鳩山由紀夫首相は29日午後、衆参両院本会議で施政方針演説を行った。「いのち」を全体を貫くテーマとし、10年度予算案を「いのちを守る予算」と命名。「メリハリのついた予算編成ができたのは政権交代の成果」と強調した。米軍普天間飛行場(沖縄県)移設問題では「5月末までに具体的な移設先を決定する」と改めて約束。普天間を巡る日米関係冷え込みへの懸念からか、外交では米国への配慮を強くにじませ、日米安全保障条約改定50周年を機に「重層的な同盟関係へ深化・発展させる」と宣言する。

 首相は演説を「いのちを、守りたい。いのちを守りたいと願うのです」と異例のフレーズで始め、「いのち」を24回も盛り込んだ。

 理念を重視し、マハトマ・ガンジーが唱えた「理念なき政治」「道徳なき商業」など「七つの社会的大罪」が「今の日本と世界が抱える諸問題を鋭く言い当てている」と指摘。「経済のしもべとして人間が存在するのではなく、人間の幸福を実現する経済をつくり上げるのがこの内閣の使命だ」と表明した。

 10年度予算案には、子ども手当の創設や診療報酬のプラス改定を盛り込み、「いのちを守る予算」を実現したと説明。景気の「二番底」を回避するため「切れ目ない景気対策を実行する」と強調。雇用の確保は「緊急の課題」とし、環境・エネルギー、医療・介護・健康などの分野の成長を促し、新たな雇用創出を図るとする。一方、市民やNPOの活動を「新しい公共」と位置付ける。

 財政健全化策として、今年前半に複数年度の財政指針となる中期財政フレームや財政運営戦略の策定を掲げる。特別会計の整理統合も含めた「事業仕分け第2弾」の実施のほか、中央省庁再編を「本年夏以降、私が主導して抜本的な見直しに着手する」と表明する。

 日米関係では、昨年10月の所信表明演説で強調した「対等な日米関係」に言及しない一方、持論の「東アジア共同体」実現の前提として「揺るぎない日米同盟は欠くことができない」と断言。普天間問題では「5月末までに移設先を決定する」と述べる。

 自らの偽装献金問題では「国民の皆さまに多大のご迷惑とご心配をおかけした」と改めて陳謝。民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体を巡る問題には触れない。【横田愛】

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