「いつになったら飛べるのか」--。アイスランドの火山噴火の影響で欧州に飛ぶ日本発着便も航路が断たれて、19日で5日目を迎えた。空港で足止めされベンチなどで寝泊まりしながら運航再開を待つ外国人が徐々に増え、同日朝、成田国際空港で約100人、関西国際空港でも40~50人が朝を迎えた。成田だけでもこの日、出発、到着合わせて運航を取りやめたのは44便。旅行者の疲れといら立ちが目立つ。

 午前5時前の成田国際空港出国ロビー。ベンチや床に横になった旅行客のそばでは、帰国便を確保しようとパソコンや携帯電話を使って必死に情報を求める人も。係員が来る前からチェックインカウンターには運航状況を問い合わせようとする乗客の長い列ができていた。

 午前5時になり、ロビーは一斉に照明が点灯し、ほとんどの人が眠そうに目をこすっていた。

 気象条件による欠航では原則として航空会社は宿泊提供義務を負わない。乗客の中には周辺のホテルに自費で宿泊している人もいるが、格安旅行の旅行客には想定外の出費になる。

 フランスから1週間の予定で京都や広島を観光に訪れた電子部品販売会社員、ボリス・ソロミックさん(24)は搭乗予定だったエールフランスのパリ行きが飛ばず、17日からロビーに滞在。「アジア、中東経由での帰国も考えたが、運賃が高すぎる。予約できたのは30日のフライト。安く宿泊できる方法がないかフランス大使館に相談してみる」と途方に暮れた様子。「非常にストレスを感じる。ヨーロッパの空港で簡易ベッドや軽食が用意されたというニュースも目にした。対応が全然違う」と不満を訴えた。

 2週間の休暇を日本で過ごし、リヒテンシュタインへ帰国するためにルフトハンザドイツ航空のミュンヘン行きの搭乗を待つ高校教諭のピーター・ブッシェルさん(44)は、19日が新学期の初日だった。「とりあえずメールで勤務先に状況を伝えた。航空会社に聞いても『再開のめどは分からない』と繰り返すだけ。日本の桜は素晴らしかったのに、最後にトラブルに巻き込まれて参った」と疲れた表情。「ニュースを見たり、航空会社のサイトを見るためにインターネットを使いたいのだが、空港のパソコンは料金が高いので困る」と話した。

 ◇関空では40~50人

 一方、関西国際空港の旅客ターミナルビル。大阪府警関西空港署によると、寝泊まりする外国人観光客は普段、20人程度だが、ここ数日は40~50人程度と倍以上に。行き先も通常は便数が多いアジア方面ばかりだが、イギリス、フランス、イタリアなどへ帰国する人の足止めが多いという。

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