Augenblicke

主にニコニコ動画のアイドルマスターMADについてのよしなしごと。

2013年11月

LTP07と、紆余曲折(3)

 ここからはLTPの話でさえなくなります。

 ランティス初のアニソン・ハイレゾ配信!音楽制作プロデューサーにスペシャル・インタヴュー

 ここの大事なところは、ハイレゾと言っても、基本的にはCD用にマスタリングする前の元音源の音質をそのまま届けたい、ということで、音を改良するのではなく、改悪する前のものを届けるってことなんですね。

 だから、ハイレゾだから音がよくなるかというと、元が悪ければ、大して変わらないわけです。

 ここで話題のラブライブの音源はランキング上位にあるので、e-onkyo-musicのTOPページからクリックすればすぐ試聴できます。で、この音源は【wav 48kHz/24bit】とあります。これが元音源のサンプリングレートということなのでしょう。

 ちなみに、ハイレゾでググるとCDは【サンプリング周波数が44.1kHz、量子化ビット数が16bit】となっています。前者はどのくらいまで高い周波数を拾えるか、つまり高音が入るか、後者は音を切り取る目盛りの細かさを表しています。人間が聞こえるのが20kHzと言われていて、サンプリングはその2倍で取る必要があるんで、大体40kHz辺りになるってことだそうです。で、ハイレゾ音源は96kHz/24bitだったりすると。周波数で2倍、ビット数が3/2倍なので2*3/2=3で、「3倍音がいい!」とか書かれていたりします。日本語って便利です。

 私はそこいらをうろ覚えで【wav 48kHz/24bit】というのを見て、なんだ、CDと同じじゃん、ラブライブがハイレゾって言ってるの、これ誇大広告じゃないかと思ったんですが、44よりは48の方が上だし、16bitじゃなくて24bitなのでこれもハイレゾなんですね、この件でかなりツイッターで騒いでしまったのでどうもすみませんでした。

 話を戻すと、ハイレゾには2つの問題があって、1つは聞いて違いがわかるか、あるいはハイレゾ再生ってどうやったらできるのかってこと。もう1つは、既に述べたように、元の録音が高品質でなければ、ハイレゾだからって意味がないってこと。

 で、ランティスが、この先LTPをハイレゾにする予定があるのであれば、まずは高品質な録音をしておいた方が有利ですよね? 私はLTP07の音ってのは、そのテストケースじゃないかと考えています。

 CDにハイレゾの音はどの道入りません。CDの規格を超えた音を出すってのがハイレゾの定義なんですから入るわけがない。しかし、クオリティーの高い元音源を作っておくことはできるはずです。

 それを、ですね。どうにか音の良いままCDに入れられないかと試行錯誤した結果、音質は凄くよいのに高音はバッサリ切ってしまったという不可思議なことになってしまったんではないかと。

 いや、本当のところはまったくわかりません。わからないので、次のLTP08がいかなる音質になっているのかも不安なわけですが。

 ちなみに、ハイレゾ音源を聞く方法ですが、ダウンロード音源というのは、iPodやスマホで聞くのが一般的なので、昨今では対応するソフトと、更にはスマホ等にDACを外付けしてデジタル出力を外部で変換して聞くという方法のためのハードがいろいろ出ているようです。

 スマートフォンでも聴ける! いま話題の「ハイレゾ」を愉しむための基礎知識

 PCで聞く場合には、ハイレゾ対応の音楽再生ソフトをインストールしておけば聞けます。ソニーがやってるmoraというネット音源サイトでは、ハイレゾ対応のソフトが紹介されてますし、私はMediaMonkeyというソフトを入れてみました。どうも多機能過ぎて扱いがよくわからんのですが普通に聞ければとりあえずいいやと思っています。また、同様に外付けDACをUSBに繋いでそこから、ステレオに接続したり、あるいはヘッドホンアンプとDACを兼用したものもあります。つまりスマホで聞くためのハイレゾ機器を、PC用に転用した感じですね。USBにヘッドホンアンプを繋いで、ヘッドホンを繋げば、それでハイレゾが聞けてしまいます。

 いろいろ調べたけど、どうも改めてハイレゾで聞きたいという曲が音源サイトにないなあと、たまたまmoraでアイマスを検索したら、いろいろ出ました。ハイレゾタグがそのまま残ってたので、アイマスのハイレゾがあるのかとショックを受けたんですが、タグが残ってただけでして、ハイレゾ音源ではないです。いや、オンキョーの方のサイトに1つだけ、「初恋組曲」が、ハイレゾであるのを先述のch氏が発見しました。ちなみにmoraの初恋組曲はハイレゾではないので、試聴で聴き比べると、専用ソフトも外部DACもなく普通に試聴するだけで、はっきり音質の違いがわかります。

