Augenblicke

主にニコニコ動画のアイドルマスターMADについてのよしなしごと。

2015年10月

アニデレ25話

 アニデレも終わりまして。シンデレラの舞踏会というより、まるで百鬼夜行だなと思ったりして。百鬼夜行に当たる西洋の祭りとして、「ヴァルプルギスの夜」というものがございまして。1夜限りの百鬼夜行のお祭り、という意味ではあの25話は「ヴァルプルギスの夜」と呼ぶ方がふさわしいものだったなと(^^;)。

 「ヴァルプルギスの夜」はケルト神話が元らしいですが、私がこの言葉を知ったのは「まどマギ」、ではなくて「ファウスト」第二部です。このblogについてググったことのある人ならわかることですが、ここは「Werde ich zum Augenblicke sagen: Verweile doch, du bist so schoen ! 」に元ネタを取っていて、これはファウスト博士の死に至る際の走馬灯状態で発される言葉。つまりこのblogは私の走馬灯です。とあるエロゲにおいて、自殺に及んだ主人公の走馬灯の中で全ての物語が展開される、というものがありまして、影響を受けていたりします。

 私の中では、アニデレに関する持論は言い尽くしたつもりでしたし、25話に予想を覆す部分もなかった。現在に至るための過去の物語、そういう理解でいいのだなと。

 ただ、過去の物語といえど、現在に与える影響はなかったことにはできなくて、これからのアイマスが「アニデレ以後」であり、以前には戻れないなということも感じています。

 24話は決定的だった。ニュージェネレーションズの存在は、ネバネバなり、ミツボシなり、そしてS(mile)ING!をなかったことにするかも知れなかった。その場合、アニメは平行世界だという解釈になる。

 アニデレは平行世界としてオリジナルの世界観を提示するのか、それともソシャゲであるシンデレラガールズの世界観とリンクするのか。ソシャゲには武内Pはいませんし常務もいません。CPもない。新田さんリーダーのCPが「GOIN'!!!」を歌う13話を見る限りにおいては、アニデレはオリジナルの世界観で進行するのかと思えた。

 アニメとしては、むしろそうなった方が良かったかもしれません。しかしまた、そこからどう1話のガラスの靴の伏線が回収されるのか、謎が残った。

 そう言ったややこしい話が、私の知らない多くの受け手の中でどう消化されるのかも気になったんですが、情弱なもので、そっちの事もよくわからない。25話が終った今、最後に引っかかっているのは、皆さん、美城常務にどうして欲しかったのかという点ですね。

 それで、幾つか見かける意見の中で回収されたのは、「僕の考える最強のアニデレ」という視点が、総括する上で必要なんだなということです。

 そこまで含めてアニデレとソシャゲであるシンデレラガールズとの関係性は総括されるんだなと。

 特に気になったのは、あの最終回で喜ぶのはCPのPだけだろうという意見。つまり、エンタメとしては失敗してたということですね。この論点は恐らくはずっと引きずっていくことになりそうです。

 Pと言えば、アイマス無印のPは1人ですが、その後そのややこしさをどうフォローするかという点で、赤羽根Pのように1人が(律ちゃんもいますけど)大勢のアイドルを手が回らない状態で必死にフォローしてるんだろうというPのあり様や、それを更に拡大する格好でミリマスもPは1人なんじゃないか説があります。で、デレマスにおいてはPがたくさんいて、それぞれのP同士が争う構図というのが、ユーザーの納得はともかく、一応は機能している。ニコマスを考えにいれても、それぞれのPがそれぞれのアイドルをプロデュースしているという認識になっていると思います。他のPが作った動画に、俺のアイドルは、あんなんじゃないとか言っても始まらないという価値観になっている。

 アニデレでは、Pが複数いるというのが前提になっていて、斬新でした。これまでは、それを断定する時に軋轢が起きても困るので断定し難かった。

 つまり、俺の好きなアイドルは登場してないけど、登場しないところで俺がプロデューしてるんだ、と解釈してもらえる分には良いのだけれど、俺の知らない奴が知らないところでプロデュースしてんのかよ、と解釈されると問題だし、そうではないと断定することは不可能だからです。実質上、CP以外のアイドルは、知らないところで知らないPが、プロデュースしてるとしか言いようがない。

