Augenblicke

主にニコニコ動画のアイドルマスターMADについてのよしなしごと。

2015年06月

今井麻美/little legacy 96KHz/24bit(ハイレゾ)

 ミンゴスこと今井麻美さんの現時点最新アルバムのハイレゾ配信。これが、素晴らしいです。

 このアルバムはアコースティックライブ風に再録音したセルフカバー集で、代表的な曲の他に如月千早の「月下祭」も別アレンジで収録されているというもの。

 以前書きましたがいかにも5pbな大仰なアレンジも今井さんに合うけれども、シンプルなライブ風のバッキングでの彼女の歌もファンなら聞きたいところで、このアルバムはそんな彼女の最高傑作と呼ぶにふさわしいもの。どれか1枚と言われたらこれで、これ聞いて気に入ってから原曲を聞いてもらってもいいだろうと思えるくらい、完成度の高い仕上がりになってます。

 で、ハイレゾ化に当たっては「全楽曲の歌と演奏を、一貫して96kHz24bit環境でレコーディング→ミックス→マスタリング」と書いてありまして。48KHzでもアップサンプリングでもありません。5bp気合入ってんなあ、空回りせんかったらええけど、と思いながら聞いたんですが。

 CDと全然違う音なんで、最初はあれ?と戸惑いました。CDは、山下達郎氏言うところの、ロックな疾走感のある作りで、音質的には最高とは言いがたいけど、これはこれでライブ感があっていいよな、という印象で、好きだったんですが。このハイレゾ版は、透明感溢れるスッキリと高音域の伸びた音で、しかもドンシャリじゃなく綺麗にまとまっているという、上品な音だったんですね。

 マスタリング変えて、音が悪いのを誤魔化したかな?と最初は思って、他のいろんな音源と聞き比べてみたのですが、それは勘違いでした。本当に音がいいです、これ。もちろん、金をかけまくった一流スタッフによる最高のレコーディングを行なった逸品などではないことはCD聞いた時点で知ってます。しかしながら、その範囲でできる最高の仕事をしたなと。

 今井さんはこれでアルバム全作ハイレゾ化したわけで、配信の順に並べると以下のようになります。
COLOR SANCTUARY 
 2014/11/26 1stアルバム。全曲48kHz24bitからアップサンプリングで96KHz化
ヴィーナスのハルモニア 
 2014/11/26 シングル。レコーディングからマスタリングまで96kHz/24bit
追憶の糸車 
 2014/11/26 シングル。同じく。レコーディングからマスタリングまで96kHz/24bit。
Aroma of happiness 
 2015/02/11 2ndアルバム。全曲48kHz24bitからアップサンプリングで96KHz化。
Precious Sounds 
 2015/03/25 3rdアルバム。全曲48kHz24bitからアップサンプリングで96KHz化。ちなみにCDだと2枚目に当たるライブ音源はなく、1枚目の13曲のみです。
この雲の果て 
 2015/04/22 4thアルバム。アップサンプリングですが、ここの説明が興味深くて、

 『天空の炎 〜miragem〜 -Jazz Arr ver.-』は88.1kHz32bit、『Jewel’s Tree』は44.1kHz16bit、他は48kHz24bitのオリジナルマスター音源を使用し、96kHz24bitの環境で新たにリマスタリング。

 とあります。1曲のみながら88.1kHz32bitでレコーディングされていて、このアルバムの頃から、レコーディングの段階からハイレゾを意識していることがわかる。また、

 今井麻美作品の特徴である、アコースティック楽器の響きや余韻をより生かすため、CD版とは異なるマスタリングスタッフにて、楽曲の特性を強く意識して、1曲1曲より繊細にハイレート音源に落とし込まれたものとなっている。

