とある断熱屋のブログ

複雑に入り組んだ現代社会に鋭いメスを入れ、 様々な謎や疑問を徹底的に究明したりはしませんが、 断熱材の施工屋さんですので その分野に関しては独自視点で色々斬っていこうと思います!

前回の【脱24時間換気】の記事(http://blog.livedoor.jp/z_toyama/archives/77606374.html)がそこそこ好評ですので追加というより補足説明をさせていただきます。

まず最初にはっきりとさせておきますが、私がこの場で幾度か取り上げている、『住宅がアレルギーの原因となる』、ということに対しては未だ仮説段階であり確証の取れたことではありませんし、アレルギーの発症経路は多種多様であり、それこそ個人によって変わってくるものであります。国民病と言われる花粉症の対策としては多方面から攻めていく必要があるでしょう。とはいえ住宅が与える影響は決して少なくなく、むしろ国民病と呼ばれるまでにアレルギーが拡大した大きな要因の一つが住宅に、特に幼少期における住環境にこそあるのだと考えております。そこでまず住宅が、もしくは防湿型断熱+24時間換気がと言い換えてもよいのですが、それが及ぼす影響を今一度簡単にまとめてみようと思います。

1)断熱効率
まずもって一番最初に私が24時間換気について疑問に思ったところから話を始めたいと思います。
私は断熱屋さんですので仕事についた当初から断熱のことについて色々と勉強しておりました。そこでどうしても納得行かなかったのが気密と24時間換気についてのことについてです。

学び始めてすぐに「隙間があるとそこから熱が逃げる、だから気密をしなくてはいけないのだ!」ということで気密層の必要性を言われたのですが、その直後に「換気のために穴を開けて24時間空気を流しましょう!」と24時間換気の事について書かれておりました。その当時から「神経質なほどに気密をしっかりとして隙間を無くしたのに、わざわざ穴を開けて空気を流すの?」ということで混乱した覚えがあります。

当時色々と書物やネットも駆使して調べましたが、私の探し方が足りなかったのか調べ方が悪かったのかこれについての明確な答えが載っているものはなく、本島に単純なこの矛盾についての解明だけで結構な時間を取られました。

こんなところでもったいぶっていては以降のことがぼやけてしまうので先のこの矛盾の答えを書いてしまいますが、結局は気密層の果たす役割は断熱のためというのが嘘ではないもののほとんど言い逃れに近く、気密層の主目的はむしろ壁の中に湿気を入れないという「防湿層」としての機能こそにあるということで、「24時間換気」もホルムアルデヒドを主とした有害物質の排出と共に湿気の排出も行っている、といういちばん大事なところをぼやかして後付で説明文をこしらえたからこそ、一見矛盾しているようなわかりにくいものになっていたのです。
詳しい説明はこの後を読んでいただきますが、どうも種々の本ではよっぽど湿気のことに触れてほしくないのか上記の本質に触れないで気密、防湿、24時間換気を書いているのでものすごくわかりにくい説明になっております。曲がりなりにも確立されたやり方であるので、自信があるのであればしっかりと湿度という観点から書いてしまえばわかりやすいかと思いますが、なぜかされておられませんね。


なのでここではまず一番最初になんで24時間換気が必要になったのかもう一度おさらいします。少々冗長な話となりますが、ここがある意味一番重要なところですのでしばらくお付き合いください。

24時間換気ができるまで(図)
上の表にもまとめましたが、そもそもの経緯を説明するためには1973年のオイルショックから説明をしていかなくてはいけません。
まずはオイルショックにより、世界は資源が有限であることを知り、そこまで湯水のごとく用いていたエネルギーを大事に使う必要があるということに気が付きました。本邦の建築界においても断熱材を使わなくてはいけない、ということに気が付き、この頃から住宅の壁の中に施工されるようになってきました。
ですが当初は「ナミダダケ事件」に代表されるように壁体内結露という問題があり、これをなんとかしなくては行けないということで早急に色々と暗中模索しながらこの壁体内結露を防ぐ手段が考えられ、そこから「壁体内に湿気を入れなければ壁体内結露はしない」という考えで防湿層と後に呼ばれるようになる、室内の壁面にビニールを貼る工法が確立されてゆきました。折しも「高気密高断熱」という考え方が導入された頃であり、それに乗じてこの防湿層を「気密層」と言い直し、気密化にすれば断熱効率が上がり、省エネに結びつくし、暖かい家を作れる。暖かい家を作るためには気密は必須だ!というふうに喧伝されて気密化という名の防湿層の施工が徹底されるようになりました。

