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聖週間(セマナ・サンタ)のお菓子、トリッハのヘルシーバージョン。

伝統的な作り方 だと衣を付けて揚げるので「お、今日のデザートは魚のフライだね?」と茶化されるのがお約束(?)のトリッハだが、近年有名シェフたちに愛でられて大衆菓子から一流レストランのデザートに昇格、一躍脚光を浴びたのはこちらのバージョンである。

私も大好きでレストランに行く機会があれば(そして、メニューにこれがあれば)必ずといっていいほど注文する。

ずっと作りたいと思いつつなんとなく敷居が高いような気がしてずるずると先延ばしにしていたら、なんと最近料理モード全開の我が旦那に先を越されてしまった。

しかも今回のレシピでベースとなる厚切り食パンを焼くことから始めるこだわりようである。
Torrija caramelizada (1)
カットしていないブリオッシュを1斤買うという手もあったが、結構高いしそれ自体カロリー高だから、やっぱり経済的かつヘルシーということで自家製パンで作ることにしたらしい。

最近はホームベーカリーでパンを作るのも旦那の仕事だ。

結婚当初と比較して、進歩したものだ。

本人曰く「今までの人生で親から料理を教えてもらったことが一切無かった」から「料理ができなかったのは当然」なのだそうだが、自他ともに認める食いしん坊が、自分で食べたいものを自分で作りたいという欲求にかられて料理したいと思うようになったのは、当然の成りゆきともいえる。

生まれつきの不器用人だから端から見ていてハラハラしたりイライラしたりすることも多いが、温かく見守っていくつもり…というのは真っ赤な嘘でいつも旦那が料理し始めたらとっとと退散を決め込むことにしている。

でもこんなこと言っているうちが花で、うかうかしていると私より料理上手になってしまうかもしれない。

そしたら私は左うちわでブログ更新に専念させていただこう(妄想)

話がどんどん横道に逸れているが…ええと、トリッハだった。

この作り方だと厚切りにした食パンに浸し液を染み込ませて仕上げにキャラメリゼするだけなので、スプーンですくうとあくまで表面はパリッ、その下の浸し液をたっぷり吸い込んだパンは口に入れるとじゅわじゅわととろけて、うっとりするような旨さである。

衣を付けたり油で揚げたりしない分ずっとずっと簡単に出来てしまい、なんだか拍子抜けした(作ったのは私ではありませんが)

これは余談だが、このトリッハを食べていてふと子供の頃大嫌いでどうしても食べられなかったパン粥のことを思い出した。

ちぎった食パンを甘く味付けした牛乳でとろとろになるまで煮込んだもので、その甘ったるさといいグニャグニャした食感といい、飲み込もうとしても飲み込めないほど苦手だった。

食わず嫌い対決でこれ出されたら一発でバレバレであろう。

ところが病気になると食事は決まってパン粥が出され、「(病気で)辛い思いしているのに、その上拷問?」といつも泣きそうだった記憶がある。

おおかた母の好物だったとかだと思うのだが、よく考えてみたら材料といい甘く味付けした牛乳に食パンを浸すコンセプトといい、トリッハとパン粥ってそっくりではないか。

大好物と大っ嫌いな食べ物が紙一重、ということもあるんですね。

それはさておき、作るのは超簡単かつ一同の称賛を浴びること間違いなしのノンフライ・トリッハ、セマナ・サンタにぜひお試しあれ。


❖トリッハ(油で揚げないバージョン)❖
torrija sin freir



材料:(4×8㎝のトリッハ 10個分)

食パン・・・1斤
生クリーム・・・500㎖
牛乳・・・500㎖
バニラビーンズ・・・1本(無ければエッセンス等で代用)
砂糖・・・125g+キャラメリゼ用に適宜


作り方:

1. まず食パンを厚さ2㎝(お好みでもっと厚みをつけてもよい)に切り、1人分にちょうど良いと思われる大きさに等分する。耳はすべて切り落とす。

2. 鍋に牛乳をいれて火にかけ、沸騰したらバニラビーンズ(エッセンス)と砂糖を加えて火からおろす。1をバットなどの容器に並べ、鍋の中身が冷めて来たら漉し器を使って上から静かに回しかけ、食パンが浸し液を吸収するまで何時間か冷蔵庫に入れておく(前日の晩に作っておいてもよい)
Torrija caramelizada (3)
3. トリッハを崩さないようにバットから取り出し、浸し液を十分に切ってから皿にのせる。上面に砂糖を敷き詰め、調理用バーナーか焼きゴテを使ってキャラメリゼして出来上がり。
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この日ランチに招待した父が、手土産にコーヒーアイスクリームを持ってきてくれた。
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最強の組み合わせ。




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