●ヤブジラミ(薮虱)/セリ科/ヤブジラミ属 在来種 2年草 花期は5〜7月 草丈は30〜70㎝
●オヤブジラミ(雄薮虱)/セリ科/ヤブジラミ属 在来種 2年草 花期は4〜5月 草丈は30〜70㎝
注:「やぶ」には「藪」という漢字もありますが、ここでは「薮」で統一しました。

さて、「見分け方」と書いたがあまり期待をもたないでほしい。なぜなら「ここを見れば区別できる」という際立った特徴が見当たらないのである。結論から言うと、咲いている時期で判断するのが一番確実ということになる。「オヤブジラミ」は4月には開花し、5月の上旬には種ができている。「ヤブジラミ」の花が咲くのは5月に入ってからである。植物の個体差や環境がその時期にどれ程影響を与えるのかは分からないが、6〜7月に花が咲いていれば「ヤブジラミ」である。下の写真に「オヤブジラミ」「ヤブジラミ」とキャプションが付いているが、私が開花時期などから判断したものである。だから間違っている可能性がある。あしからず。

参考として両者を比較した写真を載せる。むかって左が「オヤブジラミ」で右が「ヤブジラミ」である。写真の下に撮影した日付を記入したが、「オヤブジラミ」はほとんどが去年に撮影したもので、「ヤブジラミ」は今年のものである。「オヤブジラミ」の写真が去年なのは、生えている場所が自宅から少し遠くにあるせいで今年は1回しか行っていないからである。だから使える写真がほとんどないのだ。また、同じサイズで撮影しているわけではないので、そこは比べないでいただきたい。花や葉の大きさは両者に格段の違いはなく、ほとんど同じである。だから見分けづらいのだ。

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花:左が4月28日、右が6月3日
左(オヤブジラミ)の茎は赤紫色がかっているが、「ヤブジラミ」もそうなることがある。

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葉:左が5月2日、右が5月16日

葉の大きさや色が違うのは気にしないでほしい。左の「オヤブジラミ」は上の方、右は下の方の葉を撮影した。

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種:左は5月14日、右は6月4日
左(オヤブジラミ)は赤紫色がかっている。右は緑のままだ。


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種:左は6月4日、右は6月26日

左(オヤブジラミ)は黒っぽくなっている。右(ヤブジラミ)はほとんど変化が見えないが、つまんでみると簡単にバラバラになる。手の平に乗せてもほとんど重さを感じない。目をつぶれば乗せていることを忘れてしまいそうだ。触ってみるとカサカサである。よく乾燥している。だから軽いのだ。


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最後に「オヤブジラミ」の種。6月6日(2018年)。シラミに見えるかな。本物は見たことないけど。

写真から推測すると種の状態だと見分け易いような気がする。「オヤブジラミ」の種の色はくすんだ赤だが「ヤブジラミ」は緑のままである。種ができるまで待てない、花の状態で知りたいという方は「今は何月か」ということで判断されてはいかがだろうか。咲いているのが4月なら「オヤブジラミ」、5月なら「早く咲いたヤブジラミか遅咲きのオヤブジラミ」、6月なら「ヤブジラミ」だ。5月がいい加減に思われるだろうが、「遅咲きのオヤブジラミ」の同じ株にはどこかに色の付いた種が出来ているはずだ。一方「早く咲いたヤブジラミ」には種は出来ていない。

最近は「ヤブジラミ」を見かけることが多くなった気がする。緑地帯から歩道側にせり出すように成長しているものもあり、そこから種が「くっつき虫」となって運ばれていくのだろう。

写真:zassouneko


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