少々脱線しますが、ここが重要な分岐点ですのでちょっと口を挟んでおきましょう。透湿防水シートもまだない当時では撮り得た手段はほぼほぼこの方法だけだったとは思いますので、こういった技術の開発をされた方への尊敬の念は大きいです。ですが、現代に於いては色々新しい技術もでてきております。後ほど述べますが、この地点に戻って一度根本から見直しをするべきときに来ているのではないでしょうか?

話を戻します。「防湿層」と呼ばれるビニールを貼った結果どうなったのかといいますと、ホルムアルデヒドを代表とする有害物質が屋内に籠もってしまい、それが故に体調不良を引き起こしたりする、いわゆる「シックハウス症候群」を引き起こしました。事が起きてしまった後でとやかくいうのはフェアではないかもしれませんが、それでも言わせて下さい。あたかも全くの不意を突かれたような書き方をしておりますが、よくよく考えたらこれは当然すぎる結果ですね。
新建材として有害物質が発生するものを多用し、その上で「気密化」と称して室内側にビニールを張り、それら有害物質が外に出ないようにしてしまった。この為に有害物質の逃げ場がなくなり充満してしまった。
なんの不思議もない当然の帰結です。
ここで何故こうなってしまったのか考えて「防湿層」という名でビニールを貼ってしまったことについて何らかの疑問を持って防湿層以外の方法も検討すれば良かったのですが、国として取った方法は異なりました。

それが24時間換気です。シックハウスとなる直接的な原因はホルムアルデヒド等の有害物質が屋内に充満し体調不良を起こさせる原因となっているので、これを吐き出すために24時間換気扇を回す事とし、シックハウスの重大性が高いと見た政府はこれを義務化とすることにしました。

その当時のすでに建てたシックハウスに住まわざるを得なかった方、またそういった家を設計中だった方、シックハウスで喫緊に悩みを抱えていた方々にとっては早急な対策が必要でしたので、早期に対策が取られたこと、そして潜在的な機器からの脱出には大変有効であり私も高く評価致します。
ですが、そもそもシックハウスを生んでしまったのが防湿層としてビニールを貼ってしまったことであり、24時間換気はあくまで応急処置であること、そして潜在的な危険性がある以上はその根本的原因について考えて対策を練って行く必要があるのではないでしょうか?

その対策というのが我々が提唱している「透湿型断熱」であり、後ほどじっくりと解説もしてゆきます。その前にまずは当初にあげた断熱効率について見てゆきましょう。ここまで見てきました過程を逆に辿ってもらっても分かるように、24時間換気は本来省エネのために断熱材を施工する、というところから出発してはいるのです。「断熱効率」という視点のみから見れば、防湿層=気密層としてビニールを貼って隙間を塞いで密閉した、という所まではギリギリ納得できますが、24時間換気のためということで多くの穴を開けるというのは単純に考えて、何故?と思いませんでしょうか?

開ける必要性があるのであればそれは良いのです。ですがその分断熱効率が落ちるということも通達し、基礎的な問題点であるということをしっかりと周知させる必要があるのではないでしょうか?勿論建築に関わる人の間では暗黙の了解という形で理解はされておりますが、その割にはその点を指摘している書籍はほぼ皆無ですのでここでわざわざ取り上げております。
現に第一種換気の製品では熱交換を行うものもあり、そういう面では認知されているものの、一般ユーザーレベルでは認知度が低いというのが現状ではないかと思います。


