【防音】防音箱で吸音性能を比べてみた【断熱材】
以前から「セルロースファイバーには高い吸音力があるんだ」と言っておりましたが、その一方でそれを明確に示すような実験を提示出来てははおりませんでした。
ざっくりと「50dBぐらいの吸音効果があります」という文字のみであり、前々から良い機会があれば動画で紹介しようと思いつつも伸び伸びとなってしまっており、ずっとそれが引っかかっておりました。
ということで!Youtubeにこちらのものをあげさせていただきました!
1.セルロースファイバー
2.スタイロフォーム
3.グラスウール
と3種類用意させて頂きまして、それぞれで吸音実験を行っております。
以前から構想はあったのですが、騒音計の準備がなかなかできず躊躇していたんです^^;
それが昨今ではスマホアプリで簡単に騒音が測れる時代となり、
あとはやる気さえあれば!ということで今回行わせていただきました😊
結果は見ていただくのが一番早いのですが、Youtubeの概要欄や動画中ではなかなか言い切れなかったこと(見ていただいた方はおわかりでしょうが、撮影中はかなりテンパっておりますので💦)を少々書かせていただきます。
《考察》
セルロースファイバーの吸音性能が優れてるのはやる前からわかってたのですが他の2つについて、私の中では吸音性能が、
セルロースファイバー>>>>>>グラスウール>スタイロフォーム
の順だと思っておりました。ところがたしかに極微量の差異があるものの、正直言って
グラスウール=スタイロフォーム
であり、グラスウールとスタイロフォームの間に殆ど差異が見られないというのは軽い驚きでした。
実際の現場使用時にはもう少し性能が出るのかもしれませんが、過度の期待はしないほうが良い感じですね。
また、セルロースファイバーの吸音性能も100dB→40dBと想定値の50dBよりも高い、マイナス60dBという値を示しましたが、これは測定方法にもよるのでしょう。多少の数値の大小というよりも自分の耳で得た印象を大事にしていただければ一番よいかと思います^^
ということで、いかがでしたでしょうか?こういった実験はなかなか有意義だったかと思います。
そうそう簡単に出来るものではないですが、今後もこういった実験と各種動画を用意させていただきますのでお楽しみに!
良ければチャンネル登録もよろしくお願いいたします!
いつもお読みいただきありがとうございます。
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家を建てるその時に【自分の家族の命や財産を守るためにはどれを選びますか?】
家をほしい、そう思い立ってまずどうされるだろうか?
選択肢としては色々あるだろう。賃貸や建売、新築、リフォーム、まぁ他にもあるかもしれないが、今回一介の断熱屋さんが提示できるのは主に新築やリフォームに関しての話だ。個別に色々と話を聞けばそれに応じたアドバイスができるが、あまりにもまとまらない話になるのでひとまずは範囲を絞らせてほしい。
一昔前はここで「安いに越したことはない」と目先の金額にのみ焦点が移っていたのだが、昨今は将来的なコストや住み心地という点に目を向けてくれる人が増えて、色々と話を聞いてくれる環境が整いつつ有り、嬉しい限りだ。それともに、ネット社会が成熟してきて、いわゆる「消費者の目が肥えてきた」という状況は単なる誤魔化しが効かなくなって、情報提供する側も常に真剣勝負をしなくてはならないということでもある。
正直単に安い商品を売るのはある意味簡単だと言えるだろう。「安けりゃいい」の世界はゴリ押しさえしていればなんとかなるからだ。逆に私共のように「いいものだけどちょっと高いもの」を扱う者たちはそこをいかにメリットが有るかを謳わなきゃいけないので苦戦を強いられていたのだが。
家についての話に戻すが、家というものは基本的に高い。それこそよっぽどの資産家や商売として建売を作っていくのでなければ「一生に一度の大きな買い物」の世界だと言えよう。だからこそ、いい加減なものではなく、然るべきところにはきちんとお金をかけてしっかりとしたものを築きあげるべきだと私は考える。
然るに現在建てられている多くの住宅はどうなっているであろうか?よく言われていることであり、幾分は改善されてきたとは言うものの、未だに日本の住宅の平均寿命は25年であると言われて久しい。世界的に見てもイギリスの住宅の平均寿命は140年、アメリカで100年、ドイツ・フランスなどは80年であることを考えてみると、雲泥の差というしかあるまい。気候、環境、工法、その他に違いがあることは確かだが、それにしても大きすぎるのではないだろうか?
