すべてのはじまりは昨日見たIRからでした。


リアルビジョンが株式会社DSCの株式の53%超を取得し連結子会社化すると。これだけなら気にも留めないようなIRですがその中身を見てみると首をかしげてしまうところが何か所かあります。


図1

このIRに「DSCに対する貸付金100百万円を代物弁済する形で同社自己株式520株を取得することを要求し、(中略)本件につき合意に至りました。」と記載されています。


1億円の貸付金は返さなくていいから520株よこせと。気になるのはDSCの520株ってどれぐらい価値があるの?ってことなんですけど…
図2


ん?1株当たりの純資産が283万円?520株×283万円って15億円弱あるんですけど…。1億円で15億円の株券を取得するってちょっとムシが良すぎませんか?


それにDSCには事業継続の利益だってあるわけですからね。26年7月期なんて純利益5億円強計上してるんですよ?


実際に11月21日のIRではDSCの連結子会社化による業績の上方修正が発表されています。


明らかにリアルビジョン側に有利過ぎる買収です。怪しすぎる…。ここまで来るとなにか裏があるんじゃないかと勘ぐってしまうってもんでしょう。そこで振り返ってDSCがらみのIRを見ていきます。


まず10月16日にリアルビジョンとDSCの間で資本業務提携が締結されています。内容はこちら


要約するとDSCに90万株の新株を第三者割当として引き渡し、そのかわりとしてDSCの株式を146株引き受けるとなっています。(実際には90万株を1株につき223円でDSCに割り当て2億7百万円を調達し、その2億7百万円でDSCの株を146株取得することになっています。)


その他このIRでは株式会社RICAROという会社を割り当て先として新株予約権が12,651個(1個につき100株)が発行されています。行使価額は221円、現在の株価は603円ですから間違いなく権利行使されます。先の第三者割り当てと合わせると2,165,100株が新たに発行され、現在から最大で30%超の希薄化が発生します。(来期以降の業績を考えるときは基本的に希薄化後で考えた方が良さそうです)


その後の11月4日のIRで受け渡しが完了して、DSCはリアルビジョンの株式を90万株、13.02%分取得することとなります。


これによってひとつ考えられることが出てきました。


それは「未上場企業であるDSCを連結子会社化することで、DSCの事業価値(ちょっと言葉は違いますが、ここでは純資産や事業の継続によって得られる利益という意味で使います)を一気に上場化してリアルビジョンの株価に反映させてしまう」ということです。


一見リアルビジョンにとって馬が良すぎる買収劇に見えます。つまりDSCにとってはあまりにも安く株を売り過ぎているように見えるわけですが、そうは言ってもDSCは未上場企業なわけですから上場するまでは基本的にはキャピタルゲインを生みません。


そこでまずはリアルビジョン株を90万株取得し、その上で議決権の50%以上をほぼタダ同然でリアルビジョンに受け渡すと。そうするとまぁ連結化されるわけですからDSCの事業価値が一気にリアルビジョンの株価に織り込まれるわけですよね。


そうすれば先に受け取っている90万株を一気に現金化できるわけですからDSCにとっても悪いことばかりではなくなります。


というようなことを考えてみたんですけど…。でもこの考えもやっぱりちょっと無理があって、こんな回りくどいことしなくても買ってくれる企業はほかにもあったんじゃないかと思うんですよねぇ…。IRを色々見てみたんですが、なんか裏があるんじゃないかという疑惑は晴れませんでしたw


まぁ既にリアルビジョンはDSCの株式を取得済みですし、それに基づいて上方修正もしてますし、怪しいですけどそういうもんとして考えていった方がいいんでしょうね。


ちなみに上方修正が好感されて3日連続S高だと言われていますが、それにしては買われ過ぎです。上方修正を織り込みにいってるというよりも、企業そのものが変わってしまうことを織り込みにいってるように思います。


何年も赤字を垂れ流していたリアルビジョン自体に事業価値なんてほとんどありませんでしから、今後の株価はDSCの事業価値を表したものになると思います。(銘柄名はリアルビジョンのままですが、中身はそっくりそのままDSCに変わっちゃうっていう感じですかね)


もう一度DSCの直近3年の財政状態及び経営成績を見てみてください。
図3


売上、BPS、EPSの伸び。
図4

このビジネスモデル。


この企業の時価総額をいくらにするかという話になってくると思います。


DSCがIPOされたとしたらみなさんはどれぐらいのPERをつけますか?30倍でもいいなと思えるなら、30%の希薄化を踏まえても時価総額100億円です。


今後どうなるのか楽しみに待ちたいと思います。


(なお、私は会計の専門知識があるわけではないので記事の内容には誤りを含む可能性が大いにあります。もし詳しい方がいれば訂正をお願いします。)