Augenblicke

主にニコニコ動画のアイドルマスターMADについてのよしなしごと。

2013年12月

LTP09

 もっと聞き込んでからにしたいとこですが、今年が終ってしまうので。ちなみに、原由美さんの1stアルバムも買っております。なんというのですかね、良くも悪くもアマチュアライクなアルバムで面白かったですね。多分、金のかかったCDを作っても元が取れない時代には、こういう行きかたが貴重になってくると思います。完成度という意味ではどうにもですけど、もっと安くコンパクトに作る事だってできただろうに、そういう意味での手抜きは全然なくて、むしろこういう音盤を良い装置で聞くといいんじゃないかと。そういう出来でした。

 で、 THE IDOLM@STER LIVE THE@TER PERFORMANCE 09。凄いです。08も、ある意味王道を外れた変わった仕上がりでしたけど、09はもっと普通にトリッキーという言葉が似合うんじゃないかと。プログレですね。何せ、08も09も、特に歌唱力で勝負できる子はいないんですね(笑)。どっちかというと個性勝負なんです。そしてそれにふさわしい、変化球で三振狙ったような。だから小難しいのかというと、試聴で聞くと、ちょっと変というか、ピンと来ない感じですね。松田ちゃんの曲と、律っちゃんの曲は比較的ストレートでわかり易いでしょうか。でもね、実際に聞いたらそれ以外の、全員曲、佐竹ちゃん、木下ちゃんの3曲が面白い。とにかく、"作品"と呼ぶにふさわしいと思います。声優ファン用のアイテム、なんてものではないです。08は試聴のイメージとそんな変わらない、まあ06、07もそう言っていいんじゃないか。09は違いますね。音の良い装置で大音量で聞くとぶっ飛ばされます。これが1枚2000円でしたっけ、私8000円出してもいいやw。

 話戻しますと、まずライブ以前のドラマと当日のOPのトークの2トラックで13分超えます。松田亜利沙全開。自身アイドルヲタの松田ちゃんは結局どういう子なのか、グリマスでもいまいち見えてこないというか、わかり易く彼女を表現するのは難しいと思う。だからってここまでやるかというw。冗長ということもなく目一杯詰まってて、1度聞いたらお腹いっぱいになります(^^;)。そういう意味では、09は03に似ている、エネルギーで押す1枚ですね。まあ03は王道ですけど。

 松田ちゃんと、律っちゃんはキャラ的にかぶっていると思うんですが、聞き終わってみれば、これは互いに強い個性の2人を相殺したんだなと思いました。目には目をという。松田ちゃんに突っ込めるのは律っちゃんだけ。その律っちゃんに突っ込めるのも松田ちゃんだけ、そして話がどこへ向かおうと少しも慌てない佐竹、木下の天然2人w。

 で、メリットとしては、律っちゃんがそうやって、リーダーというよりも押さえにまわった事で、彼女の厄介な立ち位置、なんでプロデューサーの彼女がステージにも立つのかという事態に対する説明というか決着を棚上げすることに成功している。これは07で、本来あずささんとはどういうキャラなのかという部分を問わずにシリアスな部分を見せないまま脇役的な立ち位置で終らせてしまったことと、よく似ています。まあ全体にLTPにおける無印765メンバーは脇役的な扱いですけども、伊織、やよいはそうでもなかったりで特に決まってないんでしょうね。

 さて。クレジット見たらわかることなんで書いてしまうけど、その13分ものドラマパートの後に、1曲目に全員曲が来ます。1曲目に全員で歌ってしまって、ステージのラストはちゃんとまとまるのか、というのは考えられていて、ある意味、今回のシナリオのオチになっている。松田亜利沙・秋月律子という2人のステージとしてのトリッキーな楽曲とひねった展開というパズルのピースが最後に集まって完成するという、先に"作品"と書いたのはそういう意味でもあります。