 moraの「初恋組曲」

 e-onkyo-musicのハイレゾ「初恋組曲」

 それで、moraでアイマスを何曲か買ってしまいました。だって、CDと音が違うんですよ、ハイレゾじゃなくても。マスタリングが違うようで、ずっとクリアな音がするし音量も違ってて少し小さいです。勢いに乗って、何か試してみようとオーディオテクニカ AT-HA70USBというDAC内臓ヘッドホンアンプを買ってヘッドホン繋いでみました。基本的にヘッドホンの音をよくするためのハードなので、ハイレゾかどうかは関係なく効果があります。外部スピーカー用のミニジャックもあるのでPC用のミニスピーカーも繋いでみました。それで、艦隊これくしょんをやっていたらBGMの音が全然違うのでびびりましたw。夜戦の曲も・・・いや、夜戦の曲はギター入ってたりで音が複雑なので、あまり音質はよくないみたいです。メイン画面や補給時のBGMがぐっと良くなりましたw。

 アイマスは、期待してたのは「こいかぜ」と「ましゅまろ☆キッス」なんですが、前者はあまり変わらなかった。後者は高音の広がりが段違いで凄く良かったです。で、「Ready!!」と「Change!!!!」の音の広がりがすばらしかったのと、「おねシン」もエネルギッシュで良かったですが、意外だったのがだりーなの「Twilight Sky」のドラムのニュアンスが素晴らしくて。もっと下手だと思ってました(^^;)。圧巻だったのは「輝く世界の魔法」ですね。これハイレゾにしてくださいお願いしますコロンビアさん。

 実際にハイレゾで何か買ったのかというと、あれ、JOJOのアニメで有名になったYESのROUNDABOUTとか買いましたよ。1970年代の音源なんで、ハイレゾでも変わらないんじゃないかと思ったけど、楽器の音が前後左右に展開して、てんで好き勝手に演奏してるみたいで、面白かったです。ハイレゾは主に高音が向上するので、音場に凄く影響して、奥行きが広くなったり、楽器と楽器の距離感が出ます。あと、Voが3人で歌ってたりしても普通は中央に1つに固まって聞こえますが、ハイレゾだと、3人に分離して聞こえます。

 そう言えば、ラブライブの音源は試聴しかしてませんが、バックトラックは特にどうということはなくて、合唱の分離具合にかなり特質が出てましたね。大勢で歌ってると、歌声が中央に集まらずにぶわっと広がって聞こえるので、かえって気持ちが悪いくらいの感じになりますが、歪のない綺麗な音なので、慣れれば声の壁という感じで美しいです。ヘッドホンの、それも耳に刺すタイプだと、高音がすげークリアに伸びるので快感ですよ。

 そんなわけで、私はアイマス・デレマスのコロンビア側もLTPも、ハイレゾになるんじゃないかなあと思っているわけです。ですが、LTPはともかく、既に出ているアイマス音源も、なかなか凄いので、興味のある人は聞いてみてください。


 (終わり)

LTP07と、紆余曲折(2)

 LTP07の続きです。ずっとLTPを聞いてきた某D氏が今回は刺さるものがなかった、とダメ出ししたんですね。で、私はその時まだ聞いてなかったので、LTP後半になって予算とか苦しくなったんかなと単純に考えていたんですが、自分で聞いてみると、そういう話ではないように思える。まあドラマパートは確かに04、05の完成度には勝てないでしょう、それはメンツの問題もあるのでまあ仕方ない。しかしメンツを生かした内容にはなってると思う。

 問題は、音です。どうも歌の音が小さくて、引っ込んで聞こえる。なるほど、刺さるものがないとは言いえて妙だと思いました。ただ、こういう音には聞き覚えがある。

 CDでもLPでもいいんですが、良い録音のメディアを安い装置で聞いたときの、実力が発揮できていない時の音の鳴り方に、そっくりなんですよ。

 で、音が悪いのか、それとも実力が出せていないのか、確かめる端的な方法は、爆音で聞くことです。それも残響や装置自体の振動の影響を受けにくいヘッドホンではなくて、スピーカーで。

(1) 再生装置は物理的な特性として、音が小さいと高音・低音が聞こえなくなります。低音はともかく、高音が聞こえないと、音の輪郭がぼけて、奥に引っ込んだように聞こえます。CD等の製作者が、高音・低音の良く出る大音量のステレオで聴くことを想定して製作した音源を、安いラジカセで小さな音で鳴らされると、音の輪郭がぼけていると評価されてしまったりするのです。

(2) 小さな音ではわからないノイズ成分や音の歪みも、大きな音では目立つようになります。ゆえに大音量になるほど、録音の質が良いかどうかはっきりします。

(3) (1)の問題を解決するために一般的な音楽メディアは、本来よりも高音部と低音部を大きくつまり強調されたミックスをしています。音楽メディアというのは、(2)の理由により、最初は爆音でバランス調整されます。そして、そういう聞き方を一般家庭でされることは少ないことがわかっているので、そうやって作った音源を、わざわざバランスを崩して家庭用にしているのです。

