2007年03月14日

【都知事選・石原三選阻止!】日本共産党の浅野史郎氏批判の誤謬性( 再・アップデート版)

浅野史郎さん【3/19一部書き換え】
いま、日本共産党は「しんぶん赤旗」などで「浅野氏も石原氏と五十歩百歩」「浅野氏は『福祉の浅野』を標榜しているが宮城県知事時代は福祉を切捨てた」等々、浅野史郎氏への批判を展開していますが、AMLと「四トロ同窓会二次会」にこの共産党の浅野批判の誤謬を的確に指摘した小論がありましたので、以下に参考資料として紹介させていただきます。

【以下、AMLより】

(*3/19注記・・このエントリーで紹介した「「赤旗」の浅野批判の誤謬について」と題した東本氏の論考は、3月15日付で「訂正版」と題したアップデート版が頒布されましたので、このエントリーの記事も3月17日に「訂正版」の方に差し替えたのですが、18日に「再訂正版」が頒布されましたので、19日に記事を入れ替えました。ご了承ください。)

・[AML 12666] 「赤旗」の浅野批判の誤謬について(再訂正版)
・"higashimoto takashi"さん
・2007年 3月 18日 (土) 12:43:59

(前略)なお、下記に訂正済みの本文を掲げます。ご迷惑をおかけして申し訳あり
ません。

東本高志@大分
taka.h77@basil.ocn.ne.jp

====================

東京都知事選挙の告示まであと10日を切りました。選挙が迫るにつれ、共産党の「浅野批判」が一段と激しくなっています。しかし、その共産党の「浅野批判」は、統計指標を意図的に混同して、あるいは歪曲してつくりあげた、いわばでっちあげた「事実」に基づく批判というべきであって、それはもう「批判」という名にも値しないしろものといわなければなりません。きわめてアンフェアなものです。
これまで共産党が「反共主義者」等々に対して批判してきた同じ手法を今度は共産党自身が用いているのです。共産党には真摯に反省していただきたい、と私は思います。
共産党はその反省ができる「党」であるはずです。

以下、例証を示します。

(1)「しんぶん赤旗」、2007年3月2日記事。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-03-02/2007030202_03_0.html

この日「赤旗」は、「政治の中身は自民党より自民党型」と浅野前県政を厳しく批判する志位委員長の見解を発表しました。この日は、浅野史郎氏が東京都知事選に事実上の出馬表明をした日でもあります。

上記で志位氏は、浅野前県政は、「福祉切り捨てではそれまで以上に冷酷さが際立った」と糾弾し、その「冷酷さ」の例として、「前県政では国保証取り上げがゼロだったが、〇五年には二千三百三十世帯になった」と述べました。そして、「こうした政治は、石原都知事が革新都政時代につくられた福祉の施策を根こそぎ切り捨て、巨大開発に湯水のようにお金を注ぎ込んできたものと同じ中身だ」と浅野前県政を再び糾弾します。

(2)「しんぶん赤旗」東北版、2003年3月8日付記事。
http://www.shii.gr.jp/pol/2003/2003_02/2003_0223_01.html

志位氏は上記でも同じようなことを述べています。すなわち、「国保証の取り上げも、ずいぶん冷たいやり方をやっています。(略)短期保険証が七千五百八世帯、資格証明書が九百四十七世帯。この一年間で資格証明書は二十六倍です」と。

事実はどうか?

上記の記事(志位氏の記者会見と演説)の根拠となったと思われる数字が以下にあります。全国保険医団体連合会(略称、保団連)が厚生労働省調査をもとに作成した「被保険者資格証明書交付世帯数(市町村国保)」。

【被保険者資格証明書交付世帯数(市町村国保)】
http://hodanren.doc-net.or.jp/news/iryounews/070223kokuho2.pdf
     2000年 2001年  2002年    2003年 2004年 2005年 2006年
青森   0     0     1,981(1981倍)  2,938   3,491  3,787  4,316
岩手   3    29     714(24.6倍)  2,058 1,624 1,377  1,288
宮城   0    36      942(26倍)   1,205 1,879 2,330 2,932
秋田 40   22 887(40倍) 1,480 1,766 1,757 1,785
山形 19 113 589(5倍) 863 900 1,011 1,071
福島 424 443 2,046(4.6倍) 3,435 4,339 5,283 6,070
※カッコ部分は便宜のため筆者が挿入しました。