ですのでここで一度実際に24時間換気で現在多数を占める第3種換気の外壁を見てみましょう。
3種換気外壁
ちょっとぶらぶら歩いて新築の建物の外壁を見てみたらわかりますが、24時間換気で要求される換気量を確保するためには、ものすごくたくさん換気口を開ける必要があります。方角にもよりますが、壁一面に換気口がつけられている場合も決して少なくないです。
一応気密性(C値)の測定の際にはこれら換気口を全部塞いだ上で測定するため、測定数値上ではほとんど隙間がなくて断熱ロスのないような値が出ます。ですが実際に住まいする際の事を考えてください。測定の際には塞がれてしまっていて数値としては出てこなかったけども、換気口が増える毎にそこから熱が漏れ断熱ロスをおこしております。測定数値上では出てこないのですが、実際にはこれら換気口の多寡が大いに断熱効率に関わってきます。

そもそも4時間換気とは1時間に0.5回、つまり2時間で1回室内の空気が入れ替わるわけですが、その時にせっかく温めた熱も同時に捨ててしまうことになります。

つまり、名目上とはいえビニールを貼り気密性をあげて断熱効率追求しましたというところにわざわざ穴を開けて強制的に換気させているわけです。断熱に限って見るのであれば決して効率的とは言えません。より効率性を求めるのであれば、コストが掛かりますが第1種換気による熱交換柄のシステムの検討を行うしかないでしょう。

よろしいでしょうか?ただの名目上に過ぎないかもしれませんが、それでもあくまで名目上は断熱効率化のために行ったことが回り回って断熱非効率化に繋がっているのです。例えて言うなら、一つの病気に対抗するために飲んだ薬の副作用があるのでその副作用を治す薬も一緒に飲むようにしたら更にその薬の副作用が出たのでそれを抑える別の薬も飲んだら一番初めの薬の薬効が落ちた、という今どき漫才のネタにもならないようなおかしな話なのです。

24時間換気を義務化するのはまぁ良いです。今更これを白紙撤回するということは相当難しいと思いますので、そこまでは言いません。現在主流である防湿型断熱ではこれがないとシックハウスになることもあり義務化という枷をつけてまでやらせたがることへの理解もあります。たとえそれが国としての責任回避のためだとしてもです。ですが、制定された当時と比べ現在は色々と変更点が出てきているのも事実です。そこを踏まえた上で改めて基準の見直し、そして現代の実情、更にはその先も見据えた柔軟な対応を取れるような制度となるようなものに変更してもらいたいと考えております。
より具体的に言えば、現在施行中の24時間換気義務化は当時実質的にデファクトスタンダードであった防湿型断熱を元に基準が設定されております。我々が提唱し実践している透湿型断熱に於いてはまず根本からして防湿型断熱とは異なっております。それを防湿型断熱と同じ基準で縛り付けるのはいかがなものでしょうか?
また、表にありながらここまで触れておりませんでしたが、24時間換気によってもたらされる弊害として屋内の過乾燥化、そしてそこから始まるアレルギーの諸症状、国民病と呼ばれる花粉症もそこに含まれますが、そういったことを引き起こしているという可能性が高くなってきました。
24時間換気が次の世代にまで続く悲劇の連鎖の起点となっているかもしれないのです。今ここで行動を起こさなければ我々の次の世代に大きな負の遺産を残してしまうかもしれないのです。


2)過乾燥
さて「過乾燥」がどうしてそこまで問題になって来るのでしょう?
24時間換気が義務化として定めている基準は「1時間に0.5回空気を入れ替える」というものです。この基準がどのように決められたのか正確なところは知る由はありませんが法令上で言及している、
「一年を通じて、当該居室内の人が通常活動することが想定される空間のホルムアルデヒドの量を空気一立方メートルにつきおおむね〇・一ミリグラム以下に保つことができる」
量が「1時間に0.5回空気を入れ替える」というところだったのでしょう。おそらくは多めにマージンを取ったものであるとは思われますが、法制定当時の喫緊のシックハウス対策としてはそれでよかったのだと思います。

