今期は、いろんな動画があったね、という20選になるかと思ってましたが、まあ70も候補が出てくると、3つに2つは入らないってことになるわけで、結局は、そういう20選は他の人に任そう、となりました(^^;)。最終的には、いつも通りの選び方になっていると思います。2つ並べて、他の人に選んでもらえそうな動画はどっちだろう、みたいな。でも、再生数的に高い動画も今回は入れました。コミュニティ的に狭くなってきてるので、ちょっとしたきっかけで流れに乗ると、いきなり伸びたりし易くなっていると思います。その分、空気を読まない動画は徹底的に伸びないとも言えますが。


 UKCkaeruP。まずサムネがいい。そして中身も、数あるUKCPの作の中でもとびきり独特。今期、同Pの気になる動画は幾つかあるが、どれか1つと言ったらこれになった。ストーンズだし。カート・ヴォネガット・Jrの小説とストーンズの「悪魔を憐れむ歌」にインスパイアされて、両者をごちゃ混ぜにしたような始まり方から、やがて似て非なる何かに収束していくに従ってロックンロールってのはこういうものだよな、という感慨と、それにしても全くスポイルされずに輝き続ける雪歩の存在感にやられる。「お前はそんな世界がいいのか バカな奴だな」。これに尽きる。



 武蔵浦和P。上とは趣旨の全く異なるシンプルな動画だけど、行き着くところは同じだから不思議だ。なんでこう、シンプルなギターリフと、モノトーンの背景に対峙する雪歩というのはこんなに強く見えるのだろう。



 ナンジャラP。再びストーンズにして雪歩とロックンロールその3。ストーンズ全盛期を切り取ったライブ盤「Love You Live」の音源より代表曲とも言える「Brown Sugar」。タイトルといい、内容といい、雪歩とはまるで合わないはずなのに、何故こんなにも活き活きとしてるのだろう(^^;)。ステージの雪歩さんには魔性が宿りますね。「ブランシュガー!」のところで毎回雪歩が腕を突き上げるんですが、「ガー!」に合わせるんじゃなくて、その後の4拍目の裏に合わせてあるんです。「ガー!」はお腹に力が入ってる時で、その力を腕まで伝えて、それから突き出す。そういうタイミングなので実際に自分でやってみても、それが自然なんですよ。わかってるなあと思う。



 投稿者名が常時変化してますけど、さっき見たときは「マミさんの搾乳ならちょっと見たい」氏でした。さん付けなので、巴マミさんの方でしょう。以前は投稿動画欄を公開してくれてたので、新作出れば名前変わってもわかりましたけど、今はもう非公開なので、現状どんな感じなのかわかんないですね。これはかなり重い動画なので軽量版もありますが、投コメやギミック的にこちらの方が本気なので。中身は えこフォントを使用したフラッシュアニメの動画で、ひたすらカラフル。止めても動きます。曲はビーマニIIDXより。



 酋長P。今回の20選の基準として、発想の驚きとか、技術とか完成度よりも、とにかく見て聞いて気持ちのいいもの、というものがありまして、それでも軽く候補が50超えて困りましたが。この動画は技術よりも発想というかほとんど1発ネタと言っても良いものですが。にも関わらず最後まで残ったのは、ネタ以前に、ふざけたBGMに合わせて揺れる貴音のロケットが見てて気持ちよかったからです。あと、ラストの貴音さんの手がバルカン星人式の挨拶なのですが、そういう筋の人なんでしょうか。



 fsgkP。ノベマスだったり音系だったりといろんな動画を上げている、一言で言えば得体の知れないPさんです。これは反復カットで押す動画。アイマス2発売前は、限られた素材を使い回す関係で、こういうカットと反復に特化したミニマルな手法のPVが割と多く作られました。その中には有名なPの動画もありますけれど、最終的に自分が気に入ったのはどれかってことで、何度も見比べた末に残したのがこれ。今回の選考中に最も見た動画でもある。



 ネギリボンP二周年記念作。可愛らしい亜美動画ですが、いろいろ強烈なインパクトを残すカットがあって忘れられない。アルパカとカピパラは似ている。

 こことか。"十数年"を表現し得るDLCも凄いが、中身同じなのでシュールとしかw。
mp1

 「迎えに来てねMyPrince」。それはプリンだ!と全力で突っ込まずにいられないこのカットとか。
mp2

 他にもいろいろてんこ盛りで、何度見ても楽しい。



 ぐっさんPが突然作り上げた最高に可愛い律っちゃん動画。「クレヨンしんちゃん」OP、B.B.クイーンズ。声が完璧。ダンスもどんぴしゃり。歌詞もじっくり読むと、切なくなってくる。声質で律子だったんだろうか。



 tarezo氏。可愛いサムネイラストもあって、それなりに伸びたようで。スクエアプッシャーかジャコパスかという、ドラムンベース風のトラックに絡む変態なベースラインが堪りません。大音量で聞かないと、どんだけ凄いことやってんのかよくわからんのが寂しいところ。



 poolPがダンスPV、ということ自体珍しいですが、そこは一筋縄ではいかなくて、マッシュアップ先のMAD CAPSULE MARKETのライブ映像と2雪歩のHHBとの混在という荒業をやってのけてます。曲の暴力的なエネルギーとその粗さが良い意味で突き抜けていて、HHBってこのくらいの音圧に耐えられるだけのエネルギー持ってるよなあと、納得するのです。