 ということで、CDと異なるマスタリングであることが初めて示されています。

little legacy 
 2015/06/24 5thアルバムにして、初のアルバム全曲96kHz24bit環境でレコーディング→ミックス→マスタリング

 「この雲の果て」のCDが2013/11/27。
 「追憶の糸車」のCDが2014/7/30。
 「ヴィーナスのハルモニア」〃2014/8/27。

 2013年末を過渡期と考えて、レコーディングから96KHz/24bitになったのが、半年経った2014の前半辺りということになります。それがハイレゾ音源として配信されたのが2014/11/26だから、更に半年後、というところですね。この11/26は「little legacy」のCDが出た日でもあります。この時点でハイレゾ配信は時間の問題だったと。

 で、実際にハイレゾで出たのが更に半年後の今である、と。

 地味に大事なことなんですが、その半年の遅れというのは、無駄ではありませんでした。

 11/26に出た1stアルバムの音は正直言って、ハイレゾというような大したものではありません。 これが、少しずつ良くなって、はっきり良くなったなと思えるのが「この雲の果て」からです。88.1kHz32bitでレコーディングされた8曲目「天空の炎」は確かに頭1つ抜けてますが、そういう問題じゃありません。48KHz/24bitからアップサンプリングされた楽曲群の音が、これまでと比較してはっきりと良くなっています。試聴しただけで、それがわかります。

 以前も書きましたが、試聴音源はハイレゾではないし、同じ音源の、moraとe-onkyoそれぞれの試聴データにも差があります(e-onkyoの方が音がいい)。が、ハイレゾのデータの良し悪しは試聴音源にもはっきりと現れますので。

 話を戻すとレコーディング時から96KHzだった2枚のシングルは、同じ日に配信されたアップサンプリングの1stアルバムよりは、良い音です。がしかし、聞き比べれば、実際問題として4thの「この雲の果て」よりは劣ると思う。

 マスタリングの、スタッフの本気の差です。マスタリングスタッフをCDと変えたとわざわざ明記してある「この雲の果て」は、アップサンプリングであっても、それ以前に出た96KHzのシングルに勝ってるんです。

 牧野由依「天球の音楽」のK2HDよりも、ミンゴスのアップサンプリングの方が音が良い、と以前書いたのは「この雲の果て」を聞いてのことでした。あの時、5bpはビクターより頑張ってるじゃないか、と思った。いえ、「天球の音楽」は録音が古いので、音質的には苦しくても仕方ないですけどね。ただ、アップサンプリングだからと十把一絡げにはできないなと思ったので。

 そして「little legacy」。「この雲の果て」と試聴で比較しても、はっきりと音が良くなっています。気のせいじゃないです。もちろん、試聴音源よりも実際にハイレゾデータの方が更に良い音ですので。

 改めて言いますけど、私は「little legacy」のCDの音も好きです、ライブ感あると思う。でも、このハイレゾ版を聞いたら脱帽せざるを得ません。ぶっちゃけ、両方買って聞き比べて欲しい。何にせよ私の中で5pb.Recordsの株が爆上がりしました。

IMG

アイ MUST GO!



 この曲は改めて聞くとゴスペルですね。なんだか皆で歌って欲しいと言われる割には歌いにくい気がしますが(^^;)。ゴスペルは本来、皆で合唱するものなので、文脈としては正しいんです(^^;)。ただ、黒人音楽なので日本人のセンスではついていけないかもしれないってことで。

*基本
・Hallelujah Chorus (Gospel Version) - Melbourne Singers of Gospel


*応用
・African Children's Choir - Lord I Lift Your Name On High


*参考
・エヴァンゲリオンのあれ


 余談ですが、U2のアルバムがiTuneで無料配信されるという事件がありましたが。2014年9月10日ということで、もう随分前です。あれ、ずっと音悪いなあと思ってたんですが、まあ低音質の圧縮ファイルだから当然と言えばそうなんですが。

