【全学連ニュース】 全日本学生自治会総連合

「学びたい、交流したい」「奨学金を拡充してほしい」「施設・カリキュラムの改善を」「平和や憲法を大切にしたい」「就職難をなんとかしてほしい」。  こういった学生に共通する願いの実現へ思想信条の違いをこえて、みんなで力をあわせるのが学生自治会、その全国的な連合体が全学連です。 各地での取り組みなどを紹介していきます。

カテゴリ: 東日本大震災

被災者の奨学金債務が減免対象になりました!!
 被災者の奨学金債務を減免対象となります。これは、全学連も参加する「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会(奨学金の会)」が、文部科学省に求めていたもので、被災者支援の重要な一歩です。
 「奨学金の会News(No.47)」の記事を紹介します。

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「私的整理ガイドライン」を適用
 東日本大震災で住居や勤務先など生活基盤や事業基盤が被害を受けて、奨学金が返せなくなった返還者に対して、政府の「二重債務問題への対応方針」に従い、債務免除されることになりました。この「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」は7月に策定され、8月22日から適用を始めています。
要請を拒否してきた文科省
 この問題は、震災直後から奨学金の会が政府に求めてきたものです。しかし文科省はこれまで被災した奨学金返還者への減免措置について、「猶予を活用してもらいたい(4/7文科省要請)」「被災したことをもって返還免除することは現時点では考えていない(6/23文科省要請)」と頑なに減免措置を拒否してきました。
私たちの運動の成果
 その後、住宅ローンや事業資金のローンなどが震災からの復興に重い障害となっていることが、いわゆる二重債務問題として国政でも大きな課題となりました。被災者が抱える既存債務の中に奨学金が含まれることは当然であり、今回の対応は私たちの運動の成果です。
早く知らせ、広く適用させよう
 しかし、文科省は「新たな返還免除ではなく、学生支援機構の償却規定に含めただけ」と説明し、積極的に制度改定を知らせようとしていません。9月以降適用されたケースもごくわずかです。震災の被害から懸命に立ち上がろうとしている人々に対して、一刻も早く必要な情報を届け、できる限り広く適用させていく姿勢が求められています。

<全学連の要求がみのり、授業料減免を文科省が支援>
専修学校授業料減免ビラ 東日本大震災で被災し、経済的に就学が困難になっている専修学校や各種学校の生徒にも、授業料減免への支援を行うことを文科省が明らかにしました。
 専修・各種学校生への授業料減免への支援制度は、全学連が4月25日の文科省への要請で求めていました。阪神・淡路大震災の時には実現しなかったものです。
 授業料減免を実際に行うためには、各都道府県での条例の改正が必要となる場合が多いようです。各都道府県、各学校窓口に問い合わせてみてください。その上で、「減免が受けられない」「よくわからない」ということがあれば、下記の連絡先にご連絡ください。

全日本学生自治会総連合
 Tel:0422-38-9047
 Mail:zengakuren@infoseek.jp

奨学金の会の署名提出集会(5/25)での、全学連・藤浦委員長の報告を紹介します。DSC_0607

<授業料免除の拡充を>
 今度の震災は、学生生活にも大変な影響を及ぼしている。長野県の大学に通うある父子家庭の新入生は、父親の実家が被災し、そちらへの支援が必要になり「仕送りはできない」とお父さんに言われた。第1次補正予算で、授業料免除のための追加予算が計上されたが、文科省が予算規模を決めるときに対象としたのは、「主たる生計支持者の現住所が被災地にある学生」だけ。
 親が被災したわけではないが、震災の影響を受けて授業料の納入が困難な学生は少なくないはず。学生や保護者にとっては「待ったなし」の大問題。早急に、学生やその家族などの被災状況を詳細につかみ、「必要な財政支援は惜しまない」という方針を明確にしてもらいたい。

<奨学金の拡充、特に給付制奨学金の創設を>
 授業料免除をすることはもちろんだが、震災の影響で、学生は生活そのものが成り立たなくなっている。宮城大学のある学生は、「教科書代をバイトで賄っていたが、2か月近くバイトができておらず、講義には出れても教科書が買えない」と話している。宮城の大学に通う山形出身の学生は、「家庭があまり裕福でなく、仕送りは家賃と水道代にあてて、あとはバイトで生活費を稼いでいた。津波の影響でバイト先が営業停止し、バイトができない。ハローワークに行ってもたくさんの人が並んでおり、バイト先が見つけられない。収入はなくても、支出はある。どう暮らしていけばいいのか。早くアルバイトを見つけなければ」と本当に深刻。「今年は弟も大学に入ってくるが、自分がバイトで稼げない分、両親に負担がかかってしまう。奨学金は、働くのが困難な学生にも出してほしい」と切々と話してくれた。
 学生の生活を保障することも急務。貸与制の奨学金は、これまでも、「卒業時に数百万円の借金となることが不安で借りられない」と、借りることをためらう学生がいる。震災で、多くの家庭が財産や仕事を奪われた。奨学金制度の拡充、特に給付制奨学金の導入は急務。いまこそ、導入に踏み出すべき。