 で、この「Helloコンチェルト」という曲は騒々しいような端正なような不思議な印象をもたらすんですが、ロックというよりプログレだなあと思うのは、ギターが、一応あるんですけど、飛び道具的にワウワウを使った断片的なフレーズを添えたりしてるだけで主役じゃないんです。代わりにドラムとベースが猛烈な勢いで走り回ってます。ちょっとアレンジを遊んでみましたなんてレベルじゃない(^^;)。ありえないですこんなの。ドラムがまた、01とかの初期のノリのあるドラムとも、06の縁の下の力持ち的なものとも違う、なんていうんですかね、フュージョン的な強さとスピードを兼ね備えたドラミングですね。律っちゃん曲と同じ人だと思うんですけど、いわゆる後ノリの跳ねる感じがないので軽快さは犠牲になってるんですが、代わりに独特なマーチング的な推進力を感じさせるものになってます。恐らくは、この全員曲のトリッキーな進行で叩きまくるのに、このドラマー氏が必要だったんだと思う。かなり印象に残ります。杏奈曲に続いて、このドラマーさんも名前を知りたいものです。ともあれ爆音で聞いていると、なんとも気持ちがいい。走り回るベースがまた、私は大好物で。

 次が佐竹ちゃん曲なんですが、こちらも同じくらい走り回っていて、でもリズム隊は打ち込みです多分、音色的に機械のそれなので。むしろ打ち込みでこんだけ暴れられるのかという驚きがあります。天空橋さんの「Maria Trap」を思い出しますね。あれもヘビィに暴れまわっているリズムが実は打ち込み。そして、そのヒートする打ち込みリズムに乗って今度はギターソロが素晴らしく熱いです。久々でLTPで聞きましたね迸るようなギターソロ。

 08の時は、ここまでの音質はこのアルバムに必要ないと書きましたが。09はそんなことない、爆音推奨。ちまちま聞くようなアルバムではないです。

 3曲目が木下ひなたちゃんなので、ここで落ち着くわけですけど。これが聞き込むとまた不思議な曲で。ひなたちゃんは確かに方言で田舎娘というキャラですが、田舎→カントリーということで、この曲ってアニメ声で歌われてるからすぐにはピンと来ないんですけど、曲の構造がアメリカのカントリーポップなんですね。東北なまりの田舎っ娘とカントリーという、冷静に考えればそれは違うだろう(^^;)というものが合体しているという。左チャンネルではバンジョーらしい音が、右ではスチールギターのような(ハワイアンでも聴けるぽよーんいう音が鳴る、脚付きの琴のような楽器)音が鳴ってまして、どちらもカントリー用の楽器です。

*9 Year Old Jonny Mizzone - Sleepy Man Banjo Boys


*ラ・クンパルシータ マンボ - 森嘉彦 & 大橋節夫

 でも、あまりバンジョーらしい演奏でもスチールギターらしい音でもないので、別段カントリーには聞こえなくて隠し味みたいな扱いになってしまっているという。まあそこら辺が、東北娘とカントリーの妥協点ってことなんでしょうが、なんでそんなめんどくさいことをしなけりゃならなかったのか(^^;)。可愛らしい曲ですけども、そういう意味ではなんとも一筋縄ではいかなくて、なんだかナムコらしいなとは思います。

 そしていよいよという感じで松田曲。これは、いかにもというトリッキーな曲ですけど、亜美の「YOU往MY進!」に似てると思います。亜美の方はLTP02の「Legend Girls!!」も作曲してる白戸佑輔氏なんですが、松田ちゃんの曲はバグベア氏ということで別人みたいですね。

 ついでに今回の全員曲は、増谷賢氏の作曲で、この人は所ちゃんと福田ちゃんの曲も作ってるんですね、わーなんかわかり易いw。

 話戻すと松田ちゃん曲は、オケに注意すると起承転結が滑らかな曲で、トリッキーな曲のようで実際はストレートでノリのいい曲。なんか、この曲は09でいちばん短くて3:13ですが、長いクラブMIX作っても楽しいんじゃないかと。そんなわけで、曲だけだとあっという間に終ってしまう感じですが、この後は当然、松田ちゃんが喋りだして漫才に引き戻されるので不足感は感じないという(^^;)。