これにはいろいろな原因が考えられるだろうが、一番大きなものはそもそもそこまでの長期寿命を想定していないという事が挙げられるだろう。
少々話が外れるが、世にいわゆる「ソニータイマー」と言う言葉がある。家電製品などで例えば3年ほどの保証期間がついている場合、3年間は確実に故障がないが、3年を過ぎた頃、それこそ3年とひと月ぐらいで図ったかのように不具合が出てくるという現象だ。これはもちろん実際にそのようなタイマーを仕込んでいるわけではない上に、最近の家電製品は繊細な技術が用いられているため、ある一定の期間経過後に不具合が出てくるのは幾分仕方がないところはあるのだろう。だが、それは「最新のIT機器」という場合においてのみだ。期間が30年というスケールになったからと言って、住宅自体もこのようなIT機器と同様に一種の「消耗品」としてみてしまうことに日本人は慣れ過ぎてしまっているのではないだろうか?
確かに昨今の住宅にも多種多様なIT機器は用いられている。それが故障して修理したり、最悪買い換えるというのはまだ理解が出来る。もちろんそれらも決して安い品物ではないだろうし、可能ならばそういった物に頼らなくてもなんとかなるような住宅が望ましいとは思うが、その事については又別な話としよう。ここで話をしたいのは、住宅そのものの寿命だ。
まずはじめに住宅というものは確かに25年ほど経つとどこかしら不具合というものは出てくる。それは日本の住宅のみに限らず冒頭のイギリス、アメリカ、ドイツ、フランスといった国々でも共通な事項だ。しかしながら諸外国ではそれを踏まえた上でのメンテナンスや補修と言ったものを行うのが当然であり、また最初からそれを踏まえた上での作りというものになっている。だから結果として長持ちするし、そこまで大きな不具合といったものも出てこない。然るに日本では部分部分や人によっては手を入れる、と言うレベルであり、どこか最初からそれこそ「保証期間が過ぎたらそこまで」という諦観に似たものを持っているように見受けられる。それは普段から「ソニータイマー」で飼いならされているがゆえの諦めかもしれないし、右肩上がりの昭和時代に培われた大量生産大量消費という悪癖から未だに抜け出せていないからなのかもしれない。この令和の時代に求められるのは循環型社会であり、日本もずっと右肩上がりの成長ではなく横ばいの時代である上に、まずもって日本の人口はどんどんと減少してゆく時代である。このような場合であれば、「大量生産、大量消費」というものがいかに非効率的で各家庭の財政を含めて、様々なものを無駄にするような方向性だということはよくよくご理解いただけるだろう。いずれにせよもうそろそろ意識を切り替えて、資源の浪費と言える”住宅寿命25年”の時代は終わらせなければならない。そのためには日本を、日本人の意識の方から変えていかなくてはいけないのかもしれない。
言うまでもなく話がそこにまで及んでしまえば、一介の断熱屋さんが即座になにか出来るわけでもなく、日本の建築業界が一丸となって、もしくは外部からの刺激として政治的な面からも支えていただくようなそんなレベルの話にまでなろうというものである。そこまで行かなくとも出来ることをここでは書いてゆこう。
家を長持ちさせようとしたら単純に2種類のことが考えられる。一つはこまめにメンテナンスを行い、不具合部分ができないようにしてゆく、もう一つは最初にきちんとなかなか壊れにくいような構造にしてゆく、この2点に集約されて来るだろう。車に例えると、一つは定期的な車検(メンテナンス)、もう一つは新車選びの際に壊れにくい国産車を選ぶ、というようなものだといえばわかりやすいだろうか?日本が誇る”車検”のシステムは優れたもので、定期的に部品交換やチェックを行うことで国内の車の寿命は素晴らしく伸び、世界中で日本の中古車が人気となっているのはそこに原因があると言えよう。その一方で「セルフメンテナンス」と言う観点ではいささか心もとないものになっているのではあるが。おそらくそれが「家」に関するセルフメンテナンスを遠ざける一因ともなっている面もあるのだろうと思われる。度々諸外国の車の話をして申し訳ないのだが、例えば米国では車検がない分、車に不具合が生じた場合ある程度までは自分で治そうとする。そのため普段からのセルフメンテナンスが当然なこととして身についており、その考えから自分の家に関しても可能な限り自力でなんとかしようとしている。それが普段からの細かいメンテナンスとなり結果として長持ちしている部分もあるのだろう。これは本来どちらが善い悪いの話ではなくそういう文化的な違いであると考えたほうが良いのであるが、家の寿命という観点で見た場合、向こうの方に軍配が上がりそうだ。