まず(1)について。

志位氏の言う「国保証取り上げ」とは上記資料の「被保険者資格証明書交付世帯数」のことを指しているでしょう。同資料の宮城県の05年「資格証明書交付世帯数」2330件と志位氏のいう「〇五年には二千三百三十世帯」は一致します。そうであれば、次のことがいえます。

宮城県の2000年度「資格証明書交付世帯数」0件は浅野県政の時代のものであり、「前県政」のものではありません。浅野県政は1993年の初当選から3期目任期満了で退任した2005年11月20日まで続いているのですから。
2000年度0件の当時は浅野県政2期目のことになります。「前県政では国保証取り上げがゼロだった」という志位氏の発言は明らかに誤りであり、その誤った前提でもって「福祉切り捨てではそれまで以上に冷酷さが際立った」とまで断罪する。あまりのことだといわなければなりません。

ちなみに国保料滞納者に資格証明書の発行が法律で義務づけられ、それが施行されるようになったのは2000年4月以降のこと。浅野氏が知事に就任する1993年以前の「前県政では国保証取り上げがゼロだった」としても決して不思議ではありません。その時点では、法律で義務化されていなかったのですから。志位氏は、義務化以前と以後を作為的に無視し、ことさらに浅野前県政を貶めています。こうした態度はフェアといえるでしょうか?

次に(2)について。

志位氏は「この一年間で資格証明書(注:国保証の取り上げ)は二十六倍」。「ずいぶん冷たいやり方」です、とここでも浅野前県政を断罪します。しかし、東北6県のうち同じ時点で秋田県は40倍、岩手県は24.6倍、青森県にいたっては1981倍。表を見れば、 2002年度には、東北6県のすべてで「資格証明書交付世帯数」が前年度より急激に膨張していることがわかります。また、前年度の実績との比較で膨張率も異なることがわかります。なぜ、ことさら浅野前県政のみが非難されなければならないのでしょう?

※宮城県だけでなく、2002年度に東北6県のすべてで「資格証明書交付世帯数」が前年度より急激に膨張したのは、資格証明書の発行を義務づける法律が2000年4月から施行されたことに大きな原因があります。浅野前県政のみを非難するのはどう見てもアンフェアです。

そもそも、国民健康保険料の1年以上滞納者について保険証の代わりに資格証明証を交付するのは県の業務ではなく、市町村の業務です(国民健康保険法9条)。それを浅野前県政の責任のように言うのは、共産党らしからぬ詭弁の論法といわなければなりません。

※下記は、浅野氏が知事として在任中の2004年度の「都道府県別国保滞納世帯数等」(厚生労働省資料より作成)。
http://gate.ruru.ne.jp/tochigikyoukai/siryo2.html

上記の表から資格証明書交付率(資格証明書交付数÷滞納世帯数)を算出してみると、浅野知事在任中の宮城県の同交付率は47都道府県中低い方から8位。全国的にみても国保の取り上げは少ない方の自治体といわなければならないでしょう。

(3)「しんぶん赤旗」東北版、2003年3月8日付記事。
http://www.shii.gr.jp/pol/2003/2003_02/2003_0223_01.html

「総務省が出している『統計でみる県のすがた』という行政水準の比較があります。私は、東北六県の比較をしてみました。そうしますと、宮城県は一人当たりの住民税は、六県中一位です。みなさんは一番税金を払っていらっしゃる。これは、ぜひ覚えておきたいことです」(志位委員長)

ここにもまたまやかしがあります。志位氏は、「宮城県は一人当たりの住民税は、六県中一位です。みなさんは一番税金を払っていらっしゃる」と言います。

ほんとうにそうか?

下記は、『統計でみる県のすがた』に見る東北6県の住民税の1990年度から2000年度までの5年単位の推移です。上記の志位氏の発言は2003年2月のものですから、志位氏が参考にしたのは下記のうち2000年度の住民税の数字でしょう。

【人口1人当たり住民税(単位:千円)】(県・市町村財政合計)
http://www.pref.akita.jp/tokei/xls/001404508200210000004.xls
     1990  1995  2000
青森 55.4   61.0   61.3
岩手 59.4   65.9   65.4
宮城 86.1   88.0   81.8
秋田 56.9   63.8   61.2
山形 64.0   68.9   67.3
福島 70.6   72.5   69.6