<大学施設の修復・復旧も急務>
 また、下宿先や大学施設の被害も深刻。宮城のある大学生は、「アパートが浸水。仮のアパートに住んでいるが、このアパートも浸水被害を受けたので改修工事をする予定。一時的に退去しなければならず、住居の移転などは全て自己負担で賄っている」状態。岩手県のある私立大学では、図書館や研究室で書架が倒れた。図書館では、書架を壁に固定しているピンがとれた。職員の方は、「余震があれば大変だけど、修復にはお金がかかって大変なんですよ」と話している。
 学費も施設も、「学生の学びを保障する」という、確固とした姿勢で、取り組んでもらいたい。

<これまでの深刻な実態も一体に解決を>
 「家庭が大変」という問題は、震災が起こる以前からもあった。これまでも、家庭の経済状況で就学が左右されていた。立命館大学の学生の実態を紹介したい。
 『高校生の時、学費を全額免除してもらいながら奨学金も借りており、高校卒業時点で、奨学金の返済額が200万円もある。母親は、鬱病のため治療費を払っており、「自分が死んだら治療費もかからないし、この先生きるお金もかからない」と考えていた。課外活動との兼ね合いもあったため、なんとか下宿させてもらうようになったが、月の仕送りは5万円で、家賃と光熱水費を払うと、手元に残るのは1万円。残りはアルバイトでまかなうしかなかった。課外活動が夜遅くまであるため、アルバイトもあまりできず、食事の量を減らしたり、本を買わないようにしながら、なるべくお金を使わないよう生活をしていた。当然、遊びに行くお金もなく、友達が遊びに行っているのを見ると、自分が惨めでならなかった。親と電話をしていてもお金の話ばかりで、親も大変だということがわかっているから、お金のことでもめていることが苦痛でならない。将来、教師になりたいが、大学を卒業後、高校と大学の奨学金を返済しなければならないことが不安』
 こういう状況を、放置するわけにはいかない。被災学生と一体に、すべての学生の学びの機会を保障する必要がある。

<教育・研究の力で復興を>
 「震災をのりこえ、復興をはたす」−この中心に“教育”を据えることができるかが、いま鋭く問われている。多くの学生が「何か力になりたい」と、ボランティアや募金活動に立ちあがり、原発問題や、これからの社会のあり方への模索も広がっている。これからの長期にわたる復興には、教育・研究の力、学生の力が欠かせない。国難ともいわれる今だからこそ、被災学生はもちろん、すべての学生がお金の心配なく、希望をもって学べる環境をつくることが、政府の責任ではないだろうか。

奨学金の会が4万7365署名を提出
 奨学金の会は5月25日、震災復興と教育のあり方を考える集会を開き、45人が参加しました。
 全学連、宮城高教組、福島県立高教組、全院協などの代表が生徒・学生・院生の実態を報告。全学連の藤浦委員長は、被災地の学生の実態とともに、被災していなくても経済的に進学や就学が困難な学生がいることを強調。「すべての学生の学びを保障し、教育の力で復興を」と訴えました。DSC_0617
 また、三輪定宣会長(千葉大学名誉教授)が「震災復興と憲法26条」と題して講演。中等・高等教育の無償化と奨学金の拡充を求める請願署名4万7635人分を国会に提出しました。

 紹介議員は城内実(無)、服部良一(社)、宮本岳志(共)各衆院議員、糸数慶子(無)、井上哲士(共)、吉泉秀男(社)各参院議員です(50音順)。

岩手県の大学(東日本大震災Α
 授業料・生活費が工面できなくなり、「4年生になれたからなんとか卒業したいけど、やめるしかない」と相談してきた学生がいます。「(授業料を)分割して払う」「今はダメでも、半年後、一年後には(授業料を何とか工面する)」「実家の被害が大変だから手伝いに帰ってきてほしい」と相談してくる親もいます。大学独自に授業料相当の給付制奨学金をしているが、(全員分となると)大きな金額になってしまい、小さい大学だと厳しいです。文科省からの支援もありますが、授業料だけで他の諸費は対象外です。学生が途中で学業を断たれることがないよう支援してほしいです。
 ある宮城県石巻市出身の学生は、実家がコンビニ経営をしており、被災した店を再開し、地域の人からは大変喜ばれ頼りにされているそうです。ただ、父親は体調が悪く母親しか働けないとのことです。両親は「せっかく大学に行ったんだから、何とか卒業してほしい」と伝えていたが、その学生は両親だけに苦労はかけられないと、退学することを決めました。

書記局のひと言
 授業料だけの支援では、学生生活を支えられないことが明らかになってきています。すべての学生の学ぶ条件が整うよう、財政支援を惜しまず、給付制奨学金の導入にも踏み出すべきです。

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