 最後に律っちゃん曲。4:59もあるのは締めの意味もあるんではないか。全員で歌ってもいいようなわかり易い曲ですしね。作詞・作曲・編曲と、実は木下曲と同じチームなんですが(^^;)。確かにグロッケンとかオルガンとか、結構オケの構成は似てる。そう思って聞くと、結構凝ったオケだったりして、モータウン(てってってー)のリズムに素直に乗れる曲、というのとちょっと違う感じなんです。ノリ重視な曲に思えるのに、やたらオカズの多いドラムとかねw。それもまたナムコらしいというか。

 あのですね。「おはよう朝ごはん」って、カントリーというかブルーグラス的な曲なんです。でもそう言われて聞くと、リズムがドラムンベースみたいな打ち込みなんです(^^;)。また、以前に「いっぱいいっぱい」はロックンロールだと書きました。で、聞いてみると、これが複雑な打ち込みリズムだったりしましてね(^^;)。なんかこう、一筋縄でいかないんですねアイマスの曲。この「GREEDY GIRL」も、比較的ストレートでわかり易いと先に書いたんですけども、聞けば聞くほど、セオリー通りにいかないなあとw。

 そういうところが、LTP09なんです。だから万人向けかと言われると、ちょっと困ります(^^;)。でも、08が、やよいが好きなら是非聞いて欲しいアルバムであるように、09はこれほど律っちゃんなアルバムもないと思います。そんな締めで。

魔法をといて

 律っちゃんの歌の2番で唐突に魔法を解いてと歌われるのがわからないという点については、私は自分の考えは持っています。が、めんどうなのでそれが正しいという段取りを詰めるつもりはない。歌詞というのは、それを書いた人が果たして何も考えていなかったとしても、別に構わないものだと思っているので。

 うちにはサンタなんて来ないんだからクリスマスなんて知ったこっちゃない、という話がたまにあるのですが、そういう人にサンタなんてキリスト教という大局の前には微々たる存在で、別にクリスマスに関係なくリア充してる連中もいるんだからそんな小さいことを言ってんじゃないよと言うつもりはないですけど。

 ただ、同様に魔法使いがいなければ結局シンデレラは幸せになれないね、所詮子供だましのおとぎ話よね、という問いに対して、あの物語は1つの可能性を提示しているとは言っていいと思う。

 ガラスの靴は魔法が解けた後にも残るもの、を象徴していると思います。

 シンデレラにとって大事なのは、永遠の魔法の中で生きることではない。それでは佐久間まゆの「エブリデイドリーム」です。魔法が解けた後に、彼女が意識して残したわけでも、魔法使いがそれを促したのでもなく、自主的に王子がガラスの靴を発見して、彼が自力でシンデレラまで辿り着いた。最後は人の為せる業があったから、あの物語は完結するのだと。

 それは舞踏会すなわち王子に辿り着くまでに、シンデレラは自力でさんざん努力したのに叶わなかった。そんな努力は王子は全く知らない。しかし王子はただ城で偉そうに居座ってたわけでないことは、物語の筋を知っている人ならわかること。互いに理想の相手に出会おうと努力する意志をもっているにも関わらず、縁と言いましょうか、に見放されることで出会うことはなかった二人が、魔法の力で出会った。この物語で魔法が果たしているのは、それだけのことです。

 シンデレラが本当に幸せになるためには、魔法は解かれなければならない。私はそう考えます。

 もっというなら、魔法が解けた後にはガラスの靴が残る。これは、12時過ぎてから、夢は夢で終らない、と歌い出すことと呼応していると理解しています。「夢が終らない」ではなく「夢で終らない」です。

 つまり、魔法をかけて、という言葉は同時に、魔法をかけるという言葉に疑問を突きつけています。

 わかり易くいえば、我々は魔法使いじゃない。でも、彼女が魔法をかけろと言ってるんだ、じゃあどうするんだ?