 これまでにも、ニコマスなんかでさんざん見てきた、俺の方が良いプロデュースができるという意見。なぜ俺じゃないんだ論。

 そして、制作側の事情なんて知らない、俺の考える最強のアニデレを見せればいいんだ論。

 突然閃きました。

 ああ、美城常務じゃないかと。

 常務はプロデューサーなんだなと。主人公格のPに対抗する、口先では自分の方が優秀なプロデュースができる、俺の方が正しいPなんだと言うけれども、実際のところは今いちよくわからないライバルP。それが常務なんだなと。

 つまり端からゴチャゴチャ理想を述べるだけの俺らは常務なんだなと。

 そういうことでアニデレの世界観は完成するんだなと腑に落ちました。常務の方が、良いプロデュースが出来たかも知れない、その可能性は永遠に残るわけです。どこかの誰かP、無能なのか有能なのかわからない「その他P」がいるということの具体化として彼女がいる。これは武内Pのシンデレラガールズ。しかし、あなたの方が良いプロデュースができたかも知れません。でも私はあなたではないので、これが25話です。そういう結論になる。

 というわけで、開き直って私の考える最強のアニデレを、総括しようと思います。

 「Cast a spell on me! 」。覚えていますか。最初に作られたPVに登場したこの言葉くらい、シンデレラガールズをアニメ化するにあたって恐ろしい言葉はなかったです。

 だって、モバマスにはむしろ「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」の方が似つかわしかったからです。我々は、既に魔法はいつか解けるものと知っている。

 でも、彼女達はまだ知らない。その事が何を意味するものか。

 私は、CPは最終的に解散して、凜はトライアドプリムスになり、未央はソロになり、島村さんは引退するであろう、という仮説を立てていました。上記のことの他にも幾つか理由はあります。

 1つには、何より私が「S(mile)ING!」と「ミツボシ」を見たかったこと。しかしこれらはソロ曲で、ゲーム内での彼女達の立場を濃く反映する歌でもある。シンデレラプロジェクトには合わないし、常識的には彼女達には新曲も用意されるだろう。

 2つには、アニマスを考えれば、春香さんが最後に危機に陥るように、島村さんも危機に陥るというのがありそうなクライマックスであるし、凜がトライアドプリムスを結成するなら必然的にCPは、ガタガタにならざるを得ない。

 3つには、これがシンデレラを踏襲するなら、誰かがガラスの靴を持って島村さんを迎えにいかないといけない。すなわち必然的に魔法は解かれなければならない。

 何故迎えに行く相手が島村さんに限定されるのか? というと。渋谷凜にSRが用意され、ローソンのコラボイベント等、モバマスの顔としての地位を確立していくなかで、ガチャの新カードやイベント報酬になることもなく、最弱の2コストノーマルのまま放置されていたという、その状態から突然出世した正にシンデレラと呼ぶべき存在が彼女だったからです。

 もちろん、その次には同じく2コストNから本田未央がSRになるという道を辿るので、待たされたという意味では未央の方が不遇と言ってよいのですが。しかし、2コストNから出世するということがありえるのだと、島村さんが初めて示した。それによって、他の全ての放置状態のカードにも可能性が生まれた。そういう意味での希望の象徴としては、やはり島村さんなのです。

 4つには、CPに始まりCPで完結するアニメになれば綺麗に終わることはできるでしょうが、モバゲーの中でも過酷さで知られるモバマスを、アニデレを見て始めた人間がいた場合、期待を打ち砕くことになりかねないので(^^;)、できればそうならない方がいいし、既にモバマスPである人にとっても、何らかの希望の残る終わり方であって欲しい。

 というわけでしたが、いざアニメの1話が始まって、島村さんがあまりにも島村さんだったので。もういいや、この後どう展開しても許す、という気分になりました(^^;)。それと10話ですね、1話と10話作ったというだけで、アニデレは歴史に残っていいと思っています。みりあちゃんは歴史。

 14話にはがっかりしましたが、13話がギリギリだったことを考えれば製作側の体力もギリギリなのだろうと。2期については、そんな状況で無事に終れるのかと言う、それが何より気になっていたので、どこまでが計算でどこまでが大人の事情なのか、展開に対して見通しが付かなかったんですが。