上記の表を見れば、確かに宮城県の住民税がダントツに高い。東北6県のうち宮城県の住民が「一番税金を払って」いるということはいえます。しかし、ご承知のとおり、住民税は均等割と所得割とからなっており、そのうち均等割の税率は全国一律です。宮城県が特別高いというものではありません。
また、所得割の標準税率も全国一律であり、これも宮城県が特別高いということはできません。

では、どうして宮城県の住民税がダントツに高いのか? いうまでもなく、東北6県の中で宮城県の個人所得水準が一番高いからです。所得割の税率が全国一律であるならば、個人所得水準の高い県の住民税が高くなるのは道理です。それを志位氏は、「みなさんは一番税金を払っていらっしゃる」と、あたかも宮城県の税率が他の東北5県に比して一番高いかのように言う。これも為にする「浅野県政」批判というべきです。

(4)同上
http://www.shii.gr.jp/pol/2003/2003_02/2003_0223_01.html

また、上記の演説で志位氏は、宮城県の「一人当たりの民生費、つまり福祉費は六位、最下位です」とも言います。しかし、志位氏の言う「一人当たりの民生費」は「県・市町村財政合計」から算出したものです。「県財政」から算出した「民生費割合」では宮城県は2000年度で2位の位置をキープしています。
共産党は宮城県政のあり方を問題にしているのですから、算出の基礎とすべきは「県財政」の方でしょう(「県・市町村財政合計」からの算出では、市町村の福祉のとりくみが低調であれば、県全体の数値も下がらざるをえません)。

※なお、「民生費割合」(県財政)と県としての「一人当たりの民生費」はほぼ同値です。「民生費割合」(県財政)を見れば、県としての「一人当たりの民生費」もわかります。県民の1人当たり民生費(県財政)の算出式は以下のとおり。ただし、試算に当たっては、「県歳入総額」の資料がないため、同項に「住民税総収入」(「人口1人当たり住民税」×県人口)の数字を代入し、近似値を求めました。

県歳入総額×民生費割合(県財政)÷県人口=1人当たり民生費(県財政)
(県歳入総額=住民税+地方交付税+国庫支出金+地方債+その他歳入)

【民生費割合(単位:%)】(県財政)
(民生費=社会福祉費+老人福祉費+児童福祉費+生活保護費)
http://www.pref.akita.jp/tokei/xls/001404508200210000004.xls
     1990  1995  2000
青森 6.50 6.32 7.46(1位)
岩手 6.00 5.44 6.17(5位)
宮城 5.11 5.19 7.13(2位)
秋田 6.42 6.30 6.74(3位)
山形 4.50 4.82 5.65(6位)
福島 4.40 5.72 6.70(4位)
※カッコ部分は便宜のため筆者が挿入しました。

(5)同上
http://www.shii.gr.jp/pol/2003/2003_02/2003_0223_01.html

さらに、上記の演説で志位氏は、宮城県の「教育費も六位」と浅野県政を批判します。しかし、これも違います。「教育費割合」(県財政)によれば、宮城県は教育費については「六位」どころか1位です。
(「教育費割合」(県財政)から「一人当たりの教育費」(県財政)を算出する方法については(4)参照)

【教育費割合(単位:%)】(県財政)
http://www.pref.akita.jp/tokei/xls/001404508200210000004.xls
     1990  1995  2000
青森 25.31  23.50  19.47(5位)
岩手 24.92  22.41  19.98(4位)
宮城 25.43  25.11  26.37(1位)
秋田 21.08  19.09  18.04(6位)
山形 22.24  19.32  20.34(3位)
福島 25.60  25.19  24.66(2位)

(6)同上
http://www.shii.gr.jp/pol/2003/2003_02/2003_0223_01.html

衛生費についてはどうか? これも事実とは異なります。「六位」ではなく、5位です。もちろん、5位だからよい、という話ではありません。批判は正確な事実に基づいて行うべきだという延長の話として「六位」と5位の違いを問題にしているのです。
(「衛生費割合」(県財政)から「一人当たりの衛生費」(県財政)を算出する方法については(4)参照)

【衛生費割合(単位:%)】
http://www.pref.akita.jp/tokei/xls/001404508200210000004.xls
     1990  1995  2000
青森 3.10   3.05   2.92(4位)
岩手 4.37   5.17   4.52(1位)
宮城 2.73   2.54   2.27(5位)
秋田 1.90   4.37   2.15(6位)
山形 3.45   4.19   3.97(2位)
福島 2.61   3.13   3.21(3位)

以上、上記「赤旗」記事中、福祉費に絞って事実関係を見てみました。
上記に見たとおり、事実に基づかない(統計指標の意図的な混同と歪曲)共産党の「浅野批判」は目を覆うばかりのものです。共産党とは、正確な事実関係に立脚して主張を構築する政党ではなかったのか? 
私たちは、共産党への支持、不支持に関わらず、そうした信頼感だけは共産党に対して抱いてきました。それがどうしたことか?