 (^w^)氏。これが処女作とのことですが、恐ろしくカットインのタイミングと絵作りがうまいので、とてもシロウトと思えません。が、ジュピターvs765プロ、というスタイルの動画自体、ニコマスでは珍しいですから、そういうところはベテランのニコマスPの別垢という感じではないなと思えます。投コメからも、「ないから作った」的な動機のようですし。動画の凄さは見れば伝わると思うけれど、そういう意味では孤軍奮闘だけどがんばれ、とは言い難いですね。ともあれ処女作にして「 シンクロ率765%」タグは伊達じゃないです。



  IKEPONGP(仮)。ニコマス3つ目のドアーズ。ホイホイされざるを得ません。それだけなら20選には残りませんが、この曲の美しさと貴音さんの魅力が合わさって最強に見えるのだから、仕方がないのです。よくぞこの曲で合わせてくれたと。



 kiiro_sponge氏。SP素材とは珍しい、と思ったら、少しだけ2貴音も出てきます。そして空には"地球"。2貴音さんの特殊な設定を思うに、もう1人の貴音さんから2貴音さんへの時空を超えたメッセージなのかな、とか思ったりしますがわかりません。曲はロシアの古い唄だそうで、ボサカサ民族音楽祭参加動画の中の、数少ない本物の民族音楽に属するもの。エスニックと言われてロシアが浮かぶというのは、わかる人にはわかるけれど、ニコマスにおいては非凡でしょう。



 しょじょんP。Sufjan Stevensとか、ホイホイされざるを得ません。歌詞の内容は知らないんですけどね。しなやかに踊る千早さんから、まるで人生の最も激しい時代を駆け抜けた後の、最小限の表現で多くを伝える術を心得たかのような深みを感じるのです。絵的にはダンスが繋がってなかったりするんですが、そんな唐突さも含め、曲調の不穏さと呼応してそうなるのかも知れなくて、不足は感じません。

 2:41からのこのカット。全体には笑顔の方が多いのだけど、要所のこういう表情が凄い。
sufj



 一一P。13分超のピアノ小品メドレー。メドレーと言っても、1曲目の変奏曲が次々続いていくと思っても大差ないような雰囲気で、全体で1つの流れになっています。ミニマルミュージックなら、こういう曲もありそうですが、これロックバンドのアルバム中の曲ですからね、大胆です。インストだけど、曲の切れ目はその都度動画にテロップが出るのでわかります。で、恐ろしいのは、それを律っちゃんソロでずっと躍らせていること。踊るというよりは、もはや空気を掴むような動きを見せています。それでいてラストまで緊張感は持続する。旋律の瞬間的な躍動も、大きな波も余すところなく捉えられています。ダンスシンクロの極北と言える動画がここに1つ生まれたのだと思うし、律子だからそれができるんだろうなと。最後の1音が終わった時、ステージに1人立つ彼女を前にして、野外ステージのなんと小さく見えることか。



 薩摩伝豆P。ネタ☆MAD4rdについては、今でも「4thの間違いでしょ」というツッコミが入りますが、4rdはネタなので。でも何の説明もなければ、突っ込まれても仕方ないとは思う。それはともかく、2春香さんのVi服は赤トンボ、言われてみると確かに。で、これは出オチに見えますし、作者も狙って作ったかどうかはわからないけれど、後半のシンクロが、凄い。綺麗にはまっててうまい、というシンクロは職人芸だが、世の中には、ピタリとはまった瞬間におおっ!と叫びたくなるシンクロというものがあるわけで、私はそういうのが大好きです。



 harry.P。LMGを暗い冒頭から始めずに、明るいところから綺麗に初めて、的確にAメロBメロをシンクロさせて、難しいサビをカット構成の妙でごく自然に乗り切ってる、特に凄いと思わせずにそれができてる凄さ。4分近くLMGのみでテンションが維持されてるのには感嘆します。歌詞の内容は自分の方が彼女としてふさわしいのに気付いてくれない、というひねくれたものなのですが、そういう内面を感じさせないしなやかな歌メロと伊織の勝気な表情がピタリと合ってる。今期のベストというか、心底唸らされた動画の1つ。



 hikaruP。鋭利なギター・カッティングと共に真が空間に溶け出していくような。今期のhikaruPは素材の扱いがかっこよくなるに連れて、肉体としての真から魂が抽出されて動画そのものに同化していくような、凄い表現を行ってきた。3Dだとかポリゴンだとかの言説は、最早意味が薄れて、主題が真、作品が真というか。そして3:50の紙テープのインパクト。



 艦長P。今回の20選も有名な動画をゴリゴリと削り落としたけれど。掛け値なしで自分が1番パワーをもらった(時勢的な意味も含めて)動画はどれか考えに考えたところ、これだったので、残した。



 ちなみに2番目がこれ。crna ruka氏のマッシュアップ動画なのだが、実質的には貴音ノーマルPVの「MEGARE!」の破壊力がものを言う代物。「MEGARE!」という新しい曲をスローにして、別の方向性を与えることによって、貴音的な凄みというものが存分に発揮されている。2発売直後の動画だけに、大富社長が多数コメントに参加してるのが時勢を思わせます。