(4) ここからが大事なんですが、録音の質が悪いという理由によって、そもそも大して高音も低音も鳴っていないという音源でも、(3)と同様に、高音と低音を強調してやれば、高音、低音がちゃんと鳴っているように聞こえます。つまり、得てして悪い録音ほど、高音と低音が強調されています。逆に、高音、低音がしっかり鳴っている良い録音の場合、ナチュラルなバランスで録音されています。

(5) 音を圧縮するコンプレッサというものがあります。これを使うと迫力が出ます。瞬間的に大きな音は下げてやり、逆に小さな音は上げてやると聞きやすくなり、平均的な音量が上がるのです。しかし、小さい音を大きく、大きい音を小さくしているのですから、使いすぎると、極端に言えばどの楽器も全部同じ音量になり音の強弱までなくなります。音の奥行きがなくなり、表情もないセメントのような質感になってしまうのです。しかしこれも、(3)と同様に、一般家庭向けのバランスになるほど、多用され、結果、音質は低下するのです。このコンプレッサが強くかけられた音源は大音量で鳴らすと音が真ん中に団子になって固まって鳴るのですぐわかります。ラジカセで聞くなら迫力があってよいのですが、ちゃんとしたステレオだと聞けたものではありません。

(6) まとめると、良い録音であれば大音量でむしろ本領発揮し、悪い録音は高音部がうるさくて聞いてられなくなるということです。

 というような話は、後でもう一度出てくるので覚えておいてください。重要なのは、家庭で安い装置で聞いてもそれなりのバランスで聞けるようにするよう、音楽メディアというのはバランス調整を行っています。そしてそれは、音質を低下させる、ということと、実は同じなのです。そうやって劣化された音の方が、例えばMP3等で高圧縮された時には、良い音に聞こえるのです。

 さて、私も大音量で鳴らせる環境に住んでいるとは言いがたいので、カーステでLTP07を聞いてみました。私は普段、カーステで音量を表す数字が18〜25くらいです。30だと爆音に近くて普通に聞けるとは言いがたいです。実際、LTP03辺りまでは30だとノイズがきつくて苦しくなります。これがLTP04からは30でも、それなりに聞けるようになります。LTP05になると35でも、それなりに聞けますが、高音がヒステリックな感じになるので、まあ楽しんで聞けるのは30だと思います。という風に、LTPの音質がどんどん上がっているのが実感できるわけです。

 LTP07はどうだったか。40で普通に聞けました。同じ音量でLTP03にしたら爆音で死ぬかと思いました。それくらいの音量に、07は耐えたんです。

 このテストでわかったことが2つありました。

(1) LTP07の音源は高音がバッサリ切られています。ただし、03と同じ程度には出ています。切られていると感じるのは05、06と比べるからですが。そら高音がうるさくならんわけですw。音の輪郭がボケて聞こえるのも然り。しかしそれだけじゃなくて、ノイズや歪みも少なくて、音場の奥行きはとても広いです。高音がないと言っても03までとは比較になりません。

(2) 9トラック目、つまりあずささんソロ曲までと、10トラック目つまりその後のドラマパート以後で、音質が違います。喋っている高山ちゃん、篠宮ちゃんの声が違うんですよ。というわけで11トラックの全員曲は、05や06と同じミックスだと思います。何でそうなったのかはわかりません、何か大人の事情なんではないかと思いますが、とにかく。全員曲の歌い出しは高山ちゃんです。彼女のソロ曲と聞き比べてください。声の張りが全然違います。歌い方の違いとかじゃなくて、音の質感が違うんです。この全員曲を聴いて、なんていい声だろうと思って、なぜ気づかなかったと高山ちゃんのソロを聞き直して、で、うーんと黙ってしまった私がいました。

 結果的には、LTP07の音は、良い音、というには高音の伸びがなくて、06の方がよかったと言いたくなるので、成功しているとは言い難いです。ただ、予算がなくてレコーディングでけちった、とかではなくて、スタッフなりに、06より更に高品質な音を目指したんだけれと、こうなってしまった、ということではないか。

 なんでそうなったのか、なんてわからないのですが、ここで思ったのが、ランティスがハイレゾ音源を配信する、という話でした。

 まだ続きます。

LTP07と、紆余曲折(1)