私は、改めて共産党に反省を促したいと思います。もう一度繰り返します。
共産党はそうした反省ができる「党」のはずです。その上で、共産党はいま、「石原3選阻止」のために何をなすべきなのか。そのことを真剣に問い直していただきたいと切に思います。まだ遅くありません。まだ時間があります。
いま、「石原3選阻止」のために何をなすべきなのか、を再度検討していただきたい。是非。

(追記・3月19日)

[AML 12672] Re: 資料の追加:「赤旗」の浅野批判の誤謬について(再訂正版)
・"higashimoto takashi"さん
・2007年 3月 18日 (土) 13:57:31

ご参考のために12666で訂正した´△亡悗錣辰董△修了駑舛箸靴涜召裡唯未
発信した以下の説明文を添付させていただこうと思います。

東本高志@大分
taka.h77@basil.ocn.ne.jp

===============
> 残念ながら、教育費は「一人当たりの費用」の方が公平に比較できると思いますが。総額は多くても
> 児童生徒の人数が多ければ、一人当たりの費用は少なくなってしまうわけです。実際に受け取る方
> からすれば、人数が多い分、予算も増やしてもらうしかありませんね。何に使うかはべつとして、数字
> の比較だけで言えば、総額より、一人当たりの金額の方が正確だと思います。

というご指摘を受けて再考してみました。

「教育費」に限らず、「民生費」にしても「衛生費」にしても、私たち受益者ひとりひとりが行政サービスをどの程度受けられるかというのが重要であって、その点「『一人当たりの費用』の方が公平に比較できる」と私も思います。当然、私も、『統計でみる県のすがた』の分析に当たっては同様の視点で臨んでいるつもりなのですが、食い違いが生じています。

その食い違いの原因は端的にいって、『統計でみる県のすがた』を分析するに当たって、私が引用した「民生費割合」や「教育費割合」 は「県財政」の歳出に関わるものであり、質問者が引用する「人口1人当たり民生費」や「児童・生徒1人当たりの教育費」は「県・市町村財政合計」の歳出に関わるものであるところからきているようです。

その食い違いの原因を「民生費」を例にとって話します。

【民生費割合(単位:%)】
(民生費=社会福祉費+老人福祉費+児童福祉費+生活保護費)
http://www.pref.akita.jp/tokei/xls/001404508200210000004.xls
     1990  1995  2000
青森 6.50 6.32 7.46(1位)
岩手 6.00 5.44 6.17(5位)
宮城 5.11 5.19 7.13(2位)
秋田 6.42 6.30 6.74(3位)
山形 4.50 4.82 5.65(6位)
福島 4.40 5.72 6.70(4位)

上記の「民生費割合(県財政)」によれば宮城県は東北6県中第2位。であれば、「県民一人当たり民生費」も当然第2位になるはずです。私はそう思いました。その根拠を以下に示します。

東北6県の「人口1人当たり住民税」(『統計でみる県のすがた』)に各県の人口を掛ければ「住民税総収入」が算出されます。

【1表】「住民税総収入」(千万円以下四捨五入)
青森  61万3千円(1人当たり住民税)×1,492,669人(県人口)=9150億円(住民税総収入)        
岩手  65万4千円(1人当たり住民税)×1,416,421人(県人口)=9263億円(住民税総収入)    
宮城  81万8千円(1人当たり住民税)×2,348,465人(県人口)=1兆9210億円(住民税総収入)    
秋田  61万2千円(1人当たり住民税)×1,190,007人(県人口)=7283億円(住民税総収入)    
山形  67万3千円(1人当たり住民税)×1,236,978人(県人口)=8325億円(住民税総収入)    
福島  69万6千円(1人当たり住民税)×2,128,309人(県人口)=1兆4813億円(住民税総収入)

