原子力発電所の解体によって放射性廃棄物となるコンクリートの量を約100分の1に減らす技術を、大手ゼネコンの清水建設が世界で初めて開発した。コンクリート中の放射性物質だけを取り出す手法で、埋め立てスペースや管理コストを大幅に節約できる。

 原子炉を格納するコンクリート製の建屋は、運転中に炉から出る中性子を受けて放射能を帯び、解体時は放射性廃棄物となる。その量は、出力110万キロワットの大型原発の場合2000立方メートル、4000トン。現状ではそのまま埋め立て、厳重に管理するしかない。

 同社は、コンクリート中の砂利などに含まれるコバルトやユーロピウムなど、一部の金属成分だけが放射能を帯びることに着目。解体後のコンクリートを8ミリ大に砕いて高温の硝酸に24時間浸し、これらを溶かして分離する技術を開発した。この結果、1トンの放射性コンクリートのうち、放射性廃棄物として処理が必要なものは7・4キロと100分の1以下に抑えられた。

 残ったコンクリートは一般の産業廃棄物として処理したり、建材として再利用もできるという。実際の解体原発を用いた試験はこれからで、安全規制面で問題がないか検証を受ける必要がある。

 世界の原発は70年代に建設ラッシュを迎えた。当初寿命は30~40年とされ、96基が現在解体中。日本でも54基中9基が5年以内に運転開始40年を迎え、近い将来、大量解体時期を迎える。既に日本原電東海(茨城県)が解体中のほか、3基が解体準備中だ。同社は「埋設処分場を大幅に減らし、処分費の削減にもなる方法として実用化を急ぎたい」と話す。【山田大輔】

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