ですが、「1時間に0.5回空気を入れ替える」事によりホルムアルデヒドの量だけでなく室内の湿度も下げることとなりました。それが狙ってのことか狙わずになってしまったのかは分かりませんが、このあとに述べるダンプネス(じめじめさ)も下げることとなりました。ダンプネスが高い状態(=じめじめとした状態)では用意にカビが発生し、ひいては健康にも悪影響をおよぼすのでむしろいい影響だと思われるかもしれません。実際、夏や梅雨の時期に於いては有効であるとも言えるでしょう。ですがこれが冬の時期ではどうでしょうか?冬の時期、私の住む北陸地方ではそこまで湿度も下がりませんが、太平洋側では湿度10~30%ということが珍しくありません。そんな乾いた空気が1時間に0.5回入ってきたら、室内湿度もあっという間に40%を切る方向に進んでしまいます。これが過乾燥と言われる状態となります。

ご存知のように人が暮らす上で湿度は40~60%が良いと言われておりますが、それ以上ではじめじめとしてカビが発生、それ以下では乾燥して器官がやられてしまうそうです。本来冬に乾燥する太平洋地域であっても屋内であれば風呂や調理や暖房器具、もしくは呼気や汗など人体そのものから出る水蒸気でそこまで湿度が落ちることなく暮らせるのですが、24時間換気によってそれらの水蒸気による人体バリアというものが失われてしまいます。
また、以前にも書かせていただきましたが肌が乾燥することにより、肌からアレルギー物質を認識させてしまう「経皮感作」の一因ともなります。それこそが国民病と言われる花粉症、そこから関連して進行してしまう、アトピー、食物アレルギー、喘息と言った諸症状の原因であろうという仮説を現在立てております。
読んでいる方の中には、「そうは言っても自分にはそんな症状が出ていない」と言われる方もいるでしょう。もちろんそういうこともあります。過乾燥が与える影響は個人差もありそれがために直接的に原因を追求することが難しいのです。

ですが、確実に言えるのは体の表面積が小さいほど相対的に外的な環境の影響が大きくでてしまう、つまり赤ちゃんや幼年期の子供にとってこそ過乾燥というのが大きな影響を与えてしまうと言えるのです。
アレルギーマーチと言って、幼年期の食物アレルギーに始まり、アトピー、喘息や花粉症とアレルギー性疾患が年令とともに進んでいく症状が数多く報告されているのですが、近年この対策として新生児への保湿剤の塗布がかなり効果的であるとして話題を集めました。しかも日本と英米のグループから同時に報告がなされ注目を集めております。《大矢氏らの研究(J Allergy Clin Immunol. 2014; 134: 824-830)、英国のSimpsonらによる研究(J Allergy Clin Immunol. 2014; 134: 818-823)》

国立成育医療研究センターの大矢幸弘氏によると「表皮バリアの障害に始まる皮膚へのアレルゲン曝露(経皮感作)が食物アレルギーやAD(アトピー性皮膚炎)の悪化につながると考えられるようになってきている」とのことであり、これは裏を返せば過乾燥によってアレルギーマーチの一番最初の引き金が引かれているものと考えることが出来ます。

よろしいでしょうか?小難しく書いておりますが、要は「特に赤ちゃんの頃に過乾燥な環境にいることがアレルギーの原因になる」ということであり、その過乾燥の状態を作っているのは24時間換気なのではないか、という疑問を投げかけているのです。
もっと直接的に「アレルギーを生み出す一因が24時間換気なのではないか?」といったほうがわかりやすいでしょうか?

これらの真相の究明にはもちろん医学面からのアプローチが必要ですが、では我々建築に携わるものは医学面に全くの丸投げで良いのでしょうか?自らの関わる分野こそが原因となってしまっているかもしれないのに、それを他所様に全部任せきってしまう、それで本当に良いのですか?
少々汚い言葉遣いになりますが、「てめぇのケツはてめぇで拭け」というのがこの業界での基本姿勢だったはず。少なくとも私は現場に立つ際の基本姿勢としてそう言われて来ましたし、別の職種ではありましたが社会人となる際にもそれが基本であると教わってきました。同時に一人で抱え込むには大きすぎる場合速やかに多くの仲間の力を借りるようにも言われましたが、それでも端っから他所様に責任を丸投げというのはいただけないものであると思っています。

さて、もう一度振り返って見ていかがでしょう?少なくとも24時間換気によって何らかの不都合があるかもしれない、ぐらいには思っていただけましたか?私個人としては、この過乾燥のことだけでも少なくとも疑ってみるには十分であると思っておりますが、ダンプネスという問題も絡んできます。その説明に入る前に一度法令基準についても見てみましょう。