さらに、この各県の「住民税総収入」にそれぞれの「民生費の割合」を掛ければ「民生費総額」が求められます。

【2表】「民生費総額」(百万円以下四捨五入)
青森  9150億円(住民税総収入)×7.46%(総収入に占める民生費の割合)=682億6千万円          
岩手  9263億円(住民税総収入)×6.17%(総収入に占める民生費の割合)=571億5千万円    
宮城  1兆9210億円(住民税総収入)× 7.13%(総収入に占める民生費の割合)=1369億7千万円    
秋田  7283億円(住民税総収入)×6.74%(総収入に占める民生費の割合)=490億9千万円    
山形  8325億円(住民税総収入)×5.65%(総収入に占める民生費の割合)=470億4千万円    
福島  1兆4813億円(住民税総収入)× 6.70%(総収入に占める民生費の割合)=992億5千万円

さらに、この各県の「民生費総額」をそれぞれの「県人口」で割れば各県の「1人当たり民生費」が求められるはずです。以下のようになります。

【3表】「住民税総収入で割った1人当たり民生費」(小数点以下切捨て)
青森  682億6千万円(民生費総額)÷1,492,669人(県人口)=45730円(3位)        
岩手  571億5千万円(民生費総額)÷1,416,421人(県人口)=40348円(5位)    
宮城  1369億7千万円(民生費総額)÷2,348,465人(県人口)=58323円(1位)    
秋田  490億9千万円(民生費総額)÷1,190,007人(県人口)=41251円(4位)    
山形  470億4千万円(民生費総額)÷1,236,978人(県人口)=38028円(6位)    
福島  992億5千万円(民生費総額)÷2,128,309人(県人口)=46633円(2位)

理論どおりであれば、宮城県は「1人当たり民生費」においても第2位になるはずですが、計算の結果は第1位です。しかし、これは各県の歳入を「住民税」に限ったせいです。実際の各県の歳入はこのほかにも「地方交付税」「国庫支出金」「地方債」等々がありますから、これらの歳入のすべてを合算した上、上記に基づいて再計算すれば理論どおりの結果が求められるはずです。

すなわち、各県の「民生費割合(県財政)」は、各県の「1人当たり民生費」を示す指標でもありうるわけです。私は、各県の「一人当たりの費用」を明確にする視点から、『統計でみる県のすがた』の分析に当たったのです。

しかし、現実には、「民生費割合(県財政)」の指標と「人口1人当たり民生費」(県・市町村財政合計)の指標は一致しません。その理由は明確で、分母がそれぞれ異なるからです。「民生費割合」の分母は「県財政」。「人口1人当たり民生費」の分母は「県・市町村財政合計」です。食い違いのポイントは、この「県財政」と「県・市町村財政合計」の分母の違いの読み方にあります。

「赤旗」は浅野前宮城県政の問題点を弾劾しようとするわけですから、その根拠とすべき数値は分母が「県財政」(「県財政」から「民生費」や「教育費」がどれほど支出されているか、が問題であるはずです)のものに依拠すべきです。「県・市町村財政合計」を分母とする数値を使って(県財政」からの「民生費」や「教育費」の支出が多かったとしても、市町村レベルで同支出が極
端に少なければ、当然、「県・市町村財政合計」の県全体の同支出は大幅にダウンせざるをえません)「一人当たりの民生費、
つまり福祉費は六位、最下位です」とか、「教育費も(東北6県中)六位」とか糾弾するのは、不当な攻撃そのものといわなければならないのではないでしょうか?

上記では「民生費」を例にとりましたが、「教育費」についても「衛生費」についても同様のことがいえます。

(4月9日・追記)

このエントリで紹介した東本(higashimoto)氏の共産党批判に対し、日本共産党員のsaruさんという方が反論をされていますので、こちらも参考記事として紹介させて頂きます。

●「「浅野批判の誤謬」という誤謬(補充・追加)」(さるのつぶやき)