 ということです。一般的な理解があるかどうかは知りませんが、男というのは、ごく日常的に、そういう立場におかれていると思います。

 私はあのデレマスPVの12時の鐘を、そういう風に聞いたということです。

CDとか

 モバマスとLTP08が一緒に来た上に内容が聞き込まないと言及が難しい感じなので、またというか暗礁に乗り上げているんですが。

 先にモバマスから。ままゆドラマと小梅ドラマでは作りは小梅の方が凝ってるんですが、小梅ちゃんは良い子なので、聞き終わった後味はいいですね。というか、なんの種あかしもオチもなく終わったのでむしろ驚いたですが。一方で、ままゆの方は何の救いもなく終わったのが恐かったです。

 ままゆのあれ、ラジオ本番じゃなくて事務所での練習だから、スタジオでアイドルとスタッフが隔てられているわけじゃない。だからPの声が聞こえないのはおかしいという指摘を某氏がしてて、なるほど、その通りでおかしい。おかしいんだけれども、それを言うと、実はウサミンCDも幸子CDもおかしいんですよね。もっと遡ると、実は杏CDの時点でおかしい。なんだ最初からじゃないか(^^;)。というわけなので、お約束ということで見逃してください。いやまあ実はPは失語症で筆談でコミュニケーションをしているとかだと、普段どうやってスカウトしてるのかとかで怪しさ爆発でおもしろいですけども。

 モバマス5枚の中では小梅ちゃんがいちばんわかり易いし、ハッタリを別にしても普通に聞いてよくまとまった仕上がりだと思います。コーラスとか効果音とか凝りまくっているけれどもサウンドは打ち込み主体でかっちりまとめてあって音質を犠牲にしてないのが凄い。全体にB級感なので、あれをネタ色なしでまっとうに聞かせるとなるとハードルが一気に上がって大変なことになると思います。あくまで作り物のハッタリ感があるからこそ、あそこまで遊べるんではないか。

 ままゆの方はそういう意味でハッタリ感が出てしまったらあかんわけで、凄く凝っているし、曲もいちばんポップなんじゃないか。そこまで作り込んだ上で、歌詞に含みを持たせて怖さを出してる。スタッフの苦労がしのばれます。で、そこまで凝っても、全体に漂うしっくりこない感じ(^^;)。歌を聴いていると、中の人が後半に行くに従って伸び伸び普通に歌っているように聞こえます。だから前半は意図的に偽物感を出しているんじゃないか。佐久間まゆというキャラクターがPに評価されるために自分なりにアイドルを精一杯演じているという、そんな雰囲気を出そうと苦労してるんじゃないかと。そういう歌として存在すること自体が凄いと思うけど、純粋に音楽として楽しめるかというと、聞いててすげー引っかかります(^^;)。

 藍子ちゃんの曲は一番普通に楽しめそうに思えるんですが、高音域に重要な音がいろいろ鳴っていて、それを生かすために高音をクッキリ綺麗に聞かせるミックスになっていて、それ自体は職人芸で凄いんですが、結果、バランスが完全に高音寄りになってしまってますね、他のCDと比べるとよくわかります。加えて、歌詞が日常を描くという手法のため、言葉がそのまんまの情景になっていて、解釈に遊びがない。こういう意味の歌ですよと言う、そこが固定されてしまってイメージとしての広がりに欠ける気がします。総じて、藍子ちゃんの形容として使われる「ゆるふわ感」の、ふわふわの方はあるけれども、ゆるさの方はない曲になっていると思う。そこが聞いててちょっと引っかかります。音楽的な個性という意味では明確でおもしろいです。というか、バンナムらしい冒険という気もする。

