2005年12月11日

松山あげ

530f3028.JPEある地域やそこに暮らす人にとっては、あまりに当たり前すぎて何とも思わないことが、よそから見ると新鮮だったり驚きだったりすることはよくあることです。

てっきり共通語だと思って使っていた言葉が方言だったり、毎日のように口にしていたものがローカル食だったり・・・。「灯台下暗し」とはよく言ったものです。

松山市で120年続く程野商店の「松山あげ」もそんな例の一つ。地元では味噌汁や煮物、炊き込みご飯などに欠かせない食材として親しまれています。

しかし、モノがモノだけにガイドブックに載せられてなどいません。松山の人たちにとっては、あまりにも当たり前すぎる存在なのか、あるいは、それこそ全国どこにでもある食材と思い込んでいるのか、県外の人にわざわざ教えることもありません。

ですから、松山で暮らし始めた2年前、近所のスーパーで確かに目にはしていましたが、「松山の油揚げだから、松山あげ?」くらいにしか思わず、特段気に留めることもありませんでした。

一人暮らしの自炊で困ること、それは食材を使い切れずに無駄にしてしまうことです。油揚げの味噌汁も3夜連続はできれば避けたい、でも日持ちがしない・・・で、結局処分の繰り返し。そんなとき、いつもの売り場でふと「松山あげ」を手にして驚きました。

フワッとした軽さと、袋に表示された賞味期限。そこには数ヶ月先の日付が記されていました。「これって、油揚げ???」。好奇心だけで買い求め、早速、味噌汁に入れてみると、これが何とも言えない風味の良さで本当に美味しいのです。

すっかりファンになり、「松山あげ」についてあれこれ調べてみると・・・。製造している程野商店は1882(明治15)年創業。当時は「干し油揚げ」と呼ばれていました。

昭和の初め、国鉄の松山開通を契機に、伊予の名産として販路を拡大。1964年、名前も「松山あげ」と正式に命名したのだそうです。抜群の保存性から、遠洋漁業や南極観測船の船内でも重宝されたというのもうなずけます。

機械化が進む中でも程野商店の「松山あげ」は手作りの良さを生かし、いまも大豆と菜種油が主原料で、化学添加物は一切使わない自然食品です。

関東から九州までの量販店に出荷するほか、最近は通販でも注文を受けつけていて、ファンが全国に急増中とか。「和食に限定されず、中華や洋食でも楽しめる食材にしたい」と、自社ホームページでのレシピ紹介にも力をいれています。

板状になっている「松山あげ(小判)」と「松山あげ(きざみ)」の2タイプあり。
きざみは、味噌汁にパパッ、うどんにパパッと本当に便利。我が家の常備品です。

zehicolle at 21:59│Comments(0)TrackBack(0)

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