何もだからといって何から何まで向こうの文化を取り入れよ、と言う話ではない。多少形を変えても良いので、良い部分は取り入れるようにしてゆけばよいのだから。この場合はセルフメンテナンスを誰もがやればよいというのではなく、それこそ車検のように定期的にメンテナンスを行う、と言う部分だけで良いので取り入れてゆけばよいのではないかと思われる。もちろん殆どの日本人は家についての専門知識があるわけではないので、多少お金がかかることにはなるだろうがリフォーム会社などを用いて5年もしくは10年おきごとに家の点検、いうなれば「家検」を行えば日本の家屋の寿命は伸びるであろう。それが結果として長い目で見れば住宅に関するコストを引き下げることにもなる。一見極端な話に思われるかもしれないが、25年で家を建て直すよりは定期的に「家検」を行うほうが結果として遥かに安くつくことになるだろう。
もう少し具体的な話をすれば、例えば新築の住宅を建てるよりは空き家となった住宅を買い取り、そこに手を加えて住み直すという、いわゆる「リノベーション」もしくは「リフォーム」と言う手段も大いに価値のあることであると言えよう。(ちなみにではあるが、「リノベーション」も「リフォーム」も実際のところは会社によって言い方を変えているだけで同じものだ。どちらも定義はなく、はっきり言ってしまえば各会社で呼び方を変えているだけ、と言ってよい。)元々の値段がほとんど土地のみになっている住宅は現時点でも数多くあるし、人口減少時代となった現在及び未来においては今後も増加してゆくだろう。いわゆる”空き家問題”というものであるが、これが少々手を入れることで住むのに十分どころか快適に住まいできるのであれば、ある意味「宝の山」が至るところに眠っているとも言える。
無論、そうそう簡単にリフォーム可能な物件ばかりではないし、いざ見積もってみたとしたら新築で建てるのと変わらないような金額になってしまうこともあるだろう。そのときに少々思い出してもらいたいのが、以前書かせていただいたセルロースファイバーでのリフォーム方だ。
例えば水回りのみリフォームして、その他の部分は解体せずに済ませてしまう。壁面表層のみやり変えて間取り自体は大きく変えず建具のみ手を入れる。etc...やり方次第ではリフォーム費用を抑えて且つ満足のいくものにできる方法は数多く存在する。ほんとにやろうと思えば選択肢は数多く存在している。極端な例になるかもしれないが、年々もしくは数年おき、例えば5~10年おきずつに少しずつ変えてゆくと言った方法もある。
上記は主にメンテナンス面からリフォーム分野に関しての話だったが、その一方で「最初にきちんとなかなか壊れにくいような構造にしてゆく」というのは新築時に関わる話だ。前提となる話として地盤改良や基礎をしっかりとしたものにしておく、というのは基本中の基本となる話であるが、それ以外にも後々のメンテナンスのことを考えた作りにしておくことも重要であろう。天井裏に入りやすいようにしておく、床下も人が入れるだけの基礎高はしっかり設けておく、ということは後々のメンテナンスのやりやすさを考える上で最低限必須とも言える。そういったことは私などよりは設計士さん、工務店さん、ハウスメーカーさん等々が私よりも更に詳しい知識をもって説明していただけると思う。であれば、断熱屋さんである私がこの場で述べたいのはやはり断熱材に関しての話となる。
そもそも断熱材とはなんのためにやるものであろうか?住宅内外の熱のやり取りを抑え、冷暖房の効率を高めるために施工する、またそこから派生して躯体内部の結露を抑える、もちろんそういった事がまず第一の目的として上がるであろう。更に付け加えるのであれば、気密性の向上にも関与しているとも言える。そこまでは良い。確かにそのような目的で断熱材は施工されているし、種々の断熱材でその効率性はともかく、おおむねそういった目的は果たしているとも言えよう。とりわけ単に断熱性能を評価するための基準として認められているのは、「素材(物質の熱伝導率)✕厚み」に過ぎないのだから、どのような断熱材であれ基準値以上の厚みさえ持たせていれば少なくとも計算上では断熱効果は得られているはずだ。もっとも別所で述べた「隙間率」の問題があるために実際がどうであるかはなんとも言えないものなのであるが。
だが長年断熱材の施工に携わる立場から、そして先程あげた住宅が「壊れにくいような構造」をもたせると言う観点で申し上げたい。つまりもっと「壊れにくいような構造」を持たせるためにはもっと多機能面からの断熱材の活用と言う視点で考えたほうが良いのではないかということだ。
私は「断熱材」というのは住宅にとって身を守るための「鎧」であると思っている。たしかに一番外側に来る「外壁」もその鎧の一部ではあるのだが、それだけではなくその外壁の内側に来る断熱材までを含めて、更にいえば一番内側の内壁まで含めて全部で一つの鎧であると言えよう。
これは何も普段の生活で馴染みが薄い鎧という例えよりも、普段よく目にするコートやジャケット類を考えてもらったほうが良いかもしれないが、雨風を防ぐ外装、暖かさをもたらす中綿、肌触りの良い内側の生地、というように表現したらよく分かると言えようか?この中でその性能の大枠を決めるのが中綿、つまり住宅の話に戻せば「断熱材」であると言う話だ。(念の為に書いておくが、外装や内装も大事ではあるが少々話が冗長になるのでここでは省略させていただく。)この鎧の性能を語るとき、断熱効果のみで見てもよいのであろうか?