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8. 偽装大国ニッポン(ウィキ)  [ 言ノ葉工房 ]   2007年03月14日 14:43
[るかっちWikipedia] 偽装 [ 太古の昔〜 現在日本全国で量産される特産品。 大量発生している害虫。              わたしはひよこ。 アパの耐震偽装はスルーしてもらえるが、 偽装君が代はスルーして〉1
9. 最強の石原応援団「小泉純一郎」  [ 喜八ログ ]   2007年03月14日 14:57
当ブログは浅野史郎さんを応援します! 謎の憂国者「r」さんの緊急寄稿です。   ←ランキング投票をお願いします! (★引用開始★) 最強の石原応援団「小泉純一郎」が街頭に立つ日  実にうまい戦略である。 放送法にも公職選挙法にも抵触しない。 そして文句...
 東京都知事に立候補した浅野史郎氏は、政策提言として、次のような政策を進めるとしています(以下、浅野氏のホームページから引用・抜粋します)。 機‥豕に安心を取り戻す 1. 震災の不安  東京に大地震は必ずやってくる。  震災で一人の犠牲者も出さない東京にする...
11. 発毛促進剤リカピン  [ 発毛促進剤リカピン ]   2007年03月14日 21:09
59%の発毛率で副作用が出ないのはリカピンのみ!マスコミでも話題独占中の発毛促進剤リカピンがついに発売!
12. 浅野史郎出馬(3)  [ たんぽぽのなみだ~運営日誌 ]   2007年03月14日 22:07
浅野史郎氏が、東京都知事選に出馬する決心をして、 石原慎太郎氏との対決姿勢が、はっきりしてくると、 いままで、民主党のふがいなさを批判していた、マスメディアは、 こんどは、浅野氏の批判をやり出したようです。 たとえば、宮城県は、浅野氏が知事だったとき、、 借....
13. 華麗なるお二人???都知事選報道録2  [ はじめの一歩 ]   2007年03月14日 22:11
11日のサンデープロジェクト.櫻井よしこ氏と田中康夫氏が出演し,都知事選その他の話題について話した.そもそも,2人を『華麗なるお二人』と持ち上げる番組のセンスがよくわからない. とは言え,その内容をいくつかかいつまんで.. まず櫻井氏.石原さんは「治安...
14. 政治の素人でもわかる浅野擁護派への批判、カミソリの刃の如し  [ 花のニッパチ、心のままに? ]   2007年03月14日 22:23
 今朝書いた記事の、あのフレーズは忘れられない。+++PPFV+++さんには申し訳ないけど、ここにも載せたい。載せて、私の脳裏に焼き付けておきたい。なので、+++PPFV+++さん、かんにん m(_._)m 。。。 「>共産党が独自候補の擁立にこだわって、反自...
15. [YamaguchiJiro.com]反石原の統一戦線を  [ +++ PPFV BLOG +++ ]   2007年03月14日 23:15
阿修羅で紹介されていた。 今回の都知事選については、今までそれなりに評価していた人たちのスタンスがあらわになってがっかりすることもあるのだけれど、まあいろいろ勉強にもなるし興味深くもある。 反石原の統一戦線を(YamaguchiJiro.com 2007/3/8) http://www.yamagu...
16. 風よ吹け!目覚めよ都民!意志を持ち石を払へ  [ kimera25 ]   2007年03月15日 02:16
政府・石原系報道機関「フジ・サンケイグループ」の先週末「都知事選」世論調査に寄れば、「慎太郎」と浅野氏にはまだ9%の差があるという。記事を引用したい。**********************************************************http://www.zakzak.co.jp/top/2007_03/t2007031323...
17. 浅野か吉田か 賭けの理論  [ みんななかよく ]   2007年03月15日 16:44
あー、このタイトルだと「ギャンブル必勝法」とかいうTBがくるな、きっと。 都知事選挙について、かめ?道場の相弟子さんたちが、エントリーを上げているので、都民のわたしも憂鬱で「贅沢な悩み」について一言、三言。 ? 憂鬱なのは、かなりな確率で吉田票+浅野...
18. 「浅野批判の誤謬」という誤謬  [ さるのつぶやき ]   2007年03月15日 17:30
 浅野氏が都知事選への立候補を表明して以来、マスコミのあおりもあり、石原vs浅野
19. 東京都知事選争点と下北沢  [ 下北沢の住人 ]   2007年03月16日 17:15
いや年とると月日の経つのは早いものよのう・・・。 三月を半分過ぎてしまいましたね。 今日の毎日新聞1面は都知事選候補について 都知事選:主要立候補予定者4人が公開討論会 昨日10チャンネルの報道ステーション、6チャネルの筑紫哲也に4人が そろって....
20. 「集中砲火」目をシバシバの石原 都知事選公開討論会  [ 反米嫌日戦線「狼」(一輝まんだら) ]   2007年03月17日 22:46
15日、都内で都知事選候補予定者による公開討論会が行われた。主催はボンクラ跡継ぎの集まり、東京青年会議所。 石原は卑怯にも、公務を理由に40分遅刻でスタート。 盛り上がったのはヤッパリ「東京五輪の賛否論争」だった。
21. 参議院選挙民主党予定候補者:憲法9条改変アンケートのまとめ《護憲候補倍増!護憲の風が吹いてきた》  [ エクソダス2005《脱米救国》国民運動 ]   2007年06月11日 05:33
《反戦な家づくり》の明月さんが提案され,ネット上の多くのブロガーの賛同(87名)を得て実施された,民主党と自民党の参議院予定候補者に憲法9条改定の是非を問うアンケートの結果がこのほど集約された.質問状はFAXないしEメールで送付されたものと思われるが,両党と...