 先日、ふと思い立って爆音で鳴らしてみまして。そしたら、見事に本来の姿を取り戻しました。あのアルバムは、本来は高音質の環境で再生する事を前提とした音作りをされていたものを、逆の状況で配信されてしまってたんですね。低音から高音までフラットで伸びていて、歪みのない端正な奥行きを持った細やかな音作りだったのに、低音も高音も細かい音も出ない圧縮音源で、安い装置で再生されることになってしまったという。圧縮音源を安い装置で再生するのなら、低音も高音もカットして、細かいディティールなど捨ててしまってドンシャリのメリハリの聞いた音作りにしないといけないんです。でないと伸びた高音低音は歪みの元になるし、音がこもってしまって、いいとこなしのぼんやりしたロックに程遠い音になってしまう。

 このIMGも、同じような音だなあと思いました。Star!!の頃からの音をぎっしり詰め込んでメリハリを捨てた音です。多分、シンプルなピコピコサウンドだったIDOL POWER RAINBOWより音が悪く聴こえるのではないでしょうか。まあ音割れしてないだけましと思った方がいいのかもしれません。

ハイレゾ追記(非アイマス)

 前の記事のごちゃごちゃした様相はそれはそれとして。

 何が引っかかるかというと、ハイレゾが聞き分けできるかとか、ブラインドテストがどうのというので。

 元々良い音の音源をハイレゾにして、大して変わってないのを聞き分ける必要なんてないし。

 最悪の録音をハイレゾにしたけれど、最悪のままです、というのを聞き分ける必要もないでしょう?

 だって、変わってないんだからさ。

 前の記事の圧縮音源の差が聞き分けられるか? というテストもそうです。圧縮しても違わないのなら、それを聞き分ける必要なんてない。

 重要なのは、たちの悪いマスタリングによって、酷い音になってるものがあり、一方で、ちゃんと良い音で世に出された音源がある。

 その良い音と悪い音の違いが聞き分けられるかです。
 
 ハイレゾで出した結果、こんなに音が良くなりました、というのがわかればそれでいいんですよ。

 それがハイレゾだから良い音なのかどうか、は別にいいんです。

 ハイレゾだから良い音なんです、というのは嘘です。そんなのは原理的に考えて嘘に決まってるんだから。

 ハイレゾだから、良い音にすることができます、可能性が広がりました、が正しい言い方。

 だから、ハイレゾにふさわしい良い録音をしよう、その結果、実際に良い音の音源が登場してくる。そこに期待しているんですよ。

 良い録音をしようと、思ってくれないと困るわけです。現状、そうじゃないからです。

 例えばランティスがぼろくそに言われているのは、CDの音よりハイレゾ音源の音がいいのは、マスタリングを変えてるからであって、ハイレゾだからじゃないからのようですが。私はそれ聞き比べてないけど、他の音源で同じ事情で音が違う例は知ってる。

 そうじゃなくて。

 ハイレゾというお題目がなければ、CDがどれほど粗悪なマスタリングであっても、誰も何もしなかったわけでしょう? ハイレゾとして出し直したから、良い音源が世に出たわけじゃないですか。

 そこに期待して、期待した通りの結果になっているんだから、私はそれでいいんです。

 全然変わらない2つの音源の片方はハイレゾです、違いがわかりますか? なんてテストはどーでもいいんです。

 実際に、ハイレゾとして出されたものが既存の音源よりよくなってる場合がたくさんあるんですから。

 昨日、牧野由依さんの「天球の音楽」をAACも購入して聞き比べましたが、やはりK2の擬似ハイレゾよりも、AACの方が良いと感じました。K2音源にも良いところはありましたけどね、音場がくっきりしてるので。でも、音のバランスとしてだめだと思った。

 花澤香菜さんの「Blue Avenue」のAACも買ってみて聞き比べましたが、こちらは普通にハイレゾ版の方が良い音でしたよ。はっきり違うのでブラインドでもわかると思います。

 試聴して、これは音悪いなと思ったら買わなければいいんですから。それはハイレゾではない試聴音源の段階でわかることなのです。耳というのはそこで役に立てばそれでいいでしょう。