3)法令
24時間換気とはその名の通り24時間ずっと換気扇が動いて換気をし続けているわけなのですが、これにより室内の空気は1時間に0.5回(=2時間に1回)交換されるわけです。
この基準値というものは品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)で定められているのですが、直接的に「(何らかの化学物質)の値が(一定の基準)以下であればいい」と定められたものではなく、あくまで「室内の空気を1時間に0.5回(=2時間に1回)交換しなさい」というものです。

一応補足として20条の9に「一年を通じて、当該居室内の人が通常活動することが想定される空間のホルムアルデヒドの量を空気一立方メートルにつきおおむね〇・一ミリグラム以下に保つことができるもの」であれば例外として認めます、とは書かれていますが、
1)上記の数値をクリアした上で、
2)「国土交通大臣の認定を受けた居室
であれば初めて例外として認めるという事になっております。つまり、実際には国土交通大臣の認定というものを取らねばならず、こちらのほうが相当高いハードルになっております。

つまり、どれだけ科学的に室内のホルムアルデヒド濃度が十分に低い濃度であることを証明したとしても認定を受けなければ1時間に0.5回の24時間強制換気が必要だという話になります。
数値さえクリアすればいい、という無条件の認可には確かに色々と問題がでてくる可能性を否定できませんが、ここの部分はだいぶ緩和されてもいいのではないでしょうか?

昨今では少しずつではありますが一応、光触媒で有害物質を分解させるような塗料などで若干時間あたりの換気回数の緩和(1時間に0.3~0.4回)という形でならば認定を取れるものも出てきているようです。ただし、一足飛びに脱24時間換気をしようとしたWB工法の㈱ウッドビルドさんは、換気不要だと証明するために3年4ヶ月という時間と多大なコストを掛けて実際に24時間換気不要の認可を受けました。にもかかわらず、通った直後に法改正(20条の7から20条の9へ変更)をされ、わずか1年後には実質的な認定取り消しとなってしまいました。

これらを踏まえた上で我々がひとまず目指すのは、最終的には「自然換気+風呂やトイレ等での局所換気で十分」という方向ではあるものの、現実的には換気回数の緩和というところから狙っていくべきなのかもしれません。

段階的な緩和を目指し、その間に現状の防湿型断熱+24時間強制換気では不都合な面があるということを訴え、周囲の認知と世論を形成していくのが良いのではないかと思われます。

では具体的に24時間換気のなにが不都合なのでしょうか?先に上げた断熱効率、そして過乾燥に加えもう一つ取り上げたいのが次に上げる「ダンプネス」です。


4)ダンプネス
先に書いたとおり、24時間換気は防湿型断熱に合う形で、というよりは防湿型断熱の補完をするものとして出来たと言ったほうが良いものです。この辺の説明とそれに伴う問題点から説明させていただきます。
別の記事でも書いてたのでそちらも見てもらえばよいのですが、じめじめとしてカビなどが生えやすくなる状態を「ダンプネス」といい、昨今では住宅内でこういったダンプネスが生じてしまうとそこで発生したカビが住人の健康に害を及ぼし、アレルギーを引き起こすということが言われております。
そしてこういったダンプネスを生み出してしまうことこそが防湿型断熱の欠点とも言えるでしょう。

少々説明を加えます。
防湿型断熱

まず「防湿型断熱」とは壁体内結露を防ぐために壁面の室内側に気密層と言う名のビニールを貼っております。この場合、室内で発生した有害物資や水蒸気は基本的に逃げ場がないため、換気設備がない場合もしくはその換気能力が弱い場合はダンプネスの原因となり、結露を引き起こしてそこに生えたカビがシックハウスの原因となったりするわけです。
防湿24時間

ですのでこの場合1時間に0.5回の換気を24時間ずっと続ける必要性があるとされております。この防湿型断熱に於いては24時間換気というのはむしろ必須であるため義務化もやむなし、と言えるでしょう。たとえその原因が「室内にビニールを貼って逃げ場がないような家を作ってしまった」ということに起因するとしても、たとえそれが傍目から見てみてどれだけマッチポンプに見えても、です。そしてこの24時間換気により過乾燥を引き起こした場合、それがアレルギーマーチのトリガーとなる可能性が高いとの仮説を立てております。