コメント一欄

1. Posted by ましま   2007年03月14日 10:28
TBありがとうございました。
そういった傾向はかねがねあるとおもってましたが、こんなにはっきりと……。反論があれば是非聞きたいものです。各政党中一番サプライズのない政党。他党に劣らぬ党利党略の党になりさがるのか。志井さんの浮沈がかかってますね。
2. Posted by tenranzan   2007年03月14日 11:16
秋田県のHPにアクセスしましたが、2001年以降の統計データにはアクセスできません。(最近、URLが変わっている)。どうやってアクセスしたらいいんでしょうね。
3. Posted by ハラナ・タカマサ   2007年03月14日 12:13
トラックバックありがとうございました。
もうしわけありませんが、うっかりこの記事のトラックバックを削除してしまいましたので、お手数ですが、再度送信くださいますよう、おねがいいたします。
なお、記事は、当方からトラックバックいたしました記事におおくりいだきますと、たすかります。さきほどいただきました記事は、関係性がほとんどありませんので。
4. Posted by うみおくれクラブ・ゆみ   2007年03月14日 22:07
TBありがとうございました。
よく調べて検証なされましたね。感服いたします。
私も該当の赤旗記事を読み、数字だけでは、浅野前宮城県政の福祉政策は批判できない、安易な批判根拠だと、あきれていました。
5. Posted by MT   2007年03月15日 07:45
宮城県+民生費で検索かけたら志井さんの話に合致する資料がありました。
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/020300/100/2004/pdf/k-79.pdf
総務省自治財政局「地方財政統計年報」からの抜粋らしいです。
この資料では(都道府県民生費+市町村民生費)で人口1人当りの
民生費を割り出しているので、県予算のみの比較と結果が違うのだと思います。
6. Posted by MT   2007年03月15日 13:02
>現在3期目の愛知県の神田知事に「この1兆1千億の税金を食いつぶしたのはお前の責任だ」
と、共産党関係者は批判しているのですか?

http://www.jcp-aichi.jp/news/060922-121752.html
神田知事は、県の借金である県債残高を2期7年の間に1兆4000億円増加させ〜

http://hiromu.sakura.ne.jp/blog/2007/02/post_364.html
愛知県議会の民主党は、現職神田知事の与党だったわけですよ。
二期八年で「四兆円」まで増やし続けた借金予算も含め、
民主党は99.7%もの議案に賛成してきたわけです。

共産党は批判しているようですが、どう思われますか?
7. Posted by コミュニスト   2007年03月18日 07:29
管理人様へ
「薔薇、または陽だまりの猫」さんのブログに以下のコメントが出ていましたが・・・。

横田有史県議の一般質問=2005年9月21日
(二)十二年を総括する上で極めて重要な問題の一つは、何故十二年間で県債残高が七千億円から一兆四千億円と、 ... 全国一高い水道料金を宮城県民に押しつけてきたという反省は、全く見受けられません。 ... 国保の減免制度を改善し、 ...

www.ki.rim.or.jp/~jcpmk/yoko050921.htm -キャッシュ

横田県議の質問について、浅野知事はどうしたんでしょうか?ホント、そう思いますが、探してみます。とりあえず。
8. Posted by ポンタ   2007年03月21日 00:04
でも、浅野さんは、宮城県知事時代2度も「財政危機宣言」を出して、職員の給与を大幅にカットしながら、自分=浅野氏自身は、3期ごとに1億5千万円の退職金を受け取ってますね。これで「市民云々」と言うのは偽善じゃないですか?民間企業で、大幅赤字で倒産の予兆もあって経営者が退職金を億単位で貰います?やっぱりおかしいよ浅野さん。
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