 23話で遂に全くわからなくなってしまった。

 島村さんの強靭な耐久力を奪うためにシナリオが全力で回っているのはわかります。これまでだって、島村さん本人は自分に自信が持てるようなことは何もできていなかった。一方で周囲は島村さんだけは大丈夫と思っている。そしてCPはプロジェクト解散の危機があり、皆が自分の問題を抱えて精一杯、武内Pもプロジェクトの存続と、おまけに他の部署との連携も図らなくてはいけなくて走り回らなくてはいけない。
 
 この時点で私は13話を見た上で、CPは解散なんかしない方向だろうと思っていたし、だから島村さんが危機に陥るにしても、根本的なものではなくて、むしろ関係者が肥大してしまってCP+共演陣のまとまりができるか、という方向で尺を使うのだろうなと見ていました。ウサミン、なつきち等、人員が増えるのも、島村さんへの目が届き難くなるし、全体のまとまりが難しくなる、というそれだけのことだと思ってた。

 23話で、凜も未央も、良かれと思って、ここ大事です、良かれと思ってソロ活動をした。NGを捨てる気持ちはさらさらなかった。ところがバラバラになってしまったと知った。しかも、蓋を開けてみれば、島村さんだって悩んでいたんだと。

 島村さん"だって"と書きました。凜も、未央も、自分が輝ける場所に立てるのか、わからなかったから、ソロでそれを掴んでから、もう一度やり直そうと思っていたわけです。そして、掴めたと思ったからNGに戻れると思った。

 だったら、島村さんが、掴めないから戻れないんだと言ったら、戻って来いなんて言えるわけがない。逆に、だったら掴んで来いと送り出すことしかできない。

 魔法が解けたというより、ガラスの靴を履く資格がないと、そういう話になってしまっている。誰も迎えにいけない。何より、中核であるNGがバラバラのまま23話が終ってしまった。それで全体がどうまとまればいいのか。島村さんの復帰という話よりも、ストーリー展開がどういう落としどころに向かうのかがわからなくなった。

 それが24話で初めてバラバラだったパズルのピースが1つになるのを感じたと言う話は以前に書いた通りです。CPは解散しない、そういう前提でいたけれど、後半はちゃんと、CPがバラバラになる話だったじゃないかと、この時になって気づいた。CPのリーダーである新田さんも、NGのリーダーである未央もソロ活動を始めた。それぞれのユニットは部署の外側のアイドルと繋がった。皆が変わっていく中、かな子は逆に変わらないでいることの大事さを知った。そして島村さんは2コストNの姿になった。空っぽの☆を大事そうに持って。

 CPはばらけた。そしてその中心には空っぽの女の子が歌う「S(mile)ING!」。それは始まりの歌。

 これは未来に向かう物語ではなくて、始まりに向かう物語だったのだなと。12時=0時を境に、そのように反転するように作られた世界だったのだと。

 脱落した彼女は復帰するのではなくて、0が中心になるんだと。

 進んだ先には何もないかも知れない。そうじゃない。見えないだけで、星はそこにある。そう思って0に向かおう。

 25話が示しているのは、まだ見ぬ☆がそこにあること。物語に登場しないたくさんのアイドルと、やはりいるはずのたくさんのプロデューサー。願いの書かれていない空っぽの☆が、これからも誰かに手渡されるだろう。多くの願い星で埋まったボードには、新たな☆が貼られていくのだ。

 全てのアイドルを描くことはできなかった。リソースは限られている、それを選ばれたアイドルに注いで、ちゃんと見せ場を作ってあげよう。ちまちまと数だけ出して中途半端に描いたって大衆には届かない。25話に寄せられた感想を見れば、その考えの正しさは証明されている。それが美城常務の立場。彼女が登場している意味。