一般的に24時間換気はシックハウス対策として内部発生する有害物質への対策として打ち出され義務化までされましたが、むしろ現在は防湿型断熱の際の湿気対策として必須なものであると言えます。この湿気対策(ダンプネス対策)に関してのみ言うのであれば、防湿型断熱&24時間換気というシステムがきちんと理想的に動いている限りは問題がないと言えるでしょう。
ですがこれが何らかの不具合が出てきた場合、例えば家具の配置で換気の経路に淀みが出来た、気密層(=防湿層)であるビニールが何らかの原因で破れてしまっていた、換気扇に不具合が生じて設計通りの働きをしなくなったetc…一つ一つはほんの些細なことですが、そんな些細なことでも局地的にシステムが破綻する可能性があるのです。
「局地的であれば影響は少ない」と思われるかもしれませんが、防湿型断熱の性質上むしろ局地的な不具合があればそこに湿気が集中してしまい、結果として大きな被害に繋がっていく可能性が高いのです。
また、そういった不具合が起こった場合でもなんとかしようとする場合、安全マージンとして換気能力を高めにとっておく必要があります。その場合はより過乾燥になりやすい状況になると言えるでしょう。

防湿型断熱では多くの場合、壁の中に湿気が入ることを想定して施工されてはおりません。勿論工務店さんによってはそういったことまで想定して施工を行っておられるところもあるでしょう。その区分というのは、それこそ工務店さんの習熟度や断熱等への理解度、それらひっくるめて工務店さんの「腕」次第という話になってきます。
その腕によって、例えば気密層であるビニールの破損があった時、その部分から壁体内に湿気が入り込むと壁体内結露を起こしてしまい、そこの部分でカビが生じることになってしまいます。恐ろしいのは壁体内というブラックボックスの中で人知れず結露が進んでしまい、気がついたときには手遅れでカビ臭くなっており、住人への健康被害が生じたところでやっと気がつく、そのような場合も十分に有り得るのです。
若干話がずれますが、更にもう一つブラックボックス化している危険性を指摘しておきましょう。昨今の24時間換気ではダクト類を用いて各部屋に空気を届けるようなやり方も増えてきました。吸気と排気の両方を機械で行う第1種換気で特に顕著ですが、第3種換気でも一部ありますね。近年ではこのダクト内で結露を生じさせ、そこにカビが発生するという事態が報告されております。排気用のダクト内であればまだ比較的被害は少ないと言えますが、吸気側のダクト内であればこれはわざわざカビの胞子の中をくぐらせて空気を供給していることになりますので本当に危機的なものとなります。勿論こうなってしまえばダクトの交換をするより他ないのですが、聞いたところによると規模にもよりますが数十万円単位でのコストがかかるとか。しかも定期的、大体3年に1回交換しないといけないのでランニングコストは相当高いことになってしまいます。

本当に色々と住宅を複雑化させればさせるだけ、自然というものはそれをあざ笑うかのように色々な不具合が出てきます。
一応補足説明ですが、これらは何が悪いのかと言うと、防湿層と称して室内にビニールを貼り、室内で発生した水蒸気の行き場所が換気扇の排気口からしかないために生じた問題です。勿論排気口も一つだけではなくいくつも設け、且つそれこそ24時間換気でいつでも対処できるようにしているはずですが、それでもなお何らかの不具合が生じた時にあまりにも脆いと言わざるを得ません。先程も書きましたが、トラブルに弱い上にいつどこで不具合が生じたか、また生じているかがわかりにくい事も問題点であると言えるでしょう。