確かに断熱材に求められる主たる目的は外気から熱の移動を守る、という事であろう。それを否定する気はないし、住宅に求められる(鎧としての)防御力とは熱をどこまで逃さないかという熱抵抗値と言う値であろう。それ以外の、例えば雨などの防水面は外皮である外壁の役割と言える。しかしながら数十年という長期間に渡り居住者を、そして住宅そのものを守るために必要であるのは何も「熱」に関することばかりではない。居住性を高めるためには「音」も、そして万が一のときのために「炎」からも、そして内部から骨格自体を守るためにも「虫」に関しての防御力も必要だ。これらに関して詳しくは先にこちらでも書かせて頂いたので繰り返しはしないが、そういう視点からでの防御力を持つのはセルロースファイバーのみと言って良い。
(当ブログの以前に書かせていただいた記事になります)
我々ゲーム世代にわかりやすい言い方で言えば、「物理防御力だけじゃなく魔法防御力も兼ね揃えた鎧!」とでもいえばよいだろうか?一般の方にも伝わりやすいようにいえば、『正面方向への盾だけではなく色んな方向からの攻撃も防ぐ事ができる盾』、だと思ってもらってもいい。といっても盾のように能動的に能動的に動かせれるようなものではないから「鎧」という喩えのほうが適切だと思うわけだが。
いずれにせよ注意していただきたいのは、この鎧としての断熱材はゲームのように早々簡単に付け替えれるものではない。前半で書いたようにリフォームという手段であとからやり直せないわけではないが、それでもそこそこ手間とコストがかかる。可能であれば新築時にきっちりと施工したほうが良いのは確かである。
断熱材について調べ、比較検討し色々考慮した上であえて他のものを選ぶというのであれば構わないのであるが、やっぱり住宅業界というのは一般の方にはよく知られていない世界ではある。ややもすれば住宅検討時の打ち合わせで言われるがままになんとなくで仕様を決めて、建ててしまってから色々知って後悔すると言う状況が多く感じられる。
だからこそこういった場で私が認知度を高めるために書いているのであるが、ついつい専門的な説明であれこれと長くなってしまった。改めて色々端折った上で簡潔に述べると、自分の家族の命や財産を守るためにはどれを選びますか?つまりはその一言に尽きる。
繰り返しになるが、現在断熱材の評価基準は「素材(核物質の熱伝導率)✕厚み」で求められる熱抵抗値ぐらいしかないのであるが、①火災になったときの生命と財産を守るため、②財産としての「家」を長持ちさせ価値を落とさないために、③暮らしていくときの快適性のために、何を選ぶのが良いか?そういった判断基準を持ち、そういった視点からの選択こそを長い時間を過ごす「家」を作るときの基準にしてほしい。一生を、そして家族に受け継がれるためにとても重要だからこそ何度も述べさせていただきたい。
先程も述べたが、一般の方にとっては住宅建築はとっつきにくい所がある。ものすごく高い買い物であるが、専門的になってしまうのでわからない所が多いだろう。わからないからこそ住宅メーカーの営業さん任せにしてしまう部分も多いし、極端な話お金さえ出してしまえばわからなくても建てられてしまう。人によっては口を挟めるのは外観と間取りや内装、コンセントの位置ぐらいになってしまうかもしれない。そして予算が合わなくなって真っ先に削られてしまうのが目に見えない断熱材の部分だったり構造の部分だったりしてしまう。
しかしながら住宅にとって一番大事なのがその目に見えなくなる部分だということをもう一度ご理解いただきたい。極論で言えば先程あげた外観と間取りや内装、コンセントの位置などはあとからでも比較的簡単に十分変更ができるものなのだ。勿論それらがどうでも良いといっているわけではないが、そちらばかりに気を取られすぎないように中身にも気を使っていただければ、本当の意味で満足のできる素晴らしい住宅を手に入れられるのだとお考えいただきたい。
何よりもあなたが、そしてあなたの愛する家族が長い時間を過ごし、一族に引き継がれてゆくような、生命と健康と財産を守る素晴らしい買い物なのだから。
いつもお読みいただきありがとうございます。
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