2006年10月26日

「B層」対策?「愚民戦略」??−首相補佐官・世耕弘成氏の「プロフェッショナル広報戦略」から学ぶ

f5517e56.jpg【書評もどき:世耕弘成・著「プロフェッショナル広報戦略」(ワニブックス)】

筆者の世耕弘成氏は昨年の「郵政民営化」騒動の際の衆院総選挙で自民党の選挙広報を責任者を勤め、また安倍内閣では「広報担当」として首相補佐官に抜擢された人物です。前職はNTTの広報マン。

「俺は有能な広報マンなんだぞ〜」と自慢げに言わんがばかりの表現が随所に目立つのはご愛嬌ですが(苦笑)、マスコミや野党、そして民衆がいかに小泉自民党が"プロフェッショナルな広報戦略"(?)の下で意図的に醸し出した「郵政解散」ムードに踊らされていたかを認識するには、うってつけの一冊です。

また、純粋に(?)「広報戦略」について学ぶための入門書として読んでも、なかなか興味深いような気はします。

筆者は「広報とはコミュニケーションこそがキーだ」と強調しています。組織内の各セクションと広報担当者のコミュニケーション、組織の幹部と広報担当者、マスコミと広報担当者、市民や消費者と広報担当者etc・・・。そして政界にはそうしたコミュニケーション戦略が殆ど皆無であったとも指摘しています。

私は広報マンではありませんが、これら指摘には同感です。

そして、所謂「市民運動」なるものに少しばかり顔を出している身としては、私もその一人に含まれる所謂「市民派」だとか「左翼」だとか呼ばれる人達に限って、この「コミュニケーション戦略」が全くなっていないことを痛感します。

所謂「左翼」や「市民派」の中には昨年の自民党のPR戦術を「愚民政策」云々と批判する声が少なくありません。確かにそういう一面があることは否めませんし、個々の庶民はこうした巧みな(?)「広報戦略」に呑み込まれないようにメディア・リテラシーを磨く必要性はあります。

しかしながら、一応「民主主義」を建前するこの社会では自分たちの理想を実現するためには多くの民衆を自分達の側に惹きつけなければならないのも事実ですし、そのためには「広報」−「左翼」用語で言うならば「情宣」−戦略・戦術が鍵になるのもまた真実でしょう。

そういう意味では、私もその一人に含まれる所謂「市民派」や「左翼」はただ単に自民党の広報戦略を批判するだけでは無く、昨年の総選挙で「実績」を上げた世耕氏の本から学ぶべき面は多分にあるのではないか−私はそう感じながら同書を読み終えました。

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