『特攻の島9』(佐藤秀峰 著)
『特攻の島』の最終巻。この作品の主人公である特攻隊員・渡辺の「遺書」を読んで涙が溢れそうになる。
人は必ず死ぬ。しかし死ぬために生きている訳ではない。そのはずなのに、戦争というものは死ぬために生きる若者を作り出す。その一点においてだけでも、戦争というものは起こしてもいけないし、巻き込まれてもいけない。
そしてかってこの日本にも若者たちが死ぬために生きていたこと、死ぬために生きざるをえなかったこと、日本がそういう状況に陥ってしまった歴史があることを忘れてはならないし、そして決してそんな歴史を繰り返してはならない。
私は特攻の島の対岸の街で生まれ、育った。それだけにこの『特攻の島』という物語から感じるものは大きい。
人は必ず死ぬ。だからこそ、必死に生きねばならぬ。生きるのであればより善く生きようとせねばならぬ。そういう生き方をひとりひとりがしていくことがこの社会をより善くしていくと私は信じているし、そういう積み重ねがより善い歴史を創り上げていくと私は信じている。
だから、私は最期の時まで、必死で、より善く生きようと思う。
以上、2018年の3月20日に思ったこと。