全日本学生自治会総連合中央執行委員会は、7月23日に声明「高等教育予算の削減をやめ、その抜本的増額を求めます」を発表しました。


2010年7月23日

高等教育予算の削減をやめ、その抜本的増額を求めます

全日本学生自治会総連合中央執行委員会

 「学費と生活費のためにバイトのしすぎで死にそう・・・」「大学に受かったが学費が払えず1 年間バイトをしている」「学費を滞納していた父を責め、お金がかかっている自分も責めるという状況でした」「奨学金のローンが20 年。返済が不安」−世界一高い日本の学費が学生とその家族を追い詰め、「学びたくても学べない」状況が広がっています。

 学生の実態が深刻になる中、政府は高等教育予算のいっそうの削減につながる方針を決定しました。これは、学費値上げ・教育研究環境の切り下げに直結しかねないものです。
 6月22日に閣議決定された「財政運営戦略」の「中期財政フレーム」によると、「政策的経費」は年率8%の削減を余儀なくされます。これに従って大学の基盤的経費である国立大学法人運営費交付金や私立大学等経常費補助を削減する場合、国立大学で927 億円、私立大学で258 億円の予算が削減されることが予想されます。

 国立大学の収入は、その半分ほどを国からの運営費交付金が占めています。文部科学省の試算によると、仮にこの運営費交付金削減の穴埋めを授業料でまかなう場合、学生一人当たり年23 万円もの値上げ(現行授業料の43%増)が必要になります。研究経費の削減でまかなう場合、大学の研究機能が停止したり、複数の大学の廃止にもつながりかねない規模です。私立大学では、経常費のわずか11%(平均)しかない国庫助成のさらなる削減によって、各大学を学費値上げや深刻な経営難に追い込むものです。
 これ以上の学費値上げは、学生にますます重い負担を押し付け、教育格差の拡大に拍車をかけることになります。多くの国民の世論であり、国際的な流れでもある教育費無償化に逆行するものです。

 同時に予算の大幅削減は、未来をつくる私たち学生が学び成長する場である大学そのものを破壊する行為です。日本と世界の未来を担う若者を育て、社会の基盤をつくりだすという政府の責任を放棄するものであり、断じて許せません。
いま、学生と大学にとって必要なのは、高等教育予算の削減ではなくその増額です。学費負担を軽減し、教育研究環境を整え、だれもがお金の心配なく学び成長できる学園と社会をつくることが求められています。国立大学運営費交付金、私立大学等経常費補助の削減をせず、高等教育予算を抜本的に増額するよう強く求めるものです。

以上