来るものがありましたね。

 他の人はね、まだまだこれからという感じでした。シナリオ的にもね、モバマスの渋谷凛CDとか、特別なことはなんもやってない印象あったけど、グリマスと比べるとすげー濃いんじゃないかと思えるくらいの空気感というものがあったですね。

 グリマスのCD構成というのが、ライブをやっているという設定というのはここで初めて知りましたが、以前からグリマスの曲はライブ向きだなあとは思ってました。アレンジもバンド的だし。

 まあこっからは例によって一般向きではない話になります。だから他に誰も書かないだろうと思うんで今書いてるんですけどね。「Thank you!」は、ミックスが合唱としては弱かった。全員で歌っているというのがこの曲の売りだったと思うんですけどね、そういう意味ではダメだったと思う。これはランティス(グリマス)vsコロンビア(アイマス・モバマス)という意味ではコロンビアの方が圧勝だったと思ってます。

 ただ、カラオケは凄くいいんですよ「Thank you!」。特にドラムがいい。打ち込みじゃない生のドラム、特別凄い技術は披露してません、普通に伴奏してるだけです。そして、普通に伴奏してるだけなのに素晴らしくスイング感があって普通じゃないと思える、これって凄いことなんです。ランティス側はライブを重視してるんじゃないかとはこの時思ったわけで。

 で、グリマスの02は全員曲も入ってるけど、メインはソロ曲なわけで、合唱における劣勢はここではあまり感じない。まあ、ミックス的に音が団子だなあというのは、今回もあるけど。しかしながら1曲目、春香さん曲のイントロのリズムギター、これがいい、素晴らしい。ギターは「Thank you!」でも良かったんですが、ここではっきりしました、ギターの扱いでは圧倒的にランティス側の勝利です。モバマスCDだってギターは入ってますけど、この02全体通して、もう全然違う。エレキギターってのはこうじゃないといかんと、そういう音が鳴ってます。その違いがどっから来るのかは、残念ながらよくわからないんですが。

 箱崎さんの可愛らしい曲なんかは、このままモバマスに持ってきてもいいような感じではあるんですけど、歌メロが、今までのアイマスにはなかったと思うし、ギターソロがやっぱり違う。

 思うに、こうして複数の(新)曲が1枚のCDに収まるがゆえの自由度の高さというものがあるんじゃないかと思います。アイマスでも、複数曲入ったCDは普通にありますけど、アイマス曲は、もともと特にリズムに安定感があって、あまり曲構成が崩れません。はっきりした理由はわからない。ゲームの曲を作る人が作ったらそうなるということなのか。あるいは1つの曲をアイドル全員が歌うという特性がそうさせるのか。またあるいは、アイドルマスターというゲームはその仕様上、ラストライブの勝負曲に何を選んでも構わないことになってますので、それがゆえに、全ての楽曲に勝負曲としての属性を持たせる必要があったのかもしれない、とか思います。それで、MA2の辺りでは結構バラエティに富んではいるものの、伝統的に、1曲で完結できる楽曲、というのが傾向としてあるのかなあと。

 グリマス02は全体の構成で1曲目にはこの曲、ラストはこの曲と、流れに沿って曲が並んでいる。ラストは最上さんの「Precious Grain」ですが、私は今回のCDで、この曲がいちばんアイマスっぽいと思いまして、リズムが打ち込みというのもあるんですが、何と言うか「トリにふさわしい曲」という属性がこの曲には付加されたんじゃないかと思ったのです。「トリにふさわしく」したらアイマスっぽくなるんじゃないか、いやわからんけど。何せ、泣く子も黙るというか、有無を言わせぬ勢いがある曲で、これを今井さんとか沼倉さんでも聞いてみたいと思ったりしました。

 一方で3曲目の箱崎ちゃんの曲とか、いかにも中盤で歌われるような軽くて可愛い曲で、これはトリにできる曲じゃないわけです。七尾曲も、このラインナップの中でどこに置くかと言えば、皆が2曲目だと言うんじゃないかな。

 そして、このCDはこの1曲のためにあると言っても過言ではない4曲目、天空橋さんの「Maria Trap」。これ聞いたら神崎蘭子はグリマスに移籍すべきだと思いましたね、誰か同意してください。これは箱崎さんの後で、最上さんの前。この位置だから好き勝手できたというか、怒涛の迫力なんだけども、後でフォローが必要になるというか(笑)、そういう曲です。これまでなぜアイマスからこういう曲が出てこなかったのか、ということを考えさせる曲で。

 まあ逆に言えばランティスから「オーバーマスター」は出て来ないだろうとも思うけれども。オバマスとMaria Trapを聞き比べると、やっぱギターとドラムの音が全然違う。どっちもロックテイストではあるんですけど。コロンビアの作る音は、ガチガチに固めて積み上げてくるアレンジなんだけど、ランティスのグリマスCDって、ギターもドラムも間合いを取るワビサビの音なんですよ。だから、Maria Trapのような聞く者を不安にさせるような楽曲では空気を掴めるんですね。逆に最上さんの曲で不安になられても困るんで、こっちは打ち込み主体なんだろうか、とか考えたり。まあ試聴版の音質だとあまりわからなくて単に団子状態に聞こえるんで、CD買って聞いて初めて得心いったところです。

 便宜上、コロンビア、ランティスと書いているけれど、実際にレコード会社が違うせいで音が違うのか、はもちろんわからない。本当に違うのはスタッフとスタジオでしょうけれど。ただ、音質的な違い、音楽的な違いは実際大きいです。「Thank you!」聞いた段階だと、その違いによる不安の方が大きかったですけど、今回は、とても面白かった。