 だがそれでも、あの百鬼夜行こそシンデレラガールズであると認めてくれる受け手もいると、信じてそういう25話になったと。私はそれを是とします。

マチアソビ自分用memo

*10月10日(土)
・東公園ステージ
10:30~11:30 「どうしても干支にはいりたい」
 志村由美、 五十嵐裕美、ネコ、納谷僚介(音響監督)、eufonius(アーティスト)
12:30~13:30 アプリ大集合
 五十嵐裕美(司会)、古木のぞみ(なないろランガールズ)
 原紗友里(グリモア 私立グリモワール魔法学園)
 高田憂希・高坂知也(魔法科高校の劣等生 LOST ZERO)
15:00~16:00『グリモア〜私立グリモワール魔法学園〜』スペシャルステージ!
 五十嵐裕美(仲月さら役)、原紗友里(冬樹ノエル役)
18:00〜19:00 民安★ROCK
・眉山山頂ステージ
11:00 〜 12:00 インターネットラジオステーション<音泉>スペシャルステージ 2015秋
 本多真梨子(司会&『えとたま』)、松井恵理子(司会&『えとたま』)
 上坂すみれ(『コンクリート・レボルティオ』)、 木島隆一(『GOD EATER』)
13:30〜14:30 Wake Up Girls! 七人のマチ★アソビ!トークショー
 吉岡茉祐、永野愛理、田中美海、青山吉能、山下七海
 奥野香耶、高木美佑、加藤英美里、福原香織
14:30〜15:30 「ハッカドール マチ★アソビ スペシャルステージ」眉山
 高木美佑、奥野香耶、山下七海さん、上田麗奈
・ufotable cinema
11:15〜13:40 宇宙戦艦ヤマト2199舞台挨拶付き上映会
 中村繪里子
14:00〜16:00  コンクリート・レボルティオ上映会&ラジオ公開録音
 上坂すみれ、中村繪里子
16:30 〜 17:30えとたまトークショー
 本多真梨子、松井恵理子
(シアター2)
10:30~11:30 「どうしても干支にはいりたい」上映会+トークショー
・しんまちボードウォーク
13:00〜14:00 桜咲千依さんヴァイスシュバルツお渡し会

*10月11日(日)
・東公園ステージ
10:00〜11:00 「丸山正雄×真木太郎×津堅信之」スペシャルトーク
 丸山 正雄(プロデューサー/(株)MAPPA 代表取締役)
 津堅 信之(アニメーション史研究家/京都精華大学准教授)
 真木 太郎(プロデューサー/(株)ジェンコ 代表取締役)
 まつもと あつし(ジャーナリスト)
11:30~12:30 iOS/Androidアプリ『なないろランガールズ』「はじめての公開生放送」
 古木のぞみ、加隈亜衣、佳村はるか
・眉山山頂ステージ
10:00〜11:00 「Fate/stay night[UBW]」「Fate/Grand Order」
 植田佳奈、諏訪部順一、種田梨沙
11:00〜12:00 ボンズでトーク
14:30〜15:30 avexスペシャルBIZANLIVE!
「Wake Up Girls!」
 吉岡茉祐 永野愛理 田中美海 青山吉能
 山下七海 奥野香耶 高木美佑
「かと*ふく」
 加藤英美里 福原香織
「ハッカドール」
 高木美佑 奥野香耶 山下七海
16:00〜17:00 初音ミク -Project DIVA- X 徳島まで来て、"と〜くしま"した。
 藤田咲、下田麻美

・あわぎんホール
12:00〜14:00 デジタルクリエイター人材発掘セミナーFate/stay night[UBW]をつくった。(~ed:完了形)
 制作プロデューサー 近藤光 氏
 撮影監督 寺尾優一 氏
 美術監督 衛藤功二 氏
 and more...!

*10月12日(月)
・眉山山頂ステージ
11:30~12:30 霜月はるか&ACRYLICSTABライブ
 

アニデレ24話

 車ぶつけて警察となんやかんやして、家に帰ったらいきなりバンダイチャンネルで明日も仕事なんで、メモ書きだけ。

 23話で、凛と未央がそれぞれの道を進んでいて、卯月とは噛み合ってもわかり合ってもいないんだというのは、とても大事なんじゃないかと24話が始まる前に書いておきたかった(^^;)。ただ、そこからどう収拾つけるのかまでわからなかった。

 その収拾が、ついたな、と24話で思ったので、アニデレにはまだ魔法を使う力が残っていたんだなと。

 24話は、多分総力戦になるとは思っていた。卯月がわざわざ346に戻る、それも笑顔のないまま、という時点で、これはもうCP全員で卯月を迎えるしかないとは思った。

 でも、CPに何ができるだろう。実際、CPのメンバーはそれぞれに語ることは、バラバラだ。バラバラなのに、凛と未央は皆に頼み込んで☆のカードに願いを集めていく。それぞれが違う方向を見て、それぞれの願いが集まって、その先に何があるのだろう。

