ナファランPの新作について。1番言いたいのは、こういうの作ると後が大変だよ? ってことなのですが。

 動画の気合の入りようを見ると、ただのジョークで済ませる気はないように見えるんだけど。でも引っ掛かったのはこの曲を知らないけど、恐らくは原曲は違うニュアンスなんだろうなということ。なぜってこれ、ブルースのリズムなので。だったら、こういうロックな歌詞にはならないだろうと思った。調べてみると歌詞にはロックという言葉が出てきて、まあアレンジ的にはそうなのですが、R&Bをベースにロックなアレンジをされた曲ってことのようですね。で、内容は矢張り、音のエネルギッシュな印象に比べるともっとプライベートで複雑な心持ちを歌った曲という事でいいようです。ナファランPのニコマス動画のように、シーン全体へのアジテーションというベクトルとは全く違いますね。私は独りになったんだから、これからは好きなようにやろう。そこに含まれるのは、(だってそうするしかないじゃない)という気持ちです。

夫がいなくなったみたい どこへ行ったんだか
だから自分の金で飲むんだ
アイツの家賃なんて払わないさ
これからは全く違った生き方をするんだ
今夜からそのつもりよ
トラブルに飛び込んでいく 喧嘩を売りたいのさ
私は喧嘩を売りたいんだ!
(サビ)
"そう、それがどうした
私は今もロックスター
自分のロックができるのさ
あんたなんかもう要らないよ
わかる?
その方がずっと楽しいんだ
もう終わりなんだよ
今夜教えてやるよ
私は大丈夫 とっても元気さ
あんたはただの道具なんだよ
そう、それがどうした
私はロックスターなんだ
自分のロックができるのさ
今夜はあんたなんかいらない"

ウェイターが私をテーブルから追い出して
ジェシカ・シンプスを座らせた
ドラムの男の子と座ろうかな
とにかく、どう叩くかは知ってるだろうから
これがラジオで流れたらどうなるかな
そのときは誰かが死ぬんだろうさ
私はトラブルに飛び込んでいく あいつは喧嘩を始めるつもりさ
あいつはのってくるだろう
私たちが喧嘩を始めるのさ

(サビ繰り返し)

あんたは一度もフェアじゃなかった
全部欲しがるのはフェアじゃないよ
あんたには人生を捧げたんだ
あんたはもういない
あんたは私をダメにする

(サビ繰り返し)

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 また、原曲はプライベートな側面つまり"私"は失ってしまったけれど、ロックスターという世界つまり"公"がある、という内容です。これをニコマスに当てはめると、むしろ新DLCがなくてもニコマスがあれば幸せ、という文脈が綺麗にはまるわけで、この動画の内容だといささかの矛盾が生じます。だから動画の彼女たちは、ぶれる背景とノイズの中で踊っている。そこがどこなのか、実はよくわからない。

 MADだから曲が別の文脈に変化してもいいじゃないか、とは言えばそうなのです。ただ意訳された歌詞はそういうわけで、バックの音楽から乖離してしまってます。そこが気になった。

 また、言葉で「今の方がずっと楽しいの」と言ってしまうと、それを背負ってしまうことになる。多くの場合、そういうメッセージは動画に託して、具体的な言葉にはしないものです。なぜって背負ってしまったらしんどいですからね。そういう愚直さというのは、80'sのパロディ文化や90's以降のサンプリング文化とは異なるもので、ぶっちゃけ60'sのセンスです。原曲はだから、ブルーステイストなわけです。すなわち、MADだからいいじゃない、というよりも、サンプリング文化の賜物であるMADとしては違和感があるなあ、という。

 恐らくは、歌詞字幕の読みにくさも含めて、これはMADに違いはなくて、深い意味はないんだと思います。試合が終わった後にフィールドに拾い忘れたボールがあったんで、それを思い切り蹴ってみた、って感じです。どこへ飛んでいくかは知らない。


追記:哀れな小羊Pのあれと、焼き肉Pのあれを比較対象として挙げてもいいのかなと思いました。ここでもあちらでもない、どこかにいるアイドルという意味で。