ざっくの♡平日は読書だ!

読書、映画鑑賞、音楽鑑賞、芸術鑑賞、などを中心としたブログです。

『特攻の島9』(佐藤秀峰 著)

『特攻の島9』(佐藤秀峰 著)

『特攻の島』の最終巻。この作品の主人公である特攻隊員・渡辺の「遺書」を読んで涙が溢れそうになる。
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人は必ず死ぬ。しかし死ぬために生きている訳ではない。そのはずなのに、戦争というものは死ぬために生きる若者を作り出す。その一点においてだけでも、戦争というものは起こしてもいけないし、巻き込まれてもいけない。

そしてかってこの日本にも若者たちが死ぬために生きていたこと、死ぬために生きざるをえなかったこと、日本がそういう状況に陥ってしまった歴史があることを忘れてはならないし、そして決してそんな歴史を繰り返してはならない。

私は特攻の島の対岸の街で生まれ、育った。それだけにこの『特攻の島』という物語から感じるものは大きい。

人は必ず死ぬ。だからこそ、必死に生きねばならぬ。生きるのであればより善く生きようとせねばならぬ。そういう生き方をひとりひとりがしていくことがこの社会をより善くしていくと私は信じているし、そういう積み重ねがより善い歴史を創り上げていくと私は信じている。


だから、私は最期の時まで、必死で、より善く生きようと思う。

以上、2018年の3月20日に思ったこと。

『不良少年とキリスト』(坂口安吾)

こちらのブログの最終更新が2016年5月30日なので、放置して10か月が経ってしまいました。

3月20日。月が綺麗ですね、と言えれば良いのですが、そんな想いも月には届かず。

坂口安吾の「不良少年とキリスト」。太宰治の自殺について綴ったこの作品の筋道は全く支離滅裂まさに酔っ払いのたわごとのようにも読めますが、私を勇気づけてくれた作品です。

死ぬのは簡単、死ぬのはいつでもできる。だから、最期のときまで生き抜かねばらなぬ。

ひとは生きる意味を問いがちですが、生きること、生き抜くことこそがすべて。そんなシンプルな原則を私に教えてくれた作品です。

「負けぬとは、戦う、ということです。それ以外に、勝負など、ありやせぬ。戦っていれば、負けないのです。決して、勝てないのです。人間は、決して、勝ちません。たゞ、負けないのだ。」

私は勝ち組とか負け組とかいう言い方が嫌いです。何が勝ちで、何が負けなのか。誰に、何者に勝てば良いのか。そもそも勝ち負けを問うことこそが意味がない。

「負けぬとは、戦う、ということ」。死ぬのはいつでもできる。だから最期のときまで戦おう、生き抜こう。この決意が私を支えています。

私は安吾が生きた時間より長い時間を生き抜くことができました。そして、最期のときまで戦う。その覚悟だけはできています。

『オール・ユー・ニード・イズ・ラブ 東京バンドワゴン』(小路幸也 著)

東京下町の古書店“東京バンドワゴン”を舞台に堀田家とその周りのひとびとが織りなす家族ドラマ(ご近所ドラマ)の第9弾。

まず驚かされるのは、研人くんと花陽ちゃんの成長ぶり。ラストの物語で研人が高校に行かずにイギリスに行きたいと言い出したり、子供の成長は早いなあ、と思わずにはいられない。

サザエさんのように時が止まったままではない、時がリアルにお互いている家族ドラマ。これからも堀田家とその周りのひとびとの成長や変化を読み続けて行きたい。


『オール・ユー・ニード・イズ・ラブ 東京バンドワゴン』(小路幸也 著)
集英社文庫 2016/04/20

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