 多分、それはわからなくていい。代わりにわかってきたのは、それぞれのメンバーが新曲の譜面をもらっていて、未来を向いているということ。一方でニュージェネには新曲がなく、島村さんはレッスンも十分ではない、それでもステージに立つということだ。特に説明がなくても、衣装さえ着ないでステージに立った時点で、ぞわぞわ来た。

 時計の針が12=0になり、世界は反転する。終わりが始まりになり、彼女から始まったシンデレラガールズの世界が、今度は彼女を迎える。向こう側には何があるのだろう? ここが向こう側だよ。君を待っていた。

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どーでもいい追記:

 アガサ・クリスティに「ゼロ時間へ」という、ポワロもミス・マープルも登場しないミステリがあります。大掛かりなトリックなど登場しない地味な内容なのですが。重要なのはタイトルで示されている概念。

 殺人事件というのは、例えば人が殺されるところが起点、犯人が捕まるのが終点と考えることができます。しかし、犯罪者にとっては、目的の相手が死んだ時こそが終点かもしれません。起点はもっと前の、あの人を殺そうと思うに至る瞬間になるのかもしれない。

 ひとつの目的を持った流れが成就する「ゼロ時間」。それは誰かにとっての終わりが、別の誰かにとっての始まりかもしれない境界点です。

 このミステリは、地味に殺人事件が起きて、地味に犯人探しが始まって、地味に解決を迎えようとする。そこであることが起きて、探偵役に、突然疑問が沸き起こります。この事件のゼロはどこにあるのか。我々は勘違いをしているのではないか? 事件の終点に見えるここが、起点だとしたら?

 アニデレ後半を、私は「詰め将棋」と評して来ました。詰め将棋には、当然「詰み」がある。そこが終点。なので、23話で解決がなかった時に私は割と驚いていました。詰め将棋というのは、1手も無駄がないから詰め将棋なんですよ。多くの人が、だらだらと長い、薄いと評価した。それでは詰め将棋とは呼べない。

 だから24話を見て思いました。これは「ゼロ時間へ」だと。私はガラスの靴を失ったその先のことを、どうなんだろうと考えていた。そうではなくて、島村卯月はシンデレラではなかったのだと。彼女はたった1人で、シンデレラの物語世界にカウンターを打つために、その世界から脱落するんだなと。ここがゼロかと。そして時計の針を吹き飛ばしてしまったのだと。

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追記その2:

 いえ別にポエムを書きたいわけじゃなくて、細かいまっとうな解説は、他の誰かがやるだろうから、個人的なこだわりで小理屈をひねくり回したって読む人が困るだろうなと思った程度のことです。

 なので整理しときますと。23話で凛も未央もそれぞれに卯月を気遣ってるのに噛み合わない。そこは2人にそれぞれ負い目がある。信頼していた相手に泣かれてしまって、これも自分のせいかと思ってしまったら、強気に出られない。この噛み合わなさが気になっていました。誰かがガラスの靴に相当するものを提示して、卯月を回復させるとしたら、このシーンしかないだろうと思っていたし、そのために凜が何をするだろうと思ったら、何もしなかった。凜は自分に出来る精一杯をぶつけて島村さんの本音を引き出したけれど、それに対する答えは持っていなかった。

 じゃあ、何でわざわざ公園まで来たのか。シリーズ構成の都合上、短い尺にギチギチにシナリオ詰め込んできて、ここで無駄遣いとは。……これが無駄じゃないとしたら、3人はここで和解しないということに意味があるということになる。

 意味があるって、どんな意味があるんだろう。それが気になったということです。

 ガラスの靴に相当するエピソードをここで逃したら、もうないでしょう。確かに、世界観的に、ガラスの靴は必要ないんだ、というモチーフは登場する。しかし、だったら、島村さんは誰がどうやって、立ち直らせるのだろう。