比較対象として我々がここを発信点として主張しております透湿型断熱について述べましょう。原理は本当にシンプルです。
透湿型

透湿型断熱はその名の通り湿気を透過させることによって結露をさせないという断熱工法です。壁全体で湿気を通してしまうので、空気が淀むということはございません。よっぽど特殊な状況にわざわざ持っていかない限りはダンプネスにはならないと言えます。また、防湿層自体貼らないのでその防湿層と言われるビニールの破損もありえません。同様に仮に換気設備の一部に不具合があったとしてもそれによっと起こる不具合は最小限となりますので不具合の発見が遅れたとしても差し迫っての問題点はありません。壁の中がブラックボックス化すること自体はどうやっても避けようがないのですが、防湿型断熱とは異なり「湿気が入ってしまうかもしれない」と恐怖に怯えることはありません。
現在調査中なんでまだはっきりとしたことは言えないのですが、ホルムアルデヒド等の有害物質も透過させているのではないかと見ております。少なくとも現時点で得られている情報からは透過していると思われます。

原理がシンプルだからこそ自然の摂理に逆らわないので不具合も生じにくいと言えるでしょう。
少なくとも、防湿型断熱と透湿型断熱では必要とさせる換気量には差をつけてもいいのではないでしょうか?国が法律で基準を決めるというのであれば、最低でもこれらについてきちんとした調査を行い、なんらかの見解を出すべきであります。勿論我々も民間レベルで調査を進めてゆきますが、問題の大きさから考えるに国レベルで早急に使うべき資金も投じて調べてもらえるのであればそれが一番なんですが・・・

さて今後こうした事態を踏まえれば、結露関係、ダンプネスに関わる事柄で、もしかしたら防湿型断熱の評価が大きく変わってくるかもしれません。
状況次第ですが国が一番恐れている集団訴訟の可能性もありえるでしょう。
それまでに色々な対策がでてくるのかもしれませんし、それでもなお防湿型断熱が評価されているかもしれません。
そこに関しては我々も大いに動いてゆく予定です。一般の方々はその結果が出るまでじっくりと様子を見ていただくのでも構いませんが、もし良ければ今後新築もしくはリフォームを考える際にどんどんこういった疑問についても工務店さんに聞いてみてください。最終的にどんな方式で家を作りたいのか、細部は勿論専門家である工務店さんにやって頂く必要がありますが、大まかな方針を定めるのは施主さん側で決めて行ってよいのです。

今我々がやろうとしていることも同様です。法というくくりがある以上、国側に認めてもらわなくてはいけないのですが、そのためにも世論による動きを作っていかなくてはいけないのです。法律や業界としての見解、そういったものを動かしていくために勿論我々も正規のルートでの働きかけは色々と行っていきますが、それと同時進行もしくは先行しても構いませんが、透湿型断熱についてより多くの方に知っていただき、堅実な評価を得ていくこと。これこそが現在の日本を変えていく大きな動きになれるでしょう。
今はまだ建築業界の極々一部での動きに過ぎませんし、私自身がまだまだ気がついていない問題もあるかと思います。それら諸問題をクリアしながらいずれは大きな動きにつなげてゆくこと。それが私の見ている夢であります。この夢は私一人で見ているうちはただの夢物語に過ぎませんが、多くの人が同時に同じ夢を見るならば、必ずや現実のものとなるでしょう。
そのための色々と細かい理論や考察は順次、このブログなどにて発表して情報発信を進めていきます。そのことがより良いカタチに日本を変えていけると信じております。



























もうすでに見学会が終わってしまったのですが、
先日、北日本新聞の朝刊で弊社が仲良くさせていただいている「ヤマヒデホーム:」さんの広告が載りました。
20192015-1

拙著「断熱で日本を変える」と一部コラボレーションした広告となっております!
もちろんセルロースファイバーで断熱施工済み。
セルロースファイバー断熱を体験できる良い機会でした。
・・・今回は私がこちらに乗せるのが遅れまして実際に見学に行けるのは、また次の機会となってしまいますが(汗)

ま、まぁ同様な機会はまた今後もありますので、次回からは前もって掲載させていただくようにいたします^^;
ちなみにヤマヒデホームさん【㈱山秀木材さん】は元々木材屋さんですので、
まさに木材を知り尽くしている会社さんであり、県産材を主として天然木材をふんだんに用いたお家を建てられておられます。
セルロースファイバーとの相性もとても良く、満足の行く住まいづくりを普段からさせていただいておられます。
是非、一度展示会にお越しくださいませ!