 ちえりん曲は、圧倒的ですね。もはやポップでさえない、よくもまあここまでやったもんだと。藍子曲と同様、個性が明確に出すぎていて、逆に受けないでしょうねこういうの。あと、凝りすぎて音質が犠牲になってますね。十分に高音質なんだけれども、それでもこの曲を表現するには足りないという。LTP08を聞いた後では余計にそう思う。
 Voに注意して聞くと、序盤では楽器と歌が解け合うように高音部にエフェクトかけてぼかしていると思われます。サビでドラムが入ってくると逆にドラムに隠れてしまわないように高音をくっきりさせてますね。そしてクライマックスでは深いリバーブで響かせて、最後の方ではエフェクトをかけない素のVoになって、とエフェクトの質がデリケートに変化しているのがわかると思います。中の人はリズムが取れなくて指揮をしてもらって歌ったと言ってましたけど、こういう遅い曲も、リズム楽器がはっきり鳴ってない分、難しいだろうなと思います。何にせよ後半の盛り上がりは絶品。

 アーニャはどう聞いても、歌えてないな、と思ってそれで終わってしまいそうになるんだけども、聞き込めてくると、この曲はすげー難しいなという。私、7thコードはよくわからないんですけど、多分、コード進行がかなり難しいと思うし歌い回しも複雑で。その割には中の人は音程もリズムも取れてますからね。ただなんというか、声優が歌うような曲ではないんだろうなとこれは。今回の中ではいちばんナムコらしい曲だなと思いました。アレンジも聞けば聞くほど地味に凝りまくってます。こういう曲を声優に歌わせてしまう辺りがナムコというかアイマスというか、そんな印象。曲はとても良いなと。何度聞いてもメロディーが覚えられないところはちょっと凄い(^^;)。あと、歌声が凜として堅いのに対してオケが包み込むように茫洋として分厚いのがバランスとして絶妙になっていて、高い音がぶつかって聞き辛くならないようにしてある。こういうのはそこらの邦楽ではやってない職人の技だなあと思います。

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 LTP08。今回はいわゆるアイドルの曲というよりキッズソングっぽいので、比較が難しい。あまりどっかで聞いたような曲という気もしないです。矢吹ちゃんの曲とか一見、童謡っぽいけれど、よく聞いてみればこんな童謡はないよなとw。むしろプログレでしょこれ(^^;)。はっきり言えるのは、やよいの曲はありそうでなかった新機軸ってことですね。この08で、やよいには、まだまだ眠っている可能性があったんだなあと思いました。

 個々の曲のイメージは、試聴版とそんなに変わらない。ただ、今回はメンツがメンツで。このメンツの繰り広げるステージの中に置かれると、魔法、かかりますね。単体で聞くのとは違ってきます。

 育ちゃんは、やよいを"やよいさん"と呼ぶ。まあ環ちゃんは"やよいちゃん"と呼ぶけど。そして、やよいより年上の矢吹ちゃんは、育ちゃんに"可奈ちゃん"と呼ばれていることでも、矢吹ちゃんの立ち位置がよくわかります(^^;)。無印の765メンバーの中でもいざとなると不思議なくらいリーダーシップを発揮するやよいですが、今回は文句なしで、メンバーの屋台骨です。お姉さんなのです。

 そして、このメンツは全員天然w。環が天然だったり、矢吹ちゃんがどっちらけるのはともかく(^^;)。そこに突っ込んでいく、しっかりしている育ちゃんも、そしてやよいも、しっかりしてても天然は天然なので、流れが修正されるようでいて、微妙にボケたまま進んでいくというこの独特の空気がたまりません。特別な意表をついた展開というのはありません、予定調和。だ、けれども、08のトークパートは04のそれに匹敵する神回だと思います。

 そしてこのゆるーい空気の中で流れ出す3曲目の矢吹ちゃんの歌。矢吹ちゃんですので、誰も期待してない(笑)。でも、穏やかなこの曲は、内容的にはガチガチです。それまでの空気を一変させる力があります。初めて聞いたときには息を飲みました。でも、終るとすぐに元の空気なのがメンツの力で(^^;)。