 そして、それはシンデレラの物語とどう繋がるのだろう。

 24話でCP全員と島村さんが対峙するのは予測できた。しかし、CPがどう関われば島村さんが回復するのだろう、既に書いた通り、それがイメージできません。1つの見通しは、ニュージェネが救えないのであれば、CPにも救えないであろう、誰もガラスの靴を持って来てはくれない、そういう話になるのではないか。

 ただ、ここまでの時点で、答えがあるとしたらそれはステージに、つまりは7話で示されたように、観客の笑顔にあるだろう、そう考えたから武内Pはステージを用意したのだろう、そういう予測はある。だとしたら、武内Pも、自分がガラスの靴を持ってくる王子様になるつもりもないのだろう。島村さんは、自分の力でステージに上がり、自分で答えを見つけるしかないのだろう。

 だったら、1人で頑張るしかないんだよと、それだけ言うために23話後半、24話前半という長い尺を使ったのは無駄過ぎるんじゃないかと、何ともそこら辺が釈然としなかったという。

 誰も、凜でさえも、また一緒にステージに立とう、と言わない。見えないところで言ってたのかもしれないけど、それを見せないからには、見せない意図があるはず。皆は相談には乗るけど、誘いも強制もしない。武内Pをして、卯月が自分で選択するように言う。

 監督のセンスと言えばそれまでだけど、アニデレって打っても響かないですね。誰かが投げたボールを全力で打ち返して感動が成立するとか、気持ちがガチっと噛み合ってクライマックスが形成されるとか、あまりない。1話でも、凜が決断するのは島村さんの必殺の笑顔の直後ではなくて一晩かかります。16話では、みくにゃんのコールとガッチリ噛み合ってウサミンがメルヘンチェンジしたように見えますが、実は2人は噛み合ってなかったよね、という話は以前書きました。その都度オチはつくんですが、ビシっとではなくて、ふわっと着地する感があるというか。

 で、何かと起きるこのずれが、どこで収束するのだろう、というのがずっとね、常にね、ありまして。

 改めて言いますが、詰め将棋はどこかで詰みます。アニデレ2期は、あらゆることが布石となって、島村さんを追い詰めるように緻密に計算されてきた。その詰みはどこに来るのだろう。23話だと思っていました。なのに、24話になってもまだ、CPが全員でもズバッと解決することなく、引きずっている。

 なので、彼女がステージに制服で上がったとき、ああ、時計の針がここで、0になるんだなと。ここまでずっと、意図的に焦点を合わせないできたんだなと。そう思ったわけです。24話の最初から12時だったろうって? そうですね。あの時計は「12時=魔法の終り」を意味していたと思います。

 でも、凜や未央が皆から願いの☆を集めて皆で卯月の復活を待っているのに、本人はまだ迷っている。誰も彼女を励まさない。ただ待っている。何で彼女はここまで、1人で空っぽで裸足であることを強要されるのだろう。1話のホールは空っぽで、かつてのCPの部屋も空っぽで。新曲もなくてレッスンも足りなくて、もう時間がないのに、何でここまで島村さんは空っぽでなければいけないのだろう。

 それで、これは12じゃなくて0なんだなと。12は終りだけど、0は始まりなんだなと、そう思ったわけです。そこで世界は反転するんだと。

 NGのリーダーは未央で、CPのリーダーは新田さんです。島村さんはセンターなのに、居場所がありません。視界を反転させましょう。島村さんのいないNGはバラバラで噛み合いません、CPもバラバラで、噛み合いません。全員が、不在の中心を、0を待っているんです。

 誰かが、あるいは全員が、脱落してしまったメンバーを引っ張り上げる。それはアニマスや劇マスの構図。原石となる素材をプロデュースして輝かせる。それは常務の方法論。シンデレラの物語も、トップダウンであることに変わりはない。上に居るもの、先にいるものが、下にいるもの、遅れたものの手を引くんです。

 CPの誰も、島村さんの手を引かなかった。彼女はマイナスの位置にいるわけではない。全員が見守るステージの中心に自力で立つ彼女は、だから原点として、出発点として、センターとして、全体に対する個の象徴として、シンデレラストーリーへのカウンターとして、0になったんだなあと。

 全てを失ったと思っていた女の子は、世界の中心にいたということ。

 まあ、こんなややこしいことを言わなくてもアニデレの物語は成り立つので、これは私のこだわりです。

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