 LTP06については、デレマスのジュエリーズを一通り聞き込んだ後、改めて聞き込んでみたんだけども、全員曲の「マリオネットは眠らない」はいい曲だなあと。最初はあの曲は02、03の全員曲のような劇場絡みの歌ではないと思っていたんだけど、よく聞くとそうでもないんだなと。あの歌は、アイドルは都合のいい人形じゃないんだと、それ以上のものなんだと。それを確かめたければ私たちの劇場までいらしゃい、という歌に聞こえてきて。それからは凄くいい曲だと思えるようになった。また、ソロ曲よりも、4人の良いところが出てると思う。06は美希以外のソロはどうもこじんまりした感じがするんだけど、全員曲はずっと開放感があって、この方が彼女達らしいなと。

 で、LTP07なんだけども、これはとても複雑な話をすることになります。待っていてもスパッとした答えに至りそうにない。

 最初だけ、普通の話をしますw。福田ちゃんは、私のイメージ通りの福田ちゃんでした。何の不足も感じない。こういう子だと思います。歌もいいね。歌詞が彼女そのものの内容になっていてある意味、アイドルソングって感じではないんですが、篠宮ちゃんの歌も自分のことをそのまま歌にしたみたいな。でもそれがいい。高山ちゃんだけちょっと違う。いい曲なんですけども。あと、あずささんが圧巻ですね。06の美希と同傾向の曲だと思うんだけど、重心の低さが迫力に繋がってる。ここまでストレートにかっこいい曲はあずささんにはなかったので新たなマスターピースといっても過言じゃない気がします。
 ドラマについては、メンバー組み合わせの妙で、福田ちゃんが自分で認めちゃってるところがまた彼女らしいんですけど、個性がないという程ではないけどアイドルとして芸能界を生き残っていくための特別な何か、というものが彼女にあるかというと、どうも困る。これが篠宮、高山両名もまた、そうなんで。そういう何か足りない3人、まるでオズの魔法使いのライオン、かかし、ブリキのきこりみたいな3人で、それをあずささんがどうにかしようと頑張るんだけど、まあ、あずささんなので…という。いや、あずささんのことなので、もっと無茶苦茶になるかと思ってたんですけれど(^^;)、割とドタバタする中で、3人とも自分の行き方が見えてきたような話ではあります。まあ04、05のようなスッパリ爽やかなオチにはならないんですけどw。
 はい、普通の話ここまで。以後細かい話の泥沼。

 まず、福田ちゃん曲のリズムについて。某ch氏がこれはスカかな、と言って。スカというのは春香さんの「START!!」みたいなので、というと、うん、それに似てるからと言われた。まあ確かに似てるっちゃあ似てる。

 ただ、スカというのはリズムの特徴で決まるんで、「START!!」はむしろスカコアという奴で、で、福田ちゃんの曲はスカコアの本流であるメロコアに似てる、つまりスカの方じゃなくてコアの方で似てるんで。
*Skatalites - From Paris With Love

 スカはジャマイカのレゲエの前身である南洋の香りのする音楽で、その後、英国でロックと合わさったりして、今では「START!!」のような曲にまで取り入れられている歴史のある音楽なんですが。
 福田ちゃんの曲はむしろこっち↓だと。
*矢野顕子/ただいま。

 じゃあ福田ちゃんの曲のズッタズッズタ!ズッタズッズタ!というリズムはスカではなければ何なのかというと、昔からあるんですけど、よくは知らない。で、通称"腐った死体"氏に聞いてみたところ、あれは元はハーフタイムシャッフルだろうねと。

 ハーフタイムシャッフルはよく知りませんが、まあ大体この「ロザーナ」が引き合いに出されます。
 で、シャッフル自体、どっから生まれたんでしょうねと。それに対しては、ニューオーリンズじゃないかなと。セカンドライン・ファンクとか言われるあれですね。
*Dixie Cups - Iko Iko

 氏曰く、モータウンも同じ系統だと。いわゆる「てってってー」。
*The Supremes: You Can't Hurry Love

 ただまあ、モータウンまで行くと少し後退した感があります。で、ニューオーリンズから英国ロックに飛び火した時に、福田ちゃん曲のあのビートになる前に、まずはジュリアの曲みたくなったんじゃないかと、これは私の仮説。
*【アイドルマスター ミリオンライブ!】「流星群」試聴動画
 
 このビートはつまり、レインボウなんですよね。
*Rainbow - Light in the black

 普通の8ビートに聞こえるかもですが、ドラムはズッタン!ズズタン!と叩いています。で、これのバリエーションとして、ズッタズッズタ!が生まれて来たんじゃないかと考えたわけです。そういう話をすると死体の人いわく、ジョン・ボーナムじゃないかなと。Led Zeppelinのドラマーです。言われて思い出したのがこの曲。
*Led Zeppelin - Coda - Wearing and Tearing

 この曲では、レインボウのズッタン!ズズタン!がリフのねじれに引っ張られて、ズッタン!ズッタン!ズッタズッズタン!と変化している部分があるのがわかります。これが最終的には、この曲↓のように完成したのかなあと。
*Modern Love - David Bowie


 長いんで、一度終わります。