 なんというかね、ドジとか痛いとか通り越してみじめな感じにさえなりそうな矢吹ちゃんが、やっぱりバカばかりやってるのに、全然テンションが変わらずに溶け込んでいられるこの空気というのがね、誰よりも私自身が救われましたね。音痴のままで、失敗ばかりで、でも、矢吹ちゃんは矢吹ちゃんで、このCDの中で自分の役割を担って輝いてる。この1点だけで08を最高傑作に推してもいいくらいw。特に冒頭は矢吹ちゃんから始まるんですけど、そこの彼女がね、もうメージそのまんまで素晴らしくて、そこからやよいや他の子と会って彼女を取り巻く関係が一気に見えてくる辺りの空気を感じて欲しいと思う。

 そして、次がやよい曲で。これがまた、素晴らしくガチガチなんです。もう後はエンディングまで一気ですね。今回は王道ってものがなくて、必勝と言える何かというのは示すことができない。でも、これはこれで完成してると思います。いやむしろ、大きな未完成というか。

 あと、07で、次のLTPの音質が心配だって言ってたんですが。08って別に音質が良いとか悪いとか、内容からして関係ないんですよな(^^;)。音質が大事になるのは今回のモバマスの方なんで。08の曲は明快なアレンジで、デリケートなエフェクトの使い方とか何重にも音を重ねて微妙なバランスを取るとかいうことはなくて、Voをでかくミックスしてバッキングは必要最低限度って感じで。だから、音が悪くても問題なく聞けると思うです。

 でも、実際問題として、08の音質は、とんでもなく良いんです。まさか07のあの中途半端さから、ここまで行ってしまえるとは思ってなかった。05、06が霞んでしまうレベルです。聞いてる装置のグレードが1ランク上がったような音を出してます。モバマスよりいいんです。もう笑っちゃうくらい凄い(^^;)。こんな日が来るとは思いませんでした。この08にこんな凄い音はいらないと思ってしまうけれども、そのせいで、要所要所、育ちゃん曲のイントロとか、大音量で聴いたときの矢吹ちゃん曲のオケの何気にトリッキーなアレンジとか、やよい曲のサビでの、奥行きの広ーいバッキングとかで、ハイファイでなければ聞けない世界がさりげなく展開してたりします。もう09以降で音について心配はいらないと思う。試聴を聞く限りでは、09も別に高音質には聞こえないんですけどね(^^;)。

 以上。

モバマスのPV

 Cast a spell on me! という言葉には、元ネタとかあるんですかね。ちょっとググったくらいじゃわからなかったです。シンデレラは自分から魔法をかけてください、とか言いそうにないけど、でも言ってるかもしれない。

 律ちゃんの歌にはゲーム版だと、このコーラスはないですよね。M@SETR VERSIONからじゃないかと認識してますが、違ったらすみません。私は最初、こういうコーラスがあるのを知らなくて、次にはなんと言っているのかわからなくて、更には、何と言っているのかはわかったけれども訳したらどうなるのか知らない、という感じで、この言葉が実感として理解されるのにはずいぶん時間がかかった人間です。

 あと、あのPVで冒頭登場する女性は何者なのか。状況からしてシンデレラってことになります。で、12時の鐘が鳴る。つまり、あのシンデレラは、夢が叶わなかった、あるいはまだ叶っていない。

 Cast a spell on me! という言葉は誰に向けられているのか。シンデレラには魔法使いのおばあさんが登場します。何故、PVでは登場しないのか。魔法をかけるのは、我々の仕事だから。そういうことなんだろう。

 「シンデレラ」の物語では、誰も、魔法をかけてください、とは言われません。物語の受け手として想定されているのは子供達で、彼ら彼女らはめいめいにシンデレラに感情移入する、この物語では主人公である「私」は魔法を願う側であって、かける側ではないのです。

 そして我々は、魔法を願う側ではない。我々は、シンデレラでもピーターパンでもない。

 だから、この物語は12時を過ぎてから始まる。

 そんなことを考えました。