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怪奇!!上半身血みどろになって夜の院内をさまよう少女患者の霊!

おわかり頂けただろうか・・・(重低音)。 実はさっちゃんがこの病院の怪談を自ら製造して回っているのではないかという疑惑。決して治癒しない傷口、夜ごと院内をさまよう少女の影、ベッドの下から響くラップ音、動く遺体・・・。さっちゃんは強制退院させられる前にもう一度以前のように消毒用アルコールを誤飲して頭をすっきりさせた方がいいかも。小児科病棟をうろついた日には子供達に深刻なトラウマを与えそう・・・

229卵性で校舎3階から転落して頭部に外傷を負ったさっちゃん。そう言えば6年3組が3階にあったというのは新情報ではないでしょうか。それはさておき、さしものさっちゃんも怪我には勝てずに入院する羽目となり、ひとはが全身寄せ書き台紙となってさっちゃんを慰めたのが前々回。この時は「命に別状はないが入院」という説明しかされていませんでした。怪我の描写から頭を打った様子だったので、さっちゃんなら頭のネジが正しくはまってこんな感じ(リンク先pixiv)になったのかしらうふふ的な絵を描いたりしていたのですが・・・

さっちゃんマジさっちゃん。そのようなヌルさは微塵もなく、病院にみなぎる霊の気配に感応して通常以上におかしくなっていたのでした。今回はチーム杉崎+ひとはさんのお見舞いで始まります。入院先の埼玉中央総合病院にお見舞いとして持参したのは「黒い千羽鶴」と「菊の花」。不吉そのものではありませんか。たじろぐ3人に「本人の希望だもの」で納得させるひとはさんですが、実はさっちゃんの希望では無くひとはさんが気持ちを汲んだ物である事が発覚。しかも千羽では無く666羽である事を知りさっちゃん大歓喜。実はみんなが来る前からお見舞いに足繁く通っていたようなのでした。一昨年の夏、同じベッドで一夏を過ごした二人ならではの以心伝心と言えましょう。

さてそのさっちゃん。大人しく入院しているかと思いきや、自分のベッド下からスライドしながら登場します。ベッドの裏のお札を探していたようですが、ゆくゆくは全病室の ベッド裏を調べるという聞き捨てならぬ宣言まで飛び出します。空きベッドならまだしも人がいたら無理でしょう・・・。霊魂の宝庫である病院を満喫しつつある松岡さん。確かに現代日本では多くの人は自宅ではなく病院のベッドの上で亡くなるわけで、霊は病院にこそ濃厚に存在するのかもしれません。そんな霊魂の草刈り場のような所に突入してしまった松岡さんは、入院中にかかわらず一睡もすることなく霊的探求にいそしんでいたという恐るべき事実。そしてその肉体は、頭部に巻かれた包帯のみならず、右足のがっちりしたギプスから見るに骨折、両腕にも包帯で意外と各所に怪我をしています。そして毎夜の徘徊は傷に治癒の暇すら与えないという肉体の酷使ぶり。おかげで入院は順調に長引いているようです。

自分の趣向を完璧に理解してくれるひとはさんに有頂天になって、骨折をものともせず徘徊に連れ出すさっちゃん。そこまでさっちゃんを幸せにしてあげられるひとはさんに嫉妬を覚える吉岡さん。これはちょっと新しい吉岡さんですね。嫉妬の方向がよく分からないというのは宮ちゃん杉ちゃんに同意ですが。

さて、さっちゃんがさすがに嫌がるひとはさんを連行しつつ突入したのは人影の無いB1の霊安室。薬石効なく・・・の方々のご遺体が家路につくまでのしばしを過ごす部屋にためらう事なく突入するさっちゃん。早速頭の傷が開いて出血までしている有様。神出鬼没のさっちゃんに置き去りにされたひとはさんが何とか血痕をたどって行き着いた部屋に静かに眠るご遺体・・・はさっちゃんでした。さすがの連日連夜の探検で疲れ切ったのか顔に白布をかけての熟睡です。寝かせておいてもいいようなものの、さすがに場所が場所だけに背負って移動させようとするひとはさん。そこへ同じく血痕をたどってきた3人が!

最初から全力疾走の今回。際どいネタながらすばらしい読み応えでした。どうも休載以後連載時の現実時間と作中時間はズレてしまった(今回も夏休みでは無く学校に行っている)ようですが、さっちゃんにふさわしい立派なお盆回でした。黒い千羽鶴が666羽しかないし・・・の部分は思い出し笑いをしてしまうレベルでツボに入りました。ひとはさんとさっちゃんが結んだ友情の深さという意味でも味わい深いと思います。あと各部の描写から病院を相当しっかり取材したのではと感じました。無いとは思いますが、休載中にのりお先生にそういうイベントが・・・? さっちゃんもあまり無軌道にエンジョイすると病院にいられなくなるので、ほどほどにお大事にして頂きたいと思います。